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PS VR『Farpoint』レビュー。ガンコントローラの実在感に痺れる野心的VR FPS - Engadget 日本版

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PS VR『Farpoint』レビュー。ガンコントローラの実在感に痺れる野心的VR FPS

キャンペーンは通し約5時間、チャレンジは無限

Ittousai , @Ittousai_ej
5 時間前 in Fps
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PS VR専用ゲーム『Farpoint』(ファーポイント)のファーストインプレッションをお届けします。

Farpoint はPS VR専用ガンコントローラ『シューティングコントローラ』と同時発売の本格的なFPS (一人称視点シューティング)ゲーム。

従来型ゲームパッドのDualShock 4でも一応は遊べますが、ゲームシステムからステージデザインまで、PS VRとシューティングコントローラを前提に同時開発された作品です。

内容は、もしVRでなければ時代錯誤と言われかねないシンプルな一人プレイメインFPS。シューティングコントローラを宇宙アサルトライフルや未来ショットガンに見立て、SF映画にありがちな異星生物をなぎ倒し進むさまは「孤独なスターシップ・トゥルーパー」といった趣があります。

没入感を重視した結果リアルな、ある意味地味なビジュアルのため、写真や動画では古臭いFPSに見えますが、実際にゴーグルをつけてシューティングコントローラを構えて体験するのとは大違い。

頭の位置に加え銃の構え方まで認識する1:1トラッキングにより、遮蔽物から頭だけ出して覗く、銃だけ突き出してブラインドファイア、片目でホロサイトを覗きつつ反対の目で周囲警戒といった動作がそのままVR世界に反映され、原始的な「狙って撃つ快感」を思い出せさてくれます。

相性抜群のようで実は難題山積な「VRとFPSの融合」に対して、ソニーと開発元 Impulse Gearはどんな回答を出したのか、『Farpoint』には何を期待できて、何を期待すべきでないかを中心にまとめます。



プレイステーション公式によるFarpointの説明は「PlayStation VRが実現するリアル体感型シューティング」「プレイキャラクターの視点とプレイヤーの視点が同一となることで、ゲームの世界に入り込んだかのようなリアルな戦闘体験ができる」。まずは宣伝文句に偽りはありません。

まるで未知の惑星にテレポートしたかのような「そこにいる」没入感と、両手に構えたシューティングコントローラがそのままVR空間のリアルな銃になる「そこにある」実在感はたしかに本物。最初は見慣れぬ天体の浮かぶ異星の空を見上げたり、手に持ったSFチックな銃の造形と動作をあらゆる方向から眺めるだけでも楽しめます。



ゲームの構成はお話のあるシングルキャンペーンと、特定のマップを選んで制限時間内のゴールとハイスコアを目指すチャレンジモード、オンライン2人協力で挑むCO-OPモード。

シングルキャンペーンは通しで5~6時間程度と短め。また全モード通じて、敵やステージ構成のバリエーションも少なめで実にシンプルです。最近の競技的FPSでは重視される対戦モードもありません。

ありがちなVR射的ミニゲームでは決してなく、自由に移動できるれっきとしたFPSですが、最近の大作FPSではお約束の多数の武器やアンロック、多彩なカスタマイズ、探索とアイテム収集といった要素はありません。むしろアーケード的な感覚もあるシンプルなシューティングです。

お話は地味に大人向け。短編SF小説風



主人公は未知のエネルギー源を調査する宇宙ステーションから、謎のワームホールで未知の惑星に投げ出されたパイロット。荒涼とした地表で異星生物の襲撃を生き延びつつ、はぐれた科学者二人組の手がかりを探すのが導入部です。

ネタバレを避けるため深くは立ち入りませんが、キャンペーンは基本的に「残された映像記録を見つけて再生」「また別のログを見つけるまで戦闘」の繰り返しで進行します。

主人公はほぼ傍観者で、行方不明の科学者二人に何が起きたかを淡々と追う体裁。銀河を股にかけた大冒険や宿命の戦い、壮大な世界の謎解きといったものの当事者になることはなく、戦闘を通じて物語上の葛藤を解決するようなこともあまりありません。

一方で、傍観するしかないまま語られる物語は、ある意味「地味リアル」なビジュアルスタイルと似て、等身大に訴えかけてくる内容。派手さはないものの、ワームホールや未知の惑星といった設定を通して、極限状態に置かれた人間の心理と行動を描く短編SF小説の趣があります。

ここがすごいよガンプレゼンス



Farpoint を遊ぶなら前提といえるシューティングコントローラは、PS VRのプレイステーション カメラと内蔵センサにより、位置や方向を高精細にトラッキングするコントローラ。

従来のいわゆる「ガンコン」は結局のところポインタで、画面という枠のなかの平面から1点を指すものでしたが、シューティングコントローラはプレーヤーの体(頭)との位置関係や構え方まで、擬似的ながらVR空間に1:1で反映される仕組みです。

VR空間への1:1対応といえば、PC向けVRヘッドセット Oculus Rift のハンドコントローラ Oculus Touch は、自分の手指が直接VRに反映されて仮想物体を触れるような「ハンドプレゼンス」で高い評価を得ました。

PS VRシューティングコントローラの高精度なリアルタイムトラッキングは、ハンドプレゼンスならぬ「ガンプレゼンス」とでも言いたくなる実在感です。



(頭と銃の相対的な位置と向きから、人体モデルで擬似的に姿勢や構え方を推定してVR側に反映する方式。Oculus Touchの静電容量式センサのような、グリップを握っているかの認識まではできないため、たとえば片手で胸元に構えてもVRでは両手で持っている等の誤差はあります)

なりきりエイミング。本当のブラインドファイア

従来のFPSゲームでは「マウスやアナログスティックで視界を回転させ、画面の中心=照準を敵に重ねる」操作だったエイミングが、Farpointではゲーム内と1:1対応する銃を構えて本当に狙う動作。「狙って撃って当てる」原始的な快感はまるで別物になりました。

1:1トラッキングで銃を自由に動かせることがどうゲームに影響するか?について。まず最近のFPSでは、左トリガーで銃を眼前に構えた状態になり、サイトやスコープが拡大表示され細かく狙えたり、エイムアシストが有効になったり、弾の収束率や威力の数値が向上するタイプが一般的です。

一方、シューティングコントローラでは構えた腕と銃と頭の相対位置をそのまま反映できるため、腰だめで構えるのもサイトを覗くのも、逆に視線と射線を外してブラインドで撃つのも、およそあらゆる構え方がエイミングに直接反映されます。

一部の銃が装備するドットサイト(ホロサイト)も、現実の銃そのまま眼の前に構えて使います。「眼の前に構えるジェスチャでサイトモードが有効になる」のではなく、仮想の銃にサイトがモデリングされていて、実際の銃さながらに覗いて狙う仕組みです。



PS VRは両眼に別々の映像を見せる視差3D方式のために、片目をつぶって覗き込めばサイトが見やすくなる一方、周囲の状況把握が疎かになるのも現実と同じ。

ゲームパッドのFPSでは単なる左トリガーのオンオフですが、シューティングコントローラのFarpointでは銃の構え方、サイトを使うか使わないか、片目を閉じるか、両目で状況把握力を維持しつつ素早く片目に神経を集中してサイトを使うか、までが実物の銃のようなスキルとしてゲームに反映されます。

(一応) ルームスケールも

VR空間にトラッキングされるのはシューティングコントローラだけではありません。ヘッドセットのトラッキングを通じて、プレーヤーが大まかにどんな姿勢でどこに立っているかが反映されるのもPS VRの利点です。

カバーありの銃撃戦にこの「どこにどの姿勢で立つか、屈むか」「銃をどう持つか」のトラッキングが加わることで、たとえば
「遮蔽物から頭だけ出して覗く」
「スティックではなく自分の脚で一歩踏み出して撃つ」
「頭は隠したまま、銃だけ突き出してブラインドファイアする」
といった動きが、ボタンやスティックの組合せでなく、自然な体の動きで再現できます。

(体を使ったカバーアクションやブラインドファイアについては後述。「一応できるけれど必須ではない」程度で、座ったままでもちゃんとプレイできます)。



いかにもなデザインのクモ型クリーチャーやヒト型エイリアンがいかにもな動きで襲いかかり、ショットガンやスナイパーライフルで片端から撃ち倒すVR射的のシンプルな楽しさだけでも、PS VR とシューティングコントローラ買ってよかった!と思わせる力があります。

VR FPSの難しさ、PS VRの制約

しかし話がややこしくなるのは、Farpoint が単なるVR射的ミニゲームではなく、勝手に進むいわゆるレールシューター(昔ながらのガンシューティング)でもなく、VR空間を駆け回りミサイルや突進をかわし、遮蔽物に飛び込むれっきとしたFPSであること。

プレーヤーが頭を動かす視点移動と、ガンコントローラで狙うエイミングまでは現実に近く直感的ですが、プレーヤーの移動だけは実際に走るわけにはゆかない以上、何らかのゲーム的な見立て・置き換えが必要になります。



シューティングコントローラは、DualShock 4コントローラを左右に分割して、銃の前後グリップに割り当てたような設計。トリガーだけのガンコンとは違い、アナログスティックが2つ、方向キーも△○×□ボタンもちゃんと残っています。

ならば難問ぶることもなく、一般的なFPSと同じように左スティック(フォアグリップのスティック)に前後左右への移動を割り当てれば、少なくとも従来のFPSゲーマーには馴染みがある操作になるはず。実際にFarpoint もこの方式を採用しています。

しかし、これで従来のFPSそのままにならない理由は、

・そもそも「前」ってどっち?(従来のFPSでは視線方向=照準=前方だったのが、VRでは独立。スティックをコントローラの前方に倒した時、どちらに進むべきか)

・プレーヤーの動きの制約(首は振っても、物理的な体の向きは大きく変えられない。ケーブルもある。プレイスペースの確保も難しい)

・PS VRの技術的な制約(カメラが前方にひとつだけで、トラッキングできる方向も範囲も狭い)

・いわゆる「VR酔い」抑制のための制約(没入感が高い=視聴覚的に脳を騙す性能が高いVRでは、平衡感覚との不整合が強烈になる)

VR空間での移動とVR酔いはPS VRだけの問題ではなく、Oculus や SteamVRといった他社プラットフォームも直面する課題です。完全な解決に至らぬまでも、課題の特定と回避策の考案が今まさに進んでいます。

難しい課題ではありますが、ひとつの正解がなく、さまざまな挑戦があるのも今のVRゲームが面白い理由のひとつ。平面のスクリーンショットでは20年来変わらないFPSそのままに見えても、移動と酔いをどう捌くか、制約をどうゲームに組み込んで活かすか、開発者の腕の見せどころです。

一例を挙げれば、移動に起因する酔いを抜本的に解決する方法として、滑らかな移動そのものを捨てテレポートを使うのも定番の対策のひとつ。

VRではない平面の3D視点ゲームですら酔いにつながっていた方向転換は、視界全体を覆うVRの特性から、スティックで回転させるだけで体の感覚との不一致から吐き気を催してしまう場合もあります。

Farpoint と開発元Impulse Gearの回答

Farpoint ではこうした課題に対して、

・テレポートではなく、全方向に滑らかに移動。従来のFPS同様、左スティックで前後左右に平行移動。
前方(左スティックを前に倒して進む方向)は銃口の向きと一致。視線方向(頭の向き)とも、体の向き(実際にプレーヤーが前に歩いて進む方向)とも独立。

・右スティックの方向転換(ターン)は、多数のオプションを用意して選べるようにする。

1. 2D FPSと同じくスティックで滑らかに方向転換する「スムーズ」。VR酔いに免疫があるプレーヤー用。
2. 小さめの角度で切り替える「Small Step」方式。15度ずつパッと変わる。
3. 大きな角度で、フェードイン・アウトを挟んで切り替える「Big Step」
4. アナログスティックを向けた方向に、押し込みで切り替える「Click」式
5. そもそもターンしない「No Turn」

1から4はともかく、方向転換ができない5で自由移動ありのFPSが成立するのか?とびっくりしますが、No Turnでも頭を動か

関連キーワード: fps, impulse gear, ps vr, ps4, psvr, sie, sony, vr
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