ソフトバンクの法人向けイベント「ソフトバンクワールド2017」より。
基調講演に登壇したソフトバンクグループの孫正義社長は、傘下に収めたロボット企業「ボストン・ダイナミクス」についてコメント。ボストン・ダイナミクスCEOのMarc Raibert氏も登壇し、壇上ではアーム付き4足歩行ロボット「Spot Mini」の実働デモも行われました。
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ボストン・ダイナミクスといえば、まるで生物のようなキモ怖い動きと、蹴られても立ち上がる健気さで一躍話題になった四脚ロボットを開発したメーカー。
Google親会社Alphabetの傘下でしたが、ソフトバンクが2017年6月に買収。以来、ソフトバンクグループの傘下となっています。
孫社長は「ロボットが人工知能を搭載すれば、彼らは人間と同じように街中を歩くようになる。あるいは人間を超え、空を飛んだり海に潜ったりもする」とコメント。
さらに「今Pepperを馬鹿にしている人は、いずれ彼らに追い抜かれる。もちろんPepperも形を変える。巨大になったり、鉄腕アトムのように空を飛んだりするかもしれない」とも述べ、シンギュラリティ(技術的特異点)においてロボットが重要な役割を担うと語ります。
ボストン・ダイナミクスCEOも登壇
続けて、壇上にはボストン・ダイナミクスのCEO Marc Raibert(マーク・レイバート)氏が登壇。同社が開発するロボットについて解説しました。左からソフトバンクグループの孫正義社長、ボストン・ダイナミクスのMarc Raibert CEO
「普通の人間は足で歩き、旅行や出張に行き、山にも登れます。手を使い、視覚と連携してデバイスを操作したり分解や組み立てることもできるんです。例えば東京の地下鉄の駅にはたくさんの人がいますが、その人混みをすり抜けて歩くことができます。視覚から得た情報をもとに、脳がぶつからないようにして歩いていけるんです。我々のゴールは、人と同等の運動・器用さに近づくことです」(Raibert氏)
ロボットを使った宅配に意欲
またRaibert氏は、ロボットを使った宅配サービスにも意欲を示します。「我々の4足歩行ロボットは200kg、テストでは500kgまでの荷物を運べます。ドローンを使った宅配は知られていますが、ロボットを使って宅配するのはどうでしょうか」(Raibert氏)たしかに運べる重量に制限があり、騒音も激しいドローンに比べ、地上を歩くロボットによる宅配サービスの利点は多いように感じます。
さらに「ロボットは人間と同じ形をしている必要はない」とも語り、同社が今年発表したばかりの車輪付き2足歩行ロボット「Handle」を紹介。
「車輪のほうが効率的なんです。腕も付いているので、いろいろな作業ができます。汗をかくこともなく。簡単に50kgの荷物を運べるんです。粗い地面を移動したり、多方向に動くこともできます」(Raibert氏)
壇上では、ボストン・ダイナミクスのアーム付き4脚ロボ「Spot Mini」の実働デモも実施。生物のような動きで歩く様子に、参加者の目線は釘付けになっていました。