ご無沙汰しております。アニメ大好きおじさんのゴトウです。
今日も今日とて悪友サカイ氏から「たけのこを食べに行こう」という提案から物語は始まるのですが。
「美味いたけのこを食べに行こう」
「なんですか突然」
「鹿児島に、竹島と呼ばれる離島があるのを知っているか。桜島や硫黄島の近くにあって、島全体が竹に覆われているという小さな島だ」
「はあ」
サカイ「この島で取れる“大名たけのこ”という品種があってだな。昔はそれこそ大名しか食べられなかったといういわれのあるたけのこだ。現在であっても“幻のたけのこ”として重宝がられている」
「いいですねー。たけのこ好きですよ」
サカイ「で、たけのこの旬といえば5月から6月。まさに今こそが絶好のタイミングというわけだ。食べに行こう!」
「なんか楽しそう! それに竹といえば、たけのこだけではないですよ」
「なんだ?」
「言うまでもありません。竹といえば、かぐや姫ですよ! 竹に覆われている島ということはつまり竹だらけなわけですよね」
「うむ」
「つまり単純に分母が増えるわけですから、当然かぐや姫が現れる可能性も高くなるというものです。竹林の中で突然美女と出会ったりしちゃったりしてー!」
「かぐや姫ってそういう確率で現れる、突然変異的なものではないと思うが」
というわけで、鹿児島からフェリーに乗ること3時間。はるばるやってきました竹島。
島民が全部で80人程度という小さな島です。ちなみに宿泊施設としては民宿が2件あるのみ。
「とりあえず島の散策に行くぞ」
「めっちゃ天気いいー! でもって暑いー!」
「うむ、飲み物を用意しておいたほうがいい」
宿まで送迎してくれるおやじさんに尋ねてみます。
「あの、こちらの島に自販機とかはありますか…?」
「自販機? 自販機は…ないね」
「…あ、無いですか」
「前にはあったけどねー。壊れちゃって」
「大らか!」(それは修理をすべきなんじゃ…)
そんなわけでさすがの小さい離島。
建物などは普通に綺麗なんですけど、コンビニはおろか雑貨店も、自販機すらない状況。つまり基本的に何も買えない!
しょうがないので民宿で水を分けてもらい、いざ出発!
桜島の勇壮な姿に見とれつつ、ひたすら歩く。
歩く
歩く
歩く
歩く
歩く
歩く
「あるく……っていうか! 竹ばっかり!」
「……竹だらけですね」
「案内マップに書かれている見所が『神社、お地蔵様、放牧されている牛』って地点で予想はついていたんだが」
「ちなみに、島の人口と同じくらいの牛がいるらしいです。ひょっとしたら、牛版のかぐや姫がいたのかも」
「何を言ってるんだお前」
そんな感じで島を探索して宿に戻ります。お風呂に入って一息つくと…晩ご飯の時間!
ひと目でわかるたけのこづくし!
「きたー! 夢にまで見た大名たけのこ!」
「いや、お前ぜんぜん知らなかったろ」
「長い道のりを経て、ついに出会えた! 感無量…!」
「そうは言っても飛行機とフェリーに乗っただけだけどな」
おかみさんに「今日はお魚が取れなくて、すいませんねー」と言われたんだけど、こちらとしてはたけのこが目当てなので、たけのこ尽くしはむしろありがたい。
煮物に
酢味噌あえ
天ぷら
お吸い物
そして…出てきたー! 焼いただけのやつー!
取れ立ての大名たけのこを、そのまま火にくべて水にさらしただけのもの。
これの皮をむくと…
ツヤツヤの中身がご登場!
塩をつけていただきます。
かつて大名しか食べれなかったという、幻のたけのこの味は…?
うまいーーーーー!
めちゃうまーーーー!
とうもろこしかと思うほどの穀物の甘み、アスパラガスのような柔らかさ、そこにたけのこ特有の青く澄んだ香りに、サクサクシャキシャキとした歯ごたえが加わって…美味しい! めっちゃ美味しい〜!
酢味噌も天ぷらも煮物も美味しいけど、焼いただけに塩をつけて食べるのがシンプルに一番!
お酒も飲まずに、うまいうまいと何本もおかわりしまくる私。
うまい
うますぎ
うますげすとー!(最上級)
うま…ゲップ
浴びるほどの大名たけのこを食べた後は、散策の疲れもあって爆睡。
翌日のお昼頃、お弁当をいただいて島をあとに。
このお弁当にも当然大名たけのこが入っていてフェリーの中でいただきました。甘辛く煮たたけのこが柔らかくて香り高くてごはんがどんどん進む。最高!
自販機すらないと聞いた時はどうなるかと思ったけど、結果的に雄大な島の自然を満喫し、最高のたけのこも味わえてめっちゃ充実した旅行になった!
ちなみにこちらの竹島では「竹林オーナー制度」というものもやっているらしいです。(現在は売り切れ状態)
料理もロクにやらない一人暮らしでは持て余しそうだけど、大名たけのこを出してくれる飲み屋とか近所にあったら行きたいわー。
「いやー満喫したな」
「楽しかったー! それに、かぐや姫との縁ができた気がする」
「そういやそんなことも言ってたな。予想どうり出会いなどなに一つ無かったわけだが」
「それにしたってこれだけ竹を味わったからには、アニメに出てくるかぐや姫モチーフのキャラへの愛着も深くなるというものです」
「まあお前が満足ならかまわんが。…しかし冷静に考えると、かぐや姫をモチーフにしたアニメキャラってそんなにいるか?以外と少ないような…」
「えーと、ほら、1000年女王とか。新竹取物語」
「古っ!」
「あとは…ウルトラマンAの南夕子も、月の住人でした。明らかにかぐや姫がモチーフです。新しいところでは、ビックリマンに出てきた愛然かぐやはかなり露骨にかぐや姫です」
「新しくねーよ。もう帰れよお前」
「あっ!セラムン!セーラームーンは月の女王だ! 」
「若干無理やりな気もするが。まあ、大物が出てきた感はあるな」
「まあ正直言っちゃうと、セーラームーンS「かぐや姫の恋人」って劇場版があるんで、かぐや姫イメージはルナの方が強いんですけど」
「なんなんだ」
「あと何より、俺が好きなのはムーンじゃなくてマーズなんですけど」
「やっぱ帰れよお前」
【おわり】