元テスラ... というよりは、 アップルでアプリ開発言語Swiftを設計した人物として知られる開発者クリス・ラトナー氏が、新たにGoogleに就職したことが明らかになりました。Googleには自動運転車のプロジェクトもあるものの、今回はそちらではなくディープラーニング用のソフトウェアライブラリTensorFlowの開発チームに加わる模様です。
ラトナー氏が11年勤めたアップルを退社したのは今年始めのこと、そのときはイーロン・マスク率いるテスラに自動運転AIソフトウェアAutopilotの開発に携わるバイスプレジデントとしての移籍でした。ところが、それからほんの5か月ほどで、ラトナー氏はテスラを離れることが明らかに。本人はTwitterで「自分にはテスラは合わなかった」と心境を述懐していました。
ただ、"伝説のプログラマー"が次の行き先を決めるまでにさほど時間はかかりませんでした。彼の新たな職場は、Google Brain 部門。Googleの数々のプロジェクトの中でもディープラーニングに関する開発を行い、DeepMindや他のGoogle(Alphabet)社内チームとも連携してAI・ディープラーニング技術を発展させる活動をするチームです。
ラトナー氏は「AIはまだそんなに一般的じゃない。だから誰でも使えるようになるのを手助けしたい」とツイートしています。
I'm super excited to join Google Brain next week: AI can't democratize itself (yet?) so I'll help make it more accessible to everyone!
— Chris Lattner (@clattner_llvm) 2017年8月14日
Bloombergなどは、ラトナー氏が取り組むのはAIプログラミングを簡単に行えるようにするTensorFlowライブラリーの開発だろうと伝えています。そして、その成果はいずれコンピューターやスマートフォンなどで動くAIの軽量化や高性能化に現れてくるかもしれません。
ちなみに、ラトナー氏はアップル入社前にはイリノイ大学でクロスプラットフォームのコンパイラ基盤LLVMや、フロントエンドのClangを開発した人物。ソフトウェア業界的にはSwiftよりもこちらの業績のほうが遥かに大きく、本人のTwitterプロフィールも「LLVM & Clang が世界を制する。次の革命はSwiftだ!」となっています