戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://karapaia.com/archives/52245312.html


どっかで見たことあるやつやん!切ったら透明感のある薄汚れた脳みそみたいなアレがカナダの湖で発見される : カラパイア

top

 カナダの国立公園の湖で、人間の脳の形状をしつつ、ぶよぶよしている半透明の生物が見つかり、「なんじゃこりゃぁ!」とネット上で話題になっている。

 ちょっと固めのゼリーみたいな質感に、沼に潜んでいてもまずわからないであろうどす黒い緑色。うーん、この脳みたいな生き物、カラパイアの生物処理班ならお気づきだろう。
スポンサードリンク

 そう、アレだ。どうやらこれ、あのオオマリコケムシらしいのだ。

 北米原産で日本にも生息し、インパクト絶大な見た目のせいで、発見されるたびに世間をにぎわしてしまうオオマリコケムシチームが、今度はカナダでうっかりパパラッチされたってわけだ。

The blob of Lost Lagoon

カナダの公園の湖で見つかった謎生物の正体は・・


 発見したのは、カナダ国立公園のスタンレーパークのスタッフ、セリーナ・スターンズである。園内のロストラグーンという人口湖で見つけちまったらしい。

スクリーンショット-(3101)
image credit:youtube

 経験豊富なスタッフであってさえ、思わず悲鳴を上げてしまうほどだ。

 このぶよぶよした寒天っぽい生物は、外肛動物オオマリコケムシ科のコケムシの一種でオオマリコケムシという。

スクリーンショット-(3102)
image credit:youtube

 しかもこれは個体ではない。これは体長1.5mmほどの非常に小さな一つの個体(個虫)が無性生殖でクローンの群れを成し、粘着性のある寒天質の分泌物でくっつきながらフットボールサイズまで大きくなった群体なのだ。

 そしてこの集団は発達するととても大きくなり、畳一畳ほどにもなるという。

 彼らは北米原産の生物だが、現在は外来種として日本各地の湖や沼にも生息し、触手を濾(ろ)紙やざるのように使って水中の微生物などを食べるため、プランクトンや藻類の脅威となっている。


オオマリコケムシの生殖


 なお、オオマリコケムシは休芽とよばれる別の形の無性生殖も行う。その場合は発生初期にある個虫が、乾燥や低温に強いキチン質(カニの殻などの主成分)の殻と寒天質に包まれた状態で放出され、植物の種のように温度や光などの条件がそろった段階で発芽して、新たな群れを作る個体(初虫)になるという。

 ついでにいうと、実はオオマリコケムシは雌雄同体で有性生殖も行う。その場合は体内受精で生まれ、ある程度育った段階で外に放出された幼生が、繊(せん)毛で泳いで適当な場所に着いたら初虫になるそうだ。


人口湖に潜んでいた古生物の子孫


 古代の海洋コケムシ類の化石の中にはおよそ4億7000万年前のものもある。そうした古生物の流れを汲むオオマリコケムシは、以前から北米全域で見られたが、このスタンレーパークで見つかったのは初めてのことだ。

裏側はこんな感じ
スクリーンショット-(3109)
image credit:youtube

 だが、現地の研究者たちはロストラグーンにオオマリコケムシが潜んでいたのはさほど驚くことではないという。

 その発見場所がロストラグーンの汚染物質をろ過するために造った生物ろ過池(せいぶつろかち)だったためだ。

 スターンズによると、コケムシたちが好むのは流れがほとんどなくて栄養価が高い環境だという。


不気味な見た目で生き延びるコケムシ


 なお、今回見つかったオオマリコケムシは、アメリカのミシシッピ川の東の流域で存在が確認されているオオマリコケムシの幼虫が、カモなどの水鳥や風によって運ばれて成長したとみられている。

 一般に、半透明で暗い緑色を帯びているオオマリコケムシの塊は、池や沼では非常に見つけにくいはずなのだが、ロストラグーンの水位が通常よりも低くなっていたせいでたまたま発見できたと考えられている。

実はけっこう前からいたのかも?
スクリーンショット-(3106)
image credit:youtube

 オオマリコケムシたちが不気味な外観を形作るのは、それ自体が彼らの生き残る手段だからだ。スターンズは「彼らはたむろするのが好きな小さな生物の群れです。捕食者がいても大勢なら安全なんです」と語っている。

via:atlasobscura / wikipedia / sciencealertなど / translated by D/ edited by parumo
あわせて読みたい
中国で話題の謎生物ってこれのこと?その正体はオオマリコケムシ


あのぷにょぷにょした生命体がカリフォルニアで大量発生。エイリアンの侵略か?と住民ガクブル


中国の湖にナマコに似た謎のぷよぷよ生物が大量発生


これが中国伝説の不老不死生物「太歳」なのか?で、やっぱ食べちゃうのか?(閲覧注意)


シワのまったくない、世にも奇妙な脳


この記事が気に入ったら
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
この記事をシェア :    

Facebook

コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 22:38
  • ID:iCIlmhcD0 #

おばちゃんの反応が可愛い

2

2. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 22:39
  • ID:7C71Jc5G0 #

見た目悪いのが案外美味しかったりそうでなかったり
中臣鎌足。

3

3. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 22:44
  • ID:fQsSabzO0 #

探偵ナイトスクープでコケナッツミルクとか作って食べてたヤツや(;´д`)

4

4. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 22:46
  • ID:3mWqfppZ0 #

捕食者はともかく調理者は林先生できまりだな

5

5. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 23:00
  • ID:.uoCAj5G0 #

K・Cの寒天目玉が似合いそう…

6

6. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 23:10
  • ID:UOgPAGcB0 #

ウィキぺディア見ても理解出来なかった生態が、小学生の研究レポートを読んで凄くわかりました。
小学生の考察力に感謝です。ありがとう!
植物のようで虫みたいな寒天アパート住まいの不可思議生物で、生物の進化の先輩?
面白過ぎます。

7

7. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 23:12
  • ID:Tk0WfJ1d0 #

カラパイアの昔の記事にコレ食ってる動画あったよね……。

8

8. 匿名処理班

  • 2017年09月06日 23:40
  • ID:Z0ilJ2mM0 #

探偵!ナイトスクープで食べてたヤツ?

お名前
スポンサードリンク
記事検索
月別アーカイブ
スマートフォン版
スマートフォン版QRコード
「カラパイア」で検索!!
スポンサードリンク