何が本当で何が嘘なのか、見破るのが難しい時代。
コンピューターグラフィックスの学会SIGGRAPHにて発表された、オーディオデータに合わせて動画を編集するソフトウェアがスゴいの一言。音に合わせて、動画に出てくるの人の口元を動かす=喋らせるというプログラムなのですが、知らないで見たらすっかり騙されてしまう完成度です。
研究動画に登場するのは、オバマ元大統領。たくさんの資料(音声データ&映像)があるオバマ元大統領は、研究にはうってつけの人物です。3Dマッピングされた口元が、動画にうまいこと合成されています。音声データに動画をリップシンクさせるには、それ相当の時間をかけてプログラムをトレーニングする必要があるとのこと。
いやぁ、見れば見るほどわからない。オリジナルの映像もズレているような気がしてくるので、もう何がなんだか。しかも動画4:00からは、インタビューで語った声をあたかも公式に語ったのような映像に仕上げていますし、6:04からは話の内容を勝手に要約できることを披露しています。
「わーすごーい! 面白い映像つくってほしー!」と思いつつ、こういう技術には恐怖を感じます。ただでさえ、昨今はフェイクニュースの見分けがつかず大きな問題になっているというのに、こんな技術が悪用されたらと思うと…。「証拠の動画がここにあります!」なんて言われた日には、どうしたらいいんだか。
人間の探究心とは、ときに罪深いもので。
(そうこ)