2021年までに、ブレークスルー来る?
昨今、人間の脳とコンピュータをつなごうとする動きがあちこちで起こっています。Facebookしかり、イーロン・マスク氏しかり。そんな技術が実現すれば、ゆくゆくは言葉なしで他人の思考を読み取ったり、クラウドにある人工知能の能力を自分のものにしたりが可能になるとされています。そして先日、米国国防高等研究計画局(DARPA)が、目が見えないなどの感覚障害の治療のため、脳とコンピュータをつなぐ神経インプラントの開発に6500万ドル(約74億円)投じることを発表しました。
今回の投資計画「Neural Engineering System Design(NESD、直訳:神経工学システムデザイン)プログラム」の対象となった研究チームを見ていくと、DARPAがどんなことを実現しようとしているのか?をざっくり把握できます。この計画では6つの研究チームに資金提供していて、そのうちふたつはLEDを使って視覚を回復することを目指しています。また別のチームでは、塩粒ほどのセンサーを使って脳の中での会話の処理を解読しようとしていたり、さらに別のチームではホログラフィック顕微鏡で神経活動を検知し、最終的には失われた視覚の代替となったり、義肢を動かすためのインターフェースとなったりすることを目指しています。
計画期間は4年間で、目標は脳とコンピュータの間でデータをやりとりできる、実際に動くプロトタイプを作ることです。ただ、仮にそんなプロトタイプが完成したとしても、それが商用または臨床用に使えるようになるまでにはさらに長い時間がかかりそうです。
「医療科学によって新たな目を作り、損傷した脊髄を修復できるようになるまでには長い時間がかかるでしょう。でも脳とコンピュータをつなぐことで、デジタルデバイス