中国の道路またぎバス「TEB」、関係者が詐欺容疑で拘束。公道に放置のテストトラックはようやく撤去
まだあったのね
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2016年に中国で試作車両が公開され話題となっていた、道路をまたぐ立体バス「TEB」は、やはり詐欺だった模様です。北京の警察当局はTransit Elevated Bus(TEB)の背後で違法な資金調達があったとして捜査を開始、関係者数十名を拘束したと発表しました。
TEBはもともとは7年前の北京国際ハイテク博覧会にそのコンセプトが提示されていた未来の乗り物でした。それが現実に姿を表したのは2016年8月のこと。
コンセプトの時よりもはるかに格好よい外観に作られた試作車輌と、300mのテストトラックおよびガレージを公道上に建設。その内覧会では実際に乗用車をまたいで走行する姿を披露していました。
ところがその後、テストトラックの撤去期限だった8月末を過ぎ、年末が近づいてもテストトラックはそのまま放置され、次第に埃まみれに。関係者との連絡もとれなくなり、巨大レールバスを開発するTEB Technology Limitedが財政的な問題に陥っているとの報道がなされました。
結局今年に入ってからも設備は放置され続けたため、中国の地方当局は7月2日になって撤去を決定。車両は近くの空きスペースに移動されました。さらに北京警察は、TEBプロジェクトの資金面を担っていた投資プラットフォームHuaying Kailaiに関わる30名余りを違法な資金調達の容疑で拘束したとのこと。
中国紙Southern Metropolis Daily(南方都市报) によると、TEBは内覧会の2か月後までに合計91億元(約13億ドル)を集めたとされ、現在までに72人の投資家から告訴されています。また、北京警察はTEBに投資した人は地元警察に申し出るよう呼びかけています。
TEBについては、当初からあの幅広車両を連結した状態でどうやって交差点を曲がるのか、信号機や標識、陸橋などとの干渉はどう回避するのか、背の高いバスやトラックが走行していたらどうするのかといった疑問も出ていました。また自動車関連ニュースサイトJalopnikは、TEB試作車の奇妙な点としてレールが敷かれているのにゴムタイヤで走行していたり、空調システムに家庭用エアコンが使われている点などを指摘しています。
7年前に模型で見た時は夢のような未来の乗り物に思えた交通機関TEBですが、その夢に投資した人(とテストトラック近隣の住民)にとっては腹立たしい結末となってしまいました。