地球の表面の70パーセントは海に覆われている。そしてあくまで仮説だが、これまで我々が探索したのはそのうちのわずか5パーセントのみでしかないと言われている。
これを信じれば、つまり地球にはまだ人の手の及ばない広大な未知の領域が広がっているということだ。海底の探索は、過去と現在、そして未来への洞察を得ることと等しい。そこには歴史の断片が眠っているのだ。
ここでは海底で見つかった驚異的な10の発見について見ていこう。
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10. プレートの現在の動き
image credit:Alexander Mustard
北アメリカプレートとユーラシアプレートは近年、年に2.5センチずつ遠ざかっている。その証はアイスランド付近にある両プレートの境界に行けば、陸でも海底でも見ることができる。
ダイバーでもある生物学者のアクレクサンダー・マスタードは、その一帯での探索を驚くべきものと評しつつ、「切り立った崖と透明な水」にゾッとしたと述べている。将来的にどうなるのかはまだ完全には解明されていない。
9. 古代都市パブロペトリ
image credit:greecebyagreek.com
1967年、ギリシャ南部の海岸でニック・フレミング博士によって発見された新石器時代の港町。博士によると、パブロペトリは海底に没したほとんどの古代遺跡よりも数千年は古いという。広さは推定10万平方キロ。僻地にあったために人間による破壊から逃れることができたようだ。
特に重要な発見は新石器時代の土器であり、これがこの古代都市の年代を知る手がかりとなった。当初パブロペトリは青銅器時代に作られたものと考えられていたが、その後の調査でさらに1,000年以上古いことが判明した。
8. 黒海の海底河川
image credit:University of Leeds
黒海の海底には川、木々、滝といった完全な生態系が存在する。なんだか混乱するが、それが可能になるのも、川の水の塩分濃度が黒海の海水よりも非常に高いからだ。
密度が高くなることで海の中を流れることができるようになり、川岸を作り出した。また川を流れる大量の堆積物も一因である。しかも、それだけでは不十分であるとでも言うかのように、その体積は陸上の川の中で6番目の大きさを誇る。海底河川は最終的に大西洋に注ぎ込む。これは海洋全体を理解する上でも大切なことだ。
7. ベーリング海のジェムチュクキャニオン
image credit:messagetoeagle.com
海底には川のほかに谷もある。ベーリング海のジェムチュクキャニオンは世界で最も深い渓谷で、容積5,800立方キロ、深さ2.6キロあり、グランドキャニオンがすっぽりと収まる巨大さだ。あまりの巨大さゆえに全貌を知るには宇宙からでなければ無理なほどだ。潜水艦による調査ではベーリング海に潜む生物とは違う生き物が見つかっている。
6. バハマのビミーニロード
image credit:Ancient Origins
1930年代に発見されたバハマ有数の観光地である。海面から6メートル下に敷かれたそれは、興味があれば誰でも潜って直接見ることができる。起源は不明であるが、古代エジプト起源説や自然形成説など諸説あり、かのアトランティスに続くという噂もある。
5. 英版アトランティス、ドッガーランド
image credit:stephenliddell.co.uk
本家アトランティスはいまだ発見されていないが、似たようなものなら北海の海底で見つかっている。8,500年以上前に海底に没したとされる巨大な陸塊ドッガーランドだ。
それはスコットランドからデンマークまで続いており、かつてマンモスが暮らしていたと考えられている。中石器時代に人間が定住した後、数千年かけて徐々に沈んでいった。その大きさや狩猟採集する人間が暮らしていた可能性から”ヨーロッパの真の中心”と呼ぶ者もいる。現在島であるイギリスがかつてヨーロッパにつながっていた証拠でもあり、専門家によってそこにある遺物の地図化が進められている。
4. 地中海のアトリット・ヤム
image credit:amazingancient.com
海底都市の発見には常に心踊らされる。アトリット・ヤムは地中海イスラエル海岸沖の水深8〜12メートルの海底で見つかった遺跡だ。1984年に発見されたそれは新石器時代のもので、これまで発見されたものとしては最大級の海底の集落跡である。
調査では、馬、井戸、人間のほか、遺物や謎めいた構造物なども見つかっている。特に印象的なのは、大きな石が泉の周囲に円形に配置された儀式用地だ。また最初は水汲み、後にゴミ捨て場となった石造りの井戸も面白い。人間の亡骸は65体発見されているが、その一部は既知のものとしては最も古い結核の症状を有している。野生の動物と家畜の骨が見つかっていることから、狩猟と飼育の両方が行われていたことが窺える。
3. 北極圏のブラックスモーカー
image credit: Live Science
海水がマグマと出会ったとき、海底に煙突が形成される。こうした熱水噴出孔は370度を超える熱水が噴出する一種の温泉だ。硫化鉄によるその色合いからブラックスモーカーとも呼ばれる。世界各地の海底で発見されているが、最も北にあるものは2008年ノルウェーとグリーンランドの間で発見された。
5本の噴出口があり、その1つは4階建の建物の高さに匹敵する記録上最大の硫化鉄堆積物だ。このあたりのプレートの動きはゆっくりであるため、発見は予想外のことであった。
2. チューク環礁の幽霊船
image credit:atlasobscura.com
難破船が語りかける歴史のストーリーは海のロマンであろう。太平洋カロリン諸島で発見されたチューク環礁には、第二次世界大戦で破壊された日本軍の船や飛行機がいくつも沈んでいる。
1969年のジャック・クストーの映画では幽霊船を主題として取り扱っており、その調査や回収が行われた。遺体はいまだそこに眠っていると言われており、その現場は海面から部分的に見ることができる。
関連記事:かつてトラック島と呼ばれたサンゴ礁:チューク環礁に眠る日本軍の軍艦墓地
1. ベリーズのグレートブルーホール
グレートブルーホールは好奇心旺盛なダイバーやスリルを求める冒険好きを惹きつけている。ベリーズ沖にぽっかりと開いたそれは、記録上最も大きい天然のシンクホールだ。
1971年、ジャック・クストーによって紹介され、以来人気観光スポットになった。観光客はガイドの案内で前回の氷河期に形成された石灰石の洞窟に潜ることができる。カリブ海に開いた極めて印象的な自然の穴は幅300メートル、深さ125メートルで、海底まで潜ることもできるが、オススメはしない(ガイドツアーもほんの触り程度に潜るだけだ)。
via:messagetoeagle / phys / messagetoeagle / messagetoeagle / ancient-origins / stephenliddell / ancient-origins / washington / atlasobscura / atlasobscura/ translated by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
2の沈没船で思い出したが海上コンテナもよく海に
ぽっちょんするらしく、落ちたコンテナがいい具合に
魚の棲み処になってるようだ
日本近海でもゴロゴロ転がってるかもね
2. 匿名処理班
新石器時代と言うのが凄いな
3. 匿名処理班
海底にはロマンがたくさん沈んでいるのですね