雛苺と黄金の泉
- § 前回(蒼星石のオクトーバー噴出フェスト)のあらすじと主な登場人物の紹介
真紅 : 愛に勇気を与える第5ドール。石膏に包まれて考えることを止めたため、今回はお休みです。
雛苺 : 失禁しまくる第6ドール。その失禁の勢いは岩盤を割り、温泉を掘り当てる。
翠星石 : 調子に乗りまくる第3ドール。先日のオクトーバーフェストで飲みすぎて二日酔いのため、今回はお休みです。
蒼星石 : 庭師の極意に開眼した第4ドール。翠星石を看病しているため、今回はお休みです。
水銀燈 : 身勝手そうで身勝手でない少し身勝手な第1ドール。
金糸雀 : 翠星石にハシゴを外された。
珪孔雀 : 企画モノ第8ドール。膝に矢を受けてしまったが、じっくり湯治して完全回復した。
雪華綺晶 : 蒼星石から(同意の上で)たまに右眼を借りていることが判明した第7ドール。他の姉妹はドン引き。
薔薇水晶 : 槐メイデン。温泉ソムリエ、ゆるキャラばらっしー、シシャモ大使などの多くの顔を持つドール。
- § 桜田ジュンの部屋
町長「お願いします! 雛苺大明神様! 何卒、何卒! 我らにお力添えを~っ!」ドゲザッ
雛苺「うにゅにゅ…?」
翠星石「おうおう、どこの馬の骨か知らないですが、チビ苺相手にいきなり土下座とはカッコいいですね…と、ウグプッ」
蒼星石「翠星石、寝てなくちゃ駄目だよ。二日酔いでフラフラなんだから」
翠星石「ですが…、何か面白そうなイベントの予感が…、ウププッ」
蒼星石「今の翠星石からは嘔吐の予感しかしないよ。ほら、こっち来て。nフィー名産の『世界樹の雫』を飲んで寝てよう」
翠星石「それ、ただの水ですぅ~」フラフラ
蒼星石「違うよ。霊験あらたかで、ありがたい炭酸水だから。ホラホラ飲んで飲んで」
翠星石「ぐぬぬ…」フラフラ
町長「あ、あの…」
ジュン「す、すいません。あっちの二人は無視してください」
雛苺「それよりも、急に来た知らない人に土下座をされても、ヒナ困っちゃうなのよ」
のり「うちのヒナちゃんをご存知という事は、ローゼン関係者の方ですか?」
町長「申し遅れました。私が町長です」
ジュン「…どこの町長さんです?」
町長「エドラントです」
雛苺「えどらんと?」
ジュン「姉ちゃん、知ってる?」
のり「大江戸ランドやエドモンド本田…とは違いますよね」
町長「はい。エドラントはnのフィールドの第114514世界にあります」
ジュン「あ、やっぱり…。nフィーの方でしたか」
町長「慌てており、説明が不十分ですいません」
のり「いえいえ。では次に、本題についてですけど、うちのヒナちゃんにどのような頼みごとを?」
町長「雛苺大納言様には、エドラントの町興しのために温泉を掘り当てていただきたいのです!」
ジュン「町興しッ!?」
のり「温泉ッ!?」
雛苺「あやややややっ! マチオコシ…て、役立たずを死ぬまで飼うことなのよねーっ! 怖すぎるの!」ジョパパーン
ジュン「それ、『飼い殺し』。こちらの町長さんが言ってるのは『町興し』だ」
雛苺「あびゃびゃびゃびゃ! 能力を発揮する場も与えられず、放置プレイだなんてぇーっ!」ショパァン
のり「ヒナちゃん、落ち着いて。飼い殺しと町興しは全然違うから!」
町長「おお…」
ジュン「いい加減、落ち着けってば雛苺! 町長さんもお前のお漏らしぶりに絶句しちゃってる…!」
町長「雛苺ビヨンド様のナマ失禁…! なんと尊い。なんと勿体ない。ありがたやありがたや。ナンマンダブナンマンダブ」
のり「あの、町長さん…?」
町長「これは失礼。私としたことがナマ雛苺様のナマ失禁に我を忘れてしまいました」
ジュン「…特殊な性的嗜好の方ですか?」
町長「そうではございませぬ。雛苺クラウディア様が失禁で温泉を掘り当てたことは、その筋では超有名なのです」
のり「そのスジですか…」
ジュン「どのスジだよ」
町長「ともあれ、私どものお願いといたしましては、インペリアル雛苺様にエドラントにお越しいただきたいのです」
雛苺「ふみゅみゅ…?」
町長「そしてエドラントで失禁していただき、温泉を掘り当てていただきたい!」
ジュン「町長さん、正気ですか?」
のり「ヒナちゃんがお漏らしで温泉を掘り当てたというのは完全に偶然でして…」
町長「何卒! 何卒、雛苺セイバー様のお力を! たとえ偶然でも、nフィーではそれが必然となるのです!」
ジュン「ですが…。そのような、町の一大事をうちのチンチクリンに懸けるのも如何なものかと」
雛苺「むむぅ…!」
のり「このとおり、ヒナちゃんもあまり乗り気ではなさそうですし」
町長「勿論、お礼は存分に!」
雛苺「ヒナ、やるの! 困っている人達を見捨てるわけにはいかないのよね!」
ジュン「ちょっ…、雛苺!?」
のり「ヒナちゃん!?」
町長「ありがとうございます。雛苺大統領様!」
ジュン「お礼に目がくらんで、そんな安請け合いを!」
雛苺「やすうけあいじゃないの、これは助け合いなの」
ジュン「いや、そうじゃあなくてだな」
町長「さあさ、ギャラクシアン雛苺様。エドラントへご案内いたします。どうぞ、こちらへ」
雛苺「うぃ、苦しゅうないのね」
のり「ヒナちゃんが行っちゃう…」
翠星石「ふんぎぎぎ…! チ、チビ苺だけにオイシイ思いをさせるわけには…」ズリズリ
蒼星石「駄目だって。寝てなきゃダメだって言ってるでしょ翠星石~」グイグイ
ジュン「まずい! まずいぞ! 今日は赤青緑がお休みだ。雛苺の暴走を止められないかも…!」
金糸雀「ここは薔薇乙女のご意見番にして司令塔、カナの出番かしら」ニョキッ
のり「金糸雀ちゃん!? いつから居たの!?」
金糸雀「エドモンド本田あたりから居たかしら。カナに任せてくれればオールオッケーよ、ジュン」
ジュン「そうだな! よし! 翠星石の看病は金糸雀が代わってくれるから、蒼星石が雛苺について行ってくれ!」
蒼星石「は~い」
金糸雀「ちょっと! なんでそういう判断!? ここはカナがヒナについて行く流れでしょう!」
ジュン「え、だって…」
蒼星石「ね~」
金糸雀「蒼星石まで…ッ!? カナを蔑ろに…?」
翠星石「う~ん、う~ん…。翠星石はカナチビに看病されるのはイヤですぅ、蒼星石じゃなきゃイヤですぅ」
金糸雀「…ッ!?」
蒼星石「ありゃま。ゴメン、ジュン君。翠星石もこう言ってるし、僕が看病を続けるよ」
ジュン「そうか。じゃあ仕方ない、行ってくれ金糸雀。願ったり叶ったりで良かったな」
金糸雀「ありがたみが0ナノグラムかしら…」
のり「あの、ジュン君、金糸雀ちゃん。…私達が話し込んでいるうちに、町長さんとヒナちゃん行っちゃったわよ?」
ジュン「ええぇ~!? い、急いで追いかけて行ってくれ金糸雀!」
金糸雀「ラ、ラジャーかしらぁー!」バビューン
のり「大丈夫かしら…」
ジュン「心配だ。とても心配だ」
蒼星石「そうだね。エドラントの『エド』とは『穢土』。汚れた土地や、汚物、大便を意味する言葉でもある」
ジュン「……」
蒼星石「そして…、nフィーの中でも第114514世界は、かーなーり問題の多い世界との風評もある」
ジュン「どうして、そのウンチクをもっと早く言わない」
蒼星石「町長さんに悪いかなと思って。それに、汚物ランドで雛苺が失禁というのも運命じみたものを感じる」
ジュン「そんなもん感じんでいい」
のり「ジュン君…、どうしよう。このままじゃヒナちゃんとカナちゃんがスカトロに目覚めちゃうかも…」
ジュン「仕方ない。他の暇そうなドールズにも連絡して、できる限り手伝ってもらおう」
蒼星石「ホーリエ、スィドリーム、レンピカ! 姉妹への伝言よろしく」
ホーリエ「…!」ふよふよ
スィドリーム「…!」ふわふわ
レンピカ「…!」しゅぱぱっ
- § nのフィールド内某所・ドロローサ(苦難)への道
町長「…とまあ、このようにこの道をまっすぐに進みますと交差点が見えてきます」テクテク
雛苺「うぃ」
町長「続いて、そこを右に曲がってまっすぐ行くとネクロポリタン美術館があります」
金糸雀「ふむふむ」
町長「その突き当たりを、今度は左に曲がると第114514世界の入口があり、エドラントはその入口を抜けてすぐです」
珪孔雀「なるほど…。と言いますか、nのフィールドに交差点とかあったんですね」
水銀燈「珪孔雀は、こっちの方まであまり出歩くことないものねぇ」
珪孔雀「はい。人攫いとか怖いですから」
雪華綺晶「確かに、ネクロポリタン美術館のキュレーターに見つかったら、私達は捕まって展示されかねません」
薔薇水晶「慣れない内は…このあたりを歩くのは避けたほうがいいです」
金糸雀「あ、でも最近あっちの方にイオンができたらしいかしら」
薔薇水晶「そうなんですか? このあたりも便利になりますね」
珪孔雀「うーん、やっぱりnのフィールドは奥が深いんだから」
町長「…いつの間にやら、お連れ様がメチャ増えていますが、皆様で失禁していただけますので?」
水銀燈「するわけあるかァッ!」
町長「ひいぃっ! す、すいません!」
雪華綺晶「失禁の一つや二つ、してさしあげてもよろしいのでは? 黒薔薇のお姉様?」
水銀燈「本気で言ってんなら、ぶつわよ雪の字…」
- § エドラント
町長「到着でぇ~す。よくぞ、いらっしゃいました! ここが私どもの町、エドラント! 私が町長です」
雛苺「うぉー、あんまー! やっと到着したのよ!」
薔薇水晶「この空気、この雰囲気…」
雪華綺晶「なんとも寂れてますね。寒村オブザ寒村って感じですわ」
珪孔雀「雪華綺晶お姉様、そんなド直球な言い方しなくても…」
金糸雀「それもこれも、近くにできたイオンのせい…?」
水銀燈「汚物ランドなんて風評の割には大して汚くもないし、寂れているだけじゃあない。むしろ小ざっぱりしてるわぁ」
金糸雀「水銀燈は廃墟とか好きだから平気かもだけど、これは町長さんが危機感を抱くのも無理はないレヴェルの寂寥感」
町長「分かっていただけましたか。町長の私が言うのも何ですが、この窮状を」
雛苺「うゆゆゆゆゆ…。でも、ここにヒナの力で温泉が湧けば、一発逆転なのよね」
町長「その通りですカイザー雛苺様。しかし、先ずは皆様のご足労に対し、町をあげて報いたいと思います」
水銀燈「歓待でもしてくれるってのぉ?」
町長「はい! さあ、居るんじゃろう皆の衆! 雛苺同志をお連れしたぞー!」
町民A「ウオオー!」
町民B「雛苺様だ! 雛苺様が本当に来てくれたぞー!」
町民C「女神様じゃ! おもらしの女神様じゃ~!」
町民D「よくやった町長ー!」
珪孔雀「うっ…? いきなり町民の方々がシャッター街から登場を!?」
町民E「皆様こちらへ! 中央広場へお越しく
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- :-:2017/10/18(水) 21:56:13
- SLPY=サン、ケツデカピングーも見てるんですねぇ…
何故かとは言うけど、カナが水銀に進言しなかったら村人は全滅だったから…カナマジゴッド…あと、みんなが金糸雀なら罠に気づいてなにか仕込んでいるはずとか考えちゃうところを見ると普段の対応のわりには信頼されてますね…
- :-:2017/10/18(水) 22:02:51
- 114514世界とか汚い世界だなぁ
にしても今回は全力でグルグル回ってことは町民Fはその内踊りを極めてラスボス以上に堅いヘイト役を務めるようになる?
- :-:2017/10/18(水) 22:18:28
- ピングーとか食いたくねえwww
- :-:2017/10/18(水) 23:55:31
- 大抵の生き物は蒲焼きにすれば食える
- :-:2017/10/19(木) 00:01:23
- 慈愛の金糸雀像爆誕の予感かしら~!!
カナへさり気ない信頼感寄せてる姉妹にもホッコリ。
しかし、町長やら踊りやら、どーしてもモブ連中全てグルグルのオヤジで再生されて尿に塗れた地獄絵図。。。ショパァンのオノマトペも妙に頭に残るなぁ