日本ではかつて、口減らしなどのために高齢の親を山に捨てるといった棄老(キロウ)習俗が民間伝承などで伝えられている。だが、姥捨て(うばすて)の実際については、はっきりしたことは分かっていない。
だがこれに近い行為が現代において行われているそうだ。インドにあるピリブヒット・トラ保護区近くの寒村では、高齢者をトラの餌としてジャングルに行かせ、政府から補償金を受け取っていたというのだ。
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女性の遺体がきっかけで事件が明るみに
インディアンタイムス誌によると、この事件は、周辺で発見された遺体の調査に乗り出したウッタル・プラデーシュ州の野生生物犯罪管理局(WCCB)局員によって明らかにされたという。
直近の事件は7月1日のことで、村の付近でひどく損傷した55歳の女性の遺体が発見されていた。ところが彼女の衣服の切れ端が1キロ離れた保護区内から発見され、トラックの轍のようなものまであったことから、死後そこまで搬送されらしいことが窺えた。
高齢者がトラに襲われたという報告が多発
保護区外で襲われると補償金が得られる制度を悪用
人がピリブヒット保護区内のトラの縄張りに入り込み、そこで殺された場合、インド政府から補償を受けることはできない。しかし保護区の外で襲われたなら、その家族はかなりの額を受け取ることができる。
村に住む高齢者がトラに襲われたという報告があまりにも多かった(2月以来7件)ことから、正式に調査が進められていたのである。
その結果、村人が村の高齢者をあえてジャングルに送り込み、トラに襲わせて、補償金を受け取っていたらしい証拠が集まった。
これについて村人は容疑を否認することもなく、被害者は家族の生活を守るために自主的に命を投げ出したのだと主張している。
「彼らは森から何らかの恩恵を受けたかったのでしょう。一家が貧困から逃れる唯一の方法だったんですよ」と農家を営むジャルネイル・シンさん。
調査に当たったWCCBの局員は、今回のショッキングな結論を報告書にまとめ、今後の対策が必要であると国家トラ保全機関(National Tiger Conservation Authority)に提出している。
via:indiatimes / indiatoday / nyooozなど/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
55て…うちの母より若い…
2. 匿名処理班
虎にとばっちりが行かない事を祈る
3. 匿名処理班
死後の話か…
死んだあとは本人は何もできんからなぁ
4. 匿名処理班
トラ「知らなかったそんなの…」
5.
6. 匿名処理班
ドクター秩父山とかのブラックな笑いを思い出すが…
>今後の対策が必要であると
なんだこのマイルドな結びは?!
じわじわくる。
7. 匿名処理班
虎、いい迷惑…つーか飛んだとばっちり…
8. 匿名処理班
悲しいなあ
9. 匿名処理班
苦しんで死ぬのを承知でジャングルに入ってくとか無理だわ・・・
10. 匿名処理班
せめて、亡くなった後の遺体を森に置いたって話であってほしかった
11. 匿名処理班
55歳で高齢者にびっくりしたけど、よく考えてみたら日本語の「初老」って言葉は本来40歳のことを指してるんだもんな
それを当てはめたら55歳は立派な老人だわ
最近の人間、長生きに拘りすぎなのではと考えさせられた…
12. 匿名処理班
クマは人の味覚えるとまずいけど、トラはどうなんだろう?
どんどん率先して人襲うようになっちゃわない…?
13. 匿名処理班
い、生きたまま…?
14.
15. 匿名処理班
姥捨て山・・・よりハードコアやな
16.
17. 匿名処理班
「良くない!最低!」って一瞬思うけど、貧困って辺り一筋縄ではいかないよなぁ…
村に肩入れはできないけど、強く責めることもできんわ……
18. 匿名処理班
トラ云々より「55歳の高齢者」にまず驚く日本の読者たちである…
19.
20. 匿名処理班
55!ストライクゾーンど真ん中じゃねーか。
21. 匿名処理班
インド式姥捨てか…
まだ若いよな
22. 匿名処理班
台湾の電子部品大手F社では貧困家庭出身の中国人労働者が遺族補償金目当てに自ら縊れる例が多発したので補償金を打ち切ったところ、途端に早まった行為に走る者がいなくなった。家族のためなら望もうと望むまいと自らの命を金に換える者が世の中にはいる。
獣害に手当を出すのではなくアフリカでのCAMPFIREのように政府監視下によるトロフィーハンティングやジャングルツアーの興行権を与えるなどすればこんな無茶をすることもないだろうに。
23. 匿名処理班
ひでーことしやがる
って思ってたら想像以上に切実だった
24. 匿名処理班
虎だって味覚えたら、本当に人襲うようになっちゃうもんね…
25. 匿名処理班
インドはカースト制度が原因で下層民ほど命を軽く扱う
26. 匿名処理班
姥捨ては間違いなく存在した史実だぞ。
俺のおばあちゃんの時代に
あったと言ってた。さすがにその世代はウソつかん。
子だくさんの家から不妊症夫婦の家に1人里子に
出されたりそういう事が平気で行われてた時代が
間違いなくあった。言い方は悪いが命や人権が
今より軽く扱われた時代はあった。
いちいち書類に残さないから資料に残って無くて当たり前。
27. みあきち
貧困という事情があるが、家族含む村人自身も虎を経た間接経由で、捨てた高齢者を食ってるんだよなぁ・・・これは
28. 匿名処理班
昔テレビで観たカースト最下層の貧困者の生活は本当に酷かったから
日本に生きている自分の感覚では何とも言えない
29.
30. 匿名処理班
※26
それは姥捨てじゃなくて里子だろ。
紙だのペンだのが超高級品だった時代、老人の口伝=知識は生きるために必須だったから大事にされてたのがほとんどだ。
とくに農業なんての前年前々年にどこに何を植えたかを全て覚えていなきゃいけないからな。
逆に子供は粗末に扱われることも多々あったのは事実だし、そこは誰も否定してないだろ。
31. 匿名処理班
※17
ま、それぞれの環境立場が御座いますからねぇ
「良くない!最低!」
って言うのは簡単だが、じゃあお前何ができるの?と問われると何も返せねぇや
32.
33. 匿名処理班
日本じゃ虎に食われる55歳はいないかもしれないが
会社に食い物にされてる55歳はけっこういるんじゃ
34. 匿名処理班
そうして、おじいさんは森に入っていっていきました。しかしその数日後、おじいさんは虎の死体を引きずって帰ってきたのです。そうですおじいさんは、虎と戦って勝ったのです。その後、おじいさんは村の人々に何も言われることなく幸せに暮らし、そんな風習もなくなったそうです。めでたしめでたし。
35. 匿名処理班
捨身飼虎
36. 匿名処理班
自分がこの村の高齢者で、この先の展望もなくて、それをしたら孫子の貧困を救えるかもって思ったらさ…
そりゃあなあ、切ないけどなあ
37. 匿名処理班
ジャングル・ブッダ(特に意味はない