Phone Arenaは19日(現地時間)、本日リリースされた「iOS 11」に導入された「H.265/HEVC」コーデックにより、iPhoneで撮影した動画のデータ量が大幅に削減されたことを伝えています。
上の画像によると、HEVCコーデックで1分間撮影した4K/30fps動画のデータ容量は、およそ170MBになるとのこと。
また、解像度とフレームレートの選択肢に「4K/60fps」の項目が存在しているところを見るに、画像内の端末は「iPhone 8」あるいは「iPhone 8 Plus」であると見られます。
なお、「H.264」コーデックまでしか対応していない「iOS 10」を搭載したiPhoneで、同様に撮影した場合のデータ容量はおよそ350MBとなるため、前述の条件下では、50%以上ものデータ量削減に成功していることが判明しました。
以下は、HEVCとH.264とのデータ圧縮率の比較。
H.265/HEVC | H.264 | |
720p HD/30fps | 40MB/分 | 60MB/分 |
1080p HD/30fps | 60MB/分 | 130MB/分 |
1080p HD/60fps | 90MB/分 | 175MB/分 |
4K/24fps | 135MB/分 | ― |
4K/30fps | 170MB/分 | 350MB/分 |
4K/60fps | 400MB/分 | ― |
上記のデータから、「HEVCを採用したことにより、iPhoneで撮影される動画のファイル容量は平均で約47%ほど削減される」ことが明らかになりましたが、この割合は様々な条件で変動するものであるため、あくまでも1つの目安に過ぎません。
なお、HEVCコーデックによるハードウェアエンコードおよびデコードに “完全に” 対応しているアップル製チップは、現時点では「A11 Bionic」プロセッサのみ。
「A10 Fusion」プロセッサでも両方の処理が可能ですが、エンコード時のビット深度は8bitまでしか対応していません。
「H.264」コーデック時の撮影データ量の目安
また、「A9」プロセッサもハードウェアデコードを可能にしているほか、ソフトウェアデコードについては、すべてのiOS端末が対応しています。
そのほか、iOS 11においては、「High Efficiency Image File(HEIF)」と呼ばれる新たなフォーマットも採用されており、静止画のファイル容量削減も図られています。
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