144 :名無しさん? :03/08/21 00:35 ID:gYXiwkF5
単なる俺の思い出話なんだが。

俺のばあちゃんはさ、一緒に住んでたんだけど、
もともと体が弱くて、ついに寝たきりになりそうってとこで、自殺しちゃったんだ。
カーテンのレールで首つってさ。
迷惑をかけたくなかった、今までありがとうって、メモに書いてあった。
家族みんなが留守のときでさ、発見したのはまだ小学生だった妹だった。
妹がばあちゃんを抱きかかえて下ろして、救急車を呼んだんだ。
俺と両親が帰ったときには、
もう救急隊が心臓マッサージをあきらめて引きあげてくとこだった。
妹は泣きもせずに、ばあちゃんの横に座ってたよ。
まだ携帯なんかない時代でさ、ただ俺たちの帰りを待つしかなかった妹にとって
その時間はきっとものすごく長かっただろう。
想像するとめちゃくちゃかわいそうだった。
ばあちゃんを発見したのがまだ俺か両親だったらよかったのに、って何度も思った。
だって自分のばあちゃんが首つってる姿を見ちゃったんだぜ?
しかも冷たく重くなった体を、小学生の女の子が一人で、吊ってたロープからおろしてさ、
救急車呼んで、一人で待ってたんだぜ?
妹は通夜でも葬式でも泣かなかったよ。
人形みたいにずっとおとなしくしてた。
それが終わっても泣かなかった。
その代わり、笑わなくなって、あまりしゃべらなくなったんだ。
うるさいほどおしゃべりで、おてんばだった妹がさ。
でも両親も俺も、やっぱりすごくショックだったからさ、
自分が普通に生活するのに精一杯で、妹のことまで気遣ってやれなかった。

長文ですまんが、続く。


145 :名無しさん? :03/08/21 00:50 ID:gYXiwkF5
続き

そんなのが半年くらい続いてさ、うちの中の空気はずっと重苦しかったし、
家族みんなが暗くて、会話も少なくなった。
いつか俺たちみんなが立ち直って、またもとのように明るく生活できる日が来るなんて、
そのころはとても想像できなかったよ。

でもさ、ある日妹が子犬を拾ってきたんだよ。
飼ってもいい?ってかあさんに聞いてさ、いいよって言われたとたん、
妹がにこって笑ったんだ。
久しぶりの笑顔だった。
そしたらさ、笑った拍子に、ぽろって涙がこぼしたんだよ。
妹の中で、何かが変わったのか終わったのかわからないんだけどさ、
そのままぼろぼろ泣き出したんだ。
うわああん、って声まであげてさ、顔くしゃくしゃにして。
玄関で、子犬抱えたまま泣いてる妹を見てふと、
ばあちゃんが死んでから初めて妹が笑って、泣いたことに気づいてさ、
俺も泣けてきた。
横を見たらとうさんも泣いてたよ。
かあさんも妹を抱きしめながら泣いてた。

今では妹ももう社会人で、来年には結婚することになってる。
絶対に幸せになってもらいたいよ。

長文すまそ。

車の中で彼氏が「あの、ちょっと相談が…」って言うから何事かと思った