アメリカ、フィラデルフィアのバイオテクノロジー企業バイオクオークは、脳死は人々が思っているような完全なる死ではないと信じている。
脳をリセットすることができる薬剤を何度か投入すれば、患者は再生する可能性があると主張する。
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Bioquark Inc. Company Video 2013
脳死の定義を覆すことにチャレンジ
数年前までは、人間は心拍機能が停止したら死亡だと言われていた。しかし、医学の進歩で酸素を体に送り、主要な臓器を機能させ続けることができるようになった。
ただし、脳だけはどうしてもだめだった。今日、ほとんどの国は、脳幹機能の永久喪失を死と定義づけている。
人は脳の機能が完全に失われたら、二度と再生できず、正式に死を宣告される。しかし、それでも脳は完全におしまいではないことを証明しようとした会社がある。
幹細胞を体内に注入して脳をリセット
幹細胞を体内に注入して脳をリセットするというこの画期的な治療の効果を証明するために、昨年、バイオクオークはインドで一連の実験を行うと発表していた。
しかし、この計画はインドの医療研究委員会によって反対された。それでもバイオクオークは諦めず、近い将来、南米の某国で実験を行うと発表した。
バイオクオークのCEOアイラ・パスターと、共同研究者のインドの整形外科医ヒマンシュ・バンサルは、まだ実験の詳細を発表していないが、キャンセルされた実験の記録からすると、脳死を再生する彼らの方法はとてもいいアイデアと言えそうだ。
バイオクオークは、外傷性脳損傷で脳死を宣告された12歳から65歳の患者の脳をMRIで調べ、再生の可能性があるかを探る計画だ。
その後、患者自身の血液から幹細胞を採取し、それを本人の体内に注入し直す。さらに、患者の脊髄にペプチドを投与し、レーザー照射や正中神経への刺激を15日間続けて、脳死から蘇生させようというのだ。
これから行う実験対象になる患者は実質的には死んでいるため、バイオクオークが彼らの同意をどうやって得るつもりなのかはわからない。
リアニマプロジェクト
賛否を呼びそうなこの実験は、リアニマ(ReAnima)と呼ばれる人間の神経再生や神経復元という大々的なプロジェクトの一環らしい。
アイラ・パスターはこれの諮問委員会のメンバーになっている。彼の話では、リアニマ・プロジェクトの使命は、脳死や回復の見込みのない昏睡状態の患者の臨床研究に重点をおいて取り組むことだという。
この患者たちは、法律で定められた死の基準に最近、適合したが、まだ生命維持装置をつけていて、いわば生きている死体として分類されている。
via:bioquark・sciencealert・odditycentralなど/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
我が眠りを妨げる者は何者か?
2.
3. 匿名処理班
あと30年もしたら死んだ脳と量子コンピュータを丸ごと取り替える技術とかが実用化してそう
4. 匿名処理班
ウォーキングデッドの始まり
5. 匿名処理班
記憶はどうなるんだろう…
部位にもよるけど
6. 匿名処理班
リセットしちゃったら駄目じゃねーか。。。
カラダの制御が出来ない完全に狂った状態で生き返るんじゃねーの?
7. 匿名処理班
恐ろしい技術かもしれんが、閉じ込め症候群がこれで簡単に治るようになるなら朗報だな
8. 匿名処理班
ホームセンターの近くに引っ越すわ
9. 匿名処理班
この記事の構成を見てると、誰しもゾンビの登場を心待ちにしてるんじゃないのかと思えてくる
10. 匿名処理班
この手のニュースは新手の詐欺にしか見えないな
杜撰な冷凍保存とかも同類だけど
11. 匿名処理班
その人は本当に死ぬ前と同一であるか、とかそういう議論がなされる予感
12. みあきち
パルモ先生、「肝」と「幹」の字が混ざってないか?
自分の幹細胞で脳死した脳を再生した人格が「本人のまま」ならとにかく、
もしも「新しい人格」になってしまうなら、それは映画・トータルリコールでの主人公としての人格のダグ・クエイドと、「ダグを都合のいい人形」に利用としていた「本来の人格」のハウザーだったかの関係を思い出すな。
13. 匿名処理班
何をどう読んでも無理にしか見えん。
基本的な脳の構造さえ分かってるかどうかも怪しい企業だな。
14. 匿名処理班
イーガンの初期のやつにあったね。犯罪被害者の頭だけ、短時間、よみがえらせるってアイデア
15. 匿名処理班
ロボットやらバイオやら、未来はせわしねぇな。
16. 匿名処理班
リセットする薬剤を......この時点で駄目だな