蒼星石のハロウィン炎上パーティ
- § 主な登場人物の紹介
真紅 : アリスとなった自らのネームバリューを活かしてステーキハウスを経営したい第5ドール。
雛苺 : ウンコ漢字ドリルでもりもり勉強した結果、ウンコの絵が超上達した第6ドール。
翠星石 : ウンコ漢字ドリルの例文でいちいち笑い転げる小学生並みの第3ドール。
蒼星石 : 休日は薔薇屋敷の庭掃除のために野良猫がしたウンコをひたすら拾い集める第4ドール。
水銀燈 : ステーキの焼き加減について真紅と熱い討論を交わした結果、ボヤ騒ぎを起こした第1ドール。
金糸雀 : ジャンボタニシの養殖に興味がある。
珪孔雀 : 企画物の第8ドール。お肉は嫌いと言い張るが、焼き肉に連れて行くとめちゃくちゃ肉を食う。
雪華綺晶 : 雑食系第7ドール。あの格好でもカレーうどんを食べるブレイブチャレンジャー。
薔薇水晶 : 槐メイデン。EnjuDollゆるキャラ『ばらっしー』として、ステーキハウスをプロデュースした。
桜田ジュン : マイスターローゼン。特に理由のない真紅の暴力に屈したため今回はお休みです。
結菱一葉 : 蒼星石のマスターだった人。でもまだ手元に蒼星石を置いている。
結菱二葉 : 一葉の双子の弟で幽霊。ハロウィン特有の次元の狭間に吸い込まれてしまったため今回はお休みです。
- § ナレーション
ハロウィン!
それは秋の収穫を祝う祭が前身となっている行事だが、桜田家の薔薇乙女達にとっては大きく違った!
依然、桜田家に居候の身でありながらも、ハロウィンのこの日だけは
薔薇屋敷(結菱家)をトリック&トリートして蒼星石と同じようなブルジョワ生活ができると信じていた。
それは嵐のような渇きだった!
- § ハロウィン当日・近所の空き地
真紅「真紅レッド!」
雛苺「雛苺ピンク!」
翠星石「翠星石グリーン!」
金糸雀「金糸雀イエロー!」
珪孔雀「け、珪孔雀ブルー…」
真紅「五人揃って…!!」
紅雛翠金珪『我らハロウィン戦隊ハロレンジャー!』
翠星石「フッ…、決まったですぅ」
雛苺「でも、ちょっと珪孔雀の声が小さかった気がするのよね」
金糸雀「こういうのは恥ずかしがっちゃダメかしら珪孔雀」
珪孔雀「す、すいません。でも私が蒼星石お姉様を差し置いてブルーを拝命するだなんて」
真紅「いいのよ細かいことは。何故なら今日はハロウィン。蒼星石は敵なのだわ」
翠星石「そうですぅ。今日ばかりは翠星石も心を鬼にして、薔薇屋敷へとイッキ・ウチコワシです」
珪孔雀「イッキ…? ウチコワシ? あの…? ハロウィンですよね? 薔薇屋敷へはお菓子を貰いに行くだけじゃあ?」
真紅「いいのよ細かいことは(2回目)」
雛苺「うぃ! 蒼星石はケチンポだから普通のトリックorトリートじゃあヒナ達にお菓子をくれないのよね」
金糸雀「まったく! 折角のお金持ちなマスターを持っているのに不埒な妹かしら」
翠星石「細けぇこと言うようですが、蒼星石のマスター資格はおじじからチビ人間に譲渡されているですからねカナチビ」
金糸雀「う…っ! そ、それはもちろん事情通のカナは知っていたかしら! でも、事実上のマスターはまだ一葉じゃない」
珪孔雀「え? 桜田ジュンさんが蒼星石お姉様のマスター? そうだったんですか?」
真紅「そうよ。なのに蒼星石はブルジョワ生活を捨てられず薔薇屋敷に居座り続けている」
雛苺「蒼星石のダブルスタンダードぶりは実際、吐き気を催す邪悪レベルなのよね」
翠星石「おじじとチビ人間が蒼星石のこの扱いについて同意しているとは言え、確かに許しがたいことです」
真紅「蒼星石ではなく私が、薔薇屋敷で富貴を楽しむ身分になっていても…おかしくはなかった!」
金糸雀「だから、ハロウィンで蒼星石にお灸を据えるのは姉妹として正しい在り方かしら」
翠星石「蒼星石をこらしめる、お菓子は略奪する。両方やるって言うのが薔薇乙女のトリックandトリートです」
珪孔雀「そうだったんですね! 私が勉強不足でした!」
真紅「では、これより光の速さで薔薇屋敷へと向かう!」
金糸雀「イェァ! 地球を7周半して結菱家にトライかしら~!」
雛苺「ヒアウィーゴーなの!」
翠星石「ヒャッハー! 邪魔者はすり潰せ! お菓子は奪えですぅ!」
珪孔雀「私も精一杯頑張るんだから!」
- § 薔薇屋敷の門前
真紅「むむむ! かたく閉ざされた門扉。予想はしていたけどいつも以上に厳重な警備だわ」
翠星石「さらに塀の上には有刺鉄線が張り巡らされているですぅ」
雛苺「うゆゆ。塀をよじ登って敷地の中に入ることはできないのよ?」
金糸雀「鞄とか使って、空を飛べばいいんじゃないのかしら?」
珪孔雀「なるほど。飛べるって便利ですね」
真紅「甘い、甘すぎる考えだわ。今年の蒼星石は私達の常に上を行くと考えなさい」
珪孔雀「え?」
真紅「見てなさい…。ホーリエ!」
ホーリエ「…?」ふよふよ
真紅「さあ、行ってホーリエ。塀を越えて薔薇屋敷へ入るのよ」
ホーリエ「…ッ!」コクリ
雛苺「まず人工精霊で薔薇屋敷のお庭を偵察するのね? 頑張ってなのホーリエ!」
ホーリエ「…!」ヒュパッ
翠星石「ファイトですぅ! ハロウィンは情報戦です! 生きて有用な情報を持ち帰ってこいですー!」
ホーリエ「…ッ!?」ばちゅんっ
金糸雀「ばちゅん?」
珪孔雀「変な音を立てて、ホーリエが消えましたけど…瞬間移動か何かですか真紅お姉様?」
雛苺「すごいのー! いつのまに真紅のホーリエはそんな特殊技能をラーニングしたの!?」
真紅「いえ、違うわ。今のは、ホーリエがスナイパーに狙撃されて跡形もなく飛び散っただけよ」
珪孔雀「ふぇ!? ススス、スナイパー!?」
翠星石「なんですとー!? じゃあ、まさかのホーリエ殉職ですか!?」
真紅「安心なさい。この真紅ちゃんのホーリエは私同様に不死身。爆発四散しても滅びぬ! 何度でも蘇るわ!」
翠星石「そ、そうなのですか。しかし、スナイパー!? 一体誰が…いや、まさか!?」
真紅「感づいたようね。そう、スナイパーとはまさに蒼星石本人よ。彼女は最近、クレー射撃を始めていた!」
雛苺「あややややや! 用意周到&ヤル気マンマンすぎるの! ヒナ失禁スレスレなのよー!」ジョパパァーン
金糸雀「いつもながらスレスレじゃあなく失禁全開かしら雛苺」
真紅「奇しくも翠星石がさっき言ったようにハロウィンは情報戦。私の事前調査にも抜かりはない」
珪孔雀「…撃たれるのが分かっていてホーリエを行かせたんですか?」
真紅「必要な犠牲と見る。いいわね?」
珪孔雀「あ、はい」
金糸雀「空中からの侵入も無理…ということは、やはりこの門扉を正面突破するしかないと?」
珪孔雀「けれど、すっごく頑丈そうですよ、この門」
翠星石「流石に今年は、いつもの力任せじゃあ、門が開きそうにないですぅ」
真紅「それも心配ご無用。この真紅に抜かりはないわ。実は薔薇屋敷には内通者がいる」
金糸雀「内通者!?」
真紅「薔薇屋敷にはアリスゲーム終結で職を失ってあぶれたブサ綺晶が何体か雇われている」
翠星石「マジですか!?」
真紅「マジよ。しかも足元を見られて、かなりのブラックな条件で働かされているとのもっぱらの噂!」
珪孔雀「ぜ、全然そんなことは知りませんでした」
金糸雀「カナも初耳かしら。しかし薔薇屋敷がブラックだなんて、にわかには信じられないわ」
真紅「シャーラップ! 真実とはいつも、にわかには信じがたいもの!」
雛苺「うゆゆぅ…」
真紅「とにかく、労働環境に不満を持っているブサ綺晶の一体を寝返らせることに、私は成功した」
翠星石「マジですか? いつの間に!? どうやって!?」
真紅「買い物帰りのブサ綺晶を攫って洗脳…じゃあなくて、話し合いで平和的に交渉したのだわ」
翠星石「…真紅?」
真紅「話し合いで平和的に交渉したのだわ(2回目)」
珪孔雀「…ええと、真紅お姉様?」
金糸雀「真紅の発言内容への問い詰めは今はしない方が良さそうね」
雛苺「あややややや、真紅の暗黒非合法なメソッドはとどまることを知らないのよ」ガクガクブルブルじょわわぁ~
翠星石「そんじゃあ、その裏切りブサ綺晶が門を内側から開けてくれるんですか?」
真紅「その通り。そして、さっきのホーリエ撃墜がその合図だったのよ!」
金糸雀「なんと! ホーリエは無駄死にじゃあなかったのかしら!」
真紅「ええ。あと、ホーリエは死んだわけじゃあないから。被弾四散からの再構成に時間がかかっているだけだから」
門扉『ギギィ~』ずおおん
雛苺「ああっ! 門が開いてくのよ!」
翠星石「アバカム! アバカム!」
珪孔雀「すごい。あんな重厚な門が、ようこそいらっしゃいとばかりに簡単に開きました」
ブサ綺晶「ききっ」ヒョコッ
雛苺「あっ、ブサ綺晶なの。あの子が開けてくれたのよね」
真紅「これも私の洗脳…じゃあなくて根回しの結果だわだわ」
ブサ綺晶「ききっ」クイクイ
珪孔雀「手招きしてますね」
金糸雀「よし、ここはハロレンジャー年長者のカナが安全を確認しつつ一番乗りを決めるかしら~」
真紅「…ええ、せいぜいゴルゴ蒼星石に脳天を撃ち抜かれないように気をつけてね」
- § 薔薇屋敷の庭
蒼星石「やあ、待ってたよドールズ! ようこそ薔薇屋敷ハロウィンパーティへ!」ドジャァアーン
紅雛翠金珪『はいぃ!?』ビクッ
蒼星石「ブサ綺晶、翠星石達の案内ご苦労さま。あとは他のブサ綺晶達みんなと自由に遊んでくれていいよ」
ブサ綺晶「きき~っ!」タタタッ
翠星石「あ、案内!? どういうことですぅ!?」
真紅「と言うか、私達の行動が筒抜け!?」
金糸雀「一体全体、何がどうなっているのかしら!?」
蒼星石「あれ? ブサ綺晶から、【真紅達が今日のハロウィンパーティに参加する】って聞いたんだけど?」
雛苺「うゆゆゆゆ! た、確かに力尽くでもトリックandトリートするつもりだったの! で、でも…」
珪孔雀「歓迎されるとは思ってなくて。…私達を拒むかのような有刺鉄線やホーリエ殉職はどういったわけなんです?」
蒼星石「最近、物騒だからセキュリティを強化しただけさ。有刺鉄線はブルジョワの嗜みだよ」
真紅「じゃあ、ホーリエは!? あなたのせいで…、あなたのせいでホーリエは爆発四散したのよ!」
蒼星石「それは本当にすまない。けど、セントリーガン(無人機関銃)は不法侵入者に反応しただけなわけで」
翠星石「セント…リーガン…?」
蒼星石「うん。僕がDIYで作った無人兵器で、勝手に塀を乗り越えてくる不審者とかドローンとか水銀燈を狙い撃つんだ」ニコッ
金糸雀「そんな朗らかな顔で無人兵器の説明をされても…」
真紅「ええええ? それじゃあ蒼星石がクレー射撃を始めたってのは?」
蒼星石「あれ? よく知
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- :-:2017/10/02(月) 22:24:36
- 真紅と水銀、なんだかんだ言っても姉妹ですね…
- :-:2017/10/02(月) 22:24:54
- 今までのハロウィンよりかなり平和だな(錯乱
- :-:2017/10/02(月) 22:27:58
- ゲスい火中天津甘栗拳だなぁ
- :-:2017/10/02(月) 23:07:49
- 開幕ウンコラッシュで笑ったらきらきーに不意打ちされたwwwフュージョンファイトも抑えてるのね
でも二葉はここ数年ずっとお休みじゃないか
今回いつにもまして特撮ネタ多いなー
- :-:2017/10/02(月) 23:37:52
- 引き込み入れた押し込みとか鬼平好きにはタマラン展開からの、マイナーハロウィンゲーム薔薇乙女仕様でワクワクさせる流れがすんばらしい! やはりお祭ネタは楽しいのが一番かしら~!
しかしドリアンがこれほど似合う乙女もめずらしい。。。CMくるよ、ドリアンの。
- :-:2017/10/02(月) 23:43:52
- 薔薇乙女たちのゲロ吐き癖はジュンをマスターにした副作用なのでは?