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おとぎの国に入り込んだ気分になれる世界18のファンタジースポット : カラパイア

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image credit:Public Domain

 どんな物語でも、ストーリーと登場人物のキャラクター性は重要だが、やはりなんといってもその要となるのは、作者が作り上げる空想世界の舞台設定だろう。

 こうした空想上の世界は、退屈な日常生活に非日常をもたらしてくれ、いやな現実から逃避させてくれる。だから、子ども時代が終わってしまっても鮮明に心に残るのだ。

 しかし現実世界にも、ナルニア王国やネヴァーランドのようなファンタジーワールドのような魅力的な場所がある。そういった場所から、物語の作者は空想のヒントを得ているのだ。

 これからあげる18の場所は、まるでおとぎ話からそのまま飛び出してきたような場所ばかりだが、実際に行くことができるのだ。
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1. フェアリー・グレン(ユイッグ、スコットランド)


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image credit:istock

 スカイ島にひっそりと隠れるように存在するこのドラマチックな風景は、まるで魔法の王国に迷い込んでしまったかのようだ。

 独特な岩の造形、池が点在する円錐形の丘、あちこちで流れ落ちる滝、らせん模様のミステリーサークルなど、どこを見てもファンタジーに満ち溢れている。

 この土地と魔法を結びつける伝承話がはっきりあるわけではないが、妖精たちがこの風景を作り出し、いまだに多くの岩の裂け目に住んでいるという人もいる。


2. サン・ミゲル・デル・ファイの教会(サン・キルゼ・サファジャ、スペイン)


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 カタルーニャ地方の絶壁から切り出された建物からまっすぐに流れ落ちる滝、この修道院からの眺めは最高にゴージャスだ。古からたたずむ修道院は、現役であろうと廃墟であろうと美しく、相変わらず心惹かれる。

 この美しいサン・ミゲル・デル・ファイの教会は、特にその立地が別世界、まさにファンタジーワールドから抜け出てきたかのようだ。


3. ウィストマンズ・ウッド(デヴォン、イングランド)


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 この森の苔むした石や、年月を経た曲がりくねった木は、ドルイド、ゴースト、超常現象の話と結びついている。もちろん都市電伝説だが、この森をみたらそうした物語が生まれるのも無理はない。

 この古代の森は、大部分が手つかずのまま自生していて、人間や大型動物に破壊されていない。あまりに開放的に成長したせいか、古木はねじ曲がっているが、岩が木がそびえたつのを妨げていて、ねじれた枝が垂れ下がって重苦しい天蓋を作っている。

 神秘的な生き物や魔法使いはお話の中だけにしかいないものだが、ウィストマンズ・ウッドでは、それがいかにも本当にいそうな気がしてくる。


4. ノイシュヴァンシュタイン城(シュヴァンガウ、ドイツ)


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 ディズニーランドの眠れる森の美女の城やマジック・キングダムのシンデレラ城など、多くの魔法の城は皆、実際にあるこの城をモデルにしている。

 バイエルンの"メルヘン王"ルードヴィッヒ二世の荘厳な隠遁場所だったこのノイシュヴァンシュタイン城は、作曲家リヒャルト・ワーグナーに敬意を表して、王が18世紀半ばに建設を命じたもの。

 ルードヴィッヒは城の完成を見ることはできなかったが、贅をつくした彼の優雅な装飾嗜好は、今日でも色あせることなく残っている。

関連記事:ディズニーランド「眠れる森の美女の城」のモデルとなった城、ドイツ『ノイシュヴァンシュタイン城』


5. 白谷雲水峡(屋久島、日本)


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 苔むした木々の間を歩きながら目をこらすと、木の精霊つまり木霊が見えてくるかもしれない。濃い緑樹に覆われた風景は、音が分厚い苔に吸い込まれるようでとても静かだ。

 緩やかな小川が古い岩の間を静かに流れ、島の名前にもなっている美しい屋久杉が続く。苔むした幻想的なこの森は、人間と自然界の緊張状態を描いた、スタジオ・ジブリの『もののけ姫』の着想につながったとも言われている。


6. 使徒アンデレの教会(プリオゼルスキー、ロシア)


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 サンクトペテルブルクから2時間ほど北、ロシアとフィンランドを隔てるVuoksa湖の真ん中には小さな島がある。

 この小さな島のほとんどをミニチュアのような木造の教会が占領している。バーバ・ヤーガ(スラブの妖精)や霜の精がいそうな場所だが、2000年に建てられた現代の建造物だ。


7. エッシュ=シュル=シュールの城(ルクセンブルグ)


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 同盟の小さな町を見下ろす高台にある城。廃墟になって100年以上たつが、いまだに不思議な魔力をかもし出している。

 建てられたのは920年頃。まわりの村は、この立派な塔を中心にして共に栄えていった。戦争が激しくなるにつれ、町はエッシュ=シュル=シュールのまわり全体に城壁を築いた。この古代の城は、廃墟となった今も堂々と町の上にそびえ立っている。


8. フォ・ド・ベルジー(ベルジー、フランス)


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 高さが4.5メートルくらいにしかならないブナの低木が、その枝を広げてドラマチックな形を作り出しているのが目を引く。

 フォ・ド・ベルジーの国有林には、印象的な美しい木々が1000本近くもある。目を見張るようなユニークな種類も多く、アンブレラ・フォとか、オックスヘッド・フォ、フォ・オブ・ザ・ブライドなどのニックネームがつけられている。

 メイデンズ・フォは、かつてこの木の根元でジャンヌ・ダルクがうたた寝をしたという伝説から、その名がつけられたという。


9. ソ・ド・ブロ(ブードリー、スイス)


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 アルーズ峡谷の底に抱かれた小さな橋は、おとぎ話の挿絵のようだが、もちろん、ソ・コ・ブロは実在する場所である。

 緑美しい雰囲気のある見事な自然の峡谷なのだが、なんといっても、この小さな橋がアルーズ峡谷の壁をつないでいる景観が特徴だ。

 シンプルな石造りのアーチ型の橋は、お話に出てくる橋というだけではなく、幻想的なシーンに十分ふさわしい不思議な光景をつくりだしている。作ったのはエルフではないのは明らかだが、思わずそう思いたくなるほどだ。


10. サンタ・マリア・デル・ソル修道院(トロペーア、イタリア)


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 "神の海岸"として知られるティレニア海の美しい海岸線。岩だらけの岬の上に鎮座する4世紀のこの教会には、絶壁に切り開かれた曲がりくねった階段を昇っていかないとたどり着くことができない。

 セクストゥス・ポンペイウスが皇帝オクタヴィアヌスを破って以来、少なくとも2000年の間、トロペーアの人々はここに住んでいる。伝説では、この海辺の町はヘラクレス自身がつくった町だという。


11. ホール・オブ・モーゼス(フォークス、ワシントン州)


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image credit:Kgrr/CC BY 3.0

 ホール・オブ・モーゼスとは、ホウ熱帯雨林にあるオリンピック国立公園のハイキングコースの名前。ここは古い苔に覆われた広大なワンダーランドで、まさにおとぎの国そのものだ。

 メインのトレイルに沿って、ひときわ幻想的な70メートルの脇道があり、長く垂れ下がる苔をまとったなんとも魅惑的な巨大メープルの木立に続いている。"グリーンのローブをまとった老人のような木々"と表現した人もいる。


12. トゥリティス灯台(アンドロス、ギリシャ)


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image credit:istock

 ギリシャの港町アンドロスの海岸沖にあるトゥリティス灯台は、物語に出てくる灯台らしい灯台だ。

 風雨にさらされ高くそびえたつ石の尖塔は、魔法使いの塔そのものだ。1990年代に改修されたが、いまだにダンジョンズ・アンド・ドラゴンズの世界そのもの。岩を直接切り刻んで作った曲がりくねった階段が、塔の入り口まで続いている。


13. マルトノマ滝(コーベット、オレゴン州)

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 轟音をとどろかせながら落ちるこのふたつの滝の冷たい水は、オレゴン州の森林地帯を流れていて、まるでトールキンの小説に出てきそうな風景だ。

 その落差が全米第4位のこのマルトノマ滝は、アメリカ西部のほかの名の知れた滝と違って、地下水、雪解け水、雨水で水量をまかない、年間を通じて流れ落ちている。

 ネイティブアメリカンの伝説によると、秘密の水浴び場所を求めた若い王女の心臓と手を手に入れるために作られた滝だという。


14. リンダーホフ城(エッタール、ドイツ)


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 "狂王"ルードヴィッヒ二世が建てた3つの城のうち、このリンダーホフだけが唯一、王の存命中に完成した。

 ほかのふたつの城よりも小ぶりだが、象牙の燭台やオーストリッチの綿毛で作られたカーペットなど、壮麗な宮殿は贅がつくされている。

 ヴェルサイユの影響を受けていたルードウィッヒは、太陽王ルイ14世の寝室のイメージを真似して、自分のことは対称的な夜の王とした。


15. ペーナ宮殿(シントラ、ポルトガル)


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 サン・ペードロ・デ・ペナフェリンの緑深き丘の上にあるこの宮殿は、まるで別々の城の塔やファサード、建築装飾をもってきて混ぜ合わせて作られたかのようだ。

 フェルナンド2世によって建てられたものだが、贅沢なテイストが建築家たちに投影され、少なくとも外観からは、王の趣味にこりかたまった精神分裂症気味の館に見える。

 ある部分は装飾された欄干のある中世ヨーロッパの城かと思えば、そのすぐ隣はイスラム様式を真似たタワードームがある。ファサードのそれぞれの箇所は違う色で塗られていて、紫の長いウィングのすぐ隣には、赤い時計塔があったり、黄色い尖塔があったりといった具合だ。フェルナンドは宮殿をオペラのように見せたかったと言われている。


16. イズマイロヴォ・クレムリン(モスクワ、ロシア)


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image credit:Ruscow/CC BY 2.0

 モスクワ北東部にある、あまり知られていないもうひとつのクレムリン。イズマイロヴォ地区は、意外にも幻想的に見える文化的ワンダーランドで、カルチャーセンターや市場が建てられ、伝統的なロシア建築や、昔のロシアのおとぎ話の描写をゆるく真似ている。


17. クシヴィ・ラス 歪んだ森(グリフィノ、ポーランド)


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 ポーランドのクシヴィ・ラスことクルックト・フォーレストは、400本の木々の生態的な奇形とSFが融合したようだ。不思議なことにすべての木が、皆一様に曲がっているのだ。

 地面からほんの数インチのところで急カーブを描いて曲がり、Jの字を書くように天に向かってダイナミックに伸びている。ここの松の木がどうしてこんな形になったのか、決定的な答えはなく、実質的なものから、奇妙なものまでさまざまな説がある。

 この森のすべての木が同じように曲がっているが、大きくなっているので、この奇妙なカーブが成長を妨げているとは思えない。


18. ヴィクトリア・ビーチの海賊タワー(ラグーナビーチ、カリフォルニア州)


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image credit: Joseph Choi

 ミステリアスな海辺のタワーは、おとぎ話に出てくるような塔で神秘そのもの。親しみをこめて"海賊タワー"と呼ばれている。

 実際には、ビーチの崖にへばりつくようにして、岩棚の上にぽつんと建つ尖塔。1926年に建てられ、水際から崖の上のてっぺんまで18メートルの高さがある。

 塔の中にはビーチに下りるための階段があるが、残念ながら設計に難があるようだ。というのは、満潮のときは出口のドアや塔の途中まで水中に沈んでしまい、降りることができないので階段は無用になってしまう。それでも、このタワーは変わらずずっと愛され続けている。

translated by konohazuku / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 20:40
  • ID:6wtthZfs0 #

中世ヨーロッパのお城と教会は死ぬまでに一度は実物を見てみたい物件だ

2

2. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 21:28
  • ID:wir.So2o0 #

※1
移築物件だからどの位、雰囲気を保ってるか不明だが
群馬のロックハート城は穴場かも

3

3. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 21:33
  • ID:wir.So2o0 #

フォ・ド・ベルジーのブナの低木は
盆栽などに通じる美しさを感じる。

日本の庭園技術とか案外、こういった形で日本庭園の枠組外で
いい庭とか作れそうな気がするがあるのかな

4

4. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 21:53
  • ID:.1H5nOsh0 #

※2
ロックハート城行ったけど場所も結構山奥でなかなか雰囲気も出てて良かったよ

5

5. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 22:03
  • ID:DRthF4oL0 #

ノイシュヴァンシュタイン城美しい
城娘で「ドイツだけではなく、世界屈指の美しさを誇る城と
評される私を……私だけを見ていてください。」というだけある。

6

6. 匿名処理班

  • 2017年08月10日 22:10
  • ID:PpBcCaf70 #

クレムリンはもう一つどころかたくさんあるよ。
城塞って意味だから。
でもイズマイロヴォには是非一度行って見たいな。

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