【モバマス】乃々・輝子「机の下のエキストラ」
乃々「輝子ちゃんが死んでるんですけど……」
携帯音楽プレーヤーにカナル型イヤホンが挿さっています。
少し前まで輝子ちゃんの耳に入っていたと思われるそれは、乱暴に投げ出されていました。
乃々「な、何を聴いていたんでしょう……?」ドキドキ
輝子ちゃんが倒れるほどの曲です。
きっと、よほどブッ飛んだすごいやつなんでしょう……。
私はイヤホンを手に取り、耳にはめました。
曲はリピート再生されていたらしく、まだ流れています。
♪あなたとフルムーン
半分どおし
二人なら夜も照らす
乃々「あええええぇぇ~~~っっっ!!!!」ビクンビクンビクン
バタリ
乃々「」死ーん
輝子「だ、だよな。あの曲、聴いたら正気じゃいられない……。だいたいしぬ」
エヴリデイドリームに続くまゆさんの二曲目のソロ曲、マイ・スイート・ハネムーン。
すごい破壊力です。これは全人類が聴くべき最重要曲……。
やがてはまゆさんとこの曲は神格化され、増殖し、全宇宙を埋め尽くすでしょう。新たな宇宙の誕生です。
いえ、むしろもりくぼが今居るこの宇宙はすでにマイ・スイート・ハネムーンに満たされた宇宙なのでは……?
なにはともあれ、マイ・スイート・ハネムーンは現在絶賛発売中の THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 12 命燃やして恋せよ乙女 に収録されています。
¥1,389+税なんですけど……!
輝子「じゃ、じゃあ始めようか」
乃々「はい。えっと第……何回でしたっけ」
輝子「わ、わからん……。42回くらい」
乃々「じゃあそれで。第42回、まゆさん会議をはじめます」
輝子「ぱちぱちぱちー……フヒ」
輝子ちゃんと私の間で自然発生した、机の下の極秘会議です。
議題は「まゆさんのかわいさ」、「まゆさんの美しさ」、「まゆさんの素晴らしさ」、エトセトラエトセトラ……と多岐にわたります。
輝子「じゃあ、今日は私から……」
乃々「おお、これは」
輝子ちゃんは、封筒から写真を三枚取り出しました。
デジタルデータではなく、紙媒体で残すのがこの会議の美学です。
輝子「十日くらい前の夕方に撮った……。まゆさんが居眠りしてる写真だ」
乃々「幸せそうな顔で眠ってますね」
おそらく勉強中だったのでしょう。
難しそうな数式がたくさん書かれたノートの上に、自分の腕を枕にして寝ています。
輝子「レッスンから帰ってきたらちょうど寝てて……。いいものを見た」
乃々「うらやましいんですけど……!」
レッスンルームに忘れ物をしてたことに気付いて一旦部屋を出て……。
戻ってきたときの写真が、これ」
乃々「……? なにか被ってますね」
まゆさんはさっきと同じ姿勢で眠っているのだと思います。
でも頭から何かを被っていて、よく見えません。
輝子ちゃんは、三枚目の写真を取り出しました。
輝子「なんだこれ、と思って近づいてみたんだ。そうしたら……」
乃々「これは、上着ですか……?」
輝子「そう……。間違いなく、プロデューサーの上着だ」
こうなった経緯は簡単に想像できます。
おそらく、「こんなところで寝てたら風邪引くぞ」のテンプレ展開が発動したのでしょう。
輝子ちゃんが出ている間に。
輝子「で、でもおかしくないか? こういうのって、だいたい肩にかけるよな」
乃々「そうですね。頭まですっぽり、というのはあまり見ません」
輝子「そこで、私はこう考えた……」
その時点ではまだ上着は肩にかかっていた……。
目を覚ましたまゆさんはまずプロデューサーを探した。
でもまゆさんに上着をかけたところで用事を思い出したのか、すぐに出ていったんだ。
私が部屋に戻るとき、ワイシャツだけのプロデューサーとすれ違ったから、この部分は間違いない、と思うぞ」
乃々「な、なるほど」
輝子「プロデューサーの前で眠っていた悔しさと恥ずかしさ、プロデューサーちょっとした優しさに対するよろこび……。
そういうなにかでいっぱいになって、反射的に上着を被っちゃったんだ。
ばふっ、と」
乃々「それは……かわいいですね……」
まゆさんがプロデューサーさんの上着をばふっとする光景。
目に浮かぶようです。
まゆさんがそんなのを被ったら……」
乃々「……あ」
輝子「プロデューサーのぬくもりとにおいに包まれて……。まゆさんはドッキドキだったはず」
乃々「な、なんかえっちぃですね……!」
輝子「フヒヒヒヒヒ、だよな、ヒヒヒ……!」
ビタンビタンビタン!
ガタガタガタ!
なにかこう、湧き上がる"まゆさんかわいい"が抑えきれなくて、机の下で暴れます。
会議が佳境に入るといつもこうです。
もしかしたらすぐに戻ってきたプロデューサーかもしれない、と思っている。だから……」
輝子ちゃんは言葉を区切り、ドヤ顔で言いました。
二枚目と三枚目の写真を指差しています。
輝子「このまゆさんは、寝たふりだ。フヒ」
乃々「な、なるほど……!!」
輝子「起こしちゃ悪いな、という建前で、このあと私はすぐに帰ったぞ……。
本当はまゆさんとちょっとおしゃべりしたかったんだけどな、仕方ない。
えっと、私からは以上、です」
乃々「写真三枚からここまで広がるとは……。
流石なんですけど」
輝子「あ、ありがとう……」
乃々「いえいえ……」
乃々「は、はいぃ……。輝子ちゃんほどの論理性と説得力があるわけではないですけど」
輝子「いや、論理性と説得力は二の次……。大事なのは"まゆさんかわいい"、だ。
まゆさんがかわいければ、なんならフィクションでも良いぞ」
乃々「それは、確かにそうですね」
輝子ちゃん、いいこと言いますね……!
もりくぼは、かばんからスケッチブックを取り出しました。
乃々「もりくぼには写真はむりなので……。絵を描いてきました」
輝子「おお、絵か。すごいな」
前回は写真を持ってこようとしてうまくいかなかったので……。
カメラ、難しいですよね。
輝子「す、すごいな……。なんかこう……、写実的だな。法廷画みたいだ」
乃々「ほ、法廷画……。
あくまで写真のかわりなので、リアルに描いてみました」
輝子「これは……カフェ?」
乃々「はい、すぐそこにあるオープンカフェです。
一週間くらい前、そこでまゆさんとプロデューサーさんを見かけました。
ちょっと気になったので、気づかれないくらいの位置につきました」
輝子「乃々ちゃん、すごい行動力だな……」
乃々「はい……。たしかにこのときのもりくぼは、ちょっとやるくぼだった、かも……。
近くから見た二人の絵が、二枚目のこれです」
二人とも、携帯を見ているだけで、全然目を合わせてないじゃないか……!
ま、まるでボッチ……」
乃々「気になったのはそこです……。
耳をすませばギリギリ会話が聞こえるくらいの位置のはずなのに、ぜんぜんなんにも聞こえなかったので……。
プロデューサーさんがお仕事か何かの連絡をしていて、まゆさんは構ってもらえずに拗ねてスマホを見ている、と最初は思っていました」
輝子「それでも十分かわいいな……。でも、違うんだな」
乃々「はい……。しばらく二人の様子を眺めていたら、突然ばっと顔を見合わせて……。
あ、次の絵です」
輝子「おおぅ……。 え、突然タッチがメルヘンになってるぞ……?」
乃々「めいっぱい写実的に描いた結果こうなんですけど……。
この、まゆさんとプロデューサーさんが見つめ合って、二人とも照れたような嬉しいような、そんなはにかんだ顔……。
これは、空間が歪みます」
カメラなら、撮るものを忠実に写真に映し出します。
でも絵は、どうしても描く人の主観によってフィルターがかかってしまいます。
そして、絵を見る人はそのフィルターをある程度考えて見てくれます。
だから100%現実に寄せて描いてしまうと、かえって変な感じになってしまう……というのがもりくぼの持論です。
正しいかどうかはわかりませんけど……。
少なくともあの日のもりくぼには、あの空間はこう見えました。
もりくぼの見た"リアル"を写実的に描けば、こうなります。
多分、二人はスマホでメッセージを送り合っていたのではないか、と」
輝子「え? 目の前にいるのに、か?」
乃々「はい、目の前にいるのに、です。
口に出して伝えればいいことなのに、わざわざメッセージを送り合ってしなければいけないような会話……。
きっと、カフェのような他の人がいる場所ではできないような話だと思います。
まゆさんたちともりくぼ以外にも、お客さんはいましたから」
そして、もりくぼにはお客さんたちがお話する声は普通に聞こえていました。
きっとまゆさんたちにも聞こえていたでしょう。
そのなかで、二人無言で、秘密のお話をしている……。どんな気分なんでしょうか。
輝子「ど、どんな話をしてたんだろう……?」
乃々「そ、それはもちろん……」
乃々「……」
輝子「ヒャッハアアアァァァーーーーーッ!!」
乃々「ひょええええぇえぇぇっ!!」
ビタンビタンビタン!
ガタガタガタ!
……
…………
………………
ちひろ「あんまり暴れないでくださいね」
輝子「ごめんなさい」
乃々「ごめんなさい」
ちひろ「いえ、一旦は帰ってくると思いますけど……。
でもまゆちゃん、今日の20:59までお仕事なので、こっちに戻るのは随分おそくなっちゃいますね」
乃々「そうですか……。残念です。じゃ、じゃあ、まゆさんにこれを渡してくれますか。
私たちからの、プレゼントです」
輝子「お、お願いします」
ちひろ「はい、たしかに受け取りました」
乃々「じゃあ、もりくぼは帰ります」
輝子「私も……。お疲れ様でした」
ちひろ「はい、お疲れ様でした。気をつけて帰ってくださいね」
乃々「もりくぼは、まゆさんに似合いそうなイヤリングを見つけたので、それを……。輝子ちゃんは?」
輝子「私は、しいたけくん栽培キット……。まゆさん、キノコ料理に興味があるみたいだったから」
乃々「おお、それは豪華ですね……」
輝子「で、でも私たちのプレゼントは、所詮はおまけ……。
本命は、プロデューサーのプレゼントだから、な」
乃々「そうですね……。プロデューサーさん、けっこう前から色々用意してましたしね」
輝子「何するんだろうな……」
乃々「……あ、ひょっとして」
輝子「……?」
乃々「プロポーズじゃないですか……? ほら、まゆさん16歳になったから……」
輝子「あ」
乃々「……」
輝子「……」
もう机の下じゃないので、ビタンビタンガタガタできないのが残念です。
乃々「そうですね。あと、結婚祝いも……」
輝子「フヒ、そうだな……」
まゆさん、本当に結婚しちゃうかどうかはわかりませんけど……。
とにかく今日はおめでたい日です。
お誕生日おめでとう、まゆさん。
まゆさんとプロデューサーさんの二人にとっては、きっとお友達のもりくぼたちですらエキストラです。
それでもまゆさんとプロデューサーが幸せならオッケーです。
まゆさんは、プロデューサーといっしょにいるのがいちばんかわいいから。
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 12 命燃やして恋せよ乙女
絶賛発売中です。
全人類5000兆枚買いましょう。
無料10連期間が終わったので今日スカチケを使うという人も多いのではないでしょうか。
そんなアナタにおすすめなのは、SSR[フィールマイハート]佐久間まゆです。
あなたもレッツまゆすき
【楽曲試聴】「命燃やして恋せよ乙女(M@STER VERSION)」(歌:高垣楓、佐藤心、三船美優、安部菜々、片桐早苗)
【楽曲試聴】「マイ・スイート・ハネムーン」(歌:佐久間まゆ)
【楽曲試聴】「Lunatic Show」(歌:星輝子、白坂小梅、輿水幸子、小早川紗枝、姫川友紀)
元スレ
乃々・輝子「机の下のエキストラ」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1504773480/
乃々・輝子「机の下のエキストラ」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1504773480/
「シンデレラガールズ」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
今週
先週
先々週
コメント一覧
-
- 2017年09月07日 21:19
- ダイマ!!
-
- 2017年09月07日 21:33
- 限定まゆいるからスカチケは別の子に使いますねー
-
- 2017年09月07日 21:34
- アンダーザデスクが仲良しでなにより
(Pの取り合いで崩壊するNGとTPを見ながら)
-
- 2017年09月07日 21:35
- モリクポは宣伝がうまいなぁ
-
- 2017年09月07日 21:42
- あれ?まゆはもともと16歳だよね、誕生日を迎えたなら17さ
-
- 2017年09月07日 21:59
- いいダイマだった掛け値なしに
ただシンデレラガールズカテゴリのおすすめ一番上に武内クンが掘られるSSってのはどうなんですかねぇ!
-
- 2017年09月07日 23:06
- なんていうダイレクトマーケティング
これは5000兆QP払って買うしかない!!!!!
-
- 2017年09月07日 23:23
- でもなーまゆに向かって私たちはエキストラなんて言ったらきっと怒るんだよなー友達思いだからな―まゆすき
スポンサードリンク
デイリーランキング
ウィークリーランキング
マンスリーランキング
新着コメント
掲示板サイト
アンテナサイト
最新記事
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク