BMWもフォーミュラE ワークス参戦を正式発表。市販EVの「走る実験室」としてパワートレインなど開発
ポルシェも来る?
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先週、この年末に開幕するフォーミュラEシーズン4への参戦を発表したアウディに続き、BMWもEVレース FIAフォーミュラE選手権 にワークス参戦することを発表しました。2018~2019年に行われる"シーズン5"からの参戦で、現在フォーミュラEに参戦中のアンドレッティ・オートスポーツのチーム体制を引き継いでの参戦となります。
BMWはフォーミュラEマシンのパワートレイン開発が市販EVにとっての「走る実験室」として機能するとしており、BMW MotorsportのディレクターJens Marquardtは「フォーミュラEはEVレースの選手権として素晴らしい発展を見せてきた。この新しいシリーズは技術ベースのプロジェクトとしてBMW MotorsportとBMWグループに最適であり、これからの技術革新の道筋をつけるうえでもBMWとフォーミュラE双方にとって価値のあるものになる」とコメントしました。
アンドレッティ・オートスポーツのマイケル・アンドレッティCEOは「BMWとアンドレッティ・フォーミュラEの協力関係は、BMWが公式に参戦するための強力な地盤を形成した。われわれはBMWのパワートレインを擁してフォーミュラE選手権を戦うのを楽しみにしている。BMW i ブランドとそのイノベーションは自動車の未来をリードするものであり他のメーカーの選択は全く考えていなかった」と語っています。
すでに2017~2018年シーズン(シーズン4)からの参戦を決めたアウディからは1年遅れるものの、BMWはすでにシーズン5から解禁されるオリジナルのパワートレインを開発中。シーズン2からパートナー関係にある強豪チームアンドレッティのチーム体制はBMW主体に引き継ぐことで、関係を次のレベルに引き上げるとしています。
欧州では、自動車各社の垣根を超えた提携によって2020年までに数千か所もの急速充電ステーションを設置する計画が始動しています。中国でも大気汚染対策の一環としての意味もあるもののEV導入が推進され、中国企業を親会社に持つボルボは2019年以降発売の全車種にモーターを積むと発表。米国では約40万台のオーダーを積み上げたテスラModel 3が今月末から納車を開始するなど、自動車EV化の流れは徐々に太くなりつつあります。
フォーミュラEでも、現在はバッテリー性能の問題でレース中にマシンを乗り換えねばならない問題が残っていますが、シーズン5以降はマクラーレン製の大容量バッテリーによってレース中のマシン交換が不要になる予定。さらに新マシンの導入や各チームがそれぞれ開発したパワートレインが解禁になるなど、大幅な技術レベルの革新が見込まれます。
相次ぐ大物メーカーの参戦は、市販車にフィードバックする先行技術のための「走る実験室」としてフォーミュラEが機能しつつあることを意味するのかもしれません。
ちなみに、6月には現在WECに参戦中のポルシェもフォーミュラEのモナコePrixを視察に訪れており、BMWと同じシーズン5から参戦するのではとうわさされています。