男「妹、コンビニ行くけどなんかいるか?」妹「…」
男「今読んでる漫画って最新巻じゃないよな?」
妹「…」
男「お兄ちゃんが買ってきてあげようか?」
妹「…フンッ」
男「…」
男「じゃあ少しだけ家出るな」
ガチャ
男「…」
男「うわあああもうイヤだあああ!」
男「完全に妹に嫌われたあああ!」
男(なんせ俺の妹はそういうのを毛嫌いするタイプ…だから俺も妹に合わせて誠実なキャラを演じていた)
男(しかし昨日、俺がこっそりアニメを見てるのが妹に見つかった)
男(それからというもの妹の態度は一変してしまった)
男「これから何とか妹の信用を取り戻すぞ」
男「あー風呂入ってさっぱりした~」
男「お、妹がテレビ見てる!話しかけるぞ~頑張れ俺」
男「よ、よう妹!なに見てんだ?」
妹「…」
男(しょげるなよ俺!)
男「どれ、お兄ちゃんも一緒に見ようかな!」
男(なにぃー!?妹が見ているのは将棋じゃねえか!?)
男「い、妹、これ面白いのか?」
妹「…」
男(待てよ、俺がアニメ好きなオタクってイメージを払拭するためにここは便乗するんだ!)
男「この人すっごく強いんだよな!」
妹「…」
男(と言っても俺ほとんど将棋分かんねぇんだよなぁ)
男(勘でいくしかねぇ!)
男「うわーそこに飛車動かすかー」
妹「…」
男「お、俺ならここに動かしてたなー」
男(多分合ってる合ってる)
男「妹ならどこに動かす?」
妹「…」
妹「…ここ」
男(ダメだ全然分からん!!妹がプロ過ぎてついていけない!!)
男「あ、今の手はどうだ妹?」
妹「…」スッ
男「どうしたんだ妹?」
妹「…寝る」スタスタ
男「え、あっちょっと待っ…」
男「…」
男「まだ番組途中なのに…」
男「もうダメだ…妹に嫌われたことなんてなかったから…どうしたらいいか分からん」
男「妹!今日は休みだな!」
妹「…」
男「その、これから○✖️デパート行くついでに、初めて行くんだけど映画館行かない?」
妹「…」
男「観たい映画あるなら言ってくれ!それを見よう!」
男(本当は最新のアニメ映画観にいきたいけど)
妹「…」
妹「…死ね」
男「!!」
男「わ、悪かった…お兄ちゃんちょっと強引過ぎたよな」
男「妹にも予定あるもんな、ごめん」
妹「…チッ」
男「そ、それじゃ俺は出かけるから」
バタン
男「き、きっと何かの聞き間違いだ」
男「あれ…俺の抱き枕がない」
男「あれがないと寝れないんだよなぁ」
男「お母さんとかが洗ったのかな、妹の部屋行って聞いてみよう」
ガチャ
男「おーい妹…」
ザクッザクッザクッ
男「えっ…」
男(な、なんだよあれ…)
男(妹が俺の抱き枕を…切り刻んでる…)
男(ナイフ…ナイフで、切り刻んでる、あんな必死に)
男「ひぃっ!?」ビクッ
男「すまん!」バタンッ
男(やばい…バレてた…いや問題はそこじゃない…)
男(殺される…近いうちに俺は殺されるんだ…)
男(もしあれが俺を殺すシュミレーションだったとしよう、俺の死因は惨殺)
男(動機は…ずっと騙されていたということ)
男(いつだろうか…でも少なくとも俺は昨日あいつがナイフを振り回しているのを見てしまった)
男(そして妹もそれに気付いていた、時間はもうないだろうな…)
スタスタスタ
男(い、妹が起きてきた!)
男「い、妹おはよう!俺はもう家を出るとするかな…」
ガシッ
男「!?」
妹「…」ギロッ
男(そして死角の右手には例のナイフを持ってやがる!!)
男「うっうわあああ!すまん!」バシッ
ガチャスタタタタ
男「はぁ…はぁ…はぁ…」
男「間違いない…俺を殺る気だ…」
男「自分の部屋に籠ってるはいいけど、どうする」
男「もし妹に襲ってこられたら終わりだな…」
男「だからってあの妹にして警察を使うなんて絶対できない、俺はまだ妹が好きなんだ」
男「もし妹が入ってきたら、謝ってから、本当はアニメ好きだってことを伝える」
男「それでも妹が襲ってくるというのなら仕方ない」
男「今まで自分を偽っていたことへの償いだ」
スタスタスタ…
男「!!」
男「妹だ…妹の足音だ、部屋に入ってくる…」
ガチャッ
男(来た!!)
妹「…」ズ-ン
私「明日出さなきゃいけない宿題なのに」
私「お兄ちゃんに聞くかー」スタスタ
私「お兄ちゃーん」コンコン
私「…」
私「返事がないなぁ…開けるよー?」
ガチャ
私「えっ…」
私(お兄ちゃんが…アニメを見てる…)
私「お、お兄ちゃ…」
兄「!?」
兄「い、妹!?」
私(やばいなんかお兄ちゃんむっちゃ焦ってる!)
私「な、なんでもない!!」バタンッ
スタタタタ
私「はぁ…はぁ…」
私「つい勢いで部屋に戻ってきちゃった…」
私「お兄ちゃんが…アニメを見てた…」
私「嬉しい!私と同じ趣味があったなんて!」
私(でもまさかあのお兄ちゃんもアニメを見てたなんて…)
私「お兄ちゃんが見てたのって涼宮ハルヒの憂鬱の長門有希だよね…」
私「もしかしてお兄ちゃんあーいう無口系のキャラ好きなのかも…」
私「私は寧ろあれと真逆のタイプだから、きっとお兄ちゃんが避けてアニメに逃げてるんだ…」
私「決めた!私明日から無口系ヒロインになりきる!」
兄「妹、コンビニ行くけどなんかいるか?」
私(き、来た!)
私「…」
兄「…」
兄「今読んでる漫画って最新巻じゃないよな?」
私「…」
私(こ、これでいいのかな?なんか気まずい感じになってない?)
私(えっ!?最新巻見れるの!?)
私(買ってきてほしい!だけどここで興奮するときっとお兄ちゃんに嫌われちゃうから…)
私(落ち着け…落ち着いて答えるんだよ…静かーに、おしとやかに…)
私「…フンッ」
兄「…」
兄「じゃあ少しだけ家出るな」
私(うわあああ間違えたあああ!)
私(うんって言おうとしただけなのにいいい!)
私(変に意識して鼻に抜けちゃったじゃん!難しいよ無口系ヒロイン!)
私「そろそろお兄ちゃんが風呂上がってくるころだな…」
私「やっぱり無口系ヒロインと言えば博識な感じだよね」
私「じゃあ見てるテレビもお笑い番組とかじゃダメじゃん!」
私「どんな番組がいいかなー」ピッピッピッ
私「やばいお兄ちゃんあがってきた!もうこれでいいや!」ピッ
兄「よ、よう妹!なに見てんだ?」
私「…」
私(将棋か…まあ博識な感じするし結果オーライだよ…)
兄「い、妹、これ面白いのか?」
私「…」
私(お兄ちゃん戸惑ってる戸惑ってるw私が頭良いって思ってびっくりしてるのかなぁ)
兄「マジか!実は俺も好きなんだよ将棋!」
兄「この人すっごく強いんだよな!」
私(えぇ!?嘘でしょ!お兄ちゃん将棋とか出来ちゃうタイプかよ!)
私「…」
兄「うわーそこに飛車動かすかー」
私(や、やべぇ~…この状況やべぇよお~)
私(お兄ちゃん結構詳しそうだし…私全然分かんないよ…)
兄「お、俺ならここに動かしてたなー」
私(この飛車ってやつは斜めに動けるんだ…)
兄「妹ならどこに動かす?」
私(ええー!そんな質問する?やばいよ…全然分かんない…)
私「…」
私(だけどお兄ちゃんが斜めに指指してたから取り敢えず反対側指しとこう…)
私「…ここ」
兄「そ、そうか、それもありだな」
兄「あ、今の手はどうだ妹?」
私(えっ!?そんな一手一手聞いてくるの!?ダメだこんなの耐えられない!)
私(私は無口、私は無口…)
私「…」スッ
兄「どうしたんだ妹?」
私「…寝る」スタスタ
私(つい逃げてきちゃったけど、上手く出来てるのかなぁ…)
兄「妹!今日は休みだな!」
私(びっくりしたぁ…お兄ちゃんか)
私「…」
兄「その、これから○✖️デパート行くついでに、初めて行くんだけど映画館行かない?」
私(行きたい!本当は最新のアニメ映画を観に行きたいけど…)
私(あれ、でもお兄ちゃんあのデパートの映画館初めて行くんだ…)
私(あの映画館はシネマカードがないと入れない…)
私(シネマカードは私が持ってる…それを伝えないと…)
兄「観たい映画あるなら言ってくれ!それを見よう!」
私(私は無口系ヒロイン、私は無口系ヒロイン…)
私「…」
私「…シネ」
兄「!!」
私(なんでそこで止めるんだバカあああ!)
私(違うのおおおつい力が入り過ぎて息が続かなかっただけなのにいいい)
兄「妹にも予定あるもんな、ごめん」
私(違う!違うの!)
私「…チッ」
私(違あああう!)
兄「そ、それじゃ俺は出かけるから」
バタン
私「まずいよ…焦っちゃったなぁ…」
私「もっと上手くなりきらないと…」
私(お兄ちゃんが観てたアニメを見返してキャラが大体分かってきたぞー!)
私「やっぱりあの子の魅力は冷徹なのにいざって時に守ってくれる強さだね…」
私「…」
私「ちょっとなりきってやってみよう…」
ーーー
私「敵役がいないからお兄ちゃんの抱き枕を借りてきた」
私「あとは、台所から持ってきたナイフを持って…」
私「とうっ」
私「私の仕事は涼宮ハルヒを観察して、入手した情報を統合思念体に報告すること…」
バタンッ
私「!?」
兄「…」
私(や、やばい…見られた?見られたかな?こんなやばい姿…!)
兄「すまん!」バタンッ
私「あっちょっと待っ…!」
私「…」
私「あっ!」
私「やばい当てないようにしてたのに、抱き枕に傷いっちゃった…」
私「もしかして見られたのかな…」
私「何にしても抱き枕勝手に使ったんだから謝らないと…」
私「あっキッチン通るとき昨日使ったナイフ戻さないと」
私「お兄ちゃんもう起きてるかな…」
私「いた…落ち着け、とにかく普通に謝ろう…」スタタタタ
私「おに…」
兄「い、妹おはよう!俺はもう家を出るとするかな…」
私(ええ!?なんで!ダメだちゃんと今謝らないと!)
ガシッ
兄「!?」
私(な、なんでお兄ちゃん涙目なの…!?)
私「えっ…」
私「…」
私「わ、私…もしかしてお兄ちゃんに嫌われたの…?」
私「お兄ちゃんが私の手を叩くなんて、よっぽどのことだよ…」
私「昨日のことだよ絶対…やばいよぉ…」
私「あ、そうだ…」
スタスタスタ…
兄「!!」
兄「妹だ…妹の足音だ、部屋に入ってくる…」
ガチャッ
兄(来た!!)
妹「…」ズ-ン
兄・妹「ごめん!!」
兄「え?」
妹「え?」
妹「お兄ちゃんこそ…何で謝るの?」
兄「…」
兄「妹、その抱き枕…」
妹「そう…これ、お兄ちゃんの抱き枕傷付けちゃったから、裁縫で直しておいたの」
妹「だけどちょっと歪になっちゃった…」
兄「そんなことどうでもいいよ…妹、怒ってないのか?」
妹「?」
妹「何のことか分からないけどね、私はこれを私にきたんだよっ」
兄「なんで!?」
妹「観に行こ?一緒に」
兄「妹…いいのか?」
妹「私も好きなんだ、このアニメ」
兄「妹…お兄ちゃんも、お兄ちゃんも好きなんだこのアニメ!」
妹「お兄ちゃんなに泣いてんだよー!」
兄「泣いてない!」
その後二人はアニメを通して更に仲良くなりました
おわり
元スレ
男「妹、コンビニ行くけどなんかいるか?」妹「…」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1498981166/
男「妹、コンビニ行くけどなんかいるか?」妹「…」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1498981166/
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コメント一覧
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- 2017年07月02日 21:08
- 勘違い系好き
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- 2017年07月02日 21:09
- アニメにハマっていると、誠実なお兄ちゃん(妹)に嫌われる
ってどういう論理やねんw
-
- 2017年07月02日 21:26
- 作りが地味に良いな
-
- 2017年07月02日 21:30
- モノホンのナイフはまずいですよ!
-
- 2017年07月02日 21:48
- 身近であったからすげえ分かるわ。
アニメ嫌ってると思ってた叔父さんがイベントでオタ踊りしてた時はさすがにビビった
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- 2017年07月02日 21:48
- いい兄妹
-
- 2017年07月02日 21:52
- やっぱ言葉にするって大切やな
-
- 2017年07月02日 21:53
- アンジャッシュで脳内再生されてしまった
-
- 2017年07月02日 22:51
- ※5
そんなんその叔父さんがアニメ好きだと知っててもビビるわw
-
- 2017年07月02日 23:52
- 突然長門のキャラ真似しねーだろって思いながら読んでたけどよく考えたら年によってはあり得ない話じゃないなって
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