男性は「1月25日の夕方、栃木県日光市で女性を殺した」と自供。すぐに栃木県署へ照会したところ男性の自供と一致する未解決事件が栃木市内で発生しており男性を緊急逮捕した。



男性の話によると1月24日の夜、東京都浅草の路上で45歳の女性Bさん（仮名）から声をかけられ一緒に酒を飲んだ。その時、二人で「日光へ旅行に行こう」という話になり翌日25日朝に日光へ行き観光したという。その日の夕方、日光の酒場で酒を飲んでいたところ、Bさんはしきりに「死にたい」と口走っており男性も金に困窮していたことから合意。「一緒に死のう」と心中することになったという。

AさんとBさんは互いの首を締め合って心中する方法を実行するが、女性のBさんでは力が足りずAさんだけが生き残ってしまう。Bさんは口から血を出し絶命してしまったことから怖くなりAさんはその場から逃亡した。

その後、Aさんは東京で暮らしていたが自分のモンタージュ写真が公開されたこともあり、常に警察に追われるような生活になってしまったという。

Aさんは前に犯した犯罪時に網走刑務所で知り合った友人にBさん殺害の件について相談。友人に連れられて逮捕となったという。



Aさん本人が語ったところによると自首したきっかけは「逃げ切れない」と感じた以上に、Bさんを殺害してしまったことへの良心の呵責のほか、常に夢のなかに殺害したBさんの顔が夢に出てきてしまったからだという。

また全くの偶然であるが、Aさんが自首した8月31日はBさん殺害事件の捜査本部を解散する当日だったという。


いかがだろうか。殺したはずのBさんの顔が夢に出るという不思議さに加え、捜査が打ち切られ未解決事件として処理される、まさにその日に自首するというタイミングは、偶然以上の何か別の力が働いていたとしか思えない。

 
27歳の男性と45歳の女性という年の離れた二人が何故出会っていきなり日光へ行き運命を共にすることを決意したのか、その胸中こそ今となってはわからないがAさんは若いながらも前科4犯を犯した人間で孤独者であり、心中相手を探していたBさんとは何か惹かれあうものがあったのかもしれない。

また、Aさんは記事によると取り調べにあたった刑事に対し「これでやっと胸につかえていたものがとれた」と安堵した顔で語っており前科はあってもAさんはしごく善良な市民であったことは想像に難しくない。

 事件からおよそ44年。生き延びてしまったAさんがどのように暮らしているかはわからない。

 
なお、余談ではあるが同じ8月31日付の読売新聞（夕刊）の右隣には「夏休みかくてフィナーレ」という見出しで8月29日に行方不明になった東京都練馬区の小学4年生の男の子が2日ぶり8月31日に約10キロ離れた埼玉県新座市で発見されるという記事も掲載されている。

男の子は自転車に乗って練馬区内のおもちゃ屋までプラモデルを買いに行ったが迷子になり埼玉県の新座市まで迷い込んでしまったという。





発見されるまでの2日間、男の子は車庫やガード下で就寝したり、水道水を飲んで飢えをしのいでいたという。

なお記事によると男の子は記者に「明日から新学期がはじまるので何とか自力で家へ帰るつもりだった」と語っており小学生ならではの責任感を見せつけていたという。

 
奇しくも同日に報じられた両事件には「8月31日までに間に合わせる」というテーマが共通しており何処か「夏を終わり」を感じさせる事件と言える。

 

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