NTT ドコモから発表された2枚のディスプレイの折りたたみギミックを持つをZTE製のスマートフォン「M」を見て、これは久々に変態端末キター!と歓喜された方も多いのではないでしょうか?
もちろん、真っ先に思いつくのは、同じくNTTドコモから5年前に発売されたNEC製の「MEDIAS W」。それはよくわかります、「M」のディスプレイが背面側に折りたたまれる機構はまさに「MEDIAS W」そのもの。スマートフォン「M」は「MEDIAS W」の生まれ変わりと言っても過言ではないずです。
新スマホ「M」に思う、2画面折りたたみに挑戦し散った端末たちそして「Sony Tablet Pシリーズ」
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いえ、それよりももっと前にあった機種が...、京セラ製の「Echo」もありましたが...てみんな忘れていませんか?もっとその前にAndroid端末で折りたたみにチャレンジした機種があったことを!
そうです、ソニーから発売された「Sony tablet Pシリーズ」です!
折りたたみ2画面で脚光を浴びるスマートフォン「M」が話題でもちきりになり、「MEDIAS W」ってあったよねーと盛り上がる中どうにも忘れ去られてるくさいので、ちょっとまって!Sony tablet Pも忘れないで!とモヤモヤした気持ちをはらずべく今記事を書いています。
「Sony tablet Pシリーズ」というのは、2011年9月に登場したれっきとした2画面折りたたみ式のAndroid端末。
名前にタブレットってついてますが気にしないでください。
「Sony tablet Pシリーズ」は、5.5インチ(1024x480)の液晶画面を2枚をくみあわせたデュアルディスプレイ。
サムネイルとコンテンツを別々に表示したり、フルフラットのおおきな1画面として使えたりと6年も前の機種にもかかわらずスマートフォン「M」とほぼ同等のギミックをもっていました。
当時のAndroid OS(Android 3.2のちにAndroid4.0)ではとうていできなかったマルチウィンドウ的な使い方を、ソニー独自の「スモールアプリ」をつかうことで実現していました。
しかも、画面側へ"手前に折りたたまれる"というのが注目ポイント。
画面をちょっと内側に倒して手前の画面をキーボードスクリーンにしてまるでPCライクなスタイルは、MEDIAS Wでもスマートフォン「M」にはない魅力でした。
当時、動画や音楽が楽しめる以外にも、PlayStationと連携して一部のゲームを遊ぶこともできたりとコンテンツ的なアプローチも頑張っていたのも印象的でした。
ゲーム画面とコントローラーを別々に表示してプレイできたりと、2つのディスプレイを活かした使い方もあり、もしかしたらこのままゲームマシンとして花開くんじゃ!?なんて淡い期待をしたこともありました。(その後、アッサリとなくなっちゃいましたが!)
一応、タブレットジャンルとしての登場ながら、Wi-Fiオンリーのモデルのみならず、モバイルネットワークにも対応したモデルも用意され、当然外に持ち出して使うこともできました。
通話しないことをのぞけば、現在のスマートフォン「M」と立ち位置は同じ。
ちなみに、外装パーツを変えることで、カラーをチェンジできる「着せ替えパネル」なるものでドレスアップすることもできました。
大画面タブレットでは持ち歩きには不向きでも、小さく折りたたまってカバンにポイっと入れられたり、タテ持ちにして絶妙に本ライクに使えるプライベート空間を作れたり、使いたい時にサクッと使えるAndroidならではの手軽さもあわさって「Sony Tablet Pシリーズ」は最高の相棒になりえる端末のひとつでした。
もちろん良いことばかりではなく難点をあげるときりがないのですが、2画面が1つの大きな画面になると言いつつも、ベゼルが太すぎてまったく一体化した画面に見えず。
他にも、2画面がゆえのバッテリー消費が激しすぎて予備バッテリーが必須だったり、一般のGoogleプレイに用意されているアプリたちが2画面に対応していなくて片方の画面にしか表示できなかったりと、発展途上な部分を多く残していました。
そういう突っ込みどころが満載でも使いたいと思えるカワイイ端末だと当時は本気で思っていたのです。
そして当然そういった不満を改良した次期モデルが出てくる、きっと出てくるに違いない!...と夢見ていましたが、月日は流れて今もそれは実現されていません。
「MEDIAS W」もまた然り、一度きり登場してそのまま沈黙、2画面ディスプレイ端末の洗礼は続きもうそういった端末は出てこないのかと思われました。
時を経て、Android 7.0ではマルチタスクでアプリが使えるようになり、2画面に対応するアプリも増え、採用されるプロセッサの性能も随分と上がったり省電力化もすすみました。
そして、ついにドコモから満を持して(?)ZTEの2画面スマートフォン「M」が発表されたのです。
今度こそ花開くかもしれないと、その2画面に"夢"と"希望"をのせた「M」の姿はとても眩しく目に映えます。
それでも、たまには、かつて果敢に2画面にチャレンジし、そして散っていった「Sony tablet Pシリーズ」をはじめとする数々の変態端末たちに思いを馳せてやってほしいものです。