東京に潜むゴーストを探す。
2020年東京五輪が開催されるにあたり、新たに建設されるスタジアムや開発が進む地域に注目が集まりますが、このきらびやかな祭典が東京という大都市にもたらす影響はこれらばかりではありません。私たちの意識しないところで生まれ、そして消え行くゴーストとも言うべき存在が東京にはあるのです。
そんなことを気づかせてくれるが、展示会を明日に迎える、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校と早稲田大学の学生によって行なわれている都市研究プロジェクト「GHOST GUIDES TO TOKYO 2020」。展示会では、2020年に向けて変化していく東京の9つの場所を取り上げたパンフレットが提供され、来場者はそれらを通して晴れ舞台の裏に潜むもう一つの東京を知ることができます。今回は、プロジェクトの中から3つ紹介します。
代々木 / 消えゆくホームレスコミュニティ
シドニー、北京、ロンドン、そしてリオ。五輪が開催されるにあたり、景観上の問題や新たな開発により、ホームレスの人々が追い出されるといったことがありました。東京においても同様の問題が起こりつつあります。隅田川沿いや上野公園、宮下公園、代々木公園などの地域にあるホームレスのコミュニティは、五輪競技が行なわれるすぐそばにあり、一部地域ではすでに立ち退きが始まっている。研究プロジェクトでは、そんな危機的状況にある彼らにインタビューを行ない、コミュニティ内での生活状況を明らかにしています。そして、ネガティブに捉えられがちな彼らの生活から、私たちが何を学ぶことができるのかを示しています。