Googleが10月4日(日本時間10月5日)に発表した新しいスマートスピーカー「Google Home Mini」に、意図せず周囲の音を録音し、Googleのサーバーに送信してしまう不具合が見つかりました。なお、不具合自体はすでに修正済みです。
速報:Google Home Mini発表、49ドルでGoogleアシスタントが使える普及型スマートスピーカー
Google Home Miniは、米国では10月18日、日本では23日に発売されますが、発表会当日にメディア向けにレビュー用として配布されていました。
不具合を発見したのは、このレビュー端末を利用していたAndroid PoliceのArtem Russakovskii氏。同氏によると、距離のあるテレビの音声に反応しているのを不審に思い、Googleアシスタントに何を話しかけ、どのような対応をしたのかが一覧できる「マイアクティビティ」を確認。すると、ほぼ常時、録音が行われ、その音声がアップロードされているのを発見したとのこと。
Googleが調査したとこと、原因はGoogle Home Mini上部にあるタッチパネルの誤動作と判明。もとの仕様では、上部を長押しするとホットワード(「OK Google」や「ねぇ Google」)を言わずにGoogleアシスタントが起動します。この機能が誤動作することで、Googleアシスタントが常時起動し、音声コマンドの入力待ちになっていたとのことです。
Googleアシスタントは、設定で明示的にオフにしない限り、入力した音声をGoogleのサーバーにアップロードするのは仕様です(アップロードされたものは「マイアクティビティ」から確認可能)。
このため、Googleアシスタントが入力待ちで起動し、タイムアウトもしくは理解できないコマンドとして処理されるのを繰り返し、結果として数千の音声ファイルがアップロードされてしまいました。
Googleは報告を受けた翌日(10月7日)には、問題に対応するアップデートを実施。対応方法は、上部長押しによる起動の削除です。
また、この問題が発生するのはイベント時に配布された早期リリース版のGoogle Home Miniだけであり、事前予約でこれから出荷される製品は影響を受けないとしています。
スマートスピーカーとプライバシーの問題は以前から指摘されていることですが、あらためて考えさせられる問題となりました。なお、Googleは報告を受けてから問題のGoogle Home Miniを回収するまで約3時間、そして翌時にはアップデートを行うスピード対応を実施。プライバシー問題を重く受け止めていると感じさせます。
英語のオンラインマニュアルには「temporarily disabled」との記載があるので、削除された機能はいずれ復活すると思います。また、同じ機能は発売中のGoogle Homeにも搭載されています(こちらでの不具合は報告されていません)。