アップルが、iOS 11のSafariブラウザーの挙動に小さいながら重要な変更を施しています。最近のGoogleの検索結果は、AMP(Accelerated Mobile Pages)なる仕様に沿ったページが優先的に上位に表示され、より高速表示が可能なページに置き換えられて表示されています。このため、現在のiOS 10ではSafariブラウザーのシェア機能を使ってURLを共有すると、AMPページへのリンクが共有されてしまい、オリジナルURLのページへ誘導できない問題がありました。
しかし、現在ベータ版が配布されているiOS 11のSafariでは、シェア機能でページをSNSやメール、iMessageで送る際、自動的にAMPのURLを削除してオリジナルページのURLを返すようになっています。
Very nice: when sharing AMP pages to iMessage or Reading List, iOS 11 Safari automatically removes AMP's crap from the URL. Go Apple 👍 pic.twitter.com/aHgSMcofUv
— Federico Viticci (@viticci) 2017年8月23日
実際、ユーザーは共有したいウェブページのURLを相手に伝える際にGoogleが複製したページのURLでは都合が良くない場合もあるはず。そういう意味では、アップルはユーザーのことをよく考えた改善をiOS 11のSafariに入れてきたと言えそうです。
Googleは、AMPの導入によってページ読み込みにかかる時間が半分になったと豪語しています。まあたしかに早いのかもしれないものの、それを体感できたり、欠かせないことだと感じている人がどれほどいるのかも気になるところ。コンテンツの中身よりもAMPに対応させることを最優先とした"Google好みのウェブ"を押し付けられているように感じる人も、いそうな気もします。
ちなみにHacker Newsによると、AMP開発部門のリーダーMalte Ubl氏は、「記事の共有においてはできるだけオリジナルのURLを共有する必要がある」として、Safariの変更にも自らそうするよう進言したと発言しています。またSafariと同様の変更を他のブラウザーもSafariと同様の変更を取り入れることを望んでいるとしています。
Nice one Safari team! https://t.co/YTO6rZR3dd
— Malte Ubl (@cramforce) 2017年8月23日