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SpaceX、新型ロケットBFRで「地球旅行」を提案。東京-NY間も37分、最大時速2万7000km - Engadget 日本版

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SpaceX、新型ロケットBFRで「地球旅行」を提案。東京-NY間も37分、最大時速2万7000km

「料金はエコノミークラス程度」

Ittousai , @Ittousai_ej
12 時間前
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SpaceXのイーロン・マスクが、新型ロケット『BFR』 を宇宙旅行ではなく地球旅行、つまり通常の国際線旅客機として利用する構想を発表しました。

BFR はSpaceXが開発してきたFalcon 9 や Falcon Heavy を置き換える完全再利用型ロケット。人工衛星の打ち上げに加え、宇宙ステーションへの貨物および人員輸送、さらには月や火星への植民も想定した超大型ロケットです。

しかしイーロン・マスクはBFRを宇宙行きだけでなく地球上の輸送手段として、東京・ニューヨーク間がわずか37分(!)など、超高速の旅客機として就航させる構想を明らかにしました。SpaceXの表現では、地球上のほとんどの場所に30分以内、あらゆる場所に1時間以内で到達可能です。





SpaceX のイーロン・マスクは本日開催された国際宇宙会議 IAC2017 で、かねてからの目標である有人火星探査と恒久的な植民地の建設に向けた計画の最新情報を明らかにしました。

発表したのは、

・これまで ITS (インタープラネタリー トランスポート システム、惑星間輸送システム)として発表してきた、将来の火星基地建設向け超大型ロケット(+宇宙船)の構想を改め、ややスリムになった BFR ロケットに修正する。

・従来開発してきたFalcon 9、Falcon Heavyロケット (今年11月初打ち上げ予定)、ドラゴン宇宙船の役割は、すべて BFR に置き換えて開発リソースを集中させる。

・完全再利用が可能で巨大なペイロードを持つBFRによる打ち上げコストはFalcon Heavy などより遥かに低く、宇宙ビジネスに高い競争力がある。

・BFRを使い、2022年にも火星に2度のカーゴ輸送着陸ミッションを、2024年にも有人火星飛行を実現させる。

といった内容です。



ITS から BFR への修正と、BFRによる他ロケットおよび宇宙船置き換えの狙いは、打ち上げコストが大幅に削減できるBFRにリソースを集中することで、将来的な火星植民計画へ向けた経済性を改善すること。

イーロン・マスクといえば電気自動車と自動運転のテスラや、太陽光発電とストレージの SolarCity、ロケット打ち上げビジネスのSpaceX、新しい輸送システム HyperLoop のコンセプト、人類に危害を及ぼさないAIの提唱などあらゆる大胆な未来計画に顔を出す人物ですが、かねてより最大の目標は火星に自給自足が可能な人類文明の拠点を築くこと、それにより天災あるいは人災による人類絶滅のリスクを減らし、恒久的な発展を可能にすることと公言してきました。



要するに、ひとつのバスケットに全部のタマゴが入った状態でコケたらたまらん、巨大隕石なり未知の大災害なり戦争なりでうっかり片方の星の人類や生物が全滅しても、もう片方には残っている保険の状態を作りたい、という意味です。

SpaceX はマスクの気宇壮大なゴールを目指して、まずは人工衛星などの打ち上げビジネス、宇宙ステーションへの貨物および人員輸送のため、Falcon 9, Falcon Heavy といったロケット、ドラゴン宇宙船を開発。実際にロケットの再利用や、ドラゴン宇宙船による民間初の国内宇宙ステーションドッキングなどを成功させてきました。

従来の構想では、まずファルコンヘビーとドラゴンによる有人飛行の後、惑星間輸送向けの超巨大なロケット ITS を開発運用する流れでした。

しかし今回発表された最新の計画では、ITSをやや小型にアップデートしたロケットBFR (ブースター+宇宙船)を開発し、これまでファルコンシリーズやドラゴンが担当するはすだった仕事も置き換えるとしています。理由は打ち上げコストが大幅に改善する見込みのBFR にリソースを集中するため。

Gallery: SpaceX BFR presentation | 25 Photos




当初のITSよりやや小型化したとはいえ、それでもBFR はブースター(1段目)と宇宙船が合体した打ち上げ状態で全長100m超、直径9m、ペイロードを運ぶ宇宙船部分は長さ48m。低軌道への打ち上げ能力は150トンに及び、 アポロ計画で使われたサターンVを上回ります。(SpaceX が11月に打ち上げを予定する Falcon Heavy は低軌道へ54トン)。

与圧区画は、超大型旅客機エアバスA380よりも広い825m^3。火星への人員輸送を想定した構成では、40のキャビンに広い共有スペース、貯蔵区画やギャレー、太陽嵐時用シェルターを搭載できるとされています。



BFRはこのように膨大なペイロード運ぶことができ、さらに完全再利用が可能でコストが低くなるため、月や火星の前に地球上でも速い旅客機として応用が見込めます、とするコンセプトが冒頭の動画です。たとえば飛行機の直行便で13~14時間程度かかる東京・ニューヨーク間も、BFRならば37分。

とてつもなく高くなりそうな料金についても、イーロン・マスクいわく、エコノミークラスの通常料金程度に収まるとされています。



なお、『BFR』はビッグ・Fなんとか・ロケットの略。Fが何かは未だ詳らかではありませんが、「ファルコン」じゃないでしょうか。

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