夏、してますか?
まだまだ夏を満喫しようと思っている人にも、もうすぐ終わってしまう夏を憂いている人にもオススメの夏っぽさが味わえる漫画を紹介したいと思います。
残暑 – 鬼頭 莫宏
『なるたる』や『ぼくらの』など少年少女を主人公とした陰鬱なSFを描く作者の初期作品集。
しかしこの本にはあまり暗い物語はなく、心の隙間にスッと入ってくるような温かい話が多いです。
死んだはずの妹が帰ってくる表題作も素晴らしいのですが、個人的には小学生の楽園である駄菓子屋を舞台にした「ポチの場所」が大好きです。
どこまでも青い空に白いワンピースを着た女の子。これが夏じゃなかったら何が夏なんだと思うくらい夏感のある装丁が目を引きます。
熱病加速装置 – 元町夏央
作者の名前に”夏”が入っているから選んだのではなく偶然です。
表題作の夏感がたまらなく良くて、そこに高校生・海辺の町・複雑な家庭事情・転校生の女の子っていう要素が加わったらもう「なんで俺にはこんな青春が無かったんだ!!」と部屋でのたうち回ること間違いなしです。
青高チア部はかわいくない! – conix
イラストレーターconixの初連載漫画作品。
夏といえば高校野球….を応援するチアリーディング部のお話です。
とにかくかわいいキャラクター達ばかりに目がいってしまいますがストーリーは意外と王道の熱血モノで思わず心が熱くなります。
正直高校野球にはあまり興味がなかったのですが、テレビでやっているとチアリーダーが映ってないか探してしまうようになりました。
同人王 – 牛帝
夏といえばコミケ。
そしてコミケといえば同人誌です。そんな同人誌を描く苦悩を描いた長編漫画がこの『同人王』です。
2次元しか愛せないニートの主人公タケオ(何故かいつも裸)と、得意な絵で男の人の精液を根こそぎ抜いて世界平和を夢見る肉便器先生(女性)など個性的な面々が時に真面目に時にエキセントリックな手法で創作とは何なのか。上手い絵とは何なのかを模索しながら同人王(壁サークル)を目指します。
とにかく熱量がすごいので一気に読めてしまいます。
あと、薄い本の話なのに単行本はめちゃくちゃ分厚いし何故かハードカバーです。
高速回線は光うさぎの夢を見るか? – 華倫変
2003年に28歳の若さで亡くなった漫画家 華倫変(かりんぺん)の代表的とも言える作品集です。
華倫変の作品にはどこかが壊れている女性ばかり出てくるのですが、読み進めていくと不思議な事に何もおかしいことなんて無いんじゃないかと思えてきてしまうのが魅力です。
読んでるとジトッとした嫌な汗をかいてくるんですが何故か夏に読みたくなるんです。
一応、夏が舞台の作品「とにかく現世はくだらなすぎる」というSEX教団に入っている女の子の話も収録されています!
外は暑いけど…
暑くて外に出たくない人も多いと思いますが、せめて漫画の中でだけでも夏を味わってみてはいかがでしょうか。