※追記しました。
悟空「そんなことよりここどこだ?」
女騎士「(人間だと!?)助けっ……」
女騎士「……。(いやしかしこの砦は魔の森の霧深き場所だ。王国の強者でも容易に来れないハズ…だから私は人質のように連れ去られたのだった……つまりこやつは)」
悟空「なぁーって。」
女騎士「(醜きオーク共め。人間の姿を真似る魔術で私を追い詰めるつもりか!そうはさせるか)」
女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」
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女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」
悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」
女騎士「だ、黙れ!貴様らがひん剥いたのではないかっ!」
女騎士「(そうだ……国王様より賜った鎧を盗られ魔王に献上するといって持って行かれた。)」
〜〜
オーク「ぐへへ。この鎧は魔王様に相応しい。」
女騎士「や、やめろおおお!貴様らが触れていい物ではないわっ!」
オーク「ぐへへ。繋がれてまだ生意気な口をきくか。」
ガシャガシャ
女騎士「っ……」
オーク「人間の女は裸になると黙るって本当なのな。ぐへへ」
女騎士「わ、私はお前らなんかに……」
オーク「ぐへへ。これを届けたらお楽しみだなぁ」
女騎士「(なんという下卑た笑いだ……うぅぅ…父上私はもう…)」
〜〜
女騎士「死してなお貴様らを葬ってくれようぞっ!」
悟空「よくわかんねぇけど、とりあえずこれ着とけよ?チチが女は寒さに弱いって言ってたからな。」
イソイソ
女騎士「チチ!?私の体は私のものだっ……貴様らなんぞに」
スッ
女騎士山吹色「……」
悟空「しっかし、めえーたっぞ。飛んでたら変な穴に吸い込まれちまってよ。早くしねーとタイムバーゲンが終わって怒られちまう。」
女騎士山吹色「(なんなんだこのオークは……)」
悟空「で。そろそろここどこか教えてくれねぁか」
女騎士山吹色「(敵ではない……?いやしかし……)」
女騎士山吹色「…ここはオークの砦だ。」
悟空「へえ?おーくのとりで?」
女騎士山吹色「貴様。オークでは無いのか?」
悟空「オラか?オラ孫悟空ってんだ。」
女騎士山吹色「ソンゴクウ。」
女騎士山吹色「……」ジー
女騎士山吹色「(なんと屈強な戦士だろうか。鍛え上げられた肉体は鋼のようだ)」
女騎士山吹色「(だが気を許してはいけない。奴らこうやって何人もの…くっ!)」
悟空「オラそのおーくのとりでっちゅーのは良くわかんねえからなぁ。」
悟空「さっきも占いババの所にいたアックマンみたいなのに聞いたらいきなり攻撃してきやがったし…さっぱりだ」
女騎士「(アックマン?どういうことだ?つまり悪魔族とは敵対しているのか?)」
悟空「んでウロウロしてたらおめぇが素っ裸でいるしよ」
女騎士「ソンゴクウ。貴様人間か?」
悟空「変な事聞くなぁ。オラサイヤ人だけどちゃんと地球育ちだぞ」
女騎士山吹色「ちきゅう?サイヤ人?」
女騎士山吹色「……ハハハハッ!正体を現したな!危うく騙されるところだった」
バサッ
女騎士「こんなものっ!」
女騎士「恐らくは魔力の篭った服であろう!」
女騎士「さぁ殺せっ!!慰みのもになるくらいなら殺せえええ」
悟空「ど、どうしたんだよ。落ち着けよ。ブルマよりヒステリックじゃねーか!?」
女騎士「うるさい!閃いたぞ。舌を噛むと死ねると聞いたことがある。フフフ。フフフ。」
カツンカツン
オーク「騒がしいやつはどーこだ。ぐへへ。」
悟空「お?」
女騎士「(やつが戻ってきたか……)」
オーク「おっまったせっ。」
ゾロゾロ
女騎士「(4匹も引き連れてきたか……フフフ。死にゆく私をにはもはやどうでもいい)」
悟空「ところで。そんな死に方すると閻魔のおっちゃん手続き面倒って嘆いてたからやめた方がいいぞ」
女騎士「お前が我々の言葉を介さぬのはもはや周知。貴様ら近づいた瞬間に噛み切ってくれるわっ!」
オーク共「威勢がいいこと。この魔力の杖で……ぐへへ。楽しみだなぁ
オーク共「それはそれとしてまずはこの妙な侵入者を血まつりに上げてからだよなぁ。」
ジー
オークリーダー「まぁまて。のこのこ待っててくれたんだ。男は半殺しの後で見世物にしてやろう。」
女騎士「どういうこだ。お前も仲間だろう!」
オークリーダー「仲間だぁ?俺達が貧弱な人間を仲間にするって?」
ギャハハ
オークリーダー「お前の人生最後のギャグは最高にわらえたぞ」
女騎士「……」
悟空「なぁおめぇこいつらの知り合いか?」
チラッ
女騎士「馬鹿なことを…この状況でそんなハズはなかろう。私は連れ去らてきたのだ。」
悟空「わりぃやつらってことか」
女騎士「(フッ。皮肉なものだもしかしたら問答などせず、助けてくれと頼んでいたなら違った結末があったのではないだらうか…)」
女騎士「ソンゴクウとやら。すまなかった」
オークリーダー「お別れはすんだかぁ?げひげひ。やっちまぇ!!」
女騎士「(せめてソンゴクウだけでも逃げれるようにせねば)」
女騎士「うおおっ!逃げろソンゴ……クウ?」
悟空「……」
シュンッ!!
オークの群「」
女騎士「……」
悟空「もうおしめぇか?動いた気がしねえぞ」
オークリーダー「ば、ばばばかな!?人間如きに!!岩より硬い俺達の身体だぞ!わけがわからねぇ!」
悟空「悪いことは言わねえ。こいつを開放してやれ」
オークリーダー「っ!?そ、そんなのさせるわけねぇーだろっ!!」
ダッ
悟空「そうか。」
シュン!バシュ
オークリーダー「」
女騎士「(な、なにが起こった?オーク共が急に倒れた?)」
悟空「悟飯もグレートなんとかって変な格好して懲らしめる気持ちがちっとわかったぞ」
女騎士「(助かったのか?……グレートなご飯?謝礼の要求だろうか)」
女騎士「(いやしかし)ソンゴクウ。」
悟空「ん?」
女騎士「お前は何者だ」
悟空「変なやつだなぁ。オラ名乗ったばかりじゃねぇーか」
女騎士「いやそうじゃなくて……」
悟空「まぁいっか。とりあえず外に出てーぞ。こいつら風呂へーってんのか。くせぇからよ」
スンスン
女騎士「嗅ぐな!」
女騎士「(こいつは敵ではない。そうだ。私は助かる)」
女騎士「(そうなる急に恥ずかしくなってきた……私裸じゃないか)」
イソイソ
女騎士山吹色「……」
悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」
女騎士山吹色「恩に着る…」
悟空「んでよぉ。どこ行けば良いんだ?」
女騎士山吹色「お前が来た道を戻ればいいんじゃないか?私はご覧の通り人質だ。内部構造も知らぬ」
悟空「オラは場所聞きに来ただけだからなぁ。まぁ上に行きゃいいんか」
女騎士山吹色「そういうことだ。」
〜〜
地下→一階
ヒソヒソ
女騎士山吹色「くっ!まだあんなに魔物どもが!ソンゴクウ見つからないように進むぞ」
悟空「おっ?そうか。厄介なことには慣れっこだけど流石に腹減るからな」
女騎士山吹色「腹って……」
女騎士山吹色「フフフ。ここから出られたら腹一杯の礼をしよう」
悟空「おっ?ほんとか!?オラ西の都でたらふく食うつもりだったからよぉ」
女騎士「西の都か…商業都市で盛んな街な。私も昔は父上に連れられて行ったものだ」
女騎士山吹色「それが今じゃ占領下に……」
悟空「おめぇもいく予定だったんか?」
女騎士「あぁ。我が騎士隊は都市開放の任で向かうところだった」
悟空「んじゃ西の都までオラが連れてってやるよ。人助けしてたっていやぁチチも納得すんべ」
〜〜
一階→出口
女騎士山吹色「ここまで来ればもう…私は生きて帰れるのだな」
悟空「おーげさなだなぁ」
女騎士山吹色「おおげさって現に」
グオオオオン
女騎士山吹色「!?」
悟空「なんだぁ?」
オークキング「逃さぬぞおおおお」
ズシンズシン
女騎士山吹色「っっ!あ、あんな奴がいたとは……」
ズシンズシン
オークキング「オマエらを生きて返すわけにはいかねえ!!」
悟空「うひゃーー!でっけぇーー!」
オークキング「俺様が魔王様より賜った城から人間を逃したなどど、あってはならぬ!」
女騎士山吹色「ここまできたのに。畜生!」
オークキング「アリが2匹。一気に踏み潰してくれるう!」
ズキャン
悟空「あぶねぇ!」
ドンッ
女騎士山吹色「!?」
ドサッ
女騎士山吹色「ソンゴクウううう!」
オークキング「グヘヘへ。一匹は逃したが一匹は俺様の足の下でぺちゃんこだ」
女騎士山吹色「そ、そんな……そんな……」
オークキング「さぁーって残り…うおおおおお!?なんだ!?足が勝手に!?!?」
ズオオオン
女騎士山吹色「!?ひっくり返った?」
土煙モクモク
悟空「ふぅー。急に来るんだもんなぁ。」
女騎士山吹色「ソンゴクウ!」
悟空「よぉ。でーじょぶか?」
女騎士山吹色「あ、あぁ私はおかげで無事だが…そのお前は…」
悟空「オラは平気だ。ちーっとびっくりしちまだたけどなンハハハ」
女騎士山吹色「そ、そうか。それは何より?」
オークキング「うつつつう…おのれおのれ!!」
グワン
オークキング「なんで生きてる!?なんでだあぁ!もう許さん!俺様の本気を見せてやる」
ウオオオオオオオ
女騎士山吹色「っ!」
悟空「いーっ!?」
オークキング真魔「フルシユユユユユユ」
女騎士山吹色「(こ、こんな化物相手に我々は戦いを挑もうとしていたのか)」
女騎士山吹色「(桁外れの魔力、桁外れの肉体、人間には到底勝てない!)」
オークキング真魔「フキドバジデヤル」
スウウウウウーーー
女騎士山吹色「あれは魔力の咆哮!もうだめだぁお終いだ……逃げられない……」
悟空「ひゃー!すげぇー力を感じるぞ!」
ワクワク
女騎士山吹色「ソンゴクウも恐怖でおかしくなってしまうか……」
悟空「かー」
女騎士山吹色「フフフ」
悟空「めー」
女騎士山吹色「出陣前に教会で祈っても所詮我々は抗えぬのだ」
悟空「はー」
女騎士山吹色「神の…」
悟空「めー」
キュイイイイン
女騎士山吹色「慈悲はない!!」
オークキング真魔「ズアアアアアアアアアアアア」
悟空「波アアア!!!!」
カッ
女騎士山吹色「フハハハハ……はぁ!?」
オークキングは砦城ごと吹き飛んでいた
悟空「ふぅ。人造人間みたいに力を吸い取られてたけどな」
イエーイVサイン
女騎士山吹色「……」
悟空「流石に今ので疲れちまったぞ」
女騎士山吹色「ソウカ。ソレはタイヘンだな。うん。タイヘンだ……」
バタッ
悟空「お、おめえでーじょぶか!?なぁおい!?」
女騎士山吹色「……」失神
ナレーション「はてさて異世界にやってきた悟空と女騎士の出会い。これから先一体どうなることやら」
オッス オラ悟空!
また見てくれよな!
おしまい。
終わるなよw
なかなか面白かった。
面白かった
規格外の化け物が味方にいるっていいね
〜〜
モワモワモワモワ
ピッコロ「孫。聞こえるか。」
女騎士「な、なんだ!?声が頭に響いてくるぞ」
ピッコロ「孫?いや違うな。お前は誰だ。」
女騎士「ソン?ソンとはなんだ!」
ピッコロ「デンデ、本当に孫に繋がっているのか?」
デンデ「そのはずですが、おかしいですね。悟空さん聞こえますか?」
女騎士「な、なんなんだいったい!」
デンデ「もしかして悟空さんとこの女性の精神が混濁しているのかもしれません。どうしましょう……」
ピッコロ「全く。落ち着きがない奴め。孫悟空という者に出会ったらこう伝えるんだ」
ピッコロ「ドラゴンボールの1つを探せ」
女騎士「ドラゴン?」
ピッコロ「ドラゴンボールだ。いいか必ずだぞ」
デンデ「ピッコロさんもう少し言い方を」
ピッコロ「占いババが時間がないと言っていだろ」
デンデ「で、ですがこう――」
女騎士「お、おい!?私にどうしろと?」
女騎士「おい!!」
モワモワモワモワ
〜〜
女騎士山吹色「はっ!!」
ガバ
女騎士山吹色「……私は一体…ここは…」
悟空「いよぉ。目が覚めたんか」
夜のタキギ
女騎士山吹色「……お前は確か」
悟空「おめぇいきなりぶっ倒れちまうんだもんな。オラ焦ったぞ」
女騎士山吹色「…ソンゴクウ…か。そうだ!あれからどうしたんだ」
キョロキョロ
悟空「うぉーし、もういいな」
女騎士山吹色「な、なんだその生き物は」
悟空「何って魚だぞ。」
女騎士山吹色「いやいやいや。4メイルの魚なんて見たことない……」
悟空「つってもよ。こいつしか食えそうなのいなかったしなぁ。食うか?」
女騎士山吹色「……」グゥ
女騎士山吹色「いただこう」
モグモグモグモグ
悟空「食う元気あるなら、でーじょぶだな」
女騎士山吹色「……私は魔の砦のオークキングから出るときに倒れたんだな。ここは確か。魔の森か」
悟空「そうそう。んでよぉ人里に向かってたんだがよ。全然森からでれねえわ、腹減るわで」
女騎士山吹色「そうしてキャンプを張ったというわけか」
悟空「おかしなところもあるもんだな。それに気を感じねぇ」
女騎士山吹色「キ?……」
女騎士山吹色「ここは魔の森。霧深きところだ。入ったら二度と出れぬと言われている魔族の土地」
悟空「上にも行ったが天地がひっくり返ったみてえーになるし。オラお手上げだ」
女騎士山吹色「木を登って確かめたのか。無駄なこだ。魔力を帯びた土地は人間には不利になる。……なるほど、ソンゴクウ。お前の言う通り木の息吹を感じないな。」
悟空「おっ!おめえ気わかるんか?ビーデルのやつが聞いたら驚くぞ!ンナハハハ」
女騎士山吹色「ふっ。私は騎士だが多少魔術をかじっているからな」
悟空「へぇ!修行すりゃいい線いくんじゃねーか」
女騎士山吹色「修行か、そうだな。もっともっと私は強くなりたい。それに、いつか地上よりはるか空にあるという天空城に行くのが私の夢だ」
悟空「てんくうじょう?カリン様のところか、神様の神殿みてえなところか」
女騎士山吹色「カリン様は知らぬが、そうだな神がいると言われている場所だ。叡智の力を授けてくれるとの話。まぁ伝説の類だな」
悟空「それならオラが今度案内してやんぞ」
女騎士山吹色「ハハハハ。いいんだソンゴクウ。私を担がなくても。夢見るお嬢様と言われてこのかた数年だ。」
女騎士山吹色「だがこんな世の中だ。夢を見るくらいは甘えさせてほしいと私は思う」
悟空「いいんか?ミスターポポの修行はけっこう効くんだけどな。ちなみに超神水ちゅーのはオススメしねぇーけど」
女騎士山吹色「フフフ。ソンゴクウの夢もなかなか凝っているな‥」
女騎士山吹色「……ん?夢?」
悟空「どした?」
女騎士山吹色「いや、夢と言えば何か…」
女騎士山吹色「だめだ思い出せない」
女騎士山吹色「大事な何か……」
女騎士山吹色「いや何でもない。」
悟空「そうか」
女騎士山吹色「まぁともかく、夢の話なんて聞いてもらったのは久々だった。尊厳はもとより生命の危機を救ってくれたソンゴクウに改めて礼を述べよう。」
女騎士山吹色「ありがとう」
悟空「いいっていいって!それにオメェと約束したしな」
女騎士山吹色「腹一杯食べさせる か」
悟空「ンナハハハ!期待してっからよ!」
女騎士山吹色「フフフ。さて、夜も更けてきたことだ。脱出は魔の力が低下する朝にしよう」
悟空「おう」
zzZzzZ
〜〜
翌朝 霧深き魔の森
女騎士山吹色「(思えば寝食を共にした男はソンゴクウが初めてではないのか……)」
女騎士山吹色「(えーい!馬鹿な。朝から私は何を考えているんだ)」
悟空「ほっほっほっ」
シュバ!シュババババ!
シュン ババババ
女騎士山吹色「……(速すぎてよくわからないがきっと)」
悟空「オッス」
女騎士山吹色「訓練か」
悟空「サボると鈍るからな。欠かさねぇーんだ」
女騎士山吹色「(ソンゴクウの力の源はこういう積み重ねか)」
女騎士山吹色「確かに」
女騎士山吹色「それでは出口を探そう」
悟空「そういやオメェ道わかるんか」
女騎士山吹色「ここの一帯の主は昨日。ソンゴクウが屠ったから、私でも大丈夫だ。任せよ!」
―森―
―森―
―森―
―森谷―
―森―
―森―
〜〜
魔の森 出口
女騎士山吹色「ハァハァ…ソンゴクウ見ろ!やったぞ!」
悟空「すげぇーぞ!森なのに谷底に進んだ時は流石のオラもおかしいと思っちまった」
女騎士山吹色「くっ!そんな時もあるっ!」
女騎士山吹色「そ、そうだ!もしかしたら私の隊がまだ駐屯しているかもしれない!」
ダッダッダッダ
女騎士山吹色「あっ!!」
悟空「おっ?」
女騎士山吹色「おぉーい!!お前達っ!おぉーーい!」
姫騎士隊「!?あ、あれは隊長!!」
姫騎士隊「隊長おおお!」
ドッドッドッドッ
女騎士山吹色「やったぞソンゴクウ!私達はこれで本当に助かったんだ!」
悟空「良かったな!」
女騎士山吹色「あぁ!」
ドッドッドッドッ
ゼンタイ トマレーイ
副隊長「隊長!ご無事で……!?」
ザワザワザワザワ
女騎士山吹色「ん?…あぁ!副隊長。私はこの通り無事だ!心配をか」
副隊長「な、なんというお姿……ど、とんな辛いめに……」
女騎士山吹色「ど、どうしたんだ?私は別に」
副隊長「いいえ。いいえ。何も仰られるな…」
副隊長「そのようなボロ切れ一枚のお姿…」グスン
副隊長「えぇい!早く隊長に着るものを!」
姫騎士隊「はっ!!」
ザッザッザッザッ
アレヨアレヨ ト
女騎士「……」
副隊長「さっ!早くお屋敷へ帰りましょう!」
副隊長「そして傷を癒やしましょう」
女騎士「い、いやそれよりもだな」
チラッ
悟空「」ポツーン
女騎士「あの者を案内してもらいたいのだが」
副隊長「……」
ジッ
副隊長「……そうでした」
副隊長「そこの者、着いてくるがいい」プイ
悟空「なんだかわかんねぇーがそうさせてもらうよ」
副隊長「さっ。行きましょう隊長」
女騎士「あ、あぁ……」
女騎士「(何か妙な?)」
〜〜
女騎士の邸宅
女騎士私服「命の洗濯というのだろうか」
お風呂でサッパリ
女騎士私服「生きているを実感した気持ちになれるな」
侍女「お嬢様、本当に心配したんですよ?」
女騎士私服「あぁ。すまなかった。」
女騎士私服「ところでソンゴクウはどうしている?不都合はないだろうか。命の恩人なんだ」
侍女「……お嬢様」
女騎士私服「どうした?」
侍女「その…申し上げにくいのですが…あの者は魔の眷属の疑いがありとの事で王都へ連行となりました」
女騎士私服「馬鹿な!なんだそれは!!」
女騎士私服「いったい誰がそんなことを申した!!」
侍女「き、祈祷師様にございます」
女騎士私服「祈祷師だと?……そんな者がいつ」
女騎士私服「いや、今はそれよりもだ」
ダッ
邸門
女騎士私服「ソンゴクウ!待ってろいろよ!」
パカラッ
悟空「なんだ出んのか」
女騎士私服「……」
パカ…ラ
女騎士私服「なぜ居るのだ」
悟空「飯ご馳走してくれんだろ?オラ朝から何も食ってねーからよ。」
女騎士私服「…まぁそのつもりではあるが、いや、待て待て」
女騎士私服「(整理しよう。)」
女騎士私服「ソンゴクウ。貴様は魔の者……ではないよな」
悟空「よくわかんねーけど違うと思うぞ」ウンウン
女騎士私服「すまない。ただの再確認だ。本気で思ってはいない」
女騎士私服「こんなところで何をしているんだ?」
悟空「あいつ等のことか?」
ただの妙な連中「」
悟空「おめぇの知り合いか?いやははは。や!悪気があったんじゃねーぞ!そのな、チーーっとばかしすっ転ばしまって」
女騎士私服「おお…」
バッ
ただの妙な連中「」ピクピク
女騎士私服「(い、生きてる)…いや知らない輩だ」
悟空「そか。いきなりオラに馬車に乗れって」
〜〜
妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」
悟空「飯食ってからじゃ駄目なんか?」
妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」
悟空「だけどよぉ。あいつ食わしてくれるって」
妙な連中「逆らうか。ならば強制。」
悟空「めぇーったなぁ。通じてんのか不安だぞ」
ポリポリ
妙な連中「……」
オシタリ ヒイタリ
びくともせん
悟空「乗ってもいいけど後じゃダメ……なんだよなぁきっと。」
妙な連中「……」スッ
魔力のナイフ
悟空「ンッ!」シュン
パシッ
妙な連中「!?」
悟空「流石にそいつは危ねえ気がする。悪く思うな…よっと!」
バシュン
〜〜
悟空「ってな。」
女騎士私服「なるほど。そこにあるナイフはもう力がないが魔道具だ」
女騎士私服「それにこやつら」
ただの妙な連中「ウーン」
女騎士私服「伸びてはいるが傀儡の力を感じる」
悟空「ふーん?」
女騎士私服「つまり、操られていたということだ」
悟空「ひぇそんなこと出来んのか」
女騎士私服「祈祷師か」
女騎士私服「……なるほど。フフフ。奴らはソンゴクウに目をつけたようだな」
悟空「いぃ!?あいつ等のみたいになっちまうってのか?オラいやだぞ」
女騎士私服「早々に見つけ出してやる!」
ナレーション「勘違いな会話を続ける悟空と女騎士。そんな二人は無事森の抜けたのだったが、出たのもつかの間、謎の祈祷師が何やら暗躍している様子。悟空は元の世界へ帰れるのだろうか」
オッス オラ悟空!
女騎士はなんか妙にやる気だし、オラはどうすればいいんかわかんねぇーぞ!
女騎士私服「さぁソンゴクウ、私がいない数日の間で、屋敷にまんまと取り入った祈祷師やらを探そう!着いてくるが良い」
悟空「邪魔してもいいんか?」
女騎士私服「そなたが狙われているのだ。なるべく一緒の方がいいだろう。」
悟空「そんなら、一個ばかしおねげぇがあんだが」
女騎士私服「願い?」
悟空「オラ腹へっちまて、そうだ!別にただでなんて言わねーからなぁ!オラに出来ることならなんでもすんぞ」
女騎士私服「全く……自分が狙われてるというのにノンキな奴だ」
女騎士私服「しかし確かに森を抜けてからもう大分時刻を回っていることだしな」
女騎士私服「(食事ついでに屋敷の者に聞くか)」
〜〜
女騎士 邸宅
女騎士私服「約束だったな!ソンゴクウよ。遠慮なく食べてくれ」
悟空「いっただっきまーーっす!」スゥ
………
……
給仕「あ、あのぉ〜お食事中に申し訳ありませんが…そのぉお嬢様…」
女騎士私服「……」
悟空「うぉ〜んめぇー」ガツガツガツ
悟空「!!」カッ ガツガツガツ
悟空「スープおかわりいぃ!」
悟空「おっといけねぇ。チチに他所様のところでは紳士にって言われてたんだわ」
悟空「ゴホンッ。も、もう一皿いいんか?」
チラッ
女騎士私服「……あぁ。……なんなら他に追加させようか?ハハ、なんて」
悟空 ニコッ
女騎士私服「な…追加か。追加なんだな」
女騎士私服「…」チラッ コクン
給仕「か、かしこまりました」
〜〜
厨房
給仕「つ、追加ですぅ!」
料理長「へっ!長年努めて来たが、ここまで食べてくれるとはありがたいねぇ!」
〜〜
………
女騎士私服「すまないが、直ぐには出来上がらないので、ちょうど良い機会だ。ソンゴクウお前の事を尋ねてもいいだろうか」
悟空「ん?オラに何を聞きてぇーって?」
女騎士私服「ふむ。」 チラッ
執事「かしこまりました」スッ タイセキ
女騎士私服「ソンゴクウ。貴方は何者なのだ?いや、そもそもどこから来たのだ。確か西の商業都市に向かうつもりだったのだろう?」
悟空「オラ、チチに頼まれて西の都のバーゲンセールに買い物に行く途中だったんだ。まぁもうおせぇーから、終わっちまってるぞ。」
女騎士私服「占領下にある都市で買い物……」
女騎士私服「……。産まれはどこだ?」
悟空「パオズ山でオラ育ったぞ」
女騎士私服「ぱおずやま?」
悟空「おう。しらねーんか?ここからだと……たぶん、ずっと東の方向だと思うだけどよ。」
女騎士私服「地図を持ってこよう」
……
…
女騎士私服「大陸地図だ。ここが我が父の領土になる」
悟空「んぅー?なんだこりゃ」
女騎士私服「ソンゴクウ、貴方がいう東はここの辺りだろうか」
悟空「いや、オラ知らねぇ。それになんて書いてあんのかも読めねぇーぞ。記号か?」
女騎士私服「?」
悟空「?」
女騎士私服「……この本のタイトルを読めるか?」
悟空「わかんねぇ」
女騎士私服「(簡単な公国語のはずだが)」
女騎士私服「(記憶が……というわけでもない)」
女騎士私服「(大陸外から来たというのか?しかし言葉は通じているのはどういうことだ)」
悟空「世界は一通り見た気がすんだが、ここは知らねぇぞ」
女騎士私服「ふむ。謎だ。少なくとも私にはパオズ山という地名は聞いたのこともない。そもそもタイムバーゲンとはなんだ」
悟空「服とかほーせきが安く買えるってやつだぞ」
女騎士私服「戦火で高騰している今、そんな酔狂な店主がいるのだろうか…いや、大陸外から危険をおかして買いに来るなどすでにか……」
女騎士私服「ちなみ西で一番の商業都市は地図ではここだ」 スゥ
悟空「んー見覚えねぇ」
女騎士私服「そうか……ソンゴクウ。1つをわかったことがある」
悟空「おっ?」
女騎士私服「貴方の存在が謎という点だ」
悟空「??」
女騎士私服「仮に大陸外の東に戻ったところで、貴方の知っている場所はないだろう」
悟空「いぃ!?…めぇーたなぁ。オラ帰れねぇんか」
女騎士私服「いや、私も混乱していたが、確か穴に落ちたとか言っていたな」
悟空「おう。飛んでたらな」
女騎士私服「そうそれだ。事故か…何かの拍子で崖から落ちた時に魔の歪を通ったと思われる」
悟空「海の真上だったと思うんだがなぁ。」
女騎士私服「?ハハ。海の上に崖は存在しない。衝撃でその辺混濁しているのだろう」
悟空「身体は頑丈な方だと思うんだがなぁ。」
女騎士私服「跳んでいたのだろう?」
悟空「飛んでたな」
女騎士私服「……」
悟空「……」
女騎士私服「ともかく、魔の歪を通って何処から来たという話しだ、帰れるとしたらまた同じ場所に向かうしかないが、しょっちゅう出くわすものではない」
悟空「帰れるんか?」
女騎士私服「可能性の域だがおそらくな」
悟空「そっか。探すきゃねぇーな」グゥ
女騎士私服「……ノンキ過ぎな腹だな」
悟空「ハハハ」
トントン オリョウリ デキマシタ
女騎士私服「だそうだ」
悟空「待ってました!」
………
……
料理長「……もう腕が上がらねぇ…へへっ見ろよ…俺の指…痙攣してんだろ?」
料理長「前パーティで20人前作って自信で俺は自惚れていたのかもな……」
料理長「明日、旦那様帰って来る間に戻ってることを神に祈るよ……」
バタリ
料理人「料理長おおおお!」
……
………
悟空「ごっつぉさん!いやぁ食った食った!」
女騎士私服「まるでドラゴンのような胃袋だな…」
女騎士私服「…ドラゴン。?」
〜〜
女騎士執務室
女騎士私服「執事よ。確認したいことがある」
執事「なんでございましょう」
女騎士私服「ソンゴクウの連行は正式なものではないよな?」
執事「はい。急ぎ使いを出した、ところそのようです」
女騎士私服「だろうな」
女騎士私服「(そもそもオーク共に捕まった時点で生きて帰れぬだろういた私だ……)」
女騎士私服「(それがこのような急に手が回るとなると、砦の生き残りが先回りしたという具合か)」
執事「いかがいたしますか」
女騎士私服「父上に相談したいところだが、ソンゴクウをなんと紹介すべきか……」
執事「お嬢様の隊の皆さまがおっしゃってましたが、その…破廉恥な格好でお帰りなされたとか」
女騎士私服「くっ、屈辱的なことを言うな!……むしろソンゴクウの道着(と言っていたな)がなければ私などすでに尊厳を無くしていたわ!」
執事「いや、我々は信じてますから問題ないのですが、旦那様のお耳に恐らくは届くのも時間の問題かと……」
女騎士私服「ふ……む。いや成ればこそ、ソンゴクウがいなければ尚のこと私は…」ブルブル
女騎士私服「あっ。そうだ、借りた道着はどうした?」
執事「お嬢様がお持ちでは?」
女騎士私服「帰ってきたとき隊の服であろう。あずかっておらぬか?」
執事「いえ。」
女騎士「そうか……」
女騎士「(隊のものが預かっているのだろうか。……)」
モワモワモワモワ
悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」
女騎士「こんなものっ!」
女騎士「恐らくは魔力の篭った服であろう!」
女騎士山吹色「……」
悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」
女騎士山吹色「恩に着る…」
モワモワモワモワ
女騎士私服「……」
執事「お嬢様?」
女騎士私服「いや。なんでもない。」
女騎士私服「それで留守の間に来たという祈祷師の情報はどうなっている」
執事「それが、どうも祈祷師なるものの家に私兵を向かわせたところもぬけの殻でございまして、近隣にも訪ねましたが、そもそも数年空き家との話でございます」
女騎士私服「やはりか。おのれ」
女騎士私服「父上かお前が応対していれば、正式なものかどうか確認できたものだが、その点はどうなっているか」
執事「はっ。旦那様はお嬢様が捕まったと聞き王都へ向かわれまして、私は近隣諸侯に兵を挙げて頂くよう御用を仕っておりました。」
執事「ですから、その際は……」
女騎士私服「どうした」
執事「侍女が会っていたとのことにございます……」
女騎士私服「……本当か…?」
執事「直接はまだ確認してませんが、万が一を考えてメイド長に遠まわしに確認の段階です」
女騎士私服「…そうか」
女騎士私服「ご苦労であった。この件は私が預かろう。休んで良い」
執事「かしこまりました」
スッ
女騎士私服「ふぅ。侍女がか。長年そばに居てくれたあの者が。いや早計だな。ソンゴクウでこりたろう。早とちり」
女騎士私服「今はそう思おう。」
ポツポツポツ
女騎士私服「雨か。……荒れそうだな」
………
……
客室 IN
悟空「zzzZ」ゴガガガ
悟空「zzZ」ガゴーアゴゴガガ
侍女「……」
侍女「貴方は悪魔…」
侍女「お嬢様をたぶらかす悪魔ッ」
侍女「魂を縛る悪魔をこのツルギで刺せばお嬢様は解放される…」
スッ
ブルブル
侍女「(い、いくら人の形を取ろうが、この人は悪魔なのよ)」
侍女「(お嬢様の為。お嬢様の為ッ!!)」
侍女「えいっ!!」
ズシャ!!
……
………
〜〜
モワモワモワモワ
ピッコロ「おい女。聞こえるか」
女騎士「……」
キョロキョロ
ピッコロ「聞こえていたら返事をしろ」
女騎士「…どこかで聞き覚えがあるような」
ピッコロ「チッ。俺はピッコロという。孫。孫悟空には会えたか?」
女騎士「そうだ!お前は前に夢で語ってきた奴だな!お前、いや前は二人いたな。何者だ!」
ピッコロ「……やかましい奴め。二度も説明する気はないが、重要なことだ。孫悟空に会えたか答えるんだ」
女騎士「仮に会えたらどうしようというのだ!」
ピッコロ「ふん。つまり会えたのだな。遠回しはよせ。で、ドラゴンボールを追えと伝えたか?」
女騎士「くっ。」
女騎士「……ドラゴンボール?」
ピッコロ「……」
女騎士「あっ!!夢やらドラゴンで引っかかったのはそれか!」
ピッコロ「この女…。夢で、しかもお前だけしか俺の声が伝わらない。いいか覚えておけ。『ドラゴンボールを追え。そうしないと悟空は帰れない。』」
女騎士「帰れない?」
ピッコロ「そうだ。鍵はドラゴンボールの一つだ。何かの拍子にそっちに転がり込んだりようだ」
女騎士「ドラゴンボールとはなんだ?」
ピッコロ「その辺は孫に聞け。俺からの伝言と言えば伝わる。」
女騎士「……」
ピッコロ「今度は目が覚めても忘れるなよ」
女騎士「ぜ、善処する」
モワモワモワモワ
〜〜
〜〜
女騎士寝間着「……」ウウーン ノビノビ
ザァザァ
女騎士寝間着「外は雨か」
女騎士寝間着「夢で……伝、言。ドラゴン、ボール」
女騎士寝間着「ソンゴクウに。」
女騎士寝間着「ピッコロ」
女騎士寝間着「はっ!そうだ!」
メモメモ
女騎士寝間着「ソンゴクウが帰るためには『ドラゴンボールを追え』『一つ』『ピッコロ』だ!」
女騎士寝間着「シャキッとしないと!」
……
ダッダッダッダ
トントントントン!
女騎士私服「ソンゴクウ!入るぞ!いいか!?急ぎの用だ!」
ガチャ
悟空「……」
女騎士私服「ソンゴクウ、ピッコロというものから言伝が」
悟空「……」
女騎士私服「ソンゴクウ?」
ザァザァザァザァ
ナレーション「状況が少しわかってきた悟空ではあるが、自体は刻々と変わっていく。思い出した女騎士はピッコロからの伝言を悟空に伝え、悟空は行方知らずのドラゴンボールを追うことができるのであろうか。」
オッス オラ悟空!
ようやくオラがどうなっちまっているかわかってきたきたけど、オラの知ってる場所がねぇーってまじぃぞ。
それにオラが寝てる間にてぇーへんなことになっちまってるしよぉ
頼むぞ女騎士!
乙
寝込みとは言え果たして刃が通るかどうか……?
それとも呪いの類いか?
体が鈍ってる時はマシンガンの弾で傷付いたりするから寝てたら刃も通ると思う
女騎士私服「ソンゴクウ?」
悟空「……」
タッタッ
女騎士私服「腕、腕に……あ、ち、赤い…ち、血が……」ブルブル
女騎士私服「なにが、何があった……」
女騎士私服「(落ち着け!)…風の精と水の精よ!かの者の傷癒やしたまえ!」
キュワキュワキュピーン
女騎士私服「だ、誰か!!誰か来てくれ!」
〜〜
………
……
お抱え医師「お嬢様のお力で傷は問題ないのですが……」
女騎士私服「ど、どうしたというのだ!」
お抱え医師「目が覚める気配がないのでございます」
女騎士私服「……」
お抱え医師「呪いの可能性がありますなぁ」
お抱え医師「…寝ているときに何か痛みがあった場合普通なら起きますよね?」
女騎士私服「あ、あぁ…」
お抱え医師「また、仮に真夜中に襲われていた場合、今と言うことは、失血死でもおかしくはない」
女騎士私服「!?ソンゴクウは息をしているのであろう!?」
お抱え医師「えぇその点は大事ありません。不思議なことに、先程見分致しましたところ、さほど血が出ておらぬ様子」
女騎士私服「そ、そうか……」
女騎士私服「(私は気が動転していたのか)」
お抱え医師「寝相はまぁさておき、起きて抵抗した様子もないし、荒された様子もない」
女騎士私服「つまり刺された瞬間に呪いが発動したというのだな……」
お抱え医師「わしの見解ですが。可能性は高いかと」
女騎士私服「どのような呪いかわかるか?」
お抱え医師「専門家に見せればわかるやもしれませんが、わしには判断がつきませんわい」
女騎士私服「…承知した…」
〜〜
女騎士私服「……呪いか」
女騎士私服「くそっ!」
侍女「……お、お嬢様、そのようなお言葉、はしたないです!」
女騎士私服「あぁ…すまない…」
女騎士私服「(一体誰かこのようなことを)」
女騎士私服「(祈祷師か…いやしかし門番はもとより巡回すら何も聞いていないと言う)」
侍女「……お嬢様ご気分は…その、いかがでしょうか…」
女騎士私服「気分か……見てわかろう…」
侍女「さようで…ございますか」
女騎士私服「(気分か。呪いの程度が分かれば少しは検討もつくというのに)」
女騎士私服「…お前は昨夜何か見たり聞いたりしていないか?」
侍女「い、いえ私は特に…何も……」
女騎士私服「そうか」
女騎士私服「(医師は確か物盗りの類ではないと言っていたな)」
女騎士私服「(致し方ない)」
女騎士私服「お前こそ気分が優れない様子だな。何か悩みがあるのか?」
侍女「い、いえ!私…特に、大丈夫です」
女騎士私服「そうか」
女騎士私服「ソンゴクウの呪いについて、このまま行くとどうなると思う?」
侍女「わ、私にはさっぱりです!」
女騎士私服「なに、ただの考えだよ。閃きがないだろうかとな。なんでもいい。言ってみてくれないか?」
侍女「…し、素人として思いますに…目覚めぬ呪いなのではないでしょうか」
女騎士私服「目覚めぬ呪いか。なるほど…。」
侍女「でも、き、きっと違いますよ!」
女騎士私服「目覚めぬ呪いならば、昔本で読んだことがある。その解呪方もな」
侍女「…えっ…」
女騎士私服「なんでも古来からの伝統的な方法だそうだ。皆知っているのではないだろうか」
侍女「わ、私には検討もつきません」
女騎士私服「こんな話だよ」
……
…
『昔々、それはそれは美しいお姫様がおりました。』
『聡明でいて、誰にでも優しいお姫様は国王様、お妃様はもちろん、国中からも愛されていました。』
『ある時、噂を聞きつけた隣国の王様より、息子である王子との縁談の話が来ました。』
『お会いになるや、二人はお互い惹かれ、恋をしました。』
『互いの国同士は幸せそうな二人を祝福し、結婚の準備を始めたのです。』
『ある時、お姫様のところに手紙と一緒に1つの贈り物が届いたのです。』
『内容は"幸せになれる果実が手に入りました。僕らの先に幸多きことを祈って ―王子より―"でした。』
『お姫様は嬉しくなり、贈り物である果実を一かじり。』
『するとどういうことでしょうか、お姫様はそのままお倒れになったのです。』
『皆は慌てて介抱しますが、一向に目が覚めません。それは姫様が口に果実に眠りの呪いがかかっていたからです。』
『王様は隣国に言いましたが、そのような物は贈っていないとのこと。』
『あらゆる手を使いましたが、みるみる弱っていく、お姫様。』
『そんなある晩、疑いをかけられていた王子様が内緒でお見舞いに来たのです。』
『そしてお姫様の様子を見て嘆きました。』
『何ということだ愛しい姫よ。そなたの声が聞きたい、そなたの笑った顔が見たい。』
『愛しい姫よ。目を開けておくれ――』
『王子様は奇跡の魔法を使ったのです。』
『それは恋せる二人だからこそ使える魔法。』
『愛しき者から愛しき者への"口づけ"という名の魔法でした。』
『そっとくちびるを離すと、お姫様は目を覚まされたのです。』
『おぉ姫よ。』
『暗い暗い夢より覚まさせてくれたのは、やはり貴方様だったのですね。愛しの王子様。』
『お目覚めになったお姫様より、王子様の疑いは晴れました。』
『お互いの国同士、力を合わせて調べたところ、果実を贈ったのはどうやら王子様に密かに恋をしていた、魔女だったのです。』
『お姫様は言いました。』
『貴女も恋をしたのですね。ですが、その方法はいけません。正々堂々と勝負なさいませ。』
『お姫様の口添えにより魔女の罪にはならず、やがて改心した魔女は、お姫様と友達になり、お姫様と王子様の結婚式の際は、大いに幸せの魔法を使い盛り上げました。』
『めでたしめでたし』
…
……
女騎士私服「という話しだよ。幼き頃一緒に聞いたではないか」
侍女「……」
女騎士私服「どうだろうか。私でも試してみる価値は」
侍女「い、いけません!!」
女騎士私服「…しかし、あてがないからなぁ」
侍女「そ、それにお話の中だけでございましょう!う、感染る呪いだったら大変です!」
女騎士私服「……なるほど。そうだな感染る可能性を考えいなかったよ」
侍女「え、えぇ!お止めになってください!」
女騎士私服「ハハハ、本気に取るな」
侍女「わ、私少しは御用を思い出しました!失礼します!」
女騎士私服「あぁ。」
ガチャ
タッタッタッタッ
女騎士私服「……」
女騎士私服「執事よ」
スゥ
執事「なんでございましょうか」
女騎士私服「頼みを聞いてくれ」
執事「何なりと」
女騎士私服「まず父上の足止めと、それから――」
〜〜
夕刻
執事「た、大変だ!皆来てくれ!!」
バタバタバタバタ
メイド長「そんなに慌ててどうしたっていうんだい」
侍女「な、なにかあったのですか?」
料理人「どうしたんです?」
料理長「なんでぇ?珍しく大声なんて挙げて」
私兵達 ザワザワザワザワ
執事「そ、それが……お嬢様を呼びにお部屋に行ったのですが、居なく、ソンゴクウ様のところかと行ったら……」ワナワナワナ
執事「お、お嬢様も…お嬢様もお倒れに……なっておりました…」
ザワザワザワザワ
侍女「そ、そんな……」
メイド長「なんてことだよ…」
料理長「おいおいおい!どーすんだよ!?」
執事「今医師が診ております。……ですが、おそらくソンゴクウ様と同じ症状かと。」
執事「それと不思議ことに傷がないとの事です」
私兵「き、傷ってあのお客人のようなのですか?」
執事「えぇ。医師が言うには伝染かもしれぬと」
料理長「こ、こんなこと言っちゃならねぇが俺たちはその……」
執事「ご懸念はもっともです。良いですか?遅れていらっしゃる旦那様には私からご相談に参ります。」
執事「皆さんはそれまで、絶対にお嬢様のところへは向かわぬようお願い致します」
ザワザワザワザワ
〜〜
客室 夜 IN
女騎士私服「……」
悟空「……」
侍女「こんな……こんなことって……」グスッ
ユサユサ
侍女「お目を、お目を開けてくださいまし……」
ユサユサ
女騎士私服「……」
侍女「私がよ、よけいな事を…言ったばかりに…」グスッ
侍女「目覚めぬの呪いだなんて……」グスッ
侍女「……」
侍女「待っててくださいね…私が、私が…」キッ
ガチャ
タッタッタッタッ
女騎士私服「……」
スウゥ
お抱え医師「ふぅーむ」
お抱え医師「もうええようです」
女騎士私服「……」スクッ
女騎士私服「行った……か」
お抱え医師「どうしますかね」
女騎士私服「私が先行する。念のため皆に退避を」
悟空「……」
女騎士私服「待っていろよソンゴクウ」
〜〜
地下の荷物屋
侍女「出てきて!」
影「……」
侍女「出てきなさい!いるんでしょ!!」
ブォン
祈祷師「私に何用ですかねぇ?ソンゴクウは息絶えましたか?」
侍女「どういうことよっ!貴方の言う通りしたのに!」
祈祷師「はてさて?なんのことですか?」
侍女「とぼけないで!あの人…ソンゴクウをツルギで傷つければ、お嬢様の悪魔に魅入られた魂を解放できるんじゃないの!?」
祈祷師「そうでございますよ?何か不都合がありましたか?」
侍女「お嬢様は暗くなる一方よっ!そ、それに呪いはお嬢様にまで感染るなんて聞いてない!」
侍女「今すぐ呪いの解き方を教えなさいよ!」
祈祷師「はて?……感染る?」
侍女「そうよ。お嬢様はソ、ソンゴクウと……お嬢様をもとに戻してっ!」
祈祷師「状況が飲み込めませんが、そうですか。そうですか。お嬢様は眠りになられたのですか」
ケケケケッ
祈祷師「ヒャーハッハッハッ!」
侍女「!?」
祈祷師「これはこれは好都合!笑いが……ケーヒャヒャヒャ!止まりませんなぁ!」
ドロン
侍女「きゃ……」
コウモリ公爵「おっと!笑い過ぎて変身が解けてしまいましたよ!ケッケッケ」
コウモリ公爵「……貴女の役目はもう終わりですよ」
コウモリ公爵の目が妖しく光る
侍女「あ、…悪魔…だったのね」
コウモリ公爵「ここにきたあの男は未知なる者。魔王様の邪魔になる力を持っているからなぁ…。あの者を封じるには、やはり周りから囲わなくては叶いませんからねぇ」
コウモリ公爵「知ってます?あの男は不潔なオークキングを一撃で倒したんですよ?」
コウモリ公爵「いやはや、俺様もあれには驚きましたよ」
コウモリ公爵「もしかしたら世界の救世主になったかも知れませんねぇ」
コウモリ公爵「おっと!こんな事を言ったら魔王様に怒られますねぇ!」
コウモリ公爵「あっ!内緒ですよ?」
コウモリ公爵「え?喋っちゃう?ケーケッケッ」
コウモリ公爵「ざんねーん!貴女は今から口が聞けなくなりまーす!」
バサハザハサ
コウモリ公爵「俺様に食われるからさあ!!」
グアァン
侍女「キャーーーー!!」
スゥゥゥ
女騎士「!!」
ガキンッ!!
コウモリ公爵「なっ!?」
女騎士「……」
侍女「お、お嬢……様っ…」
女騎士「さすが、私の侍女だ。奴を足止めばかりか正体をさらけ出させるとはな」フッ
コウモリ公爵「なぜお前がここにいる!」
女騎士「立てるか?」
侍女「は、はい。で、ですが呪いは……」
女騎士「話は後だ。下がっていろ!」
侍女「!」コクン
コウモリ公爵「騙しましたねぇ!」
女騎士「騙すだと?どの口が言うか」
コウモリ公爵「キィエエエエ!」
女騎士「ハァァ!!」
カキン!ガキン!
コウモリ公爵「キィイイイ!」
ギャリン
コウモリ公爵「チィィ!脆弱な人間め!オーク共に捕らえられていたのが嘘のようだぜ!!」
女騎士「どうした!段々と口調変わってきているぞ!!」
ハァァァ セイヤァ
グワッ
コウモリ公爵「忌々しい忌々しい!!」
コウモリ公爵「王都攻略までとっておきたかったが……」
コウモリ公爵はみるみる姿を変えた
コウモリ大公爵「シヤァァァァァ!!」
女騎士「醜悪なっ!だが貴様にはお似合いだっ!」
デイリャァァ
コウモリ大公爵「カッ!!」
首から下げているの赤い玉が光る
ドクエキ
女騎士「くっ!」
スッ スッ
女騎士「せいやぁぁ!」
バシュン
コウモリ大公爵「グギギギギッ」
コウモリ大公爵「チョロチョロチョロと!」
赤い玉が光る
ドクエキ
コウモリ大公爵「ガッ!!」
バシャ
女騎士「くっ……!」
侍女「お、お嬢様!」
女騎士「し、心配無用…だっ!」
女騎士「み、水の精よっ!」
キュワキュワピキーン
コウモリ大公爵「ガッ!!」
赤い玉が光る
バシュンバシュン
女騎士「土と風の精よっ!!」
ボウフウヘキ
女騎士「水の精よっ!」
コウモリ大公爵「グへへへ!いつまで持つカナ!」
赤い玉が光る
バシュンバシュンバシュン
女騎士「くっ!!」
侍女「(このままじゃいけない!お嬢様が!何とかしなくちゃ…何とか…ッ!)」
ダッ!
女騎士「馬鹿者!前に出るな!」
侍女「アレをなんとかしなくちゃ!」カチャ
コウモリ大公爵「先に逝きたいようだなぁ!」
赤い玉が
侍女「えぇぇぇい!」
宝物 トウテキ
砕け散る
コウモリ大公爵「な!?!!小癪なまねを!」
グオン
侍女「キャーーーーッ!」
侍女は壁に吹き飛ばされ
女騎士「危な――」
シュン
女騎士「あぁっ」
侍女「ッ――」パチクリ
コウモリ大公爵「クソックソォォォォ!!後少しだったのに!!お前ェェェェ!」
悟空「よぉ。間に合ったみてぇーだな」キン
悟空「よっとっ」
ストン
悟空「平気か?」
侍女「あっ…と…は、はい」
悟空「おめぇもでーじょふか?」
女騎士「あ、あぁ。ソンゴクウ目が覚めた…んだよな」
悟空「おう。なんでかわかんねぇーが、パッとな、おかげで全快だぞぉ」
悟空「そしたら、おめぇの気と大きな気がぶつかり合ってるし、瞬間移動してこりゃ正解のようだな」
コウモリ大公爵「グギギギギィ」
悟空「前の奴のみてぇな感じだな。悪さしてるちゅーのは間違いねぇな」
悟空「ちとばかし、し過ぎたんじゃねーかおめぇ」 ギュイン
コウモリ大公爵「グ、グアアア」
トッシン
悟空「フンッ!」ドスン
悟空「うりやあぁあ!」ガシッ ブンブンブンブン
バッコーーーン
悟空「いけね!天上ぶっ壊しちまった!」
女騎士「天上など構わぬ!」スチャ
女騎士「トドメは私がつける!」キュイイン
女騎士「焔を剣に!」
女騎士「波アアア!」
ボッ
コウモリ大公爵「――!!」シュ
〜〜
翌日
侍女「申し訳ございません!!」バッ
悟空「いいっていいって!おかげでオラ、グッスリ眠れたしよぉ」
侍女「しかしそれでは……」
女騎士私服「ソンゴクウ、皮肉に聞こえるぞ」
悟空「これならどうだ?」
シュババババババ
悟空「な?全快してんだろ?」
女騎士私服・侍女「……」
女騎士私服「すまないが、正直言おう。速すぎて見えない」
悟空「かぁ!」
女騎士私服「私からも、ソンゴクウ。すまなかった」
悟空「もう勘弁してくれよぉ」アセアセ
ピコン
悟空「オラ閃いたぞ!そんなに言うなら、おねげぇが――」
女騎士私服「飯食わせろ」
悟空「ありゃ?ンァハハハハ。バレてら」
女騎士私服「ということだ。命令だ侍女よ!」
侍女「は、はひぃぃぃ!」ペコ
ナレーション「潜んでいた祈祷師、もといコウモリ公爵を女騎士と復活した悟空が見事に蹴散らし、万事解決したわけだが、肝心な事をやはり忘れている女騎士。そして、コウモリ公爵が洩らした王都攻略とは?はたして」
オッス オラ悟空!
オラが眠ってる間にそんなこと起こってたんか。全然気づかなかったぞぉ
まっ!おかげでまた飯にありつけちまったけどよ
ん?王都へ行く前に女騎士の親父がオラにあいてぇーんか
女騎士が悟空が既婚者だと分かった時の反応が見たいわwwwww
息子が二人いるっていう事実もね(女騎士からは悟空は何歳に見ているんだろう?)
今更だけどこの悟空ってブウ編以降なんだ。
下手したら孫いるんだよなぁ...
〜〜
領主部屋 夕刻
女騎士私服「この度は都市開放作戦の任を与えられたにも関わらず、私情に駆られ単身によるオーク共への突撃、あまつさえ返り討ちにあい、おめおめと捕まる始末、お家に、そして父上の名に傷をつけ――」クドクドクド
領主公「……」
女騎士私服「重ねて屋敷内への魔族の侵入の件にて発生しました、屋敷の損壊、並びに非常時とはいえ希少な宝物の破壊につきましても――」クドクドクド
領主公「ウォッホン」
女騎士私服「本屋敷の委細について既にお聞き及びかと存じますが、侍女は私を思っての行動、責任については主として、いや友人として――」クドクドクド
女騎士私服「父上ご心配をおかけいたしました」バッ
ヘイフク
領主公「(ほんと、もうそればかりわしは気が気じゃなかった!!)」
領主公「………あぁ」キリッ
領主公「(しかし、相変わらず堅いのなよなぁ。もっと砕けた間柄になれんかなぁ)」
領主公「(天の国にいる妻よ、わしは娘の教育をどこで間違ったのだろうか)」
領主公「(それによりにもよって姫騎士隊だよ)」
領主公「(あんのわがまま姫。誰か好き好んで愛娘を戦場に送るかっての!)」
領主公「(他パパさんだが巻き込んで断固反対したのにさ)」
領主公「(王家の印発動だって。命令は絶対よって…はぁ……)」
領主公「(もう娘に辛い思いはさせまい)」
女騎士私服「……」 ヘイフク
領主公「(おっといかん)」
領主公「面をあげよ」キリッ
女騎士私服「はっ。」
領主公「休んでよいぞ」イゲン
女騎士私服「……父上」
領主公「なんだ」
女騎士私服「その……」
領主公「申してみよ」
女騎士私服「やはりソンゴクウと共に――」
領主公「ならーーん!!ならぬぞ!!」
女騎士私服「で、ですが、かの者がいなければ、ここは元より、オーク共やコウモリ公爵の魔手の被害は拡大し、領民にも伸びていたことでしょう!騎士として無下にするなど」
領主公「(そんな現状はわかっかとるわっ!わしが言いたいのはっ!)」
領主公「そなたはなんだ?」
女騎士私服「わたし?」
領主公「そなたは、騎士である前にわしの娘である。この意味がわかるか?」
女騎士私服「?」
領主公「公爵家の令嬢の自覚はないのか問うておる!それにお前はもう姫騎士隊ではないわっ!」
モワモワモワモワ
〜〜
邸宅内パーティー広間
ダッタッタッタッタ
ガチャ
領主公「娘よっ!無事かっ!?」
悟空「ンムッ!!」ガツガツガツガツガツガツ
侍女「つ、次いきまーーっす!」
悟空「オォォォ!」ガツガツガツガツガズルズルツガツ
料理長「おらおら!早く材料持ってきやがれってんだ!」
料理人「ただいまっ!」
悟空「おはわひっ!」ズルズルズゾオオオオオ
執事「お嬢様っ手が止まってますぞっ!」
女騎士コック「す、すまぬっ!」
メイド長「追加の材料届きましたよっ!」
料理長「お嬢様それじゃ焦げちまうよっ!ほらどいた!」
女騎士コック「くっ!!」
侍女「あぁ、空きのお皿がそこを尽きそうです!」
メイド長「参ったねぇ……空いた皿をまわすよっ!持っておいで!」
女騎士雑用「ま、任せよっ!」
ソウゼン アゼン
領主公「な、なにごと……だ…」
私兵「こ、これは旦那様っ!おかえりなさいませ!」トンテンカンテン
領主公「……お前は何をしているのだ?」
私兵「はっ!我々はお屋敷の修繕ですっ!」
トントントントン ギコギコ
領主公「……してあれらは」
私兵「はっ!ソンゴクウさんのお料理と我々も途中つまめるようにとのご配慮です!」
領主公「??」
ウオーイ ハヤク モッテコーイ
私兵「今行くっ!それでは旦那様失礼しますっ!」
ダッタッタッタッタ
領主公「意味がわからない……」
カツカツカツカツ
領主公「執事よ」
執事「こ、これは旦那様お迎えに上がらずに申し訳ございません」
領主公「よい。この騒ぎはなんだ?屋敷は無事なんだろう?そ、それに」チラッ
女騎士雑用「あ、あぁしまっ――」
ガッシャーーーン
侍女「お、お嬢様っ!お怪我は!?」
悟空「でーじょぶか!?」
メイド長「全く何やってんだい!皿減らしちゃもともこうもないじゃないさっ」
女騎士雑務「す、すまぬ」シュン
領主公「(あぁ愛しの娘よっ!生きててわしはわしは……!)」
執事「詳しくは後ほどお嬢様よりお話するそうにございますゆえ」
執事「今は感謝も含めた、ソンゴクウ様へ料理をお出ししているところございます」
執事「また、お屋敷の修繕もしなければなりませんので兵達も都度食べられるよう、ここで作り、ここで提供させていただいております」
領主公「ふ……む。まぁ、理に適ったようではあるが、いささか品位に欠けるのではないか?」
執事「申し訳ございません。お嬢様よりどうしてもと」
領主公「あやつが」
ツカツカツカツカ
領主公「娘よ。息災だったか」ヘイゼン
女騎士雑用「……私のせいで皿が…」サッサッサッサッ
領主公「……」
女騎士雑用「余計な手間が……フフッ。私にはゴミ処理がお似合いだ」チリトリ サッサッサッサッ
領主公「(おぉ……聞く耳持たずネガティブ独り言を言うのは死んだ母にそっくり……まさしく我が娘ェ)」
トントン
女騎士雑用「……ん?」チラッ
領主公「うんむ」コクリ
領主公「元気そうだな」
女騎士雑用「ち、父上っ!」
バッ!バッ!
女騎士私服「お見苦しいところをっ」
領主公「良い良い」
領主公「お前は何をしているだね?」
女騎士私服「はい。実はですね色々積もる話が――」
チカクニイタ ヘイシ
休憩中私兵「なぁ聞いたか?お嬢様とソンゴクウさん出会い」モグモグ
私兵「なにそれどんな?」ヒョイ パク
休憩中私兵「それが姫騎士隊の人から聞いたんだけど、お嬢様行方不明になってたって話だろ?」
休憩中私兵「オーク共に捕まってて、ひどい拷問中だったそうだ」
休憩中私兵「んで、あられもないお格好をしたお嬢様をこうっ、ばびゅーーんとお救いになられたのがソンゴクウさんだってよ。そんで決め台詞!」
『俺が来たからもう安心だ』
休憩中私兵「もう感極まって胸に飛び込んだってよっ〜くぅ!ソンゴクウさんうらやましいな!」
私兵「ばびゅーーんってなんだよ、そこ重要じゃん!ってかお嬢様超元気じゃん!」
休憩中私兵「俺も聞いただけだしさぁ。本当だったら健気だよなぁ……後でそこんとこソンゴクウさんに聞いてみようぜっ」モグモグ
私兵「ったく噂好きだなお前は」
テクテクテクテク
領主公「(えっなにそれ)」
女騎士私服「――という次第であり、ソンゴクウは私の」
領主公「(あ、あらあらあら、あられもない?)」
女騎士私服「父上?聞いておられますか?」
領主公「(ご、ごうもん!?えっ?)」
領主公「(危機ハ二人をチカクシタ)」カッ
領主公「ソンゴクウとやらに会ってくる」
女騎士私服「では私がご紹介しま」
領主公「お前はここにいなさい」
領主公「(辛い思い出になるやもしれんっ!)」
ツカツカツカツカ
領主公「キミがソンゴクウくんか」
悟空「ンぅ」ゴクゴク
悟空「オッス」
領主公「ハジメマシテ、この屋敷の主だ」スッ
悟空「お、おう。ごちそうになってんぞぉ」スッ
アクシュ アクシュ
領主公「率直だが、娘と最初に会った時にどういう状況だったのか教えていただこう」クワッ
悟空「最初?おぉ。そだなぁ〜」
悟空「やったら怒ってな」
悟空「殺せなんてオラに頼んでくるしよぉ」
領主公「……。(じ、自暴自棄…いや。待て待て待て待て)」
領主公「そ、それで」
悟空「オラそんな事したくねぇし、あそこが何処知りたかっただけだったんがな」
悟空「んでもアイツ話なんだか聞いてねぇみてぇで参ったぞ」
領主公「あ、アイツ……」
悟空「そんで悪ぃ奴らってのが来たからオラがやっつけちまった。ってこんなんでいいんか?」
領主公「そうかそうかそうか!君はすぐに駆けつけて来てくれたのか!いやぁなんという勇敢な」ホッ
悟空「すぐかどうかわかんねぇが、あっ!」
領主公「どうしたぁ!」
悟空「そういやぁオラの道着返してもらってねぇーや」
領主公「?」
悟空「アイツ、裸だったんで寒そうでオラの貸したまんまだぞ」
領主公「」フラッ
悟空「おめぇ、とーちゃんならアイツに言っといてくれねえ」
領主公「」バタンキュー
悟空「お、おい!」
ザワザワザワザワ
メイド長「だ、旦那様ぁ!!」
………
……
女騎士私服「貴方は父に何を話したのだ?」
悟空「おめぇのとーちゃんがオラと会った時にのこと聞いてきて話ただけだぞ?そしたら急によぉ」
悟空「おめぇらソックリだな」
執事・メイド長・侍女
ウンウン
女騎士私服「……どこを見てそう思ったのだ」
領主公「う、うーーん……」ハッ
女騎士私服「父上!」
領主公「娘よ……」
女騎士私服「急にお倒れになられて……どこか具合が悪いのでございましょうか?」
領主公「……」ブワッ
領主公「つ、辛い思いを」ウッ ウッ
領主公「辛い思いをしたのだなぁ」ダキッ
女騎士私服「!?」アタフタ
女騎士私服「み、皆の前です!」
領主公「死んだ妻になんと申せばッ!!」ギュ
領主公「もうお前は休んでよいのだ…休んでよいのだよ」ウオーーン
女騎士私服「急にな、何を」
領主公「……決めたぞ」
ハナシテクダサイ
領主公「執事よ」
執事「は、はい」
領主公「娘の任を解く。至急国王様へ除隊の旨を伝えよ」
ヨイッショ
女騎士私服「な、なに仰られる!」
領主公「お前は黙っていなさい」ギン
女騎士私服「!?!?」
執事「しかしそれでは」
領主公「あのわがまま王女のことは気にするな」
女騎士私服「父上!」
領主公「……」無言の圧力
執事「…かしこまりました」
タッ
領主公「ソンゴクウくん」
悟空「お、おう…」
領主公「娘を取り返してくれて感謝する」
悟空「いいって」
領主公「それで君はこれからどうする?」
悟空「そうだなぁ。オラ帰るために、こいつが言ってた魔の歪ちゅーの探すぞ」
領主公「魔の歪を?ふむ……」
領主公「魔術についてはわしの知り合いに詳しいのがおる。紹介状を仕立てよう」
悟空「ほんとかぁ!助かるぞぉ」
領主公「あぁ。その者は王都へ住んでおる。行くがいい」
悟空「でもオラその王都ってとこわかんねぇーぞ」
女騎士私服「……王都」
女騎士私服「……王都」
女騎士私服「(理由はわからぬが、除隊の件止められるかもしれない)」
女騎士私服「私が」
領主公「ならんぞ!ここから出ることを許さん!」グワァァ
女騎士私服「な、何故ですか!?」
領主公「これは命令だ。ソンゴクウくんには別の者が王都まで案内する」
女騎士私服「くっ……」
領主公「話は以上だ。ソンゴクウくん後でわしの部屋へ来るが良い」
バッ タッタッタッタッ
女騎士私服「なんなのだ!いったい!」ダンダン
侍女「いつになくご立腹でしたね」ブルブル
メイド長「アタシもここ数年見たことなかったよ」
女騎士私服「話をしてくる」
メイド長「お嬢様お言葉ですが、時間を置いた方がいいってもんだよ」
女騎士私服「…わかった……」
女騎士私服「しかしいきなりの除隊勧告、それにソンゴクウの案内すらできず、家にいろとは納得ができない」
女騎士私服「(父上はいったいどうなされたのだ……)」
モワモワモワモワ
〜〜
領主部屋 夕刻
領主公「お前が立派に姫のためにと騎士の勤めを果たしていたことも知っておる」
領主公「だが、わしの娘でもある。つまりゆくゆくは婿をとりこの家を守っていくことにも繋がる」
女騎士私服「……」
領主公「一人娘のお前を失ってしまってはどうなるか。わかるな」
女騎士私服「……」
領主公「都市開放など、本来ならばお前が行くことはない」
領主公「敵に捕まったらどうなってしまうか、もう身を持って知ったことだろう……」ウッ
領主公「(いかん涙が)」キッ
領主公「十分役目を果たしたのだ。後の者にたくすがよい」
女騎士私服「父上……父上はそのようなことを」ワナワナワナワナワ
領主公「(父の気持ちわかってくれたのか)」
女騎士私服「父上は私を政治の道具としてしか見ておられぬのか!!」ダンッ
領主公「!」
女騎士私服「公爵の娘だから婿をとれ?魔が蔓延る世にそんなことを言ってられますか!」
女騎士私服「公爵に見合う者など軟弱ものばかりかではないですか!!」
女騎士私服「知ってますか、下の者にばかり任せ自分は安穏と高みの見物をする貴族らを!」
女騎士私服「剣の稽古、魔術の修行、素晴らしき師がいるにもかかわらずサボるしまつ!」
女騎士私服「私まで軟弱になれと!?そう申すのですか!」
女騎士私服「公爵の娘はただのお飾りではありません!」
女騎士私服「決められた結婚など……私より強い者すらおらぬというのに……わかりました」
クルッ
領主公「ど、どこへゆく!」
女騎士私服「報告は以上です。失礼します!」
タッタッタッタッ バタン
領主公「えぇ……」
ナレーション「帰れる手段の魔の歪を知る者の情報が手に入り先が見えたのだが、行き違いから親子の絆に暗雲が立ち込める。何やら女騎士に思惑があるようだが……のんびりしてる場合ではないぞ悟空よ」
オッス オラ悟空!
流石のオラも険悪な空気に黙っちまっぞ!
同じ親父としてベジータみてぇに厳しい感じ出したほうがいいんかな。
なんだよ女騎士青い顔して?オラに息子がいるって言ってなかったか?
お、おいどこ行くんだよ。オラ道わかんねぇーてば!
乙
やっぱ悟空さあの外見で孫までいるなんて反則だわ
その孫より若くなったりするしな
なかった事にされそうだけど
見た目もそうだけど悟空は妻帯者には思えないからね雰囲気的にも
〜〜
邸宅 廊下
悟空「よぉ。ここでいいんか?」
女騎士私服「……」
ツカツカツカツカ
悟空「?」
ガチャ
悟空「おっ。いたいた」
領主公「……」ウツムキ
悟空「くれぇ顔してでぇーじょぶか?」
ムクリ
領主公「…君か……」
悟空「紹介ってのしてくれんだろ?」
領主公「あっ、あぁ。そうだったな」
ペン ソイソイソイ スラスラスラスラ
領主公「…。ソンゴクウくん。君のご家族はいるのかね?」
デキタゾ
悟空「サンキュー!」
悟空「家族か。へへっ。いんぞ」
悟空「何日もけぇーってねぇから、きっと怒られちまうけどな」ハハハハ
領主公「厳しい母君のようだな」
悟空「かーちゃん?まぁかーちゃんだけどよ」
領主公「?」
領主公「ともかく親の心子知らずとはまさにこの事かと思ってね」
悟空「チチもそんなこと言ってたけ」
悟空「オラは悟飯には伸び伸び育って欲しかったんだが、今思うとチチのキョウイクネッシンってーのかなぁ、案外悪くねかったんだと思うぞ」
領主公「そうであろう。そうであろう。わしも娘には結果的に幸せになって欲しいのだ」
悟空「そだな。オラ途中死んじまって余計に苦労かけちまってたし」ンハハハハ
領主公「ハハハハ?」
悟空「お互い苦労してんだな!まっ!いつかわかってくれっぞ!」
領主公「そうねが……まて」
悟空「ん?」
領主公「……君のご家族…いや君がご家族か?」
悟空「いみわかんねぇーぞ」
領主公「すまん…」ナンダ コノ イワカン
領主公「失礼だが君の母君は御健在であろうか」
悟空「生きてるかっちゅーことけ?それならオラには、とーちゃんもかーちゃんもいねぇぞ。」
悟空「死んじまったけど、じいちゃんにオラ拾われて育ててもらったんだ」
領主公「!……悪いことを聞いてしまったようだ……すまなかった」
悟空「別に気にしてねぇーなぁ。もう昔の事だしな。じいちゃんの思い出は今でも覚えてるし」
領主公「そうか。するとキミの言うかーちゃんというのは…その…もしかして、奥方……か?」
悟空「おぉ。チチって名前ェでよ。おっかねぇーけど、料理がめちゃんこうめぇんだ!」
悟空「早く帰らねぇと飯に抜きにされちまう」アセアセ
領主公「キミは随分と若く見えるようだが、ハハハ」
領主公「若夫婦であったか!」
悟空「若ぇってのはよく言われけどよぉ、オラ実際」ゴニョゴニョ
領主公「はっ!?えっ!?ハハハハ!」
領主公「冗談がうまいな」
悟空「嘘じゃねーって。まぁオラ気にしねぇーけどな」ンハハハハ
領主公「(わしとほぼ同じではないか……)」
領主公「…奥方がいるのなら…その子供はいるのかね」
悟空「おう。息子が二人な。悟飯と悟天ってんだ。悟飯はしっかりしてんだけどよぉ、悟天の方がちゃらんぽらんしってからなぁ」
悟空「あいつ修行さぼってトランクスと遊んでばっかしてんじゃねかぁな」
領主公「ふ、二人もいるのか」
悟空「もうすぐ悟飯のとこに子供が産まれるってんでチチのやつ張り切っててな、いやぁ実はオラも楽しみでよぉ」
領主公「……」
領主公「そ、それは早く帰ってあげなきゃ…な」
悟空「んだな!これサンキューな!」
悟空「そだ、オラから言えんのは娘もそういう年頃だから、一歩離れて見るといいんじゃねぇーかな」
領主公「あぁ、ありがとう…ございます」
………
……
領主公「……孫。羨ましいイイイイ!」
……
………
客室 IN
ベット ダイブ
悟空「明日には王都ってところかぁ。この紙持っていきゃいいんかな」
トントントン
女騎士私服「ソンゴクウ。良いか?」
悟空「いいぞぉ」
ガチャリ
女騎士私服「寝る前ですまない」
悟空「でぇーじょぶだぞ」
女騎士私服「明日のことなのだが、やはり私が王都迄案内することになった」
悟空「おめぇとーちゃんから止められてなかったか?」
女騎士私服「それについては問題ない。私の意思は私のだ」
悟空「オラは別どっちでもいいけどよ」
悟空「とーちゃん心配してんじゃねーか?」
女騎士私服「父上…いや、あの人のことはいいんだ」
悟空「……」
女騎士私服「……」
悟空「まっよろしく頼むわ!」ニッ
女騎士私服「あぁ!任せよ!」
女騎士私服「そうそう明日私は先に出ているからな。この屋敷を北に進んだところにある湖で待っている」
悟空「一緒に行くんじゃねーんか?」
女騎士私服「所用だ。所用だから誰にも言わなくていい。皆にはすでに伝えてあるからな。絶対、私のことは話さなくてもいいからなっ!絶対だぞっ!」
悟空「お、おう」
女騎士私服「ふむ。それだけだ!」
ガチャ
バタン
悟空「変な奴だなぁ」
ガチャ
悟空「!?」
女騎士私服「お休み!!」
悟空「お、おう、お休み!」
ガチャ
バタン タッタッタッタッ
〜〜
明朝
邸宅門
侍女「さびしくなります」ウッ ウッ
メイド長「ほれ、泣くんじゃないよ!」
侍女「だっで…あ、あんなごめいわぐを」ヒック
悟空「ハハハッ!」
料理長「いつでも来いよ!腕によりをかけて振るうからよ」
悟空「ごっそぉさんだったぞぉ!」
料理人「はいソンゴクウさん!道中にでも食べてください!」
悟空「サンキュー!!」
執事「はて?案内の者が来ませんなぁ」
悟空「?」
私兵「王都から来るんですよね?」
執事「その手筈ですな」
私兵「見てきましょうか?」
執事「二度手間になりますゆえ、ソンゴクウさんはここから少し行った先にある湖でお待ちいただいても宜しいでしょうか」
悟空「かまわねぇーけど?」
領主公「王都についたら、衛兵に昨日渡した紹介状を見せるが良い」
悟空「りょーかい」
侍女「……お嬢様来ないですねぇ…」
悟空「?」
領主公「そっとしておいてやれ」
侍女「で、ですが!」
私兵「別れが辛いんですよ!ねっ!ソンゴクウさん!」ウィンクウィンク
悟空「?でも、あいつならよぉ」
領主公「やめたまえ……不毛な話だ…」ワケシリ ウンウン
領主公「さぁ!引き止めては悪い、魔の力が強まるから暗くなる前に出立したほうがいいぞ」
侍女「ソンゴクウさーん!またいらしてくださいね!!」
執事・メイド長「お達者で!」
料理長・料理人・私兵達「さよならぁ!」
領主公「……」スッ フリフリ
悟空「ありがとうよっ!!」
〜〜
街道
悟空「へへっいい奴らだったな」
テクテクテクテク
悟空「こうして見るとオラのとこと、てぇ〜して違わなねぇ」
テクテクテクテク
……
…
悟空「おっ、あそこけ」
ヒトカゲ
悟空「オッス!」
女騎士旅装「来たか」
悟空「な、なんだその荷物」
女騎士旅装「何を驚く。これくらい普通だぞ」
悟空「ひぇ〜パンパンじゃねーか」
女騎士旅装「屋敷から王都まで2日はかかるからな」
女騎士旅装「(馬には逃げられてしまった……)」
モノカゲ
正規案内者「!!」ウンムーウンムー
女騎士旅装「(しばらくすれば外れる魔導の蔓だ。許してくれ)」チラッ
悟空「けっこう歩くんか?」
女騎士旅装「そうなるかな。だが何、心配無用だ。邸宅から王都までの道は整備されている」
女騎士旅装「途中、領地内の宿に泊まることになるだろう」
悟空「おっし。そんじゃ行くとすっか」
………
……
悟空「おっ?ありゃなんだ?」
女騎士旅装「アレはクレイジーモンキーピッグバードと言う」
悟空「牛にしかみえねぇーぞ」
………
……
悟空「おっ?なんだあの丸っこいの!?卵に足生えてんぞ!」
女騎士旅装「岩竜の子だな。足だけ先に出して大きくなる。あの殻が割れる頃は一人前ということだ」
悟空「へぇーあんな小せえのに修行してんかぁ」
アーダコーダゴーデアーダ
通りすがりの農夫婦「あら新婚さん?フフッ仲がいいのね」
女騎士旅装「な、ば、ちが」
悟空「お?ちげぇーぞぉ」
女騎士旅装「そ、そうだ!私はこ、こやつの道案内をだな」
通りすがりの農夫婦「ありゃ、こりゃすまんこった」
………
……
女騎士旅装「フフッ」
悟空「なんでぇ?」
女騎士旅装「いや、なんでも」フ、フフフフ
ザックザッグザック
………
……
女騎士旅装「丁度よい場所があるから、そこでお昼にしよう」
昼 丘の上
女騎士旅装「あ、あれぇ?」ゴソゴソゴソ
悟空「オラはこれ貰っちまったからな」ガサガサガサ
悟空「ひょ〜、んまそぉ〜!」
悟空「おめぇは食わねぇんか?」ハムハム
女騎士旅装「(無いぞ!私のお弁当……入れ忘れてしまったのか!くっ……)」
女騎士旅装「……」ジッ
悟空「んー!」ハムハム
女騎士旅装「」グゥゥゥ
悟空「んー?どうしたんだよ?まさかおめぇ飯ねぇーか!」
女騎士旅装「くっ!私としたことがっ!」グッウウウウ
女騎士旅装「(3時くらいから作っておいたのに!)」
悟空「しょーがねぇーやつだなぁ」アキレ
悟空「オラ取ってくっからよ。家にあんのけ?」ヨッコイセッ
女騎士旅装「そのはずだが……いやいや!待て今から引き返したら宿場まで時間を過ぎすぎてしまうぞ」
女騎士旅装「な、なぁに別に食べずとも――」クウウッ
悟空「オラが逆に気になっぞぉ。ちょっこらいってくる」フワァ
女騎士旅装「ほ、本当にい……」アゼン
スゥーーーーー
女騎士旅装「と、飛んで…えっ…エエェェェェェェ!!!」
〜〜
邸宅
領主公「ハァ……まさか家出するなんて……ハァァァァ……」
執事「案内人が言うには既に経っていますし、やはり王都へ向かったのでしょう」
領主公「そうか……それしかないよなぁ」
トントントン
領主公「こんな時に誰だ…」
領主公「入れ」
侍女「だ、旦那様ソンゴクウさんがいらしてます」
領主公「なに?」
領主公「(引き返してきたのか?なぜ?)」
領主公「そうか!なるほど。娘を説得してくれたのだな!」
バッタッタッタッタッ
侍女「あっ!旦那様っ!」
執事「どうしたのだね」
侍女「ソンゴクウさんはお一人でしたのです…」
〜〜
邸宅門
メイド長「これだよきっと。全く……」
悟空「サンキューな」
料理長「しかしわざわざご苦労な奴だなぁ」
ワイワイワイ
タッタッタッタッ
領主公「ソンゴクウ!」
キョロキョロ
悟空「いよぉ」
領主公「……そ、それで?」
悟空「ん?あぁオラこれ取りに来ただけだ」
ジュウバコ ヨンダンヅツミ
領主公「?」
悟空「なんか弁当忘れちまったみてぇーでな、流石にオラも横で見られてっと食いづれぇからよ」ハハ
領主公「き、キミは誰かと一緒なのかい?それはもしかして娘かね?」
キョロキョロ ドコダ
悟空「おぉ。そだぞ。丘のとこだっけかな。そこにいんぞ」
領主公「一緒に引き返してきてないだと!?」
領主公「なんてことだ……そのような場所に一人で……」
領主公「こっからまた戻るのでは倍かかるではないか!」
領主公「キミはそれでも紳士かね!」
悟空「?すぐに持ってけばいいんだろ何をそんな慌ててんだぁ」
領主公「いやだってキミ!」
悟空「そいじゃオラいくとすんぞ。じゃーな!」フワッ
料理長「お、おう!なんだかわかんねぇーがまたな!」
メイド長「長生きはするもんだねぇ」
領主公「……」アゼン
ビューーーン
………
……
領主公「…」ユビサシ
メイド長「あたしらはソンゴクウが戻ってきた時に同じ事しましたからね」
料理長「あの食いっぷりですぁ、俺は何かすげぇー奴だと思ってましたよ」
領主公「(娘はトンデモない奴に関わってしまったようだな)」
……
………
丘の上
フワッ
悟空「待たせたかぁ」
女騎士旅装「いや……あっという間な気がする」
悟空「そか。ほらよっ!オラじゃわかんねぇーからメイド長に探してもらったぞ」
女騎士旅装「それはお手数を……」
悟空「気にすなって!それじゃ昼飯再開すんぞ」イッタダッキマース
女騎士旅装「いったい空を飛ぶなんて何と言う魔術だ……靴に魔導が?いや感じがしない…」
悟空「ぶつぶついってねぇーで食えよなぁ」
女騎士旅装「う、うん…」ハッ
女騎士旅装「(そうだお弁当。忘れた時は絶望したが早起きしてなんとか形にしたのだ)」
ゴソゴソゴソ
女騎士旅装「あ、あーたいへだーおべんとーつ、作り過ぎちゃったなぁーどーしよー」
悟空「」ハムハムハム
女騎士旅装「……」チラッ
女騎士旅装「ゴホン」
悟空「んー?」
女騎士旅装「ソ、ソンゴクウ。良ければその、手伝ってくれないだろうか」
ヨンダンベントウ ススッ
悟空「くれんのか?」モグモグ
悟空「おめぇが良いってんならオラ喜んでいただくぞぉ」
ヒョイパクヒョイパク
女騎士旅装「(わ、私にこれほどの勇気があるとはっ!)」ハワワワ
女騎士旅装「どどどどど…どうかな味の方は…」
悟空「なかなかいけっぞ!」モシャバリバリ
悟空「!」
女騎士旅装「ほ、ほんとか!」パァァ
悟空「おっ?こいつぁ」
女騎士旅装「そのエビはなかなかの上出来だぞ!」ワクワク
悟空「んめぇーな!チチのやつが作った味に少し似てんぞっ!」バリモシャモシャ
女騎士旅装「う、うまいか!そうかそうか!チチさんとやらと似て……」
スッーーー
女騎士旅装「……」マガオ
悟空「おぉ、ちっとばかしちげぇー気がするがな」ヒョイパクヒョイパク
女騎士旅装「ソウ言えばイツだっタかチチがどうこう言っテイタな」
女騎士旅装「ソンゴクウ……チチさんとはドコノダレサマでしょうか」
悟空「チチか?チチはオラの嫁だぞ」ヒョイパクヒョイパクモシャシャ
女騎士旅装「」
ナレーション「王都へ向けて出発した悟空と女騎士。道中なかなかウキウキだったのも妙な空気に。この天気ははたして晴れるのであろうか。そしてドラゴンボールの行方は」
オッス オラ悟空!
ついに王都へ向けて出発になったぞ。
なぁ女騎士このもらった紙切れをみせればいいんだろ?
ありゃ女騎士おめぇどうしちまったんだ?
イィ!?おめぇから邪悪な気をかんじっぞ!
乙乙
よく考えたらチチのスペック(生まれ)も相当なもんだったな
女騎士旅装「」ボォー
悟空「ハハハ。早くしねぇーとオラが全部食っちまうぞ」ナンテナ
女騎士旅装「あぁ。食べてもいいぞ」マガオ
悟空「じょ、じょーだんだってば!」アセアセ
女騎士旅装「私は少し歩いてくるよ」マガオ
悟空「おう?」
………
……
女騎士「(なんだろうか。ポッカリと穴が空いた気持ちだ)」
テクテクテクテク
女騎士「(私は何をやっているのだろうか)」
女騎士「(除隊を止めるために着いてきたはずだろ?)」
女騎士「(朝早く起きて私は何をウキウキしていたのだ)」
女騎士「(人生の分岐点だというのに)」
テクテクテクテク
ガサガサガサガザ
嫉妬の蛇女「みーつけたぁー」シャーー
女騎士「!?」
嫉妬の蛇女「あら嫌だ。なぁに貴女みっともない邪な、き・も・ち。」
嫉妬の蛇女「そーいうの大好きよぉん」オーッホッホッホッ
女騎士「な!?き、きさまっ!!」スカッ
女騎士「(しまった!剣を置いてきてしまった!)」
嫉妬の蛇女「おいしそうな感情ねぇ!頂きましょうか!」
シャーーーー
女騎士「う、うわーーー!」
……
………
悟空「よぉ。でーじょぶか?」
女騎士魔「あぁ大丈夫だ。王都へ行くとしよう」
タッタッタッタッ
悟空「あっおい!荷物荷物!」
〜〜
街道 午後
悟空「おっ?ありゃなんてーんだ?」
女騎士魔「知らぬ」
………
……
悟空「ハハハハ見ろよあれっ!」
女騎士魔「……」
………
……
子供ら「ワーイワーイ」キャキャ
子供「こんにちはぁー」ペコリ
女騎士魔「邪魔だ!どけっ!」バシッ
悟空「あっ!おい!」
子供「!?う、うえええええええん」
女騎士魔「……」キッ
タッタッタッタッ
悟空「でぇーじょぶか?」ヨット
………
……
悟空「なぁ、さっきからどーしちまったんだよ?」
女騎士魔「何か問題でもあるのか」マガオ
悟空「なんか雰囲気ちがくねぇーか?」
女騎士魔「……」
タッタッタッタッ
悟空「…めぇーったな」ポリポリ
無言の道中
女騎士魔「……」
悟空「……」
〜〜
宿場町 夕刻
悟空「ここが宿場町けぇ!」
ワイワイワイガヤガヤガヤ
客引き「よっ!そこのお二人さん!今日の宿はもうお決まりですかぁ!」
女騎士魔「……」キッ
客引き「あっ…と……へへっお呼びでないっと…」シツレイシマシタァー
悟空「な、なぁけっこうあるいたからよぉ何か食わねぇーか?」
女騎士魔「……」
スタスタスタスタスタ
〜〜
町外れの宿屋
女騎士魔「……今日はここに泊まる」
ガチャ キイイイイーー
宿番「イーッヒッヒッヒッヒッヒ。お泊りですかぁ」
女騎士魔「あぁ」
宿番「二名様ですねぇ。ヒッヒッヒッヒ。あいにくと一部屋しか空いてませんのでご一緒でいいでしょうかぁ」ニヤァ
女騎士魔「かまわない」
悟空「オラもどっちでもいいぞっ」
キョロキョロ スンスン ウヘェー
宿番「お部屋は二階の1番奥でございます。どーぞごゆっくりヒーッヒッヒッ」
トントントントン
悟空「みょーなオッちゃんだったなぁ」
女騎士魔「……」
ガチャリ
〜〜
ベッドが二組の簡易な部屋
悟空「よっと」ドサリ
女騎士魔「……」スッ
悟空「こんな場所でも人気あんのかなぁ。さては飯がうめぇーんだろ」
女騎士魔「ここにそんなものはない」
女騎士魔「外で食べてこい」
カネポーイ
悟空「おっと……」チャリーン
悟空「おめぇ行かねーんか?」
女騎士魔「いい。用事がある」
悟空「そっか。……」ヨット
悟空「んじゃいってくっぞ」
ガチャ バタン
……
…
女騎士魔「……クッ、クハハハハハ!」
女騎士魔「ねぇー聞こえるぅ?」
女騎士「くっ……!!おのれっ!私に身体を返せっ!」
女騎士魔「だぁーめぇよん。こんな素敵な感情。とーっても気持ちいいのだからねぇ」オーッホッホッホッ
女騎士魔「でもそうねぇ。返してあげるわよ」
女騎士「?」
女騎士魔「あの男が死ねばねぇ!」オーッホッホッホッ
女騎士「っ!そ、そんなことはさせん!」
女騎士魔「フフッ。今の貴女にどうやって防げるのかしらねぇ〜」
女騎士「そ、それは……」
女騎士魔「ワタシは貴女のことなぁーんでも知ってるのよぉ。」
女騎士「……どういうことだ」
女騎士魔「彼カッコイイわよねぇ〜」
女騎士「!」
女騎士魔「たくましい肉体、素敵な笑顔、優しい人柄」ニマニマ
女騎士「……」
女騎士魔「でも残ー念ー!そんな彼のいっしんを受けるのは貴女じゃない別なオ・ン・ナ」
女騎士「……」
女騎士魔「ウフフフフ。いいわいいわよん!嫉妬嫉妬嫉妬!」オーッホッホッホッ
女騎士魔「力がみなぎるわ」
女騎士「…わ、私は…別に…嫉妬など…」
女騎士魔「強がっちゃって、でもいいのよ。内に秘めたほうが高まるから」
女騎士「…っ……」
女騎士魔「さぁーってあの男に正攻法で戦うわけにはいかないわよねぇ」
女騎士魔「フフッ。貴女ここがどこか知ってるかしらん」
女騎士「?……宿であろう」
女騎士魔「間違いじゃないけどぉ〜。お嬢ちゃん、男と女の欲ってのが足りないわよん」オーッホッホッホッ
女騎士「な、な、なっ」
女騎士「何をするっ!!」
女騎士魔「うぶねぇん」
女騎士魔「所詮あの男も欲には勝てないわよねぇ〜〜」
シナッ シナッ シナッ シナッ
女騎士魔「お風呂でもはいっておこうかしらん」
クネッ クネッ クネッ クネッ
………
……
ガチャ
悟空「ふぅ。食った食った」
女騎士魔「……」ヨコシマ ナ メ
悟空「ほれぇお土産だぞ」スッ
女騎士魔「ありがとうぉ」アワイ ヒトミ
悟空「それ食って元気だせよぉ?おめぇ今日なんか変だし」
女騎士魔「ねぇ〜」
悟空「ん?」
女騎士魔「そんなことより、私の貴方のことを聞きたいわぁ」ネットリ
悟空「オラのか?」
女騎士魔「お話して下さるぅ?」シットリ
悟空「いいけど、オラの何が聞きてぇーんだ?」
女騎士魔「そうねぇ〜貴方何者なのぉ?」ツツツツツ
悟空「まぁたそれけぇ〜。……なんべんも言ってるがオラは孫悟空、地球育ちのサイヤ人だってば」
女騎士魔「??ま、まぁいいわ……」
女騎士魔「次にそうねぇ……貴方のご家族について詳しく聞かせてぇ」ジットリ
女騎士「!!」
女騎士魔「(いいわよいいわよっ!この負の感情ォォォ)」
悟空「そういやぁ言ってなかったっけか」
悟空「オラには」
女騎士「いやだいやだいやだ聞きたくない聞きたくない聞きたくないッ」
女騎士魔「オラには?」オーッホッホッホッ
悟空「チチって嫁と、悟飯と悟天っちゅー息子が二人いんだ」
女騎士「……息…子」
女騎士魔「そ、そうなのぉ」
女騎士魔「(ど、どうしたのよ。ほら愛しい人と思っていた男には息子がいたのよ!ほら嫉妬しなさいよっ)」
悟空「あぁ。そんでビーデルっちゅー悟飯の嫁がいてだな、後はそうだなぁミスターサタンってのがな」
女騎士「…息子に…嫁……」
女騎士魔「……」
悟空「あっそうそう、もうすぐその二人に赤ちゃんが誕生すっから、計7人だな」
女騎士「……息子……子供…」
女騎士魔「(ち、力が抜けるッ!?)」
女騎士「……ソウカ、ソンゴクウには孫にナルワケダ」
女騎士魔「な、ななななな」ブルブルブルブル
悟空「お、おい!?本格てきにまじぃーんじゃねーか?い、今医者呼んでくっからよぉ!」
ダッ ガチャ
女騎士魔「どうしちゃったのよおおおおお」
ブンリ
女騎士悟り「ワタシは悟ったのですよ」
嫉妬の蛇女「……!」ブルブルブルブル
女騎士悟り「ソンゴクウはお爺さんになるのです」
嫉妬の蛇女「……」ブルブル
女騎士悟り「知ってますか?お爺さんです。きっと彼は好々爺になるでしょう」
嫉妬の蛇女「そ、それがなによ……」ガクガク
女騎士悟り「仮にワタシがソンゴクウに恋をしたとしましょう」
嫉妬の蛇女「げ、現にそうじゃない…」
女騎士悟り「端から想像できませんか?思い浮かべるのです。さぁさぁ!」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
女騎士「す、好きだソンゴクウ!!」
悟空「ワシみたいなジジィにはもったいないわい」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
女騎士「紹介しよう!私の好きな人だっ!」
悟空「照れるなぁ」
孫「おじいちゃん遊んでぇ〜」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
女騎士悟り「悟空おじいちゃん。それが付き纏うのです」
女騎士悟り「耐えられますか?」
嫉妬の蛇女「…あ、」
女騎士悟り「愛に年の差など関係ない?」
女騎士悟り「関係あります。確かにソンゴクウはカッコイイ。ですがおじいちゃんの称号を手にしてしまったのです」
女騎士悟り「その幸せの家系に抗える者など愚か者なのですよ」
女騎士悟り「ワタシの願いはもうハッキリと見えました。ソンゴクウ。孫悟空は……!」ブォォォン
女騎士悟り「光よ我に集いでカノ者に祝福を!」
嫉妬の蛇女「アッアッアッアッアッアッ」
アァァァァァァァァァー
女騎士「……ありがとう礼を言う」トオイ メ
〜〜
悟空「おめぇ本当にでーじょぶか?」
女騎士「あぁ。問題無い!むしろスッキリしているのだ」ニッ
悟空「そうけ!」
バシバシ
女騎士「(これだ、この師と弟子のようなスキンシップ!)」
女騎士「孫…悟空。私を弟子にしてくれないだろうか」
悟空「いぃ!?おめぇがオラの!?なんでまた」
女騎士「色々考えたのだが、ほら前に私に才能がありそうな事言っていたではないか。悟空さえ良ければ私に修行を頼みたい」ウワメ チラッ
悟空「しょーがねぇなぁ。どこまでやれっかわかんねぇーが、いいぞ!」
サムズアップ
女騎士「本当か!よろしく頼みます!悟空師匠!」パッ
悟空「かてぇぞぉ!いつも通りでいいぞぉ」ンハハハハ
女騎士「そ、そうか!ゴホン」
女騎士「さっそくだが、では何をすれば飛べるようになるのだ!?」ワクワク
悟空「そうだなぁ気の使い方ちゅーところからだな」ウーン
ナレーション「道中にふと現れた来訪者。女騎士が乗り移られていたことなど露知らず悟空は困り果てるのであるが、人知れずに勝ち得た女騎士。その顔は晴天のようであった」
オッス オラ悟空!
憑き物が落ちたみてぇーに元気になってよかったぞ。しかもオラに弟子入りしてぇーちゅーし。まっ!前よりは全然いいけどな!
おっ!女騎士、飛ぶときはゆっくりだぞ!はしゃいでっと落っこちちまう!
……あっちゃ〜
おい女騎士飛んだぞ...?
〜〜
色宿屋
ドスンバタンドスンバタン
店番「ヒーッヒッヒッ……おさかんですねぇ」
〜〜
女騎士「む、難しいな」
セイシントウイツ
悟空「そうそう。浮かんだら次は、この辺によぉ、なーんかあちぃの感じねぇか?」
ハラ サスサス
女騎士「この辺に集中せよというのか……よ、よし」 ポカポカポカ
フゥワァ
悟空「そそっ!」
女騎士「で、で、で!?」フゥーワァン
悟空「で?」
女騎士「で?ではない!こ、このまま浮かぶ私は――」
バリーーーン
アアァァァ ホラミローーー
悟空「あっ!おい!!」
マドノ ソト ノゾキ コム
ドチャ
女騎士「」
悟空「あっちゃ〜……」
トントントントン
店番「お、お客さん、もう少し静かにしてくれやしっ ヒ、ヒヒヒヒ」
悟空「お、おう。すまねぇ」
………
……
女騎士「……」zzZ
チラッ
悟空「気を蓄えるりきはあるんだがなぁ。コントロールが苦手みてぇーだぞ」
悟空「オラのいたとこと空気がちげぇのが原因か……」ファァァーット
悟空「パワーがたりねぇー…んか…ンガアア」zzZzzZ
〜〜
色宿屋 翌朝
女騎士「」ガバッ
女騎士「わ、私は」キョロキョロ
女騎士「確か空を飛ぶ練習中に……あ、頭が痛い?」
チラッ
悟空「……」zzZzzZ
女騎士「……フッ。昨日の今日でとは思ってみたが、やはり」ヨット
女騎士「寝食をともにしようが悟空は悟空だな」
女騎士「実に気持ちがいい」
女騎士「顔を洗ってくるか」
ガチャ トテトテトテ
………
……
泊まり客ら「……」ヒソヒソヒソヒソ
女騎士「?」
泊まり客ら「!!」ヒソヒソヒソヒソ
店番「フアァァ〜……おや。昨夜はおたのしみでしたね」
女騎士「!!」
………
……
ドタドタドタドタドタ
ガチャ!!
女騎士「お、お、お、お、お、おっ!!」
ユサユサユサユサ
悟空「……」zzZzzZ
女騎士「おおおお、おぉぉぉお!」
ユサユサユサユサ
悟空「ん〜もちっとねか」zzZzZZ
女騎士「起きるんだ悟空ゥゥゥ!!」
………
……
悟空「急に出るってオラまだねみぃーぞ」フワアアワイワイ
女騎士旅装「……」
スタスタスタスタスタ
女騎士「(そうだ。すっかり忘れていたが私達が泊まっていたところはい、い、い色宿ではないかっ!)」
女騎士旅装「ぐ、愚図ついた天気になりそうだからな!王都へ早めに進まねば!」ウンウンウン
悟空「朝日が眩しいけどなぁ〜」
テクテク
女騎士旅装「そんなことよりもだ。昨晩の舞空術とやら道すがらできないだらろうか」ワクワクキラキラ
悟空「そうだなぁ。オラ昨日寝るめぇーに思ったんだがよぉ」
女騎士旅装「む?」
悟空「オメェの気はつぇーんだがな、なんか別に漂ってる空気があんだよ」
女騎士旅装「別の気?」
悟空「オラがオメェってわかる気と、オラが何となくしか感じれねぇ気っちゅーんかな」
女騎士旅装「難問だな……」ハテ
女騎士旅装「それは私だけということか?」
悟空「いやぁ、ありゃそうだな。確かにオメェの親父にもかんじられたぞ」
女騎士旅装「ふむ……」
女騎士旅装「私らに有って、悟空にないものか」
悟空「そんなんあんのか?」
女騎士旅装「パッと思いつくのが、魔術だろうか」
悟空「前おめぇがやってた力け?」
女騎士旅装「そうだ。悟空にはまだ言ってなかったな」
女騎士旅装「この世界に火水風土光闇という自然概念を使った力が栄えているのさ」
悟空「ほぉ〜」
女騎士旅装「それらの理を少しだけ操作し、具現化する」フッ
女騎士旅装「火の精よッ!」
ボッッ
女騎士旅装「っと。このようにな」
悟空「おっでれぇーた!手品みてぇだぞ!」
女騎士旅装「……悟空は皮肉屋なのか?」
悟空「??」
女騎士旅装「ま、まぁ攻撃は火、守りは土といった概念に基づき、各様々な組み合わせで発動するのが魔術の基本的ところだ」
悟空「……」ウーン
悟空「つまり、そいつと気が混ざっちまってるんか」
女騎士旅装「私には気というのものの概念がサッパリだが、実際教えてもらうと、そうなるのであろうな」
女騎士旅装「あっ!そうか!魔の森で悟空が言っていた天地がひっくり返るはそれか!」
悟空「あぁ上なら見晴らしいいと思ってな」
女騎士旅装「なるほど!誰も試したことないから、木に登ったところでと思ったが……力は上空まで及んでいたか」
女騎士旅装「手見上げには十分だ」
………
……
悟空「王都ちゅーとこまではどんくれぇーなんだ?」
女騎士旅装「折り返しまで来たがそうだな」
女騎士旅装「(まてよ、私の弁当を持ってきたときの早さを見ると、悟空が本気だすとすぐ着くのではないか?)」
女騎士旅装「……悟空師匠、お願いがございます!」
悟空「急になんだよ」
女騎士旅装「私いまいち飛ぶという感覚が摑めないのだが、もしかして師匠ならあっという間につくのではないだろうか」
悟空「オラに乗りてぇーってことかぁ?」
女騎士旅装「はい!」チョウワクワク
悟空「良いけどよぉ」ポリポリ
悟空「オメェ、まぁた倒れちまうぞ?」
女騎士旅装「大丈夫だ!私はこれでも国一番の駿馬を乗りこなせるからな!」
悟空「飛行機よりはえぇーんか?」
女騎士旅装「??」
女騎士旅装「それはどんな生き物だ?」
悟空「こう――」
リョウテ ヒロゲ
悟空「びゅーんと」
女騎士旅装「?よく分からないが、これも修行の一貫としてな」
悟空「ま、いっか!」
悟空「ほら、オラにおぶされ」
スッ
女騎士旅装「うむ!では本気で頼むぞ!」
スッ
悟空「おっし。本気でいいんだな?オラ道わかんねぇーから、案内頼むぞぉ」
ファァァ
女騎士旅装「(悟空の本気か。空を飛ぶなんていい土産話になるな)」
女騎士旅装「(フフッ)」
悟空「そぉーれぃ!!」
バッ
バババババババババ
ドヒューーーーーーン
女騎士旅装「」仰け反り
女騎士旅装「(あっ、これ無理だ)」
悟空「あっちでいいんだよなぁ?」
ズオオオオオオ
女騎士旅装「」失神
モワモワモワモワ
ピッコロ「で。女。もうそろそろ吉報を持ってきたろうな」
女騎士「すまぬ……すまぬぅ……」
ピッコロ「……」
女騎士「いや待て!私にもう一度機会をくれ!なっ?なっ!?」
女騎士「私にも色々あったのだ!それに悟空は一緒だ!目覚めたらもう大丈夫だ!」
ピッコロ「いったい何か大丈夫なのか」
ピッコロ「……ある意味お前が頼みの綱なのは間違いない」
ピッコロ「あまり俺を怒らせるなよ」
女騎士「あぁ!その任しかと承った!」
女騎士「(言葉で殺される威圧感……)」ブルブル
モワモワモワモワ
………
……
女騎士旅装「……」ピクピク
女騎士旅装「はっ!」
悟空「きーついかぁ?」
女騎士旅装「!!」
女騎士旅装「ピッコロ!!」
悟空「?」
女騎士旅装「ピッコロだぞ!悟空!ドラゴンボールだ!ピッコロ1つだ!」
悟空「お、落ち着けって!水のんむか?」
女騎士旅装「あぁ、すまない……」ゴグゴク
悟空「おめぇピッコロしってんか?」
女騎士旅装「……あぁ。そうだ!夢の中でだが伝言を預かった」
女騎士旅装「伝えよう伝えようとしてはいたが」
悟空「へぇアイツおめぇの夢にでてこれんのか」
女騎士旅装「私も正直よくわからないが、こういっていた」コホン
アーアー
女騎士旅装「孫悟空に会ったら伝えろ。お前が帰るにはドラゴンボールを追え。何かの拍子にドラゴンボールの一つがそちらに転がり込んだ」
テイオンボイス
女騎士旅装「以上だ。ドラゴンボールとはなんだ?」
悟空「ンナハハハ。似てねぇーぞぉ!」
女騎士旅装「こ、これなら信じてもらえるであろうとなるべく、聞いたとおりにしたのだが……」ハズカシイ
悟空「おぉ信じる信じる!」ハハハハハ
オーハライテェ
女騎士旅装「くっ……!」
女騎士旅装「……で?ドラゴンボールとはなんだ?それが関係しているのか」
悟空「お、おぉ。ドラゴンボールってのはな――」
………
……
女騎士旅装「す、凄いな……7つ集めるだけで願いがかなうというのか。おとぎ話のようだ」
女騎士旅装「それなら何か力が宿っている可能性があるなあ」
悟空「ピッコロがそういうならまちげぇーねぇなぁ」
悟空「ドラゴンボールか。でもめぇったぞ、ドラゴンレーダーオラ持ってねぇや」
女騎士旅装「ドラゴン、レーダー?」
悟空「ブルマが作ったんだがドラゴンボールを探す為の道具だぞ」
女騎士旅装「そのような魔導具が……天才術師か」
女騎士旅装「(魔導具なら代用品がありそうな)」
女騎士旅装「ちなみだが、最初に叶えた願いとはなんだっんだ?」キョウミシンシン
悟空「ひんしゅくをかうってブルマに言われてっけど、オラの友達にウーロンってのがいてな、そいつが叶えたのが」
女騎士旅装「叶えたのが!?」
悟空「ギャルのパンティーだぞ」
女騎士旅装「……」マガオ
悟空「あんときは世界征服を阻止する為ってことだったんだけどもな」
女騎士旅装「……」マガオ
女騎士旅装「目的地はもうすぐだ。グズグズするなよ」キリッ
ザッザッザッ
悟空「あっおい!」アセアセ
〜〜
王都外門
悟空「ひゃー!すんげぇ!オラこういう場所見たことねぇーぞ!」
ザワザワザワザワ
ガヤガヤガヤガャ
ワイワイワイガヤガヤカ
女騎士旅装「フッフーーン!そうであろう!そうであろう!」トクイゲ
女騎士旅装「我が国の首都だ!」ジマンゲ
悟空「おおー」
キョロキョロ
女騎士旅装「さっ!まずは入場許可をもらってからだ」
………
……
番兵「ようこそ!無事のご到着、心より歓迎します」
女騎士旅装「あぁ。二名分の許可証を頼む」
悟空「オッス」
番兵「二名様ですね。ではこちらにご記帳を」
女騎士旅装「うむ」
サラサラ
悟空「ここになめぇ書けばいいんか」
女騎士旅装「あぁ。そう――」
悟空「そんごくうっと」
女騎士旅装「あっ!」
番兵「ん?」ジッ
女騎士旅装「(しまった。悟空はここの文字を知らない)」
番兵「……これはなんですか?」
悟空「?」
女騎士旅装「(しまった!くっ……私としたことが)」
番兵「どこの国から来ましたか?」
女騎士旅装「そ、その者だかな」
番兵「貴女にお尋ねしてません」ビシッ
悟空「どこの国って言われてもなぁオラこの国のこと知らねぇーぞ」
女騎士旅装「(あっバカ者!)」
番兵「怪しい奴……ちょっとこっちに来い!」
ゾロゾロゾロ
悟空「な、なんだってんだよ」
女騎士旅装「すまぬ」
番兵「お前もだ!」
ナレーション「女騎士はピッコロの伝言をようやく言え、1つの任をこなしたわけだが、王都につくなり、またもや嫌疑をかけられてしまう。こんなとこで躓いている場合ではないぞ悟空」
オッス オラ悟空!
ピッコロからってのはおでれーたぞぉ。ドラゴンボール1個見つけりゃいいんか?難しそうだぞ。
それになんだかオラ捕まっちまうし。
どーなっちまうんだよ!
〜〜
城門前 兵士詰め所
番兵「で?本当の目的はなんだ」
女騎士旅装「だから何度も言っているではないか!」
女騎士旅装「私の公爵の娘で――」
番兵「だーかーら、その証拠を見せなさいといっているだろ!」
番兵「それに聞けば、公爵様のご息女は魔の森で行方不明と聞き及んでいるぞ?」
女騎士旅装「聞いてないのか!私は無事に帰ってこれたのだぞ!」
女騎士旅装「それを助けてくれたのが、先程の男だ!」
番兵「あやしぃ〜なぁ〜」
番兵「……魔物達がなにやら不穏な動きをしていると騒いでおるが……まさか」
女騎士旅装「断じて違う!」
女騎士旅装「えぇーい!埒が明かない!姫騎士の者ら誰でもいい!連れてこい!」
番兵「俺らより位が高くておいそれと会えるかっての……まぁしょうがない待っていろ。嘘だったら覚悟しておくことだ」
女騎士旅装「あぁもうなんでもいい」
………
……
番兵「し、しっつれをば……」
副隊長「やっほー隊長!迎えに来たよ」キャルルン
女騎士旅装「ふぅ……」
番兵「え、えへへ。そのですね」
副隊長「もしかして無礼働いちゃった?」
番兵「い、いえ!そ、そのようなななななな……」
チラッチラッチラッ
女騎士旅装「……いや。大事ない。仕事熱心だった」
番兵「……!」ハワヒワヒワハワ
………
……
女騎士旅装「まさか副隊長が来てくれるとは思わなかったよ」
副隊長「まぁ実のところたまたま偶然目撃しただけですけどねぇ」
副隊長「隊長のお屋敷から急に除隊するって聞いて、向かうところだったんですよぉ」
女騎士旅装「……やはりそうなってしまっているか」
女騎士旅装「私はそれを撤回するために来たのだ」
副隊長「やっぱり!そぉーですよねぇ〜辞めませんよね!」
副隊長「ではさっそく参りましょうぉ〜」
女騎士旅装「いや待ってくれ。悟空がまだ別室にいるではないか」
女騎士旅装「早く誤解を解かなくては」
副隊長「……ゴクウってどなたです」
女騎士旅装「どなたって、お前も会ったではないか、魔の森から」
副隊長「あぁ。あぁ。あの男の人ですか。なるほど。そのようなお名前だったんですねぇ」
女騎士旅装「あぁ。孫悟空と。言わなかったか」
副隊長「知りませんでしたよぉ」
ベツニ シリタクモ アリマセンガ ネ
女騎士旅装「何か?」
副隊長「いえ別に。あっ!それなら私が連れ出しておきますから、隊長は先に王宮の執務室へ行っててくださいよ」
女騎士旅装「いや、しかしだな…」
副隊長「早くしないと手遅れになりますから!それに姫様もご心配になられてますよぉ〜」
女騎士旅装「ふ…む。姫様が……わかった。では、よろしく頼むよ」
副隊長「はいはーい」ニヤッ
………
……
悟空「オラそんなんじゃねぇーてばぁ」
番兵「そういう奴が一番怪しいのだ!」
悟空「めぇーたっぞぉ……」
番兵「吐いたほうが楽になるぞ!お前は暗号を使って何を企んでいる!」
番兵「しかし、まさか我々にその暗号を見せるとは些か頭が悪いようだなぁ」クフ フフフフ
ガタンッ!
番兵「!?」ビクッ
悟空「あっ!そーだそーだ!これこれっ」ゴソゴソ
番兵「な、何をする気だ!」シャキン
悟空「へへ。見ろよこれっ!」
番兵「…なんだその紙切れは」
悟空「いいからよぉ」ホレェ
番兵「!!」ヨミヨミ
番兵「こ、これは公爵様の印!?魔術研究の第一人者である老様宛……ソンゴクウについて魔の歪みについて伺いを立てたい…だと…」
番兵「ソンゴクウ……お名前はなんと言われましたっけ」ヘヘ アセアセ
悟空「孫悟空だぞ!」ニッ
番兵「あっあっあっ」アワワワワワ
番兵「た、たたた大変しつ――」
ガチャ スゥ
副隊長「偽物ですよ」
番兵「へっ……なん…と?」
副隊長「それは偽物と言ったのです」
番兵「にせ?えっ?で、ですが、こ、この印は確かに――」
副隊長「公爵邸での魔族襲撃の話はそなたでも聞き及んでいよう。印その際に盗まれたのだ」
番兵「な、なるほ……ど?」チラッ
悟空「いぃ!?嘘なんかじゃねーぞぉ!」
悟空「確かにあいつの親父に直接書いてもらってっからよぉ」
副隊長「公爵様をあいつよばわり?フフッ。無知も甚だしいですねぇ」
副隊長「コイツは私連れて行く」
番兵「…いえ、しかし、一度確認してからの方が…」
副隊長「その間に逃げられたら君……責任とれるの」ギンッ
番兵「うっ!そ、それはそのぉ…」
副隊長「フフッ。大丈夫よぉ〜責任は私がちゃーんと持ってたあげるから」
番兵「り、了解であります」
副隊長「というわけだ、ソンゴクウとやら」
副隊長「とっておきの場所へ案内する!」
………
……
番兵2「お前んとこにきたな姫騎士の副隊長だよな?かわいいよなぁ〜」ウットリ
番兵「ば、馬鹿言うなよ!確かに顔はかわいいが…」ブルブル
番兵「洒落にならん怖さだそ……」
番兵2「姫騎士隊は揃いも揃って美人隊だろ。それの3大姫と呼ばれているのが我が国の姫様、それを護る姫騎士隊長、副隊長!」クゥ〜
番兵2「お前直に話して緊張してだけだって!」
番兵「そ、そうかなぁ……」ブルブル
〜〜
王宮内 執務室
姫騎士隊 ワーワーキャーキャー
女騎士「皆心配かけたな。隊を離れるとは誤解なのだ」
姫騎士隊「誤報でなによりです!もう副隊長は聞いたそばから飛んでいきそうな勢いでしたよ!」
女騎士「ふむ。すまなかった」
女騎士「フフッ」
姫騎士姫「どうかされたんですか?」
女騎士「いや、飛んでいきそうかとな」フフ
姫騎士隊「例えですよ?」
女騎士「あぁそうだな。知ってるよ」
女騎士「(悟空はもう解放されているだろうか)」
パタパタパタ
トントントン
衛兵「失礼します!火急の用です!姫騎士隊長はおられるか!」
女騎士「(来たか)」
女騎士「あぁ」
ガチャ
ダッダッダッダッ
姫「!!」バッ ダキ
女騎士「ひ、姫様ッ!」
姫「離さぬぞ!」
衛兵「と、という次第です!では某はこれで」ケイレイ ササッ
姫「そなた、わらわに嘘を申したのだ!」
女騎士「嘘など、めっそうもございません」
姫「ならばなぜ隊を辞めると申したのだ!」
女騎士「誤解にございまする。父の早合点です。それを撤回するために急いで駆けつけました」
女騎士「(色々あったけど)」
姫「ほ、本当か!?」
女騎士「はっ!整えが終わり次第、陛下にお頼みいたします」
姫「そ、そうか!そうか!」パッ コホン
姫「ならば許そう」ビシッ
姫「……して、整いというのは何か?」
女騎士「はっ!連れを待っているのです」
姫・姫騎士隊「連れ?」ザワザワ
姫「そ、それはどんな連れだ……?」
女騎士「は?そうですねぇ、なんと言えば良いのか」
女騎士「私の命の恩人友言いますか、師匠と言いますか、友人と言いますか」
姫騎士隊「ま、まさか……あの時の男の人でしょうか!?」ワクワク
姫「!?」
女騎士「な、何をキラキラした目で……」
姫騎士隊「そりゃもうーねぇー」ワイワイワイ
女騎士「なっ、ばっ、悟空はそんなのではないぞ!」
姫騎士隊「キャーもうお名前を」キャーキャー
女騎士「勘違いするな、私は悟ったのだぞ…いいか…悟空はな」
姫「お、お、お、お、男か……男が出来たのか…」ワナワナワナ
女騎士「姫様?」
姫「そ、そ、そ、そ、それで…姫騎士隊を辞めると言うのだな…」
女騎士「い、いえですから」
姫「ち、父上にけ、け、結婚とやらを報告するのだな!?」
姫「えぇい!この裏切者が!嘘つき!ずっとわらわに仕えると申したのにッ!お前なんか……」
姫「お前なんかどっか遠くで幸せになるがよいわっ!」ナキ
バッ パタパタパタパタパタパタ
女騎士「ひ、姫様お待ちをっ!」
バタン
女騎士「……なぜだ」
姫騎士隊「遠くで幸せにって…懐いていらっしゃいましたし、お寂しいのですねぇ」
女騎士「そうではなくてだな!……えーい」バッ
ガチャ
女騎士「そうだ、ここに副隊長と悟空がきたら待っているよう伝えてくれ!」
バタン
………
……
パタパタパタ
姫「(嘘つき嘘つき嘘つき)」ウッ ウッ ウッ
姫「(わらわに仕えるのに飽きたのか!ワガママばかり言うわらわが嫌いになったのか)」ウッウッ
パタパタパタ
ヌゥーーン
ドスン
姫「きゃ!」シリモチ
姫「ぶ、無礼者!前をよく見」グシグシ
スゥウウ
………
……
女騎士「姫様?」
女騎士「(どこに行ってしまわれたのか)」
女騎士「部屋にもいない……」
〜〜
王都郊外 地下牢
コツンコツンコツン
悟空「薄いぐれぇーぞぉ」
副隊長「そりゃそうですよ〜」
副隊長「ここは一級犯罪者を入れておく施設ですもん。貴重な資源の無駄にはしませんよ」
悟空「燃料もバカになんねぇーってチチが嘆きてたっけか」
副隊長「貴方随分と能天気ですねぇ。自分がどこに向かっているかご存知ですかぁ」
悟空「?おめぇーがどっか連れてくってんで着いてきたんじゃねーか」
副隊長「いやぁまぁそうですけど」
副隊長「牢屋ですよ牢屋」
悟空「牢屋ぁ!?オラを!?なんでぇ」
副隊長「貴方邪魔なんですよぉ」
悟空「おめぇとオラが会ったんはこのめぇ初めてじゃねぇーか?」
副隊長「そうですよぉ。あの時に私ピーンと来ちゃいました」
副隊長「貴方がいると隊長はおかしくなるとね……」ゾワゾワゾワ
悟空「わけわかんねぇーぞ?」
副隊長「とにかく、私と隊長の仲を裂く存在は許さないのです」
悟空「?」
副隊長「後で貴方はどこかに消えたとでもしておきましょう」
副隊長「厄介な紹介状は私の手にありますからねぇ」フフフフ
コツンコツンコツン
副隊長「さぁ着きましたよぉ。貴方は一生ここで――」
悟空「ん!?」
悟空「危ねえ!」バッ
副隊長「へっ?」
シュン
ジャキン
幽霊騎士「………」
悟空「おめぇ何もんだ!」
副隊長「な、なんですのぉぉぉ」
ナレーション「悟空にはわからぬ世界があるようではあるが、連れてこれた先にまたもや敵の気配が。今度の敵は幽霊?消えた姫はどこへ。妙な組み合わせがまた妙なことに」
オッス オラ悟空!
おっかねぇ副隊長がいうには牢屋なんてオラ流石に入りたくねぇーぞ。
と思ってたらまぁーた妙な敵が現れちまうんだもんなぁ。
ありゃ?オラの攻撃が当たらねぇーって!
幽霊騎士「……」フシュゥッゥ
ガコン
副隊長「何よアレェ」シャキン
悟空「なんも気を感じねぇ」
副隊長「へぇ?」
幽霊騎士「……」ガコン
悟空「くるっ!」スッ
幽霊騎士「……!」ダイトウ
ブンォンブォン
悟空「ふっ!」サッサッ
悟空「なかなかはぇーぞ」
悟空「だったら…っ!」フンッ
スカ
悟空「……へ?」スッテン
副隊長「!」
幽霊騎士「……」グルリ
副隊長「こ、こんのぉ!」パラララララ
副隊長「火の精よッ!」ポォォ
ハッ
幽霊騎士「……」ジャギン バシュン
副隊長「こいつ!」
幽霊騎士「……」ジッ
副隊長「ってか衛兵はどこほっつい歩いているのよ!」
キョロキョロ
悟空「よそ見すんじゃねぇ!」シュン
副隊長「へ?」シュン
幽霊騎士「……」ブンォン
シュン ドゴォン
悟空「あぶねぇあぶねぇ」フゥ
副隊長「あっ、えっ」ポカン
悟空「でりゃぁ!」フンフンフンフン
スカスカスカスカスカ
幽霊騎士「……」ブンォン
悟空「よっ!よっ!」シュン シュン
トントントントン
悟空「どーなってんだぁ?全然あたんねぇーぞぉ」
副隊長「な、なんで私を助けるのよ……」
悟空「?」
副隊長「……」ダッダッダッダッ
悟空「あっ、おい!」
幽霊騎士「……」ブンォン
悟空「っと!」
………
……
地下牢 奥
ダッダッダッダッ…
タッタッ
副隊長「(なんなのよ、あの化物!あんなのいるなんて思っても見なかったわ)」
副隊長「(でも好都合だわっ!)」チクリ
副隊長「……」フルフル
副隊長「……違うわ…」
副隊長「私はもう」
ガチャガチャ ヒッヒッヒッヒッ
囚人「わっ!!」
副隊長「ひゃ!」ビクッ
囚人「ヒャヒャヒャ」ガシャガシャ
副隊長「(しゅ、囚人共か)」キッ
囚人「お、女ァァ」グヒェヒェヒェ
囚人「女だぁ」ガシャガシャ
囚人「俺にも拝ませろぉ」グヘッヘッヘッ
副隊長「(チッ!醜悪な…これだから男は!)」
ジリッ
囚人「イーヒェヒェヒェ」ヌゥン
ガシッ!
副隊長「なっ!その汚い手を!は、離せぇ」ガンガンガン
パッ
囚人「やわらかい手だったなぁ」ヌラリ レロレロレロ
囚人「切り刻みたいなぁ」グヘッヘッヘッ
副隊長「!!」
副隊長「(なんておぞましい……今すぐ灰にしてやりたいが、ここの衛兵を見つけてさっさと逃げないと)」
キョロキョロ
囚人「ヒャヒャヒャ」ジーーー
囚人「……」ジーーー
囚人「……」ジーーー
副隊長「な、なによ!」
囚人「だーれを探しているのーかーなー」
副隊長「なっ…なぜわかっ」ハッ
囚人「へっへっへっ」
ギィィ ギィィ ギィィ ギィィ……
副隊長「か、鍵が、ど、どうしてですの!!」
囚人ら「へっへっへっ」ジュルルルル
牢内衛兵ら「………」
副隊長「あ、貴方達なにしてるのよっ!」チラッ
牢内衛兵「……」
囚人ら「イーヒェヒェヒェ。呼んでも無駄だぜぇ」
囚人ら「そうさ間抜けな奴らはオネンネ中だよーん」
ゾロゾロゾロ
副隊長「そ、そういう事ね…やたら挑発してたのは近づけさせる為…」
囚人ら「ビャハッハ。アンタなかなか来ないし、し、辛抱たまらんしで…なぁおい」
囚人ら「ゲヒャヒャ」ハァハァ
ゾロゾロゾロ
副隊長「近づかないでちょうだい!さもないと…」
囚人ら「どーするってぇ」
副隊長「こうするのよっ!火の精よッ!」パラララララ
ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!
囚人ら「グ、グアアアアアア」アーレー
副隊長「身の程知らず共め」
囚人ら「アアアアアア」ボォォオォ
囚人ら「アアアアアア……アーヒャヒャヒャ!」シュゥゥゥゥ
副隊長「えっ……」
囚人ら「火遊びは終わりですかぁ」ニタニタ
ザッザッザッ
副隊長「ど、どうして」ジリジリ
囚人ら「鍵がどうとか言ってたなぁー」
囚人ら「あの御方に開けていただいたのよぉ」
副隊長「あの…御方…?」ジリジリ
囚人ら「幽霊騎士様よぉ」ジリジリ
副隊長「あの化物が…!」ドンッ
副隊長「(追い込まれ…た!)」
囚人ら「もう観念しなぁ」ヒタヒタヒタ
副隊長「よ、寄るな……」
囚人ら「グヘヘ、グヘヘッ」
副隊長「(た、隊長……!)」メ ツムリ
ガッ
悟空「……!」シュッッン
囚人ら「な、なんでてめぇ!どっから現れやがった!」
バッ
副隊長「……!」
ダッダッダッダッダッダッダッダッ
………
…
〜〜
数分前
悟空「ハァァァ!でりゃあああ!」
幽霊騎士「……」ブンブンブン
悟空「……!」シュン シュン
悟空「らちがあかねぇ!」
チラッ
悟空「あいつでーじょぶかな」
幽霊騎士「……」ズォオォン
悟空「くっ」ガシュ
悟空「つぅ〜〜」
バックステップ
悟空「あいつの攻撃だけ当たるなんて卑怯だぞぉ……」
悟空「……」
幽霊騎士「……」ザックザッグザック
悟空「そぉーか!」
悟空「おめぇ、なんでかオラの攻撃すり抜けちまうが、そいつは当たんのか!」シュン
幽霊騎士「……!」
悟空「そいつをマズへし折っちまえば!」ハァァァ
ダッ!
悟空「もらったぁ!」
ガンッッッッ
幽霊騎士「……」
幽霊騎士「……」
悟空「……」
幽霊騎士「……」スッ
ブォォォン
悟空「げぇ!!かってぇーーー!」
ブォォォンブォォォン
悟空「くそぉーー!」
幽霊騎士「……」スゥゥゥ
仁王立ち
幽霊騎士「……!」ギュンギュンギュン
悟空「う、うぐぐぐ、へ、変だぞ、行き成り攻撃を止めたと思ったらオラのち、力がど、どん…と」
ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン
悟空「や、やべぇーぞ!」
悟空「…悔しいが、い、一旦退却くう」シュッ
〜〜
〜〜
地下牢 奥 荷物置き場
悟空「ふぅ」
副隊長「……」ウズクマリ
悟空「無事か?」
副隊長「……」ブルブル
悟空「……くそぉ仙豆がありゃ」
副隊長「……」ブルブル
悟空「勢いで奥に来ちまったが、ここもまじぃーんか?」
副隊長「……」ガタガタガタガタ
悟空「……」ポリポリ
悟空「そぉー心配すんな!なんとかなっからよぉ〜」ニヘッ
副隊長「……」ピクッ
悟空「あいつに攻撃があたりゃだけどな」ンナハハハハ
副隊長「……どうして」
悟空「ん?」
副隊長「どうしてそんなに能天気ですのよぉぉ!」ガバッ
副隊長「アナタだって負けたのでしょう!?おめおめと逃げて来て……」
悟空「たははは、いてぇーとこつくぞぉ」
副隊長「逃げ…逃げられる元気があるなら……どうして…」
悟空「体力吸われちまってギリギリだけどな」
副隊長「……どうして私なんかの方に…アナタを貶める為に」
悟空「ワケなんてねぇーぞ」
副隊長「……!」
悟空「おめぇアイツの友達なんだろ?」
副隊長「で、でも……」
悟空「おめぇがオラを恨む理由はわからねぇが、オラはオラの意思でおめぇを助けた。それでいいじゃーか」
悟空「まっ、細けえことは気にすんな!」
ポカーン
副隊長「細けえって……フフッ…アーハッハッハ!」
悟空「ど、どした!?抱えたときにどっか頭打っちまっんか!?」
副隊長「ハハハ、なんでもないわよ。…私の意思で笑っただけよ」
スクッ
副隊長「そうね…あんな奴ら放置なんてしていられないわ」
悟空「つってもよぉ〜オラの攻撃当たりゃしねぇーし、なんかあてがあんのか?」
副隊長「あの大刀をなんとか破壊できれば」
悟空「オラもそー思って力はいっぱいやってみたけど、硬えなんてもんじゃねぇぞ?」
副隊長「貴方みるからに脳筋ぽいわよね」
副隊長「素手一辺倒でゴーストを相手に思ってるのが間違いよ」
副隊長「魔術…なんてできないわよね?」
悟空「あの手品見えてぇのか。オラには出せねぇ」
副隊長「だろうと思ったわよ。いい事?ゴーストタイプは必ず依代となるものが必要なの」
悟空「?」
副隊長「魂を現世に膠着させるために何らかの物とか必要ってことよ。わかりまして?」
悟空「そいつがあの剣ちゅーんか」
副隊長「素手で挑むってんだから、相当なパワーがあるのよね?」
副隊長「それでも破壊できないなら、本体は大刀じゃないわ。フェイクよ」
悟空「んー。オラには検討がつかねぇーぞ」
副隊長「そうほいほい。わかったら苦労しないわよ」
副隊長「でも、必ず幽霊騎士が持ってるはずよ」
悟空「そいつを見せたら…か」
副隊長「ご明察。でも貴方が接近してバシバシしてたら、その隙きはできない」
悟空「距離を置くんか?」
副隊長「そんなことしてたら、隙きなんてできませんわ」
副隊長「私が遠距離から仕掛けるから、貴方は一定の距離保ちつつ避けなさい」
副隊長「必ずどこか魔術が通る場所ができるはずよ」
悟空「よっし!」バシバシ
副隊長「……隊長の魔力なら良かったんだけどね」
〜〜
囚人ども「ちぃ!見失った」
囚人ども「おそろしくはぇーやつだぜ」
囚人ども「なぁ、ほっといて外にでようぜ」
囚人ども「そうだそうだ、早く街で暴れてぇ」グヒェヒェヒェ
カツンカツン
副隊長「させると思っていらして?」
悟空「おめぇら悪さして捕まったんだろ?」
囚人ども「お前らの方からノコノコ出てきてくれるたぁなぁ!」
囚人ども「こ、こいつらやっちまってパーっと華添えてや、やる」ヒッヒッヒッヒッ
副隊長「……私はこんな奴らに怯えてしまっていたのね……」ハァァァ
副隊長「貴方はこんな奴らに無駄な体力使う必要はないわ」
囚人ども「急に威勢が良くなりやがって……」
ゾロゾロゾロ
囚人ども「覚悟しなぁ!!」
副隊長「あの幽霊騎士に魔を与えられたってわかれば、もはや敵ですらないわ」スッ
副隊長「私こういう性格だけど、本当は光魔法に精通している……のよっ!」ポワポワポワポワ
副隊長「光あれ!」
シュゥゥゥゥ
囚人ども「な、なんだ!?か、身体が!」
囚人ども「ち、ちか、ちから……がぁぁ……!」
バシューーン
囚人どもの骸「」
悟空「いぃ!?骨になっちまっぞ!?」
副隊長「…魔の力を得た代償はその命よ…」
悟空「ひぇー」ナムナム
………
……
地下牢 入り口
幽霊騎士「……」シュココォォオ
副隊長「さぁ本場よ!」
悟空「へへっ!もうおめぇに負けねぇーからな!」
幽霊騎士「……」ギャリン
ザックザッグザック
副隊長「来たっ!手筈通りよ!」
悟空「おっし!」ハァァァ
幽霊騎士「……」ブォォォン
悟空「よっ!」スッ
バッバッ
副隊長「火の精よッ!」ボッ
幽霊騎士「……」ズゥ バシュン
タッタッタッタッ
副隊長「次!火の精よッ!」ボッ
幽霊騎士「……」グルリ バシュン
幽霊騎士「……」ギンッ ダッ
悟空「こっちだ!」ハァッ
ガンガンガン
幽霊騎士「……!」ダイトウ ガンガンガン
悟空「やっぱ硬えぇ」
バッバッ
副隊長「土の精よッ」メコッ モワッ
幽霊騎士「……」ガッ ヒョイ
悟空「そりゃそりゃ!」ガンガンガン
バッバッ
副隊長「風の精よッ!」シュルシュル
幽霊騎士「……!」ビャンビャンボワァンビャン
副隊長「!」
幽霊騎士「……」ブォォォンブォォォン
悟空「おっとっと!」ヒュン
副隊長「今の見た!?」
悟空「腹のちょい右下が変だったぞぉ」
副隊長「体内に仕込んであるようね……魔の透過ですり抜けるからくりよ」
悟空「どうすんだ?」ヨット
副隊長「私の威力じゃ突破できないから、貴方に託すわ」
悟空「託すわって」
副隊長「私副隊長なの。役目は隊長のサポート」ポワポワポワポワ
副隊長「一気に決めてよね!」ポワポワポワポワ
幽霊騎士「……」スッ
仁王立ち
ギャンギャンギャン
悟空「またあれだ!力吸いとられんぞ!」くっ
副隊長「……まだよっ!」ポワポワポワポワ
ギャンギャンギャンギャンギャン
ポワポワポワポワポワポワポワポワ
悟空「くぅぅぅ!ま、まだか!?」
副隊長「もぉーーすこし……ハァァ!」
ハッ!
悟空「おっ!!」キュィン
右手が輝く
副隊長「き、決めちゃってよね」
幽霊騎士「……!」
悟空「ダァァァァァァァ!!」バッ
カッ!!!!!
パリン……
…………
……
地下衛兵「あ、ありがとうございました!!」バッ
地下衛兵「なんとお礼を言えば」ウッ
悟空「ハハッ。無事で良かったぞ」
副隊長「もぉー、くったくただわ……」
地下衛兵「まさか囚人達が魔に目をつけられるなんて」
地下衛兵「自分は一足先に報告に参ります!」タッ
副隊長「……それにしても貴方想像以上に凄いんですね」
悟空「おめぇもなかなかだったおもうんだけどな」
副隊長「はぁ……」
副隊長「それから、その、ごめんなさい」バッ
副隊長「貴方がその隊長を取っちゃうんじゃないかって…勝手に敵視して…」
悟空「オラが何を取るって?」
副隊長「……わからないならいいのよ」
副隊長「でも、本当ありがとうございました!」
ニコッ
タッタッタッタッ
地下衛兵「た、大変です!!お、王宮が!!」
ナレーション「強敵だった幽霊騎士を副隊長と協力し撃破した悟空。わだかまりもとけ安息かと思いきや、風雲急を告げる声。一体何が起こるのか」
オッス オラ悟空!
世の中ひれぇなぁ!副隊長がいなかったらちと危なかったぞぉ。
とにかくオラ力吸われて疲れちまった。
王宮がどうしたって!?お、おい女騎士!無茶すんのはよせ!
乙
魔封波を覚えていた時期だったら幽霊騎士も簡単だっただろうに……
悟空さの力でも壊れないのは呪物だからな
悟空は脳筋に見えて色々超能力使えるから魔術も体得できるかもな
テレパシー?や記憶を見る?みたいなのもやってたね
器用だけどオリジナルの技が少ないんだよな
女騎士「くっ……殺せっ!」悟空「なに言ってんだおめぇ。」【後編】へつづく
・SS宝庫のオススメSS (2017/07/15追加)
・カテゴリー「勇者・魔王・ファンタジー・異世界」のSS一覧
・カテゴリー「ドラゴンボール」のSS一覧
・元スレ:【SS速報VIP】女騎士「くっ……殺せっ!」悟空「なに言ってんだおめぇ。」
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・【※本人確定※】今井絵理子の不倫カーセッ●ス写真、ガチだったwwwwwwwwwwwww
・【画像】ロシアではフ●ラチオの授業があるらしい
・【画像】今年一番抜けるA●女優
・上坂すみれさんの最新画像、本当にえ●ちw
・ギャル♀「ね、パンツ見せたげよっか?」男「はぁ?」
・彡(゜)(゜)で学ぶ最高の種付け体位
・カオナシ「アッ・・・アッ・・・」シコシコ 千尋「?・・・何してるんですか?」
・彡(^)(^)「握手してください!」松嶋菜々子「はい」
・【エ□GIF】トイレで患者を犯すナース、見つかってしまう・・・
・【※痙攣不可避】膣派、クリ派、ア●ル派のそれぞれのイキ方をGIFで学ぶ夜のお勉強スレ、for Men。
・【エ□GIF】顔面●精後にお掃除フ●ラしてくれる美少女wwwwww
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・承太郎「時止めAVものか・・・・・・」
・ロシアに赤毛の全裸巨乳を混ぜたら世界一セクシーなお姉さんになるってことが分かったwww
・【流出ヌード】“不倫騒動” 山尾議員がラブホでのハメ撮り画像…史上最悪のタイミングで流出…
・【GIFあり】吉岡里帆「恥ずかしい…」⇒大胆過ぎる脱衣でマンスジが浮き上がる…
・【巨乳】日本製のお●ぱいGIF貼っていくよ【爆乳】
1: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:40:33.15 ID:ED2OMoRqo
悟空「そんなことよりここどこだ?」
女騎士「(人間だと!?)助けっ……」
女騎士「……。(いやしかしこの砦は魔の森の霧深き場所だ。王国の強者でも容易に来れないハズ…だから私は人質のように連れ去られたのだった……つまりこやつは)」
悟空「なぁーって。」
女騎士「(醜きオーク共め。人間の姿を真似る魔術で私を追い詰めるつもりか!そうはさせるか)」
女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」
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2: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:42:02.42 ID:ED2OMoRqo
女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」
悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」
女騎士「だ、黙れ!貴様らがひん剥いたのではないかっ!」
女騎士「(そうだ……国王様より賜った鎧を盗られ魔王に献上するといって持って行かれた。)」
4: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:44:03.00 ID:ED2OMoRqo
〜〜
オーク「ぐへへ。この鎧は魔王様に相応しい。」
女騎士「や、やめろおおお!貴様らが触れていい物ではないわっ!」
オーク「ぐへへ。繋がれてまだ生意気な口をきくか。」
ガシャガシャ
女騎士「っ……」
オーク「人間の女は裸になると黙るって本当なのな。ぐへへ」
女騎士「わ、私はお前らなんかに……」
オーク「ぐへへ。これを届けたらお楽しみだなぁ」
女騎士「(なんという下卑た笑いだ……うぅぅ…父上私はもう…)」
〜〜
5: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:46:27.53 ID:ED2OMoRqo
女騎士「死してなお貴様らを葬ってくれようぞっ!」
悟空「よくわかんねぇけど、とりあえずこれ着とけよ?チチが女は寒さに弱いって言ってたからな。」
イソイソ
女騎士「チチ!?私の体は私のものだっ……貴様らなんぞに」
スッ
女騎士山吹色「……」
悟空「しっかし、めえーたっぞ。飛んでたら変な穴に吸い込まれちまってよ。早くしねーとタイムバーゲンが終わって怒られちまう。」
女騎士山吹色「(なんなんだこのオークは……)」
悟空「で。そろそろここどこか教えてくれねぁか」
女騎士山吹色「(敵ではない……?いやしかし……)」
7: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:51:57.42 ID:ED2OMoRqo
女騎士山吹色「…ここはオークの砦だ。」
悟空「へえ?おーくのとりで?」
女騎士山吹色「貴様。オークでは無いのか?」
悟空「オラか?オラ孫悟空ってんだ。」
女騎士山吹色「ソンゴクウ。」
女騎士山吹色「……」ジー
女騎士山吹色「(なんと屈強な戦士だろうか。鍛え上げられた肉体は鋼のようだ)」
女騎士山吹色「(だが気を許してはいけない。奴らこうやって何人もの…くっ!)」
悟空「オラそのおーくのとりでっちゅーのは良くわかんねえからなぁ。」
悟空「さっきも占いババの所にいたアックマンみたいなのに聞いたらいきなり攻撃してきやがったし…さっぱりだ」
女騎士「(アックマン?どういうことだ?つまり悪魔族とは敵対しているのか?)」
8: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:53:55.76 ID:ED2OMoRqo
悟空「んでウロウロしてたらおめぇが素っ裸でいるしよ」
女騎士「ソンゴクウ。貴様人間か?」
悟空「変な事聞くなぁ。オラサイヤ人だけどちゃんと地球育ちだぞ」
女騎士山吹色「ちきゅう?サイヤ人?」
女騎士山吹色「……ハハハハッ!正体を現したな!危うく騙されるところだった」
バサッ
女騎士「こんなものっ!」
女騎士「恐らくは魔力の篭った服であろう!」
女騎士「さぁ殺せっ!!慰みのもになるくらいなら殺せえええ」
悟空「ど、どうしたんだよ。落ち着けよ。ブルマよりヒステリックじゃねーか!?」
9: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:56:28.95 ID:ED2OMoRqo
女騎士「うるさい!閃いたぞ。舌を噛むと死ねると聞いたことがある。フフフ。フフフ。」
カツンカツン
オーク「騒がしいやつはどーこだ。ぐへへ。」
悟空「お?」
女騎士「(やつが戻ってきたか……)」
オーク「おっまったせっ。」
ゾロゾロ
女騎士「(4匹も引き連れてきたか……フフフ。死にゆく私をにはもはやどうでもいい)」
悟空「ところで。そんな死に方すると閻魔のおっちゃん手続き面倒って嘆いてたからやめた方がいいぞ」
女騎士「お前が我々の言葉を介さぬのはもはや周知。貴様ら近づいた瞬間に噛み切ってくれるわっ!」
オーク共「威勢がいいこと。この魔力の杖で……ぐへへ。楽しみだなぁ
11: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 11:58:12.90 ID:ED2OMoRqo
オーク共「それはそれとしてまずはこの妙な侵入者を血まつりに上げてからだよなぁ。」
ジー
オークリーダー「まぁまて。のこのこ待っててくれたんだ。男は半殺しの後で見世物にしてやろう。」
女騎士「どういうこだ。お前も仲間だろう!」
オークリーダー「仲間だぁ?俺達が貧弱な人間を仲間にするって?」
ギャハハ
オークリーダー「お前の人生最後のギャグは最高にわらえたぞ」
女騎士「……」
悟空「なぁおめぇこいつらの知り合いか?」
チラッ
女騎士「馬鹿なことを…この状況でそんなハズはなかろう。私は連れ去らてきたのだ。」
悟空「わりぃやつらってことか」
12: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:00:05.09 ID:ED2OMoRqo
女騎士「(フッ。皮肉なものだもしかしたら問答などせず、助けてくれと頼んでいたなら違った結末があったのではないだらうか…)」
女騎士「ソンゴクウとやら。すまなかった」
オークリーダー「お別れはすんだかぁ?げひげひ。やっちまぇ!!」
女騎士「(せめてソンゴクウだけでも逃げれるようにせねば)」
女騎士「うおおっ!逃げろソンゴ……クウ?」
悟空「……」
シュンッ!!
オークの群「」
女騎士「……」
13: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:02:07.82 ID:ED2OMoRqo
悟空「もうおしめぇか?動いた気がしねえぞ」
オークリーダー「ば、ばばばかな!?人間如きに!!岩より硬い俺達の身体だぞ!わけがわからねぇ!」
悟空「悪いことは言わねえ。こいつを開放してやれ」
オークリーダー「っ!?そ、そんなのさせるわけねぇーだろっ!!」
ダッ
悟空「そうか。」
シュン!バシュ
オークリーダー「」
女騎士「(な、なにが起こった?オーク共が急に倒れた?)」
14: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:03:58.86 ID:ED2OMoRqo
悟空「悟飯もグレートなんとかって変な格好して懲らしめる気持ちがちっとわかったぞ」
女騎士「(助かったのか?……グレートなご飯?謝礼の要求だろうか)」
女騎士「(いやしかし)ソンゴクウ。」
悟空「ん?」
女騎士「お前は何者だ」
悟空「変なやつだなぁ。オラ名乗ったばかりじゃねぇーか」
女騎士「いやそうじゃなくて……」
悟空「まぁいっか。とりあえず外に出てーぞ。こいつら風呂へーってんのか。くせぇからよ」
スンスン
女騎士「嗅ぐな!」
15: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:05:44.36 ID:ED2OMoRqo
女騎士「(こいつは敵ではない。そうだ。私は助かる)」
女騎士「(そうなる急に恥ずかしくなってきた……私裸じゃないか)」
イソイソ
女騎士山吹色「……」
悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」
女騎士山吹色「恩に着る…」
悟空「んでよぉ。どこ行けば良いんだ?」
女騎士山吹色「お前が来た道を戻ればいいんじゃないか?私はご覧の通り人質だ。内部構造も知らぬ」
悟空「オラは場所聞きに来ただけだからなぁ。まぁ上に行きゃいいんか」
女騎士山吹色「そういうことだ。」
16: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:07:21.38 ID:ED2OMoRqo
〜〜
地下→一階
ヒソヒソ
女騎士山吹色「くっ!まだあんなに魔物どもが!ソンゴクウ見つからないように進むぞ」
悟空「おっ?そうか。厄介なことには慣れっこだけど流石に腹減るからな」
女騎士山吹色「腹って……」
女騎士山吹色「フフフ。ここから出られたら腹一杯の礼をしよう」
悟空「おっ?ほんとか!?オラ西の都でたらふく食うつもりだったからよぉ」
女騎士「西の都か…商業都市で盛んな街な。私も昔は父上に連れられて行ったものだ」
女騎士山吹色「それが今じゃ占領下に……」
悟空「おめぇもいく予定だったんか?」
女騎士「あぁ。我が騎士隊は都市開放の任で向かうところだった」
悟空「んじゃ西の都までオラが連れてってやるよ。人助けしてたっていやぁチチも納得すんべ」
17: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:08:37.48 ID:ED2OMoRqo
〜〜
一階→出口
女騎士山吹色「ここまで来ればもう…私は生きて帰れるのだな」
悟空「おーげさなだなぁ」
女騎士山吹色「おおげさって現に」
グオオオオン
女騎士山吹色「!?」
悟空「なんだぁ?」
18: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:10:21.83 ID:ED2OMoRqo
オークキング「逃さぬぞおおおお」
ズシンズシン
女騎士山吹色「っっ!あ、あんな奴がいたとは……」
ズシンズシン
オークキング「オマエらを生きて返すわけにはいかねえ!!」
悟空「うひゃーー!でっけぇーー!」
オークキング「俺様が魔王様より賜った城から人間を逃したなどど、あってはならぬ!」
女騎士山吹色「ここまできたのに。畜生!」
19: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:11:47.33 ID:ED2OMoRqo
オークキング「アリが2匹。一気に踏み潰してくれるう!」
ズキャン
悟空「あぶねぇ!」
ドンッ
女騎士山吹色「!?」
ドサッ
女騎士山吹色「ソンゴクウううう!」
オークキング「グヘヘへ。一匹は逃したが一匹は俺様の足の下でぺちゃんこだ」
女騎士山吹色「そ、そんな……そんな……」
20: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:13:25.93 ID:ED2OMoRqo
オークキング「さぁーって残り…うおおおおお!?なんだ!?足が勝手に!?!?」
ズオオオン
女騎士山吹色「!?ひっくり返った?」
土煙モクモク
悟空「ふぅー。急に来るんだもんなぁ。」
女騎士山吹色「ソンゴクウ!」
悟空「よぉ。でーじょぶか?」
女騎士山吹色「あ、あぁ私はおかげで無事だが…そのお前は…」
悟空「オラは平気だ。ちーっとびっくりしちまだたけどなンハハハ」
女騎士山吹色「そ、そうか。それは何より?」
21: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:14:34.90 ID:ED2OMoRqo
オークキング「うつつつう…おのれおのれ!!」
グワン
オークキング「なんで生きてる!?なんでだあぁ!もう許さん!俺様の本気を見せてやる」
ウオオオオオオオ
女騎士山吹色「っ!」
悟空「いーっ!?」
22: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:16:04.19 ID:ED2OMoRqo
オークキング真魔「フルシユユユユユユ」
女騎士山吹色「(こ、こんな化物相手に我々は戦いを挑もうとしていたのか)」
女騎士山吹色「(桁外れの魔力、桁外れの肉体、人間には到底勝てない!)」
オークキング真魔「フキドバジデヤル」
スウウウウウーーー
女騎士山吹色「あれは魔力の咆哮!もうだめだぁお終いだ……逃げられない……」
23: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:17:07.64 ID:ED2OMoRqo
悟空「ひゃー!すげぇー力を感じるぞ!」
ワクワク
女騎士山吹色「ソンゴクウも恐怖でおかしくなってしまうか……」
24: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:18:19.73 ID:ED2OMoRqo
悟空「かー」
女騎士山吹色「フフフ」
悟空「めー」
女騎士山吹色「出陣前に教会で祈っても所詮我々は抗えぬのだ」
悟空「はー」
女騎士山吹色「神の…」
悟空「めー」
キュイイイイン
女騎士山吹色「慈悲はない!!」
オークキング真魔「ズアアアアアアアアアアアア」
悟空「波アアア!!!!」
カッ
25: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:19:46.91 ID:ED2OMoRqo
女騎士山吹色「フハハハハ……はぁ!?」
オークキングは砦城ごと吹き飛んでいた
悟空「ふぅ。人造人間みたいに力を吸い取られてたけどな」
イエーイVサイン
女騎士山吹色「……」
悟空「流石に今ので疲れちまったぞ」
女騎士山吹色「ソウカ。ソレはタイヘンだな。うん。タイヘンだ……」
バタッ
悟空「お、おめえでーじょぶか!?なぁおい!?」
女騎士山吹色「……」失神
26: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:20:39.62 ID:ED2OMoRqo
ナレーション「はてさて異世界にやってきた悟空と女騎士の出会い。これから先一体どうなることやら」
27: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/13(金) 12:23:48.46 ID:ED2OMoRqo
オッス オラ悟空!
また見てくれよな!
おしまい。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/13(金) 12:29:43.84 ID:wki3k217O
終わるなよw
なかなか面白かった。
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/13(金) 12:32:57.65 ID:1ODHmaleO
面白かった
規格外の化け物が味方にいるっていいね
38: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 11:08:17.79 ID:fo0cPVcEO
〜〜
モワモワモワモワ
ピッコロ「孫。聞こえるか。」
女騎士「な、なんだ!?声が頭に響いてくるぞ」
ピッコロ「孫?いや違うな。お前は誰だ。」
女騎士「ソン?ソンとはなんだ!」
ピッコロ「デンデ、本当に孫に繋がっているのか?」
デンデ「そのはずですが、おかしいですね。悟空さん聞こえますか?」
女騎士「な、なんなんだいったい!」
デンデ「もしかして悟空さんとこの女性の精神が混濁しているのかもしれません。どうしましょう……」
ピッコロ「全く。落ち着きがない奴め。孫悟空という者に出会ったらこう伝えるんだ」
ピッコロ「ドラゴンボールの1つを探せ」
女騎士「ドラゴン?」
ピッコロ「ドラゴンボールだ。いいか必ずだぞ」
デンデ「ピッコロさんもう少し言い方を」
ピッコロ「占いババが時間がないと言っていだろ」
デンデ「で、ですがこう――」
女騎士「お、おい!?私にどうしろと?」
女騎士「おい!!」
モワモワモワモワ
〜〜
39: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 11:09:48.61 ID:fo0cPVcEO
女騎士山吹色「はっ!!」
ガバ
女騎士山吹色「……私は一体…ここは…」
悟空「いよぉ。目が覚めたんか」
夜のタキギ
女騎士山吹色「……お前は確か」
悟空「おめぇいきなりぶっ倒れちまうんだもんな。オラ焦ったぞ」
女騎士山吹色「…ソンゴクウ…か。そうだ!あれからどうしたんだ」
キョロキョロ
悟空「うぉーし、もういいな」
女騎士山吹色「な、なんだその生き物は」
悟空「何って魚だぞ。」
女騎士山吹色「いやいやいや。4メイルの魚なんて見たことない……」
悟空「つってもよ。こいつしか食えそうなのいなかったしなぁ。食うか?」
40: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 11:10:49.67 ID:fo0cPVcEO
女騎士山吹色「……」グゥ
女騎士山吹色「いただこう」
モグモグモグモグ
悟空「食う元気あるなら、でーじょぶだな」
女騎士山吹色「……私は魔の砦のオークキングから出るときに倒れたんだな。ここは確か。魔の森か」
悟空「そうそう。んでよぉ人里に向かってたんだがよ。全然森からでれねえわ、腹減るわで」
女騎士山吹色「そうしてキャンプを張ったというわけか」
悟空「おかしなところもあるもんだな。それに気を感じねぇ」
女騎士山吹色「キ?……」
女騎士山吹色「ここは魔の森。霧深きところだ。入ったら二度と出れぬと言われている魔族の土地」
悟空「上にも行ったが天地がひっくり返ったみてえーになるし。オラお手上げだ」
女騎士山吹色「木を登って確かめたのか。無駄なこだ。魔力を帯びた土地は人間には不利になる。……なるほど、ソンゴクウ。お前の言う通り木の息吹を感じないな。」
41: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 11:22:02.48 ID:fo0cPVcEO
悟空「おっ!おめえ気わかるんか?ビーデルのやつが聞いたら驚くぞ!ンナハハハ」
女騎士山吹色「ふっ。私は騎士だが多少魔術をかじっているからな」
悟空「へぇ!修行すりゃいい線いくんじゃねーか」
女騎士山吹色「修行か、そうだな。もっともっと私は強くなりたい。それに、いつか地上よりはるか空にあるという天空城に行くのが私の夢だ」
悟空「てんくうじょう?カリン様のところか、神様の神殿みてえなところか」
女騎士山吹色「カリン様は知らぬが、そうだな神がいると言われている場所だ。叡智の力を授けてくれるとの話。まぁ伝説の類だな」
悟空「それならオラが今度案内してやんぞ」
女騎士山吹色「ハハハハ。いいんだソンゴクウ。私を担がなくても。夢見るお嬢様と言われてこのかた数年だ。」
女騎士山吹色「だがこんな世の中だ。夢を見るくらいは甘えさせてほしいと私は思う」
悟空「いいんか?ミスターポポの修行はけっこう効くんだけどな。ちなみに超神水ちゅーのはオススメしねぇーけど」
女騎士山吹色「フフフ。ソンゴクウの夢もなかなか凝っているな‥」
女騎士山吹色「……ん?夢?」
悟空「どした?」
女騎士山吹色「いや、夢と言えば何か…」
女騎士山吹色「だめだ思い出せない」
女騎士山吹色「大事な何か……」
女騎士山吹色「いや何でもない。」
悟空「そうか」
42: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 11:25:21.67 ID:fo0cPVcEO
女騎士山吹色「まぁともかく、夢の話なんて聞いてもらったのは久々だった。尊厳はもとより生命の危機を救ってくれたソンゴクウに改めて礼を述べよう。」
女騎士山吹色「ありがとう」
悟空「いいっていいって!それにオメェと約束したしな」
女騎士山吹色「腹一杯食べさせる か」
悟空「ンナハハハ!期待してっからよ!」
女騎士山吹色「フフフ。さて、夜も更けてきたことだ。脱出は魔の力が低下する朝にしよう」
悟空「おう」
zzZzzZ
43: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:53:29.77 ID:iJ7flrMnO
〜〜
翌朝 霧深き魔の森
女騎士山吹色「(思えば寝食を共にした男はソンゴクウが初めてではないのか……)」
女騎士山吹色「(えーい!馬鹿な。朝から私は何を考えているんだ)」
悟空「ほっほっほっ」
シュバ!シュババババ!
シュン ババババ
女騎士山吹色「……(速すぎてよくわからないがきっと)」
悟空「オッス」
女騎士山吹色「訓練か」
悟空「サボると鈍るからな。欠かさねぇーんだ」
女騎士山吹色「(ソンゴクウの力の源はこういう積み重ねか)」
女騎士山吹色「確かに」
44: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:54:09.72 ID:iJ7flrMnO
女騎士山吹色「それでは出口を探そう」
悟空「そういやオメェ道わかるんか」
女騎士山吹色「ここの一帯の主は昨日。ソンゴクウが屠ったから、私でも大丈夫だ。任せよ!」
―森―
―森―
―森―
―森谷―
―森―
―森―
45: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:55:07.46 ID:iJ7flrMnO
〜〜
魔の森 出口
女騎士山吹色「ハァハァ…ソンゴクウ見ろ!やったぞ!」
悟空「すげぇーぞ!森なのに谷底に進んだ時は流石のオラもおかしいと思っちまった」
女騎士山吹色「くっ!そんな時もあるっ!」
女騎士山吹色「そ、そうだ!もしかしたら私の隊がまだ駐屯しているかもしれない!」
ダッダッダッダ
女騎士山吹色「あっ!!」
悟空「おっ?」
女騎士山吹色「おぉーい!!お前達っ!おぉーーい!」
姫騎士隊「!?あ、あれは隊長!!」
姫騎士隊「隊長おおお!」
ドッドッドッドッ
女騎士山吹色「やったぞソンゴクウ!私達はこれで本当に助かったんだ!」
悟空「良かったな!」
女騎士山吹色「あぁ!」
46: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:55:59.19 ID:iJ7flrMnO
ドッドッドッドッ
ゼンタイ トマレーイ
副隊長「隊長!ご無事で……!?」
ザワザワザワザワ
女騎士山吹色「ん?…あぁ!副隊長。私はこの通り無事だ!心配をか」
副隊長「な、なんというお姿……ど、とんな辛いめに……」
女騎士山吹色「ど、どうしたんだ?私は別に」
副隊長「いいえ。いいえ。何も仰られるな…」
副隊長「そのようなボロ切れ一枚のお姿…」グスン
副隊長「えぇい!早く隊長に着るものを!」
姫騎士隊「はっ!!」
ザッザッザッザッ
アレヨアレヨ ト
女騎士「……」
副隊長「さっ!早くお屋敷へ帰りましょう!」
副隊長「そして傷を癒やしましょう」
女騎士「い、いやそれよりもだな」
チラッ
悟空「」ポツーン
女騎士「あの者を案内してもらいたいのだが」
副隊長「……」
ジッ
副隊長「……そうでした」
副隊長「そこの者、着いてくるがいい」プイ
悟空「なんだかわかんねぇーがそうさせてもらうよ」
47: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:56:31.37 ID:iJ7flrMnO
副隊長「さっ。行きましょう隊長」
女騎士「あ、あぁ……」
女騎士「(何か妙な?)」
48: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 17:57:45.95 ID:iJ7flrMnO
〜〜
女騎士の邸宅
女騎士私服「命の洗濯というのだろうか」
お風呂でサッパリ
女騎士私服「生きているを実感した気持ちになれるな」
侍女「お嬢様、本当に心配したんですよ?」
女騎士私服「あぁ。すまなかった。」
女騎士私服「ところでソンゴクウはどうしている?不都合はないだろうか。命の恩人なんだ」
侍女「……お嬢様」
女騎士私服「どうした?」
侍女「その…申し上げにくいのですが…あの者は魔の眷属の疑いがありとの事で王都へ連行となりました」
女騎士私服「馬鹿な!なんだそれは!!」
49: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 18:00:46.89 ID:iJ7flrMnO
女騎士私服「いったい誰がそんなことを申した!!」
侍女「き、祈祷師様にございます」
女騎士私服「祈祷師だと?……そんな者がいつ」
女騎士私服「いや、今はそれよりもだ」
ダッ
50: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 18:01:34.17 ID:iJ7flrMnO
邸門
女騎士私服「ソンゴクウ!待ってろいろよ!」
パカラッ
悟空「なんだ出んのか」
女騎士私服「……」
パカ…ラ
女騎士私服「なぜ居るのだ」
悟空「飯ご馳走してくれんだろ?オラ朝から何も食ってねーからよ。」
女騎士私服「…まぁそのつもりではあるが、いや、待て待て」
女騎士私服「(整理しよう。)」
女騎士私服「ソンゴクウ。貴様は魔の者……ではないよな」
悟空「よくわかんねーけど違うと思うぞ」ウンウン
女騎士私服「すまない。ただの再確認だ。本気で思ってはいない」
女騎士私服「こんなところで何をしているんだ?」
悟空「あいつ等のことか?」
ただの妙な連中「」
51: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 18:35:33.32 ID:glRPHUaSO
悟空「おめぇの知り合いか?いやははは。や!悪気があったんじゃねーぞ!そのな、チーーっとばかしすっ転ばしまって」
女騎士私服「おお…」
バッ
ただの妙な連中「」ピクピク
女騎士私服「(い、生きてる)…いや知らない輩だ」
悟空「そか。いきなりオラに馬車に乗れって」
〜〜
妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」
悟空「飯食ってからじゃ駄目なんか?」
妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」
悟空「だけどよぉ。あいつ食わしてくれるって」
妙な連中「逆らうか。ならば強制。」
悟空「めぇーったなぁ。通じてんのか不安だぞ」
ポリポリ
妙な連中「……」
オシタリ ヒイタリ
びくともせん
悟空「乗ってもいいけど後じゃダメ……なんだよなぁきっと。」
妙な連中「……」スッ
魔力のナイフ
悟空「ンッ!」シュン
パシッ
妙な連中「!?」
悟空「流石にそいつは危ねえ気がする。悪く思うな…よっと!」
バシュン
〜〜
52: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 19:32:20.76 ID:YUztNOofo
悟空「ってな。」
女騎士私服「なるほど。そこにあるナイフはもう力がないが魔道具だ」
女騎士私服「それにこやつら」
ただの妙な連中「ウーン」
女騎士私服「伸びてはいるが傀儡の力を感じる」
悟空「ふーん?」
女騎士私服「つまり、操られていたということだ」
悟空「ひぇそんなこと出来んのか」
女騎士私服「祈祷師か」
女騎士私服「……なるほど。フフフ。奴らはソンゴクウに目をつけたようだな」
悟空「いぃ!?あいつ等のみたいになっちまうってのか?オラいやだぞ」
女騎士私服「早々に見つけ出してやる!」
53: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 19:37:51.85 ID:YUztNOofo
ナレーション「勘違いな会話を続ける悟空と女騎士。そんな二人は無事森の抜けたのだったが、出たのもつかの間、謎の祈祷師が何やら暗躍している様子。悟空は元の世界へ帰れるのだろうか」
54: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/14(土) 19:47:00.08 ID:YUztNOofo
オッス オラ悟空!
女騎士はなんか妙にやる気だし、オラはどうすればいいんかわかんねぇーぞ!
67: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:31:51.12 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「さぁソンゴクウ、私がいない数日の間で、屋敷にまんまと取り入った祈祷師やらを探そう!着いてくるが良い」
悟空「邪魔してもいいんか?」
女騎士私服「そなたが狙われているのだ。なるべく一緒の方がいいだろう。」
悟空「そんなら、一個ばかしおねげぇがあんだが」
女騎士私服「願い?」
悟空「オラ腹へっちまて、そうだ!別にただでなんて言わねーからなぁ!オラに出来ることならなんでもすんぞ」
女騎士私服「全く……自分が狙われてるというのにノンキな奴だ」
女騎士私服「しかし確かに森を抜けてからもう大分時刻を回っていることだしな」
女騎士私服「(食事ついでに屋敷の者に聞くか)」
68: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:33:03.12 ID:hSl6aOUro
〜〜
女騎士 邸宅
女騎士私服「約束だったな!ソンゴクウよ。遠慮なく食べてくれ」
悟空「いっただっきまーーっす!」スゥ
………
……
給仕「あ、あのぉ〜お食事中に申し訳ありませんが…そのぉお嬢様…」
女騎士私服「……」
悟空「うぉ〜んめぇー」ガツガツガツ
悟空「!!」カッ ガツガツガツ
悟空「スープおかわりいぃ!」
悟空「おっといけねぇ。チチに他所様のところでは紳士にって言われてたんだわ」
悟空「ゴホンッ。も、もう一皿いいんか?」
チラッ
女騎士私服「……あぁ。……なんなら他に追加させようか?ハハ、なんて」
悟空 ニコッ
女騎士私服「な…追加か。追加なんだな」
女騎士私服「…」チラッ コクン
給仕「か、かしこまりました」
69: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:34:17.17 ID:hSl6aOUro
〜〜
厨房
給仕「つ、追加ですぅ!」
料理長「へっ!長年努めて来たが、ここまで食べてくれるとはありがたいねぇ!」
〜〜
70: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:35:44.07 ID:hSl6aOUro
………
女騎士私服「すまないが、直ぐには出来上がらないので、ちょうど良い機会だ。ソンゴクウお前の事を尋ねてもいいだろうか」
悟空「ん?オラに何を聞きてぇーって?」
女騎士私服「ふむ。」 チラッ
執事「かしこまりました」スッ タイセキ
女騎士私服「ソンゴクウ。貴方は何者なのだ?いや、そもそもどこから来たのだ。確か西の商業都市に向かうつもりだったのだろう?」
悟空「オラ、チチに頼まれて西の都のバーゲンセールに買い物に行く途中だったんだ。まぁもうおせぇーから、終わっちまってるぞ。」
女騎士私服「占領下にある都市で買い物……」
女騎士私服「……。産まれはどこだ?」
悟空「パオズ山でオラ育ったぞ」
女騎士私服「ぱおずやま?」
悟空「おう。しらねーんか?ここからだと……たぶん、ずっと東の方向だと思うだけどよ。」
女騎士私服「地図を持ってこよう」
……
…
女騎士私服「大陸地図だ。ここが我が父の領土になる」
悟空「んぅー?なんだこりゃ」
女騎士私服「ソンゴクウ、貴方がいう東はここの辺りだろうか」
悟空「いや、オラ知らねぇ。それになんて書いてあんのかも読めねぇーぞ。記号か?」
女騎士私服「?」
悟空「?」
女騎士私服「……この本のタイトルを読めるか?」
悟空「わかんねぇ」
女騎士私服「(簡単な公国語のはずだが)」
女騎士私服「(記憶が……というわけでもない)」
女騎士私服「(大陸外から来たというのか?しかし言葉は通じているのはどういうことだ)」
71: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:37:43.08 ID:hSl6aOUro
悟空「世界は一通り見た気がすんだが、ここは知らねぇぞ」
女騎士私服「ふむ。謎だ。少なくとも私にはパオズ山という地名は聞いたのこともない。そもそもタイムバーゲンとはなんだ」
悟空「服とかほーせきが安く買えるってやつだぞ」
女騎士私服「戦火で高騰している今、そんな酔狂な店主がいるのだろうか…いや、大陸外から危険をおかして買いに来るなどすでにか……」
女騎士私服「ちなみ西で一番の商業都市は地図ではここだ」 スゥ
悟空「んー見覚えねぇ」
女騎士私服「そうか……ソンゴクウ。1つをわかったことがある」
悟空「おっ?」
女騎士私服「貴方の存在が謎という点だ」
悟空「??」
女騎士私服「仮に大陸外の東に戻ったところで、貴方の知っている場所はないだろう」
悟空「いぃ!?…めぇーたなぁ。オラ帰れねぇんか」
女騎士私服「いや、私も混乱していたが、確か穴に落ちたとか言っていたな」
悟空「おう。飛んでたらな」
女騎士私服「そうそれだ。事故か…何かの拍子で崖から落ちた時に魔の歪を通ったと思われる」
悟空「海の真上だったと思うんだがなぁ。」
女騎士私服「?ハハ。海の上に崖は存在しない。衝撃でその辺混濁しているのだろう」
悟空「身体は頑丈な方だと思うんだがなぁ。」
女騎士私服「跳んでいたのだろう?」
悟空「飛んでたな」
女騎士私服「……」
悟空「……」
女騎士私服「ともかく、魔の歪を通って何処から来たという話しだ、帰れるとしたらまた同じ場所に向かうしかないが、しょっちゅう出くわすものではない」
悟空「帰れるんか?」
女騎士私服「可能性の域だがおそらくな」
悟空「そっか。探すきゃねぇーな」グゥ
女騎士私服「……ノンキ過ぎな腹だな」
悟空「ハハハ」
トントン オリョウリ デキマシタ
女騎士私服「だそうだ」
悟空「待ってました!」
72: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:40:52.60 ID:hSl6aOUro
………
……
料理長「……もう腕が上がらねぇ…へへっ見ろよ…俺の指…痙攣してんだろ?」
料理長「前パーティで20人前作って自信で俺は自惚れていたのかもな……」
料理長「明日、旦那様帰って来る間に戻ってることを神に祈るよ……」
バタリ
料理人「料理長おおおお!」
……
………
73: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:41:57.86 ID:hSl6aOUro
悟空「ごっつぉさん!いやぁ食った食った!」
女騎士私服「まるでドラゴンのような胃袋だな…」
女騎士私服「…ドラゴン。?」
74: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:44:16.46 ID:hSl6aOUro
〜〜
女騎士執務室
女騎士私服「執事よ。確認したいことがある」
執事「なんでございましょう」
女騎士私服「ソンゴクウの連行は正式なものではないよな?」
執事「はい。急ぎ使いを出した、ところそのようです」
女騎士私服「だろうな」
女騎士私服「(そもそもオーク共に捕まった時点で生きて帰れぬだろういた私だ……)」
女騎士私服「(それがこのような急に手が回るとなると、砦の生き残りが先回りしたという具合か)」
執事「いかがいたしますか」
女騎士私服「父上に相談したいところだが、ソンゴクウをなんと紹介すべきか……」
執事「お嬢様の隊の皆さまがおっしゃってましたが、その…破廉恥な格好でお帰りなされたとか」
女騎士私服「くっ、屈辱的なことを言うな!……むしろソンゴクウの道着(と言っていたな)がなければ私などすでに尊厳を無くしていたわ!」
執事「いや、我々は信じてますから問題ないのですが、旦那様のお耳に恐らくは届くのも時間の問題かと……」
女騎士私服「ふ……む。いや成ればこそ、ソンゴクウがいなければ尚のこと私は…」ブルブル
女騎士私服「あっ。そうだ、借りた道着はどうした?」
執事「お嬢様がお持ちでは?」
女騎士私服「帰ってきたとき隊の服であろう。あずかっておらぬか?」
執事「いえ。」
女騎士「そうか……」
女騎士「(隊のものが預かっているのだろうか。……)」
75: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:45:00.48 ID:hSl6aOUro
モワモワモワモワ
悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」
女騎士「こんなものっ!」
女騎士「恐らくは魔力の篭った服であろう!」
女騎士山吹色「……」
悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」
女騎士山吹色「恩に着る…」
モワモワモワモワ
76: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:46:08.72 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「……」
執事「お嬢様?」
女騎士私服「いや。なんでもない。」
女騎士私服「それで留守の間に来たという祈祷師の情報はどうなっている」
執事「それが、どうも祈祷師なるものの家に私兵を向かわせたところもぬけの殻でございまして、近隣にも訪ねましたが、そもそも数年空き家との話でございます」
女騎士私服「やはりか。おのれ」
女騎士私服「父上かお前が応対していれば、正式なものかどうか確認できたものだが、その点はどうなっているか」
執事「はっ。旦那様はお嬢様が捕まったと聞き王都へ向かわれまして、私は近隣諸侯に兵を挙げて頂くよう御用を仕っておりました。」
執事「ですから、その際は……」
女騎士私服「どうした」
執事「侍女が会っていたとのことにございます……」
女騎士私服「……本当か…?」
執事「直接はまだ確認してませんが、万が一を考えてメイド長に遠まわしに確認の段階です」
77: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:47:19.29 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「…そうか」
女騎士私服「ご苦労であった。この件は私が預かろう。休んで良い」
執事「かしこまりました」
スッ
女騎士私服「ふぅ。侍女がか。長年そばに居てくれたあの者が。いや早計だな。ソンゴクウでこりたろう。早とちり」
女騎士私服「今はそう思おう。」
ポツポツポツ
女騎士私服「雨か。……荒れそうだな」
78: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:48:07.98 ID:hSl6aOUro
………
……
客室 IN
悟空「zzzZ」ゴガガガ
悟空「zzZ」ガゴーアゴゴガガ
侍女「……」
侍女「貴方は悪魔…」
侍女「お嬢様をたぶらかす悪魔ッ」
侍女「魂を縛る悪魔をこのツルギで刺せばお嬢様は解放される…」
スッ
ブルブル
侍女「(い、いくら人の形を取ろうが、この人は悪魔なのよ)」
侍女「(お嬢様の為。お嬢様の為ッ!!)」
侍女「えいっ!!」
ズシャ!!
……
………
79: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:48:56.98 ID:hSl6aOUro
〜〜
モワモワモワモワ
ピッコロ「おい女。聞こえるか」
女騎士「……」
キョロキョロ
ピッコロ「聞こえていたら返事をしろ」
女騎士「…どこかで聞き覚えがあるような」
ピッコロ「チッ。俺はピッコロという。孫。孫悟空には会えたか?」
女騎士「そうだ!お前は前に夢で語ってきた奴だな!お前、いや前は二人いたな。何者だ!」
ピッコロ「……やかましい奴め。二度も説明する気はないが、重要なことだ。孫悟空に会えたか答えるんだ」
80: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:50:14.70 ID:hSl6aOUro
女騎士「仮に会えたらどうしようというのだ!」
ピッコロ「ふん。つまり会えたのだな。遠回しはよせ。で、ドラゴンボールを追えと伝えたか?」
女騎士「くっ。」
女騎士「……ドラゴンボール?」
ピッコロ「……」
女騎士「あっ!!夢やらドラゴンで引っかかったのはそれか!」
ピッコロ「この女…。夢で、しかもお前だけしか俺の声が伝わらない。いいか覚えておけ。『ドラゴンボールを追え。そうしないと悟空は帰れない。』」
女騎士「帰れない?」
ピッコロ「そうだ。鍵はドラゴンボールの一つだ。何かの拍子にそっちに転がり込んだりようだ」
81: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:51:04.88 ID:hSl6aOUro
女騎士「ドラゴンボールとはなんだ?」
ピッコロ「その辺は孫に聞け。俺からの伝言と言えば伝わる。」
女騎士「……」
ピッコロ「今度は目が覚めても忘れるなよ」
女騎士「ぜ、善処する」
モワモワモワモワ
〜〜
82: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:52:23.45 ID:hSl6aOUro
〜〜
女騎士寝間着「……」ウウーン ノビノビ
ザァザァ
女騎士寝間着「外は雨か」
女騎士寝間着「夢で……伝、言。ドラゴン、ボール」
女騎士寝間着「ソンゴクウに。」
女騎士寝間着「ピッコロ」
女騎士寝間着「はっ!そうだ!」
メモメモ
女騎士寝間着「ソンゴクウが帰るためには『ドラゴンボールを追え』『一つ』『ピッコロ』だ!」
女騎士寝間着「シャキッとしないと!」
……
ダッダッダッダ
トントントントン!
女騎士私服「ソンゴクウ!入るぞ!いいか!?急ぎの用だ!」
ガチャ
悟空「……」
女騎士私服「ソンゴクウ、ピッコロというものから言伝が」
悟空「……」
女騎士私服「ソンゴクウ?」
ザァザァザァザァ
83: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 13:56:52.58 ID:hSl6aOUro
ナレーション「状況が少しわかってきた悟空ではあるが、自体は刻々と変わっていく。思い出した女騎士はピッコロからの伝言を悟空に伝え、悟空は行方知らずのドラゴンボールを追うことができるのであろうか。」
84: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 14:02:16.05 ID:hSl6aOUro
オッス オラ悟空!
ようやくオラがどうなっちまっているかわかってきたきたけど、オラの知ってる場所がねぇーってまじぃぞ。
それにオラが寝てる間にてぇーへんなことになっちまってるしよぉ
頼むぞ女騎士!
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/15(日) 16:13:03.98 ID:fQ5JISmZO
乙
寝込みとは言え果たして刃が通るかどうか……?
それとも呪いの類いか?
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/15(日) 16:40:09.09 ID:d2CqWduzo
体が鈍ってる時はマシンガンの弾で傷付いたりするから寝てたら刃も通ると思う
88: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:26:17.70 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「ソンゴクウ?」
悟空「……」
タッタッ
女騎士私服「腕、腕に……あ、ち、赤い…ち、血が……」ブルブル
女騎士私服「なにが、何があった……」
女騎士私服「(落ち着け!)…風の精と水の精よ!かの者の傷癒やしたまえ!」
キュワキュワキュピーン
女騎士私服「だ、誰か!!誰か来てくれ!」
〜〜
89: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:28:19.66 ID:hSl6aOUro
………
……
お抱え医師「お嬢様のお力で傷は問題ないのですが……」
女騎士私服「ど、どうしたというのだ!」
お抱え医師「目が覚める気配がないのでございます」
女騎士私服「……」
お抱え医師「呪いの可能性がありますなぁ」
お抱え医師「…寝ているときに何か痛みがあった場合普通なら起きますよね?」
女騎士私服「あ、あぁ…」
お抱え医師「また、仮に真夜中に襲われていた場合、今と言うことは、失血死でもおかしくはない」
女騎士私服「!?ソンゴクウは息をしているのであろう!?」
お抱え医師「えぇその点は大事ありません。不思議なことに、先程見分致しましたところ、さほど血が出ておらぬ様子」
女騎士私服「そ、そうか……」
女騎士私服「(私は気が動転していたのか)」
お抱え医師「寝相はまぁさておき、起きて抵抗した様子もないし、荒された様子もない」
女騎士私服「つまり刺された瞬間に呪いが発動したというのだな……」
お抱え医師「わしの見解ですが。可能性は高いかと」
女騎士私服「どのような呪いかわかるか?」
お抱え医師「専門家に見せればわかるやもしれませんが、わしには判断がつきませんわい」
女騎士私服「…承知した…」
90: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:29:29.78 ID:hSl6aOUro
〜〜
女騎士私服「……呪いか」
女騎士私服「くそっ!」
侍女「……お、お嬢様、そのようなお言葉、はしたないです!」
女騎士私服「あぁ…すまない…」
女騎士私服「(一体誰かこのようなことを)」
女騎士私服「(祈祷師か…いやしかし門番はもとより巡回すら何も聞いていないと言う)」
侍女「……お嬢様ご気分は…その、いかがでしょうか…」
女騎士私服「気分か……見てわかろう…」
侍女「さようで…ございますか」
女騎士私服「(気分か。呪いの程度が分かれば少しは検討もつくというのに)」
女騎士私服「…お前は昨夜何か見たり聞いたりしていないか?」
侍女「い、いえ私は特に…何も……」
女騎士私服「そうか」
91: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:31:06.39 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「(医師は確か物盗りの類ではないと言っていたな)」
女騎士私服「(致し方ない)」
女騎士私服「お前こそ気分が優れない様子だな。何か悩みがあるのか?」
侍女「い、いえ!私…特に、大丈夫です」
女騎士私服「そうか」
女騎士私服「ソンゴクウの呪いについて、このまま行くとどうなると思う?」
侍女「わ、私にはさっぱりです!」
女騎士私服「なに、ただの考えだよ。閃きがないだろうかとな。なんでもいい。言ってみてくれないか?」
侍女「…し、素人として思いますに…目覚めぬ呪いなのではないでしょうか」
女騎士私服「目覚めぬ呪いか。なるほど…。」
侍女「でも、き、きっと違いますよ!」
92: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:32:10.20 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「目覚めぬ呪いならば、昔本で読んだことがある。その解呪方もな」
侍女「…えっ…」
女騎士私服「なんでも古来からの伝統的な方法だそうだ。皆知っているのではないだろうか」
侍女「わ、私には検討もつきません」
女騎士私服「こんな話だよ」
93: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:32:55.17 ID:hSl6aOUro
……
…
『昔々、それはそれは美しいお姫様がおりました。』
『聡明でいて、誰にでも優しいお姫様は国王様、お妃様はもちろん、国中からも愛されていました。』
『ある時、噂を聞きつけた隣国の王様より、息子である王子との縁談の話が来ました。』
『お会いになるや、二人はお互い惹かれ、恋をしました。』
『互いの国同士は幸せそうな二人を祝福し、結婚の準備を始めたのです。』
94: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:35:52.07 ID:hSl6aOUro
『ある時、お姫様のところに手紙と一緒に1つの贈り物が届いたのです。』
『内容は"幸せになれる果実が手に入りました。僕らの先に幸多きことを祈って ―王子より―"でした。』
『お姫様は嬉しくなり、贈り物である果実を一かじり。』
『するとどういうことでしょうか、お姫様はそのままお倒れになったのです。』
『皆は慌てて介抱しますが、一向に目が覚めません。それは姫様が口に果実に眠りの呪いがかかっていたからです。』
『王様は隣国に言いましたが、そのような物は贈っていないとのこと。』
『あらゆる手を使いましたが、みるみる弱っていく、お姫様。』
『そんなある晩、疑いをかけられていた王子様が内緒でお見舞いに来たのです。』
『そしてお姫様の様子を見て嘆きました。』
95: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:36:48.76 ID:hSl6aOUro
『何ということだ愛しい姫よ。そなたの声が聞きたい、そなたの笑った顔が見たい。』
『愛しい姫よ。目を開けておくれ――』
『王子様は奇跡の魔法を使ったのです。』
『それは恋せる二人だからこそ使える魔法。』
96: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:38:07.63 ID:hSl6aOUro
『愛しき者から愛しき者への"口づけ"という名の魔法でした。』
『そっとくちびるを離すと、お姫様は目を覚まされたのです。』
『おぉ姫よ。』
『暗い暗い夢より覚まさせてくれたのは、やはり貴方様だったのですね。愛しの王子様。』
『お目覚めになったお姫様より、王子様の疑いは晴れました。』
97: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:39:12.42 ID:hSl6aOUro
『お互いの国同士、力を合わせて調べたところ、果実を贈ったのはどうやら王子様に密かに恋をしていた、魔女だったのです。』
『お姫様は言いました。』
『貴女も恋をしたのですね。ですが、その方法はいけません。正々堂々と勝負なさいませ。』
『お姫様の口添えにより魔女の罪にはならず、やがて改心した魔女は、お姫様と友達になり、お姫様と王子様の結婚式の際は、大いに幸せの魔法を使い盛り上げました。』
『めでたしめでたし』
…
……
98: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:40:29.22 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「という話しだよ。幼き頃一緒に聞いたではないか」
侍女「……」
女騎士私服「どうだろうか。私でも試してみる価値は」
侍女「い、いけません!!」
女騎士私服「…しかし、あてがないからなぁ」
侍女「そ、それにお話の中だけでございましょう!う、感染る呪いだったら大変です!」
女騎士私服「……なるほど。そうだな感染る可能性を考えいなかったよ」
侍女「え、えぇ!お止めになってください!」
女騎士私服「ハハハ、本気に取るな」
侍女「わ、私少しは御用を思い出しました!失礼します!」
女騎士私服「あぁ。」
ガチャ
タッタッタッタッ
99: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:41:27.36 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「……」
女騎士私服「執事よ」
スゥ
執事「なんでございましょうか」
女騎士私服「頼みを聞いてくれ」
執事「何なりと」
女騎士私服「まず父上の足止めと、それから――」
100: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:42:31.71 ID:hSl6aOUro
〜〜
夕刻
執事「た、大変だ!皆来てくれ!!」
バタバタバタバタ
メイド長「そんなに慌ててどうしたっていうんだい」
侍女「な、なにかあったのですか?」
料理人「どうしたんです?」
料理長「なんでぇ?珍しく大声なんて挙げて」
私兵達 ザワザワザワザワ
101: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:44:11.30 ID:hSl6aOUro
執事「そ、それが……お嬢様を呼びにお部屋に行ったのですが、居なく、ソンゴクウ様のところかと行ったら……」ワナワナワナ
執事「お、お嬢様も…お嬢様もお倒れに……なっておりました…」
ザワザワザワザワ
侍女「そ、そんな……」
メイド長「なんてことだよ…」
料理長「おいおいおい!どーすんだよ!?」
執事「今医師が診ております。……ですが、おそらくソンゴクウ様と同じ症状かと。」
執事「それと不思議ことに傷がないとの事です」
私兵「き、傷ってあのお客人のようなのですか?」
執事「えぇ。医師が言うには伝染かもしれぬと」
料理長「こ、こんなこと言っちゃならねぇが俺たちはその……」
執事「ご懸念はもっともです。良いですか?遅れていらっしゃる旦那様には私からご相談に参ります。」
執事「皆さんはそれまで、絶対にお嬢様のところへは向かわぬようお願い致します」
ザワザワザワザワ
102: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:46:25.39 ID:hSl6aOUro
〜〜
客室 夜 IN
女騎士私服「……」
悟空「……」
侍女「こんな……こんなことって……」グスッ
ユサユサ
侍女「お目を、お目を開けてくださいまし……」
ユサユサ
女騎士私服「……」
侍女「私がよ、よけいな事を…言ったばかりに…」グスッ
侍女「目覚めぬの呪いだなんて……」グスッ
侍女「……」
侍女「待っててくださいね…私が、私が…」キッ
ガチャ
タッタッタッタッ
103: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:47:25.97 ID:hSl6aOUro
女騎士私服「……」
スウゥ
お抱え医師「ふぅーむ」
お抱え医師「もうええようです」
女騎士私服「……」スクッ
女騎士私服「行った……か」
お抱え医師「どうしますかね」
女騎士私服「私が先行する。念のため皆に退避を」
悟空「……」
女騎士私服「待っていろよソンゴクウ」
104: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:48:46.96 ID:hSl6aOUro
〜〜
地下の荷物屋
侍女「出てきて!」
影「……」
侍女「出てきなさい!いるんでしょ!!」
ブォン
祈祷師「私に何用ですかねぇ?ソンゴクウは息絶えましたか?」
侍女「どういうことよっ!貴方の言う通りしたのに!」
祈祷師「はてさて?なんのことですか?」
侍女「とぼけないで!あの人…ソンゴクウをツルギで傷つければ、お嬢様の悪魔に魅入られた魂を解放できるんじゃないの!?」
祈祷師「そうでございますよ?何か不都合がありましたか?」
侍女「お嬢様は暗くなる一方よっ!そ、それに呪いはお嬢様にまで感染るなんて聞いてない!」
侍女「今すぐ呪いの解き方を教えなさいよ!」
祈祷師「はて?……感染る?」
侍女「そうよ。お嬢様はソ、ソンゴクウと……お嬢様をもとに戻してっ!」
105: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:49:41.41 ID:hSl6aOUro
祈祷師「状況が飲み込めませんが、そうですか。そうですか。お嬢様は眠りになられたのですか」
ケケケケッ
祈祷師「ヒャーハッハッハッ!」
侍女「!?」
祈祷師「これはこれは好都合!笑いが……ケーヒャヒャヒャ!止まりませんなぁ!」
ドロン
侍女「きゃ……」
106: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:50:32.21 ID:hSl6aOUro
コウモリ公爵「おっと!笑い過ぎて変身が解けてしまいましたよ!ケッケッケ」
コウモリ公爵「……貴女の役目はもう終わりですよ」
コウモリ公爵の目が妖しく光る
侍女「あ、…悪魔…だったのね」
107: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:52:26.78 ID:hSl6aOUro
コウモリ公爵「ここにきたあの男は未知なる者。魔王様の邪魔になる力を持っているからなぁ…。あの者を封じるには、やはり周りから囲わなくては叶いませんからねぇ」
コウモリ公爵「知ってます?あの男は不潔なオークキングを一撃で倒したんですよ?」
コウモリ公爵「いやはや、俺様もあれには驚きましたよ」
コウモリ公爵「もしかしたら世界の救世主になったかも知れませんねぇ」
コウモリ公爵「おっと!こんな事を言ったら魔王様に怒られますねぇ!」
コウモリ公爵「あっ!内緒ですよ?」
コウモリ公爵「え?喋っちゃう?ケーケッケッ」
コウモリ公爵「ざんねーん!貴女は今から口が聞けなくなりまーす!」
バサハザハサ
コウモリ公爵「俺様に食われるからさあ!!」
グアァン
侍女「キャーーーー!!」
108: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:53:44.31 ID:hSl6aOUro
スゥゥゥ
女騎士「!!」
ガキンッ!!
コウモリ公爵「なっ!?」
女騎士「……」
侍女「お、お嬢……様っ…」
女騎士「さすが、私の侍女だ。奴を足止めばかりか正体をさらけ出させるとはな」フッ
コウモリ公爵「なぜお前がここにいる!」
女騎士「立てるか?」
侍女「は、はい。で、ですが呪いは……」
女騎士「話は後だ。下がっていろ!」
侍女「!」コクン
コウモリ公爵「騙しましたねぇ!」
女騎士「騙すだと?どの口が言うか」
コウモリ公爵「キィエエエエ!」
女騎士「ハァァ!!」
カキン!ガキン!
109: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:55:42.19 ID:hSl6aOUro
コウモリ公爵「キィイイイ!」
ギャリン
コウモリ公爵「チィィ!脆弱な人間め!オーク共に捕らえられていたのが嘘のようだぜ!!」
女騎士「どうした!段々と口調変わってきているぞ!!」
ハァァァ セイヤァ
グワッ
コウモリ公爵「忌々しい忌々しい!!」
コウモリ公爵「王都攻略までとっておきたかったが……」
コウモリ公爵はみるみる姿を変えた
110: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:56:59.57 ID:hSl6aOUro
コウモリ大公爵「シヤァァァァァ!!」
女騎士「醜悪なっ!だが貴様にはお似合いだっ!」
デイリャァァ
コウモリ大公爵「カッ!!」
首から下げているの赤い玉が光る
ドクエキ
女騎士「くっ!」
スッ スッ
女騎士「せいやぁぁ!」
バシュン
111: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:58:10.18 ID:hSl6aOUro
コウモリ大公爵「グギギギギッ」
コウモリ大公爵「チョロチョロチョロと!」
赤い玉が光る
ドクエキ
コウモリ大公爵「ガッ!!」
バシャ
女騎士「くっ……!」
侍女「お、お嬢様!」
女騎士「し、心配無用…だっ!」
女騎士「み、水の精よっ!」
キュワキュワピキーン
コウモリ大公爵「ガッ!!」
赤い玉が光る
バシュンバシュン
女騎士「土と風の精よっ!!」
ボウフウヘキ
女騎士「水の精よっ!」
112: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 21:59:15.13 ID:hSl6aOUro
コウモリ大公爵「グへへへ!いつまで持つカナ!」
赤い玉が光る
バシュンバシュンバシュン
女騎士「くっ!!」
侍女「(このままじゃいけない!お嬢様が!何とかしなくちゃ…何とか…ッ!)」
ダッ!
女騎士「馬鹿者!前に出るな!」
侍女「アレをなんとかしなくちゃ!」カチャ
コウモリ大公爵「先に逝きたいようだなぁ!」
赤い玉が
113: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:00:17.32 ID:hSl6aOUro
侍女「えぇぇぇい!」
宝物 トウテキ
砕け散る
コウモリ大公爵「な!?!!小癪なまねを!」
グオン
侍女「キャーーーーッ!」
侍女は壁に吹き飛ばされ
114: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:01:04.73 ID:hSl6aOUro
女騎士「危な――」
シュン
女騎士「あぁっ」
侍女「ッ――」パチクリ
コウモリ大公爵「クソックソォォォォ!!後少しだったのに!!お前ェェェェ!」
115: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:02:47.77 ID:hSl6aOUro
悟空「よぉ。間に合ったみてぇーだな」キン
悟空「よっとっ」
ストン
悟空「平気か?」
侍女「あっ…と…は、はい」
悟空「おめぇもでーじょふか?」
女騎士「あ、あぁ。ソンゴクウ目が覚めた…んだよな」
悟空「おう。なんでかわかんねぇーが、パッとな、おかげで全快だぞぉ」
悟空「そしたら、おめぇの気と大きな気がぶつかり合ってるし、瞬間移動してこりゃ正解のようだな」
コウモリ大公爵「グギギギギィ」
116: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:04:08.21 ID:hSl6aOUro
悟空「前の奴のみてぇな感じだな。悪さしてるちゅーのは間違いねぇな」
悟空「ちとばかし、し過ぎたんじゃねーかおめぇ」 ギュイン
コウモリ大公爵「グ、グアアア」
トッシン
悟空「フンッ!」ドスン
悟空「うりやあぁあ!」ガシッ ブンブンブンブン
バッコーーーン
悟空「いけね!天上ぶっ壊しちまった!」
女騎士「天上など構わぬ!」スチャ
117: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:05:02.43 ID:hSl6aOUro
女騎士「トドメは私がつける!」キュイイン
女騎士「焔を剣に!」
女騎士「波アアア!」
ボッ
コウモリ大公爵「――!!」シュ
118: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:06:29.67 ID:hSl6aOUro
〜〜
翌日
侍女「申し訳ございません!!」バッ
悟空「いいっていいって!おかげでオラ、グッスリ眠れたしよぉ」
侍女「しかしそれでは……」
女騎士私服「ソンゴクウ、皮肉に聞こえるぞ」
悟空「これならどうだ?」
シュババババババ
悟空「な?全快してんだろ?」
女騎士私服・侍女「……」
女騎士私服「すまないが、正直言おう。速すぎて見えない」
悟空「かぁ!」
女騎士私服「私からも、ソンゴクウ。すまなかった」
119: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:07:38.26 ID:hSl6aOUro
悟空「もう勘弁してくれよぉ」アセアセ
ピコン
悟空「オラ閃いたぞ!そんなに言うなら、おねげぇが――」
女騎士私服「飯食わせろ」
悟空「ありゃ?ンァハハハハ。バレてら」
女騎士私服「ということだ。命令だ侍女よ!」
侍女「は、はひぃぃぃ!」ペコ
120: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:11:43.55 ID:hSl6aOUro
ナレーション「潜んでいた祈祷師、もといコウモリ公爵を女騎士と復活した悟空が見事に蹴散らし、万事解決したわけだが、肝心な事をやはり忘れている女騎士。そして、コウモリ公爵が洩らした王都攻略とは?はたして」
121: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/15(日) 22:16:09.70 ID:hSl6aOUro
オッス オラ悟空!
オラが眠ってる間にそんなこと起こってたんか。全然気づかなかったぞぉ
まっ!おかげでまた飯にありつけちまったけどよ
ん?王都へ行く前に女騎士の親父がオラにあいてぇーんか
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/17(火) 12:35:06.44 ID:v2VAlLKC0
女騎士が悟空が既婚者だと分かった時の反応が見たいわwwwww
息子が二人いるっていう事実もね(女騎士からは悟空は何歳に見ているんだろう?)
127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/17(火) 17:08:02.58 ID:r2uxdIDT0
今更だけどこの悟空ってブウ編以降なんだ。
下手したら孫いるんだよなぁ...
132: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:45:13.78 ID:EvvR7U77o
〜〜
領主部屋 夕刻
女騎士私服「この度は都市開放作戦の任を与えられたにも関わらず、私情に駆られ単身によるオーク共への突撃、あまつさえ返り討ちにあい、おめおめと捕まる始末、お家に、そして父上の名に傷をつけ――」クドクドクド
領主公「……」
女騎士私服「重ねて屋敷内への魔族の侵入の件にて発生しました、屋敷の損壊、並びに非常時とはいえ希少な宝物の破壊につきましても――」クドクドクド
領主公「ウォッホン」
女騎士私服「本屋敷の委細について既にお聞き及びかと存じますが、侍女は私を思っての行動、責任については主として、いや友人として――」クドクドクド
女騎士私服「父上ご心配をおかけいたしました」バッ
ヘイフク
領主公「(ほんと、もうそればかりわしは気が気じゃなかった!!)」
領主公「………あぁ」キリッ
領主公「(しかし、相変わらず堅いのなよなぁ。もっと砕けた間柄になれんかなぁ)」
領主公「(天の国にいる妻よ、わしは娘の教育をどこで間違ったのだろうか)」
領主公「(それによりにもよって姫騎士隊だよ)」
領主公「(あんのわがまま姫。誰か好き好んで愛娘を戦場に送るかっての!)」
領主公「(他パパさんだが巻き込んで断固反対したのにさ)」
領主公「(王家の印発動だって。命令は絶対よって…はぁ……)」
領主公「(もう娘に辛い思いはさせまい)」
女騎士私服「……」 ヘイフク
領主公「(おっといかん)」
領主公「面をあげよ」キリッ
女騎士私服「はっ。」
領主公「休んでよいぞ」イゲン
女騎士私服「……父上」
領主公「なんだ」
女騎士私服「その……」
領主公「申してみよ」
女騎士私服「やはりソンゴクウと共に――」
領主公「ならーーん!!ならぬぞ!!」
女騎士私服「で、ですが、かの者がいなければ、ここは元より、オーク共やコウモリ公爵の魔手の被害は拡大し、領民にも伸びていたことでしょう!騎士として無下にするなど」
領主公「(そんな現状はわかっかとるわっ!わしが言いたいのはっ!)」
領主公「そなたはなんだ?」
女騎士私服「わたし?」
領主公「そなたは、騎士である前にわしの娘である。この意味がわかるか?」
女騎士私服「?」
領主公「公爵家の令嬢の自覚はないのか問うておる!それにお前はもう姫騎士隊ではないわっ!」
モワモワモワモワ
〜〜
133: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:46:09.18 ID:EvvR7U77o
邸宅内パーティー広間
ダッタッタッタッタ
ガチャ
領主公「娘よっ!無事かっ!?」
悟空「ンムッ!!」ガツガツガツガツガツガツ
侍女「つ、次いきまーーっす!」
悟空「オォォォ!」ガツガツガツガツガズルズルツガツ
料理長「おらおら!早く材料持ってきやがれってんだ!」
料理人「ただいまっ!」
悟空「おはわひっ!」ズルズルズゾオオオオオ
執事「お嬢様っ手が止まってますぞっ!」
女騎士コック「す、すまぬっ!」
メイド長「追加の材料届きましたよっ!」
料理長「お嬢様それじゃ焦げちまうよっ!ほらどいた!」
女騎士コック「くっ!!」
侍女「あぁ、空きのお皿がそこを尽きそうです!」
メイド長「参ったねぇ……空いた皿をまわすよっ!持っておいで!」
女騎士雑用「ま、任せよっ!」
ソウゼン アゼン
134: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:46:58.41 ID:EvvR7U77o
領主公「な、なにごと……だ…」
私兵「こ、これは旦那様っ!おかえりなさいませ!」トンテンカンテン
領主公「……お前は何をしているのだ?」
私兵「はっ!我々はお屋敷の修繕ですっ!」
トントントントン ギコギコ
領主公「……してあれらは」
私兵「はっ!ソンゴクウさんのお料理と我々も途中つまめるようにとのご配慮です!」
領主公「??」
ウオーイ ハヤク モッテコーイ
私兵「今行くっ!それでは旦那様失礼しますっ!」
ダッタッタッタッタ
領主公「意味がわからない……」
135: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:48:34.87 ID:EvvR7U77o
カツカツカツカツ
領主公「執事よ」
執事「こ、これは旦那様お迎えに上がらずに申し訳ございません」
領主公「よい。この騒ぎはなんだ?屋敷は無事なんだろう?そ、それに」チラッ
女騎士雑用「あ、あぁしまっ――」
ガッシャーーーン
侍女「お、お嬢様っ!お怪我は!?」
悟空「でーじょぶか!?」
メイド長「全く何やってんだい!皿減らしちゃもともこうもないじゃないさっ」
女騎士雑務「す、すまぬ」シュン
領主公「(あぁ愛しの娘よっ!生きててわしはわしは……!)」
執事「詳しくは後ほどお嬢様よりお話するそうにございますゆえ」
執事「今は感謝も含めた、ソンゴクウ様へ料理をお出ししているところございます」
執事「また、お屋敷の修繕もしなければなりませんので兵達も都度食べられるよう、ここで作り、ここで提供させていただいております」
領主公「ふ……む。まぁ、理に適ったようではあるが、いささか品位に欠けるのではないか?」
執事「申し訳ございません。お嬢様よりどうしてもと」
領主公「あやつが」
136: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:49:16.49 ID:EvvR7U77o
ツカツカツカツカ
領主公「娘よ。息災だったか」ヘイゼン
女騎士雑用「……私のせいで皿が…」サッサッサッサッ
領主公「……」
女騎士雑用「余計な手間が……フフッ。私にはゴミ処理がお似合いだ」チリトリ サッサッサッサッ
領主公「(おぉ……聞く耳持たずネガティブ独り言を言うのは死んだ母にそっくり……まさしく我が娘ェ)」
トントン
女騎士雑用「……ん?」チラッ
領主公「うんむ」コクリ
領主公「元気そうだな」
女騎士雑用「ち、父上っ!」
バッ!バッ!
137: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:50:47.07 ID:EvvR7U77o
女騎士私服「お見苦しいところをっ」
領主公「良い良い」
領主公「お前は何をしているだね?」
女騎士私服「はい。実はですね色々積もる話が――」
チカクニイタ ヘイシ
休憩中私兵「なぁ聞いたか?お嬢様とソンゴクウさん出会い」モグモグ
私兵「なにそれどんな?」ヒョイ パク
138: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:52:08.19 ID:EvvR7U77o
休憩中私兵「それが姫騎士隊の人から聞いたんだけど、お嬢様行方不明になってたって話だろ?」
休憩中私兵「オーク共に捕まってて、ひどい拷問中だったそうだ」
休憩中私兵「んで、あられもないお格好をしたお嬢様をこうっ、ばびゅーーんとお救いになられたのがソンゴクウさんだってよ。そんで決め台詞!」
『俺が来たからもう安心だ』
休憩中私兵「もう感極まって胸に飛び込んだってよっ〜くぅ!ソンゴクウさんうらやましいな!」
私兵「ばびゅーーんってなんだよ、そこ重要じゃん!ってかお嬢様超元気じゃん!」
休憩中私兵「俺も聞いただけだしさぁ。本当だったら健気だよなぁ……後でそこんとこソンゴクウさんに聞いてみようぜっ」モグモグ
私兵「ったく噂好きだなお前は」
テクテクテクテク
139: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:53:31.60 ID:EvvR7U77o
領主公「(えっなにそれ)」
女騎士私服「――という次第であり、ソンゴクウは私の」
領主公「(あ、あらあらあら、あられもない?)」
女騎士私服「父上?聞いておられますか?」
領主公「(ご、ごうもん!?えっ?)」
領主公「(危機ハ二人をチカクシタ)」カッ
領主公「ソンゴクウとやらに会ってくる」
女騎士私服「では私がご紹介しま」
領主公「お前はここにいなさい」
領主公「(辛い思い出になるやもしれんっ!)」
ツカツカツカツカ
140: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:54:52.98 ID:EvvR7U77o
領主公「キミがソンゴクウくんか」
悟空「ンぅ」ゴクゴク
悟空「オッス」
領主公「ハジメマシテ、この屋敷の主だ」スッ
悟空「お、おう。ごちそうになってんぞぉ」スッ
アクシュ アクシュ
領主公「率直だが、娘と最初に会った時にどういう状況だったのか教えていただこう」クワッ
悟空「最初?おぉ。そだなぁ〜」
悟空「やったら怒ってな」
悟空「殺せなんてオラに頼んでくるしよぉ」
領主公「……。(じ、自暴自棄…いや。待て待て待て待て)」
領主公「そ、それで」
悟空「オラそんな事したくねぇし、あそこが何処知りたかっただけだったんがな」
悟空「んでもアイツ話なんだか聞いてねぇみてぇで参ったぞ」
領主公「あ、アイツ……」
悟空「そんで悪ぃ奴らってのが来たからオラがやっつけちまった。ってこんなんでいいんか?」
141: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:56:17.76 ID:EvvR7U77o
領主公「そうかそうかそうか!君はすぐに駆けつけて来てくれたのか!いやぁなんという勇敢な」ホッ
悟空「すぐかどうかわかんねぇが、あっ!」
領主公「どうしたぁ!」
悟空「そういやぁオラの道着返してもらってねぇーや」
領主公「?」
悟空「アイツ、裸だったんで寒そうでオラの貸したまんまだぞ」
領主公「」フラッ
悟空「おめぇ、とーちゃんならアイツに言っといてくれねえ」
領主公「」バタンキュー
悟空「お、おい!」
ザワザワザワザワ
メイド長「だ、旦那様ぁ!!」
142: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:57:29.74 ID:EvvR7U77o
………
……
女騎士私服「貴方は父に何を話したのだ?」
悟空「おめぇのとーちゃんがオラと会った時にのこと聞いてきて話ただけだぞ?そしたら急によぉ」
悟空「おめぇらソックリだな」
執事・メイド長・侍女
ウンウン
女騎士私服「……どこを見てそう思ったのだ」
143: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:58:37.88 ID:EvvR7U77o
領主公「う、うーーん……」ハッ
女騎士私服「父上!」
領主公「娘よ……」
女騎士私服「急にお倒れになられて……どこか具合が悪いのでございましょうか?」
領主公「……」ブワッ
領主公「つ、辛い思いを」ウッ ウッ
領主公「辛い思いをしたのだなぁ」ダキッ
女騎士私服「!?」アタフタ
女騎士私服「み、皆の前です!」
領主公「死んだ妻になんと申せばッ!!」ギュ
領主公「もうお前は休んでよいのだ…休んでよいのだよ」ウオーーン
女騎士私服「急にな、何を」
領主公「……決めたぞ」
144: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 00:59:33.86 ID:EvvR7U77o
ハナシテクダサイ
領主公「執事よ」
執事「は、はい」
領主公「娘の任を解く。至急国王様へ除隊の旨を伝えよ」
ヨイッショ
女騎士私服「な、なに仰られる!」
領主公「お前は黙っていなさい」ギン
女騎士私服「!?!?」
執事「しかしそれでは」
領主公「あのわがまま王女のことは気にするな」
女騎士私服「父上!」
領主公「……」無言の圧力
執事「…かしこまりました」
タッ
145: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:00:47.23 ID:EvvR7U77o
領主公「ソンゴクウくん」
悟空「お、おう…」
領主公「娘を取り返してくれて感謝する」
悟空「いいって」
領主公「それで君はこれからどうする?」
悟空「そうだなぁ。オラ帰るために、こいつが言ってた魔の歪ちゅーの探すぞ」
領主公「魔の歪を?ふむ……」
領主公「魔術についてはわしの知り合いに詳しいのがおる。紹介状を仕立てよう」
悟空「ほんとかぁ!助かるぞぉ」
領主公「あぁ。その者は王都へ住んでおる。行くがいい」
悟空「でもオラその王都ってとこわかんねぇーぞ」
女騎士私服「……王都」
146: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:01:43.11 ID:EvvR7U77o
女騎士私服「……王都」
女騎士私服「(理由はわからぬが、除隊の件止められるかもしれない)」
女騎士私服「私が」
領主公「ならんぞ!ここから出ることを許さん!」グワァァ
女騎士私服「な、何故ですか!?」
領主公「これは命令だ。ソンゴクウくんには別の者が王都まで案内する」
女騎士私服「くっ……」
領主公「話は以上だ。ソンゴクウくん後でわしの部屋へ来るが良い」
バッ タッタッタッタッ
147: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:03:05.60 ID:EvvR7U77o
女騎士私服「なんなのだ!いったい!」ダンダン
侍女「いつになくご立腹でしたね」ブルブル
メイド長「アタシもここ数年見たことなかったよ」
女騎士私服「話をしてくる」
メイド長「お嬢様お言葉ですが、時間を置いた方がいいってもんだよ」
女騎士私服「…わかった……」
女騎士私服「しかしいきなりの除隊勧告、それにソンゴクウの案内すらできず、家にいろとは納得ができない」
女騎士私服「(父上はいったいどうなされたのだ……)」
148: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:04:03.54 ID:EvvR7U77o
モワモワモワモワ
〜〜
領主部屋 夕刻
領主公「お前が立派に姫のためにと騎士の勤めを果たしていたことも知っておる」
領主公「だが、わしの娘でもある。つまりゆくゆくは婿をとりこの家を守っていくことにも繋がる」
女騎士私服「……」
領主公「一人娘のお前を失ってしまってはどうなるか。わかるな」
女騎士私服「……」
149: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:05:02.26 ID:EvvR7U77o
領主公「都市開放など、本来ならばお前が行くことはない」
領主公「敵に捕まったらどうなってしまうか、もう身を持って知ったことだろう……」ウッ
領主公「(いかん涙が)」キッ
領主公「十分役目を果たしたのだ。後の者にたくすがよい」
女騎士私服「父上……父上はそのようなことを」ワナワナワナワナワ
領主公「(父の気持ちわかってくれたのか)」
150: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:06:25.27 ID:EvvR7U77o
女騎士私服「父上は私を政治の道具としてしか見ておられぬのか!!」ダンッ
領主公「!」
女騎士私服「公爵の娘だから婿をとれ?魔が蔓延る世にそんなことを言ってられますか!」
女騎士私服「公爵に見合う者など軟弱ものばかりかではないですか!!」
女騎士私服「知ってますか、下の者にばかり任せ自分は安穏と高みの見物をする貴族らを!」
女騎士私服「剣の稽古、魔術の修行、素晴らしき師がいるにもかかわらずサボるしまつ!」
女騎士私服「私まで軟弱になれと!?そう申すのですか!」
女騎士私服「公爵の娘はただのお飾りではありません!」
151: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:07:09.60 ID:EvvR7U77o
女騎士私服「決められた結婚など……私より強い者すらおらぬというのに……わかりました」
クルッ
領主公「ど、どこへゆく!」
女騎士私服「報告は以上です。失礼します!」
タッタッタッタッ バタン
領主公「えぇ……」
152: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:12:09.66 ID:EvvR7U77o
ナレーション「帰れる手段の魔の歪を知る者の情報が手に入り先が見えたのだが、行き違いから親子の絆に暗雲が立ち込める。何やら女騎士に思惑があるようだが……のんびりしてる場合ではないぞ悟空よ」
154: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 01:16:27.96 ID:EvvR7U77o
オッス オラ悟空!
流石のオラも険悪な空気に黙っちまっぞ!
同じ親父としてベジータみてぇに厳しい感じ出したほうがいいんかな。
なんだよ女騎士青い顔して?オラに息子がいるって言ってなかったか?
お、おいどこ行くんだよ。オラ道わかんねぇーてば!
157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 07:22:55.52 ID:+d9pzXT5O
乙
やっぱ悟空さあの外見で孫までいるなんて反則だわ
158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 13:34:25.24 ID:vZCA0+f90
その孫より若くなったりするしな
なかった事にされそうだけど
159: 【sage】 2017/10/18(水) 14:12:57.97 ID:c0earQre0
見た目もそうだけど悟空は妻帯者には思えないからね雰囲気的にも
165: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 17:54:51.26 ID:obl/bZvKO
〜〜
邸宅 廊下
悟空「よぉ。ここでいいんか?」
女騎士私服「……」
ツカツカツカツカ
悟空「?」
ガチャ
悟空「おっ。いたいた」
領主公「……」ウツムキ
悟空「くれぇ顔してでぇーじょぶか?」
ムクリ
領主公「…君か……」
悟空「紹介ってのしてくれんだろ?」
領主公「あっ、あぁ。そうだったな」
ペン ソイソイソイ スラスラスラスラ
166: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 17:55:58.96 ID:obl/bZvKO
領主公「…。ソンゴクウくん。君のご家族はいるのかね?」
デキタゾ
悟空「サンキュー!」
悟空「家族か。へへっ。いんぞ」
悟空「何日もけぇーってねぇから、きっと怒られちまうけどな」ハハハハ
領主公「厳しい母君のようだな」
悟空「かーちゃん?まぁかーちゃんだけどよ」
領主公「?」
領主公「ともかく親の心子知らずとはまさにこの事かと思ってね」
167: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 17:56:55.22 ID:obl/bZvKO
悟空「チチもそんなこと言ってたけ」
悟空「オラは悟飯には伸び伸び育って欲しかったんだが、今思うとチチのキョウイクネッシンってーのかなぁ、案外悪くねかったんだと思うぞ」
領主公「そうであろう。そうであろう。わしも娘には結果的に幸せになって欲しいのだ」
悟空「そだな。オラ途中死んじまって余計に苦労かけちまってたし」ンハハハハ
領主公「ハハハハ?」
悟空「お互い苦労してんだな!まっ!いつかわかってくれっぞ!」
領主公「そうねが……まて」
168: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 17:57:52.66 ID:obl/bZvKO
悟空「ん?」
領主公「……君のご家族…いや君がご家族か?」
悟空「いみわかんねぇーぞ」
領主公「すまん…」ナンダ コノ イワカン
領主公「失礼だが君の母君は御健在であろうか」
悟空「生きてるかっちゅーことけ?それならオラには、とーちゃんもかーちゃんもいねぇぞ。」
悟空「死んじまったけど、じいちゃんにオラ拾われて育ててもらったんだ」
領主公「!……悪いことを聞いてしまったようだ……すまなかった」
悟空「別に気にしてねぇーなぁ。もう昔の事だしな。じいちゃんの思い出は今でも覚えてるし」
169: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 17:58:44.12 ID:obl/bZvKO
領主公「そうか。するとキミの言うかーちゃんというのは…その…もしかして、奥方……か?」
悟空「おぉ。チチって名前ェでよ。おっかねぇーけど、料理がめちゃんこうめぇんだ!」
悟空「早く帰らねぇと飯に抜きにされちまう」アセアセ
領主公「キミは随分と若く見えるようだが、ハハハ」
領主公「若夫婦であったか!」
170: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:00:36.07 ID:obl/bZvKO
悟空「若ぇってのはよく言われけどよぉ、オラ実際」ゴニョゴニョ
領主公「はっ!?えっ!?ハハハハ!」
領主公「冗談がうまいな」
悟空「嘘じゃねーって。まぁオラ気にしねぇーけどな」ンハハハハ
領主公「(わしとほぼ同じではないか……)」
領主公「…奥方がいるのなら…その子供はいるのかね」
悟空「おう。息子が二人な。悟飯と悟天ってんだ。悟飯はしっかりしてんだけどよぉ、悟天の方がちゃらんぽらんしってからなぁ」
悟空「あいつ修行さぼってトランクスと遊んでばっかしてんじゃねかぁな」
領主公「ふ、二人もいるのか」
171: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:01:51.28 ID:obl/bZvKO
悟空「もうすぐ悟飯のとこに子供が産まれるってんでチチのやつ張り切っててな、いやぁ実はオラも楽しみでよぉ」
領主公「……」
領主公「そ、それは早く帰ってあげなきゃ…な」
悟空「んだな!これサンキューな!」
悟空「そだ、オラから言えんのは娘もそういう年頃だから、一歩離れて見るといいんじゃねぇーかな」
領主公「あぁ、ありがとう…ございます」
172: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:02:19.10 ID:obl/bZvKO
………
……
領主公「……孫。羨ましいイイイイ!」
……
………
174: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:06:57.93 ID:obl/bZvKO
客室 IN
ベット ダイブ
悟空「明日には王都ってところかぁ。この紙持っていきゃいいんかな」
トントントン
女騎士私服「ソンゴクウ。良いか?」
悟空「いいぞぉ」
ガチャリ
女騎士私服「寝る前ですまない」
悟空「でぇーじょぶだぞ」
女騎士私服「明日のことなのだが、やはり私が王都迄案内することになった」
悟空「おめぇとーちゃんから止められてなかったか?」
女騎士私服「それについては問題ない。私の意思は私のだ」
悟空「オラは別どっちでもいいけどよ」
175: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:08:12.47 ID:obl/bZvKO
悟空「とーちゃん心配してんじゃねーか?」
女騎士私服「父上…いや、あの人のことはいいんだ」
悟空「……」
女騎士私服「……」
悟空「まっよろしく頼むわ!」ニッ
女騎士私服「あぁ!任せよ!」
女騎士私服「そうそう明日私は先に出ているからな。この屋敷を北に進んだところにある湖で待っている」
悟空「一緒に行くんじゃねーんか?」
女騎士私服「所用だ。所用だから誰にも言わなくていい。皆にはすでに伝えてあるからな。絶対、私のことは話さなくてもいいからなっ!絶対だぞっ!」
悟空「お、おう」
女騎士私服「ふむ。それだけだ!」
ガチャ
バタン
悟空「変な奴だなぁ」
176: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:08:44.74 ID:obl/bZvKO
ガチャ
悟空「!?」
女騎士私服「お休み!!」
悟空「お、おう、お休み!」
ガチャ
バタン タッタッタッタッ
178: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:10:23.77 ID:obl/bZvKO
〜〜
明朝
邸宅門
侍女「さびしくなります」ウッ ウッ
メイド長「ほれ、泣くんじゃないよ!」
侍女「だっで…あ、あんなごめいわぐを」ヒック
悟空「ハハハッ!」
料理長「いつでも来いよ!腕によりをかけて振るうからよ」
悟空「ごっそぉさんだったぞぉ!」
料理人「はいソンゴクウさん!道中にでも食べてください!」
悟空「サンキュー!!」
179: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:11:19.76 ID:obl/bZvKO
執事「はて?案内の者が来ませんなぁ」
悟空「?」
私兵「王都から来るんですよね?」
執事「その手筈ですな」
私兵「見てきましょうか?」
執事「二度手間になりますゆえ、ソンゴクウさんはここから少し行った先にある湖でお待ちいただいても宜しいでしょうか」
悟空「かまわねぇーけど?」
領主公「王都についたら、衛兵に昨日渡した紹介状を見せるが良い」
悟空「りょーかい」
侍女「……お嬢様来ないですねぇ…」
悟空「?」
領主公「そっとしておいてやれ」
180: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:12:20.87 ID:obl/bZvKO
侍女「で、ですが!」
私兵「別れが辛いんですよ!ねっ!ソンゴクウさん!」ウィンクウィンク
悟空「?でも、あいつならよぉ」
領主公「やめたまえ……不毛な話だ…」ワケシリ ウンウン
領主公「さぁ!引き止めては悪い、魔の力が強まるから暗くなる前に出立したほうがいいぞ」
侍女「ソンゴクウさーん!またいらしてくださいね!!」
執事・メイド長「お達者で!」
料理長・料理人・私兵達「さよならぁ!」
領主公「……」スッ フリフリ
悟空「ありがとうよっ!!」
181: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:13:37.98 ID:obl/bZvKO
〜〜
街道
悟空「へへっいい奴らだったな」
テクテクテクテク
悟空「こうして見るとオラのとこと、てぇ〜して違わなねぇ」
テクテクテクテク
……
…
182: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:14:37.38 ID:obl/bZvKO
悟空「おっ、あそこけ」
ヒトカゲ
悟空「オッス!」
女騎士旅装「来たか」
悟空「な、なんだその荷物」
女騎士旅装「何を驚く。これくらい普通だぞ」
悟空「ひぇ〜パンパンじゃねーか」
女騎士旅装「屋敷から王都まで2日はかかるからな」
女騎士旅装「(馬には逃げられてしまった……)」
モノカゲ
正規案内者「!!」ウンムーウンムー
女騎士旅装「(しばらくすれば外れる魔導の蔓だ。許してくれ)」チラッ
悟空「けっこう歩くんか?」
女騎士旅装「そうなるかな。だが何、心配無用だ。邸宅から王都までの道は整備されている」
女騎士旅装「途中、領地内の宿に泊まることになるだろう」
悟空「おっし。そんじゃ行くとすっか」
183: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:16:02.29 ID:obl/bZvKO
………
……
悟空「おっ?ありゃなんだ?」
女騎士旅装「アレはクレイジーモンキーピッグバードと言う」
悟空「牛にしかみえねぇーぞ」
184: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:16:52.84 ID:obl/bZvKO
………
……
悟空「おっ?なんだあの丸っこいの!?卵に足生えてんぞ!」
女騎士旅装「岩竜の子だな。足だけ先に出して大きくなる。あの殻が割れる頃は一人前ということだ」
悟空「へぇーあんな小せえのに修行してんかぁ」
185: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:17:43.59 ID:obl/bZvKO
アーダコーダゴーデアーダ
通りすがりの農夫婦「あら新婚さん?フフッ仲がいいのね」
女騎士旅装「な、ば、ちが」
悟空「お?ちげぇーぞぉ」
女騎士旅装「そ、そうだ!私はこ、こやつの道案内をだな」
通りすがりの農夫婦「ありゃ、こりゃすまんこった」
186: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:18:24.49 ID:obl/bZvKO
………
……
女騎士旅装「フフッ」
悟空「なんでぇ?」
女騎士旅装「いや、なんでも」フ、フフフフ
ザックザッグザック
187: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:18:55.76 ID:obl/bZvKO
………
……
女騎士旅装「丁度よい場所があるから、そこでお昼にしよう」
188: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:19:37.82 ID:obl/bZvKO
昼 丘の上
女騎士旅装「あ、あれぇ?」ゴソゴソゴソ
悟空「オラはこれ貰っちまったからな」ガサガサガサ
悟空「ひょ〜、んまそぉ〜!」
悟空「おめぇは食わねぇんか?」ハムハム
女騎士旅装「(無いぞ!私のお弁当……入れ忘れてしまったのか!くっ……)」
女騎士旅装「……」ジッ
悟空「んー!」ハムハム
女騎士旅装「」グゥゥゥ
悟空「んー?どうしたんだよ?まさかおめぇ飯ねぇーか!」
女騎士旅装「くっ!私としたことがっ!」グッウウウウ
女騎士旅装「(3時くらいから作っておいたのに!)」
189: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:20:40.29 ID:obl/bZvKO
悟空「しょーがねぇーやつだなぁ」アキレ
悟空「オラ取ってくっからよ。家にあんのけ?」ヨッコイセッ
女騎士旅装「そのはずだが……いやいや!待て今から引き返したら宿場まで時間を過ぎすぎてしまうぞ」
女騎士旅装「な、なぁに別に食べずとも――」クウウッ
190: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:21:37.56 ID:obl/bZvKO
悟空「オラが逆に気になっぞぉ。ちょっこらいってくる」フワァ
女騎士旅装「ほ、本当にい……」アゼン
スゥーーーーー
女騎士旅装「と、飛んで…えっ…エエェェェェェェ!!!」
192: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:22:48.25 ID:obl/bZvKO
〜〜
邸宅
領主公「ハァ……まさか家出するなんて……ハァァァァ……」
執事「案内人が言うには既に経っていますし、やはり王都へ向かったのでしょう」
領主公「そうか……それしかないよなぁ」
トントントン
領主公「こんな時に誰だ…」
領主公「入れ」
侍女「だ、旦那様ソンゴクウさんがいらしてます」
領主公「なに?」
領主公「(引き返してきたのか?なぜ?)」
領主公「そうか!なるほど。娘を説得してくれたのだな!」
バッタッタッタッタッ
194: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:24:04.83 ID:obl/bZvKO
侍女「あっ!旦那様っ!」
執事「どうしたのだね」
侍女「ソンゴクウさんはお一人でしたのです…」
195: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:26:09.77 ID:obl/bZvKO
〜〜
邸宅門
メイド長「これだよきっと。全く……」
悟空「サンキューな」
料理長「しかしわざわざご苦労な奴だなぁ」
ワイワイワイ
タッタッタッタッ
領主公「ソンゴクウ!」
キョロキョロ
悟空「いよぉ」
領主公「……そ、それで?」
悟空「ん?あぁオラこれ取りに来ただけだ」
ジュウバコ ヨンダンヅツミ
領主公「?」
悟空「なんか弁当忘れちまったみてぇーでな、流石にオラも横で見られてっと食いづれぇからよ」ハハ
196: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:27:16.01 ID:obl/bZvKO
領主公「き、キミは誰かと一緒なのかい?それはもしかして娘かね?」
キョロキョロ ドコダ
悟空「おぉ。そだぞ。丘のとこだっけかな。そこにいんぞ」
領主公「一緒に引き返してきてないだと!?」
領主公「なんてことだ……そのような場所に一人で……」
領主公「こっからまた戻るのでは倍かかるではないか!」
領主公「キミはそれでも紳士かね!」
悟空「?すぐに持ってけばいいんだろ何をそんな慌ててんだぁ」
領主公「いやだってキミ!」
197: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:28:44.31 ID:obl/bZvKO
悟空「そいじゃオラいくとすんぞ。じゃーな!」フワッ
料理長「お、おう!なんだかわかんねぇーがまたな!」
メイド長「長生きはするもんだねぇ」
領主公「……」アゼン
ビューーーン
………
……
領主公「…」ユビサシ
メイド長「あたしらはソンゴクウが戻ってきた時に同じ事しましたからね」
料理長「あの食いっぷりですぁ、俺は何かすげぇー奴だと思ってましたよ」
領主公「(娘はトンデモない奴に関わってしまったようだな)」
198: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:30:01.66 ID:obl/bZvKO
……
………
丘の上
フワッ
悟空「待たせたかぁ」
女騎士旅装「いや……あっという間な気がする」
悟空「そか。ほらよっ!オラじゃわかんねぇーからメイド長に探してもらったぞ」
女騎士旅装「それはお手数を……」
悟空「気にすなって!それじゃ昼飯再開すんぞ」イッタダッキマース
女騎士旅装「いったい空を飛ぶなんて何と言う魔術だ……靴に魔導が?いや感じがしない…」
悟空「ぶつぶついってねぇーで食えよなぁ」
女騎士旅装「う、うん…」ハッ
199: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:31:19.06 ID:obl/bZvKO
女騎士旅装「(そうだお弁当。忘れた時は絶望したが早起きしてなんとか形にしたのだ)」
ゴソゴソゴソ
女騎士旅装「あ、あーたいへだーおべんとーつ、作り過ぎちゃったなぁーどーしよー」
悟空「」ハムハムハム
女騎士旅装「……」チラッ
女騎士旅装「ゴホン」
悟空「んー?」
200: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:32:50.59 ID:obl/bZvKO
女騎士旅装「ソ、ソンゴクウ。良ければその、手伝ってくれないだろうか」
ヨンダンベントウ ススッ
悟空「くれんのか?」モグモグ
悟空「おめぇが良いってんならオラ喜んでいただくぞぉ」
ヒョイパクヒョイパク
女騎士旅装「(わ、私にこれほどの勇気があるとはっ!)」ハワワワ
女騎士旅装「どどどどど…どうかな味の方は…」
悟空「なかなかいけっぞ!」モシャバリバリ
悟空「!」
女騎士旅装「ほ、ほんとか!」パァァ
201: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:33:47.90 ID:obl/bZvKO
悟空「おっ?こいつぁ」
女騎士旅装「そのエビはなかなかの上出来だぞ!」ワクワク
悟空「んめぇーな!チチのやつが作った味に少し似てんぞっ!」バリモシャモシャ
女騎士旅装「う、うまいか!そうかそうか!チチさんとやらと似て……」
スッーーー
202: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:35:16.19 ID:obl/bZvKO
女騎士旅装「……」マガオ
悟空「おぉ、ちっとばかしちげぇー気がするがな」ヒョイパクヒョイパク
女騎士旅装「ソウ言えばイツだっタかチチがどうこう言っテイタな」
女騎士旅装「ソンゴクウ……チチさんとはドコノダレサマでしょうか」
悟空「チチか?チチはオラの嫁だぞ」ヒョイパクヒョイパクモシャシャ
女騎士旅装「」
205: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:38:20.90 ID:obl/bZvKO
ナレーション「王都へ向けて出発した悟空と女騎士。道中なかなかウキウキだったのも妙な空気に。この天気ははたして晴れるのであろうか。そしてドラゴンボールの行方は」
206: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 18:43:03.57 ID:obl/bZvKO
オッス オラ悟空!
ついに王都へ向けて出発になったぞ。
なぁ女騎士このもらった紙切れをみせればいいんだろ?
ありゃ女騎士おめぇどうしちまったんだ?
イィ!?おめぇから邪悪な気をかんじっぞ!
207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 18:53:33.81 ID:VwtRZ3fzo
乙乙
よく考えたらチチのスペック(生まれ)も相当なもんだったな
210: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:12:53.65 ID:KSp903GqO
女騎士旅装「」ボォー
悟空「ハハハ。早くしねぇーとオラが全部食っちまうぞ」ナンテナ
女騎士旅装「あぁ。食べてもいいぞ」マガオ
悟空「じょ、じょーだんだってば!」アセアセ
女騎士旅装「私は少し歩いてくるよ」マガオ
悟空「おう?」
211: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:13:38.24 ID:KSp903GqO
………
……
女騎士「(なんだろうか。ポッカリと穴が空いた気持ちだ)」
テクテクテクテク
女騎士「(私は何をやっているのだろうか)」
女騎士「(除隊を止めるために着いてきたはずだろ?)」
女騎士「(朝早く起きて私は何をウキウキしていたのだ)」
女騎士「(人生の分岐点だというのに)」
テクテクテクテク
212: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:15:58.83 ID:KSp903GqO
ガサガサガサガザ
嫉妬の蛇女「みーつけたぁー」シャーー
女騎士「!?」
嫉妬の蛇女「あら嫌だ。なぁに貴女みっともない邪な、き・も・ち。」
嫉妬の蛇女「そーいうの大好きよぉん」オーッホッホッホッ
女騎士「な!?き、きさまっ!!」スカッ
女騎士「(しまった!剣を置いてきてしまった!)」
嫉妬の蛇女「おいしそうな感情ねぇ!頂きましょうか!」
シャーーーー
女騎士「う、うわーーー!」
213: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:16:37.23 ID:KSp903GqO
……
………
悟空「よぉ。でーじょぶか?」
女騎士魔「あぁ大丈夫だ。王都へ行くとしよう」
タッタッタッタッ
悟空「あっおい!荷物荷物!」
214: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:17:49.42 ID:KSp903GqO
〜〜
街道 午後
悟空「おっ?ありゃなんてーんだ?」
女騎士魔「知らぬ」
………
……
215: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:18:53.96 ID:KSp903GqO
悟空「ハハハハ見ろよあれっ!」
女騎士魔「……」
………
……
216: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:20:01.29 ID:KSp903GqO
子供ら「ワーイワーイ」キャキャ
子供「こんにちはぁー」ペコリ
女騎士魔「邪魔だ!どけっ!」バシッ
悟空「あっ!おい!」
子供「!?う、うえええええええん」
女騎士魔「……」キッ
タッタッタッタッ
悟空「でぇーじょぶか?」ヨット
………
……
217: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:20:57.97 ID:KSp903GqO
悟空「なぁ、さっきからどーしちまったんだよ?」
女騎士魔「何か問題でもあるのか」マガオ
悟空「なんか雰囲気ちがくねぇーか?」
女騎士魔「……」
タッタッタッタッ
悟空「…めぇーったな」ポリポリ
無言の道中
女騎士魔「……」
悟空「……」
218: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:22:05.59 ID:KSp903GqO
〜〜
宿場町 夕刻
悟空「ここが宿場町けぇ!」
ワイワイワイガヤガヤガヤ
客引き「よっ!そこのお二人さん!今日の宿はもうお決まりですかぁ!」
女騎士魔「……」キッ
客引き「あっ…と……へへっお呼びでないっと…」シツレイシマシタァー
悟空「な、なぁけっこうあるいたからよぉ何か食わねぇーか?」
女騎士魔「……」
スタスタスタスタスタ
219: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:23:22.85 ID:KSp903GqO
〜〜
町外れの宿屋
女騎士魔「……今日はここに泊まる」
ガチャ キイイイイーー
宿番「イーッヒッヒッヒッヒッヒ。お泊りですかぁ」
女騎士魔「あぁ」
宿番「二名様ですねぇ。ヒッヒッヒッヒ。あいにくと一部屋しか空いてませんのでご一緒でいいでしょうかぁ」ニヤァ
女騎士魔「かまわない」
悟空「オラもどっちでもいいぞっ」
キョロキョロ スンスン ウヘェー
宿番「お部屋は二階の1番奥でございます。どーぞごゆっくりヒーッヒッヒッ」
トントントントン
悟空「みょーなオッちゃんだったなぁ」
女騎士魔「……」
ガチャリ
220: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:24:38.29 ID:KSp903GqO
〜〜
ベッドが二組の簡易な部屋
悟空「よっと」ドサリ
女騎士魔「……」スッ
悟空「こんな場所でも人気あんのかなぁ。さては飯がうめぇーんだろ」
女騎士魔「ここにそんなものはない」
女騎士魔「外で食べてこい」
カネポーイ
悟空「おっと……」チャリーン
悟空「おめぇ行かねーんか?」
女騎士魔「いい。用事がある」
悟空「そっか。……」ヨット
悟空「んじゃいってくっぞ」
ガチャ バタン
221: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:27:00.86 ID:KSp903GqO
……
…
女騎士魔「……クッ、クハハハハハ!」
女騎士魔「ねぇー聞こえるぅ?」
女騎士「くっ……!!おのれっ!私に身体を返せっ!」
女騎士魔「だぁーめぇよん。こんな素敵な感情。とーっても気持ちいいのだからねぇ」オーッホッホッホッ
女騎士魔「でもそうねぇ。返してあげるわよ」
女騎士「?」
女騎士魔「あの男が死ねばねぇ!」オーッホッホッホッ
女騎士「っ!そ、そんなことはさせん!」
女騎士魔「フフッ。今の貴女にどうやって防げるのかしらねぇ〜」
女騎士「そ、それは……」
女騎士魔「ワタシは貴女のことなぁーんでも知ってるのよぉ。」
女騎士「……どういうことだ」
女騎士魔「彼カッコイイわよねぇ〜」
女騎士「!」
女騎士魔「たくましい肉体、素敵な笑顔、優しい人柄」ニマニマ
女騎士「……」
女騎士魔「でも残ー念ー!そんな彼のいっしんを受けるのは貴女じゃない別なオ・ン・ナ」
女騎士「……」
女騎士魔「ウフフフフ。いいわいいわよん!嫉妬嫉妬嫉妬!」オーッホッホッホッ
女騎士魔「力がみなぎるわ」
女騎士「…わ、私は…別に…嫉妬など…」
222: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:28:20.12 ID:KSp903GqO
女騎士魔「強がっちゃって、でもいいのよ。内に秘めたほうが高まるから」
女騎士「…っ……」
女騎士魔「さぁーってあの男に正攻法で戦うわけにはいかないわよねぇ」
女騎士魔「フフッ。貴女ここがどこか知ってるかしらん」
女騎士「?……宿であろう」
女騎士魔「間違いじゃないけどぉ〜。お嬢ちゃん、男と女の欲ってのが足りないわよん」オーッホッホッホッ
女騎士「な、な、なっ」
女騎士「何をするっ!!」
女騎士魔「うぶねぇん」
女騎士魔「所詮あの男も欲には勝てないわよねぇ〜〜」
シナッ シナッ シナッ シナッ
女騎士魔「お風呂でもはいっておこうかしらん」
クネッ クネッ クネッ クネッ
223: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:29:32.70 ID:KSp903GqO
………
……
ガチャ
悟空「ふぅ。食った食った」
女騎士魔「……」ヨコシマ ナ メ
悟空「ほれぇお土産だぞ」スッ
女騎士魔「ありがとうぉ」アワイ ヒトミ
悟空「それ食って元気だせよぉ?おめぇ今日なんか変だし」
女騎士魔「ねぇ〜」
悟空「ん?」
女騎士魔「そんなことより、私の貴方のことを聞きたいわぁ」ネットリ
悟空「オラのか?」
女騎士魔「お話して下さるぅ?」シットリ
悟空「いいけど、オラの何が聞きてぇーんだ?」
女騎士魔「そうねぇ〜貴方何者なのぉ?」ツツツツツ
悟空「まぁたそれけぇ〜。……なんべんも言ってるがオラは孫悟空、地球育ちのサイヤ人だってば」
女騎士魔「??ま、まぁいいわ……」
224: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:30:36.26 ID:KSp903GqO
女騎士魔「次にそうねぇ……貴方のご家族について詳しく聞かせてぇ」ジットリ
女騎士「!!」
女騎士魔「(いいわよいいわよっ!この負の感情ォォォ)」
悟空「そういやぁ言ってなかったっけか」
悟空「オラには」
女騎士「いやだいやだいやだ聞きたくない聞きたくない聞きたくないッ」
女騎士魔「オラには?」オーッホッホッホッ
225: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:33:17.55 ID:KSp903GqO
悟空「チチって嫁と、悟飯と悟天っちゅー息子が二人いんだ」
女騎士「……息…子」
女騎士魔「そ、そうなのぉ」
女騎士魔「(ど、どうしたのよ。ほら愛しい人と思っていた男には息子がいたのよ!ほら嫉妬しなさいよっ)」
悟空「あぁ。そんでビーデルっちゅー悟飯の嫁がいてだな、後はそうだなぁミスターサタンってのがな」
女騎士「…息子に…嫁……」
女騎士魔「……」
悟空「あっそうそう、もうすぐその二人に赤ちゃんが誕生すっから、計7人だな」
女騎士「……息子……子供…」
女騎士魔「(ち、力が抜けるッ!?)」
女騎士「……ソウカ、ソンゴクウには孫にナルワケダ」
女騎士魔「な、ななななな」ブルブルブルブル
悟空「お、おい!?本格てきにまじぃーんじゃねーか?い、今医者呼んでくっからよぉ!」
ダッ ガチャ
226: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:35:33.34 ID:KSp903GqO
女騎士魔「どうしちゃったのよおおおおお」
ブンリ
女騎士悟り「ワタシは悟ったのですよ」
嫉妬の蛇女「……!」ブルブルブルブル
女騎士悟り「ソンゴクウはお爺さんになるのです」
嫉妬の蛇女「……」ブルブル
女騎士悟り「知ってますか?お爺さんです。きっと彼は好々爺になるでしょう」
嫉妬の蛇女「そ、それがなによ……」ガクガク
女騎士悟り「仮にワタシがソンゴクウに恋をしたとしましょう」
嫉妬の蛇女「げ、現にそうじゃない…」
女騎士悟り「端から想像できませんか?思い浮かべるのです。さぁさぁ!」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
227: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:38:00.73 ID:KSp903GqO
女騎士「す、好きだソンゴクウ!!」
悟空「ワシみたいなジジィにはもったいないわい」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
女騎士「紹介しよう!私の好きな人だっ!」
悟空「照れるなぁ」
孫「おじいちゃん遊んでぇ〜」
モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ
女騎士悟り「悟空おじいちゃん。それが付き纏うのです」
女騎士悟り「耐えられますか?」
嫉妬の蛇女「…あ、」
女騎士悟り「愛に年の差など関係ない?」
女騎士悟り「関係あります。確かにソンゴクウはカッコイイ。ですがおじいちゃんの称号を手にしてしまったのです」
女騎士悟り「その幸せの家系に抗える者など愚か者なのですよ」
女騎士悟り「ワタシの願いはもうハッキリと見えました。ソンゴクウ。孫悟空は……!」ブォォォン
女騎士悟り「光よ我に集いでカノ者に祝福を!」
嫉妬の蛇女「アッアッアッアッアッアッ」
アァァァァァァァァァー
女騎士「……ありがとう礼を言う」トオイ メ
228: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:41:19.36 ID:KSp903GqO
〜〜
悟空「おめぇ本当にでーじょぶか?」
女騎士「あぁ。問題無い!むしろスッキリしているのだ」ニッ
悟空「そうけ!」
バシバシ
女騎士「(これだ、この師と弟子のようなスキンシップ!)」
女騎士「孫…悟空。私を弟子にしてくれないだろうか」
悟空「いぃ!?おめぇがオラの!?なんでまた」
女騎士「色々考えたのだが、ほら前に私に才能がありそうな事言っていたではないか。悟空さえ良ければ私に修行を頼みたい」ウワメ チラッ
悟空「しょーがねぇなぁ。どこまでやれっかわかんねぇーが、いいぞ!」
サムズアップ
女騎士「本当か!よろしく頼みます!悟空師匠!」パッ
悟空「かてぇぞぉ!いつも通りでいいぞぉ」ンハハハハ
女騎士「そ、そうか!ゴホン」
女騎士「さっそくだが、では何をすれば飛べるようになるのだ!?」ワクワク
悟空「そうだなぁ気の使い方ちゅーところからだな」ウーン
229: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:45:09.03 ID:KSp903GqO
ナレーション「道中にふと現れた来訪者。女騎士が乗り移られていたことなど露知らず悟空は困り果てるのであるが、人知れずに勝ち得た女騎士。その顔は晴天のようであった」
231: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/18(水) 21:48:26.77 ID:KSp903GqO
オッス オラ悟空!
憑き物が落ちたみてぇーに元気になってよかったぞ。しかもオラに弟子入りしてぇーちゅーし。まっ!前よりは全然いいけどな!
おっ!女騎士、飛ぶときはゆっくりだぞ!はしゃいでっと落っこちちまう!
……あっちゃ〜
233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 23:34:27.75 ID:cW3oXq5c0
おい女騎士飛んだぞ...?
249: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:51:01.10 ID:dlyWtWHAo
〜〜
色宿屋
ドスンバタンドスンバタン
店番「ヒーッヒッヒッ……おさかんですねぇ」
250: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:52:05.58 ID:dlyWtWHAo
〜〜
女騎士「む、難しいな」
セイシントウイツ
悟空「そうそう。浮かんだら次は、この辺によぉ、なーんかあちぃの感じねぇか?」
ハラ サスサス
女騎士「この辺に集中せよというのか……よ、よし」 ポカポカポカ
フゥワァ
悟空「そそっ!」
女騎士「で、で、で!?」フゥーワァン
悟空「で?」
女騎士「で?ではない!こ、このまま浮かぶ私は――」
バリーーーン
アアァァァ ホラミローーー
悟空「あっ!おい!!」
マドノ ソト ノゾキ コム
ドチャ
女騎士「」
悟空「あっちゃ〜……」
トントントントン
店番「お、お客さん、もう少し静かにしてくれやしっ ヒ、ヒヒヒヒ」
悟空「お、おう。すまねぇ」
251: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:53:02.13 ID:dlyWtWHAo
………
……
女騎士「……」zzZ
チラッ
悟空「気を蓄えるりきはあるんだがなぁ。コントロールが苦手みてぇーだぞ」
悟空「オラのいたとこと空気がちげぇのが原因か……」ファァァーット
悟空「パワーがたりねぇー…んか…ンガアア」zzZzzZ
〜〜
色宿屋 翌朝
女騎士「」ガバッ
女騎士「わ、私は」キョロキョロ
女騎士「確か空を飛ぶ練習中に……あ、頭が痛い?」
チラッ
悟空「……」zzZzzZ
女騎士「……フッ。昨日の今日でとは思ってみたが、やはり」ヨット
女騎士「寝食をともにしようが悟空は悟空だな」
女騎士「実に気持ちがいい」
女騎士「顔を洗ってくるか」
ガチャ トテトテトテ
252: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:53:46.92 ID:dlyWtWHAo
………
……
泊まり客ら「……」ヒソヒソヒソヒソ
女騎士「?」
泊まり客ら「!!」ヒソヒソヒソヒソ
店番「フアァァ〜……おや。昨夜はおたのしみでしたね」
女騎士「!!」
………
……
ドタドタドタドタドタ
ガチャ!!
女騎士「お、お、お、お、お、おっ!!」
ユサユサユサユサ
悟空「……」zzZzzZ
女騎士「おおおお、おぉぉぉお!」
ユサユサユサユサ
悟空「ん〜もちっとねか」zzZzZZ
女騎士「起きるんだ悟空ゥゥゥ!!」
253: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:55:09.04 ID:dlyWtWHAo
………
……
悟空「急に出るってオラまだねみぃーぞ」フワアアワイワイ
女騎士旅装「……」
スタスタスタスタスタ
女騎士「(そうだ。すっかり忘れていたが私達が泊まっていたところはい、い、い色宿ではないかっ!)」
女騎士旅装「ぐ、愚図ついた天気になりそうだからな!王都へ早めに進まねば!」ウンウンウン
悟空「朝日が眩しいけどなぁ〜」
テクテク
女騎士旅装「そんなことよりもだ。昨晩の舞空術とやら道すがらできないだらろうか」ワクワクキラキラ
悟空「そうだなぁ。オラ昨日寝るめぇーに思ったんだがよぉ」
女騎士旅装「む?」
悟空「オメェの気はつぇーんだがな、なんか別に漂ってる空気があんだよ」
女騎士旅装「別の気?」
悟空「オラがオメェってわかる気と、オラが何となくしか感じれねぇ気っちゅーんかな」
女騎士旅装「難問だな……」ハテ
女騎士旅装「それは私だけということか?」
悟空「いやぁ、ありゃそうだな。確かにオメェの親父にもかんじられたぞ」
254: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:56:39.44 ID:dlyWtWHAo
女騎士旅装「ふむ……」
女騎士旅装「私らに有って、悟空にないものか」
悟空「そんなんあんのか?」
女騎士旅装「パッと思いつくのが、魔術だろうか」
悟空「前おめぇがやってた力け?」
女騎士旅装「そうだ。悟空にはまだ言ってなかったな」
女騎士旅装「この世界に火水風土光闇という自然概念を使った力が栄えているのさ」
悟空「ほぉ〜」
女騎士旅装「それらの理を少しだけ操作し、具現化する」フッ
女騎士旅装「火の精よッ!」
ボッッ
女騎士旅装「っと。このようにな」
悟空「おっでれぇーた!手品みてぇだぞ!」
女騎士旅装「……悟空は皮肉屋なのか?」
悟空「??」
女騎士旅装「ま、まぁ攻撃は火、守りは土といった概念に基づき、各様々な組み合わせで発動するのが魔術の基本的ところだ」
悟空「……」ウーン
悟空「つまり、そいつと気が混ざっちまってるんか」
女騎士旅装「私には気というのものの概念がサッパリだが、実際教えてもらうと、そうなるのであろうな」
女騎士旅装「あっ!そうか!魔の森で悟空が言っていた天地がひっくり返るはそれか!」
悟空「あぁ上なら見晴らしいいと思ってな」
女騎士旅装「なるほど!誰も試したことないから、木に登ったところでと思ったが……力は上空まで及んでいたか」
女騎士旅装「手見上げには十分だ」
255: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:57:32.70 ID:dlyWtWHAo
………
……
悟空「王都ちゅーとこまではどんくれぇーなんだ?」
女騎士旅装「折り返しまで来たがそうだな」
女騎士旅装「(まてよ、私の弁当を持ってきたときの早さを見ると、悟空が本気だすとすぐ着くのではないか?)」
女騎士旅装「……悟空師匠、お願いがございます!」
悟空「急になんだよ」
女騎士旅装「私いまいち飛ぶという感覚が摑めないのだが、もしかして師匠ならあっという間につくのではないだろうか」
悟空「オラに乗りてぇーってことかぁ?」
女騎士旅装「はい!」チョウワクワク
悟空「良いけどよぉ」ポリポリ
悟空「オメェ、まぁた倒れちまうぞ?」
女騎士旅装「大丈夫だ!私はこれでも国一番の駿馬を乗りこなせるからな!」
256: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/19(木) 23:58:49.00 ID:dlyWtWHAo
悟空「飛行機よりはえぇーんか?」
女騎士旅装「??」
女騎士旅装「それはどんな生き物だ?」
悟空「こう――」
リョウテ ヒロゲ
悟空「びゅーんと」
女騎士旅装「?よく分からないが、これも修行の一貫としてな」
悟空「ま、いっか!」
悟空「ほら、オラにおぶされ」
スッ
女騎士旅装「うむ!では本気で頼むぞ!」
スッ
悟空「おっし。本気でいいんだな?オラ道わかんねぇーから、案内頼むぞぉ」
ファァァ
女騎士旅装「(悟空の本気か。空を飛ぶなんていい土産話になるな)」
女騎士旅装「(フフッ)」
257: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:00:21.91 ID:wWFdwCDno
悟空「そぉーれぃ!!」
バッ
バババババババババ
ドヒューーーーーーン
女騎士旅装「」仰け反り
女騎士旅装「(あっ、これ無理だ)」
悟空「あっちでいいんだよなぁ?」
ズオオオオオオ
女騎士旅装「」失神
258: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:01:14.00 ID:wWFdwCDno
モワモワモワモワ
ピッコロ「で。女。もうそろそろ吉報を持ってきたろうな」
女騎士「すまぬ……すまぬぅ……」
ピッコロ「……」
女騎士「いや待て!私にもう一度機会をくれ!なっ?なっ!?」
女騎士「私にも色々あったのだ!それに悟空は一緒だ!目覚めたらもう大丈夫だ!」
ピッコロ「いったい何か大丈夫なのか」
ピッコロ「……ある意味お前が頼みの綱なのは間違いない」
ピッコロ「あまり俺を怒らせるなよ」
女騎士「あぁ!その任しかと承った!」
女騎士「(言葉で殺される威圧感……)」ブルブル
モワモワモワモワ
259: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:02:18.99 ID:wWFdwCDno
………
……
女騎士旅装「……」ピクピク
女騎士旅装「はっ!」
悟空「きーついかぁ?」
女騎士旅装「!!」
女騎士旅装「ピッコロ!!」
悟空「?」
女騎士旅装「ピッコロだぞ!悟空!ドラゴンボールだ!ピッコロ1つだ!」
悟空「お、落ち着けって!水のんむか?」
女騎士旅装「あぁ、すまない……」ゴグゴク
悟空「おめぇピッコロしってんか?」
女騎士旅装「……あぁ。そうだ!夢の中でだが伝言を預かった」
260: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:04:06.60 ID:wWFdwCDno
女騎士旅装「伝えよう伝えようとしてはいたが」
悟空「へぇアイツおめぇの夢にでてこれんのか」
女騎士旅装「私も正直よくわからないが、こういっていた」コホン
アーアー
女騎士旅装「孫悟空に会ったら伝えろ。お前が帰るにはドラゴンボールを追え。何かの拍子にドラゴンボールの一つがそちらに転がり込んだ」
テイオンボイス
女騎士旅装「以上だ。ドラゴンボールとはなんだ?」
悟空「ンナハハハ。似てねぇーぞぉ!」
女騎士旅装「こ、これなら信じてもらえるであろうとなるべく、聞いたとおりにしたのだが……」ハズカシイ
悟空「おぉ信じる信じる!」ハハハハハ
オーハライテェ
女騎士旅装「くっ……!」
女騎士旅装「……で?ドラゴンボールとはなんだ?それが関係しているのか」
悟空「お、おぉ。ドラゴンボールってのはな――」
261: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:05:32.03 ID:wWFdwCDno
………
……
女騎士旅装「す、凄いな……7つ集めるだけで願いがかなうというのか。おとぎ話のようだ」
女騎士旅装「それなら何か力が宿っている可能性があるなあ」
悟空「ピッコロがそういうならまちげぇーねぇなぁ」
悟空「ドラゴンボールか。でもめぇったぞ、ドラゴンレーダーオラ持ってねぇや」
女騎士旅装「ドラゴン、レーダー?」
悟空「ブルマが作ったんだがドラゴンボールを探す為の道具だぞ」
女騎士旅装「そのような魔導具が……天才術師か」
女騎士旅装「(魔導具なら代用品がありそうな)」
女騎士旅装「ちなみだが、最初に叶えた願いとはなんだっんだ?」キョウミシンシン
悟空「ひんしゅくをかうってブルマに言われてっけど、オラの友達にウーロンってのがいてな、そいつが叶えたのが」
女騎士旅装「叶えたのが!?」
悟空「ギャルのパンティーだぞ」
女騎士旅装「……」マガオ
悟空「あんときは世界征服を阻止する為ってことだったんだけどもな」
女騎士旅装「……」マガオ
女騎士旅装「目的地はもうすぐだ。グズグズするなよ」キリッ
ザッザッザッ
悟空「あっおい!」アセアセ
262: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:06:39.46 ID:wWFdwCDno
〜〜
王都外門
悟空「ひゃー!すんげぇ!オラこういう場所見たことねぇーぞ!」
ザワザワザワザワ
ガヤガヤガヤガャ
ワイワイワイガヤガヤカ
女騎士旅装「フッフーーン!そうであろう!そうであろう!」トクイゲ
女騎士旅装「我が国の首都だ!」ジマンゲ
悟空「おおー」
キョロキョロ
女騎士旅装「さっ!まずは入場許可をもらってからだ」
263: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:08:23.79 ID:wWFdwCDno
………
……
番兵「ようこそ!無事のご到着、心より歓迎します」
女騎士旅装「あぁ。二名分の許可証を頼む」
悟空「オッス」
番兵「二名様ですね。ではこちらにご記帳を」
女騎士旅装「うむ」
サラサラ
悟空「ここになめぇ書けばいいんか」
女騎士旅装「あぁ。そう――」
悟空「そんごくうっと」
女騎士旅装「あっ!」
番兵「ん?」ジッ
女騎士旅装「(しまった。悟空はここの文字を知らない)」
番兵「……これはなんですか?」
悟空「?」
女騎士旅装「(しまった!くっ……私としたことが)」
番兵「どこの国から来ましたか?」
女騎士旅装「そ、その者だかな」
番兵「貴女にお尋ねしてません」ビシッ
悟空「どこの国って言われてもなぁオラこの国のこと知らねぇーぞ」
女騎士旅装「(あっバカ者!)」
番兵「怪しい奴……ちょっとこっちに来い!」
ゾロゾロゾロ
悟空「な、なんだってんだよ」
女騎士旅装「すまぬ」
番兵「お前もだ!」
264: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:11:20.96 ID:wWFdwCDno
ナレーション「女騎士はピッコロの伝言をようやく言え、1つの任をこなしたわけだが、王都につくなり、またもや嫌疑をかけられてしまう。こんなとこで躓いている場合ではないぞ悟空」
265: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/20(金) 00:13:29.53 ID:wWFdwCDno
オッス オラ悟空!
ピッコロからってのはおでれーたぞぉ。ドラゴンボール1個見つけりゃいいんか?難しそうだぞ。
それになんだかオラ捕まっちまうし。
どーなっちまうんだよ!
271: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:40:13.65 ID:VerAyQDMo
〜〜
城門前 兵士詰め所
番兵「で?本当の目的はなんだ」
女騎士旅装「だから何度も言っているではないか!」
女騎士旅装「私の公爵の娘で――」
番兵「だーかーら、その証拠を見せなさいといっているだろ!」
番兵「それに聞けば、公爵様のご息女は魔の森で行方不明と聞き及んでいるぞ?」
女騎士旅装「聞いてないのか!私は無事に帰ってこれたのだぞ!」
女騎士旅装「それを助けてくれたのが、先程の男だ!」
番兵「あやしぃ〜なぁ〜」
番兵「……魔物達がなにやら不穏な動きをしていると騒いでおるが……まさか」
女騎士旅装「断じて違う!」
女騎士旅装「えぇーい!埒が明かない!姫騎士の者ら誰でもいい!連れてこい!」
番兵「俺らより位が高くておいそれと会えるかっての……まぁしょうがない待っていろ。嘘だったら覚悟しておくことだ」
女騎士旅装「あぁもうなんでもいい」
272: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:41:09.99 ID:VerAyQDMo
………
……
番兵「し、しっつれをば……」
副隊長「やっほー隊長!迎えに来たよ」キャルルン
女騎士旅装「ふぅ……」
番兵「え、えへへ。そのですね」
副隊長「もしかして無礼働いちゃった?」
番兵「い、いえ!そ、そのようなななななな……」
チラッチラッチラッ
女騎士旅装「……いや。大事ない。仕事熱心だった」
番兵「……!」ハワヒワヒワハワ
273: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:42:13.76 ID:VerAyQDMo
………
……
女騎士旅装「まさか副隊長が来てくれるとは思わなかったよ」
副隊長「まぁ実のところたまたま偶然目撃しただけですけどねぇ」
副隊長「隊長のお屋敷から急に除隊するって聞いて、向かうところだったんですよぉ」
女騎士旅装「……やはりそうなってしまっているか」
女騎士旅装「私はそれを撤回するために来たのだ」
副隊長「やっぱり!そぉーですよねぇ〜辞めませんよね!」
副隊長「ではさっそく参りましょうぉ〜」
女騎士旅装「いや待ってくれ。悟空がまだ別室にいるではないか」
女騎士旅装「早く誤解を解かなくては」
副隊長「……ゴクウってどなたです」
女騎士旅装「どなたって、お前も会ったではないか、魔の森から」
副隊長「あぁ。あぁ。あの男の人ですか。なるほど。そのようなお名前だったんですねぇ」
女騎士旅装「あぁ。孫悟空と。言わなかったか」
副隊長「知りませんでしたよぉ」
ベツニ シリタクモ アリマセンガ ネ
女騎士旅装「何か?」
274: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:42:57.15 ID:VerAyQDMo
副隊長「いえ別に。あっ!それなら私が連れ出しておきますから、隊長は先に王宮の執務室へ行っててくださいよ」
女騎士旅装「いや、しかしだな…」
副隊長「早くしないと手遅れになりますから!それに姫様もご心配になられてますよぉ〜」
女騎士旅装「ふ…む。姫様が……わかった。では、よろしく頼むよ」
副隊長「はいはーい」ニヤッ
275: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:44:11.04 ID:VerAyQDMo
………
……
悟空「オラそんなんじゃねぇーてばぁ」
番兵「そういう奴が一番怪しいのだ!」
悟空「めぇーたっぞぉ……」
番兵「吐いたほうが楽になるぞ!お前は暗号を使って何を企んでいる!」
番兵「しかし、まさか我々にその暗号を見せるとは些か頭が悪いようだなぁ」クフ フフフフ
ガタンッ!
番兵「!?」ビクッ
悟空「あっ!そーだそーだ!これこれっ」ゴソゴソ
番兵「な、何をする気だ!」シャキン
悟空「へへ。見ろよこれっ!」
番兵「…なんだその紙切れは」
悟空「いいからよぉ」ホレェ
番兵「!!」ヨミヨミ
番兵「こ、これは公爵様の印!?魔術研究の第一人者である老様宛……ソンゴクウについて魔の歪みについて伺いを立てたい…だと…」
276: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:46:46.89 ID:VerAyQDMo
番兵「ソンゴクウ……お名前はなんと言われましたっけ」ヘヘ アセアセ
悟空「孫悟空だぞ!」ニッ
番兵「あっあっあっ」アワワワワワ
番兵「た、たたた大変しつ――」
ガチャ スゥ
副隊長「偽物ですよ」
番兵「へっ……なん…と?」
副隊長「それは偽物と言ったのです」
番兵「にせ?えっ?で、ですが、こ、この印は確かに――」
副隊長「公爵邸での魔族襲撃の話はそなたでも聞き及んでいよう。印その際に盗まれたのだ」
番兵「な、なるほ……ど?」チラッ
悟空「いぃ!?嘘なんかじゃねーぞぉ!」
悟空「確かにあいつの親父に直接書いてもらってっからよぉ」
副隊長「公爵様をあいつよばわり?フフッ。無知も甚だしいですねぇ」
副隊長「コイツは私連れて行く」
番兵「…いえ、しかし、一度確認してからの方が…」
副隊長「その間に逃げられたら君……責任とれるの」ギンッ
番兵「うっ!そ、それはそのぉ…」
副隊長「フフッ。大丈夫よぉ〜責任は私がちゃーんと持ってたあげるから」
番兵「り、了解であります」
副隊長「というわけだ、ソンゴクウとやら」
副隊長「とっておきの場所へ案内する!」
277: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:47:28.14 ID:VerAyQDMo
………
……
番兵2「お前んとこにきたな姫騎士の副隊長だよな?かわいいよなぁ〜」ウットリ
番兵「ば、馬鹿言うなよ!確かに顔はかわいいが…」ブルブル
番兵「洒落にならん怖さだそ……」
番兵2「姫騎士隊は揃いも揃って美人隊だろ。それの3大姫と呼ばれているのが我が国の姫様、それを護る姫騎士隊長、副隊長!」クゥ〜
番兵2「お前直に話して緊張してだけだって!」
番兵「そ、そうかなぁ……」ブルブル
278: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:48:48.59 ID:VerAyQDMo
〜〜
王宮内 執務室
姫騎士隊 ワーワーキャーキャー
女騎士「皆心配かけたな。隊を離れるとは誤解なのだ」
姫騎士隊「誤報でなによりです!もう副隊長は聞いたそばから飛んでいきそうな勢いでしたよ!」
女騎士「ふむ。すまなかった」
女騎士「フフッ」
姫騎士姫「どうかされたんですか?」
女騎士「いや、飛んでいきそうかとな」フフ
姫騎士隊「例えですよ?」
女騎士「あぁそうだな。知ってるよ」
女騎士「(悟空はもう解放されているだろうか)」
パタパタパタ
トントントン
衛兵「失礼します!火急の用です!姫騎士隊長はおられるか!」
女騎士「(来たか)」
女騎士「あぁ」
ガチャ
279: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:49:53.74 ID:VerAyQDMo
ダッダッダッダッ
姫「!!」バッ ダキ
女騎士「ひ、姫様ッ!」
姫「離さぬぞ!」
衛兵「と、という次第です!では某はこれで」ケイレイ ササッ
姫「そなた、わらわに嘘を申したのだ!」
女騎士「嘘など、めっそうもございません」
姫「ならばなぜ隊を辞めると申したのだ!」
女騎士「誤解にございまする。父の早合点です。それを撤回するために急いで駆けつけました」
女騎士「(色々あったけど)」
姫「ほ、本当か!?」
女騎士「はっ!整えが終わり次第、陛下にお頼みいたします」
姫「そ、そうか!そうか!」パッ コホン
姫「ならば許そう」ビシッ
280: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:50:56.60 ID:VerAyQDMo
姫「……して、整いというのは何か?」
女騎士「はっ!連れを待っているのです」
姫・姫騎士隊「連れ?」ザワザワ
姫「そ、それはどんな連れだ……?」
女騎士「は?そうですねぇ、なんと言えば良いのか」
女騎士「私の命の恩人友言いますか、師匠と言いますか、友人と言いますか」
姫騎士隊「ま、まさか……あの時の男の人でしょうか!?」ワクワク
姫「!?」
女騎士「な、何をキラキラした目で……」
姫騎士隊「そりゃもうーねぇー」ワイワイワイ
女騎士「なっ、ばっ、悟空はそんなのではないぞ!」
姫騎士隊「キャーもうお名前を」キャーキャー
女騎士「勘違いするな、私は悟ったのだぞ…いいか…悟空はな」
281: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:51:51.30 ID:VerAyQDMo
姫「お、お、お、お、男か……男が出来たのか…」ワナワナワナ
女騎士「姫様?」
姫「そ、そ、そ、そ、それで…姫騎士隊を辞めると言うのだな…」
女騎士「い、いえですから」
姫「ち、父上にけ、け、結婚とやらを報告するのだな!?」
姫「えぇい!この裏切者が!嘘つき!ずっとわらわに仕えると申したのにッ!お前なんか……」
姫「お前なんかどっか遠くで幸せになるがよいわっ!」ナキ
バッ パタパタパタパタパタパタ
282: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:52:43.51 ID:VerAyQDMo
女騎士「ひ、姫様お待ちをっ!」
バタン
女騎士「……なぜだ」
姫騎士隊「遠くで幸せにって…懐いていらっしゃいましたし、お寂しいのですねぇ」
女騎士「そうではなくてだな!……えーい」バッ
ガチャ
女騎士「そうだ、ここに副隊長と悟空がきたら待っているよう伝えてくれ!」
バタン
284: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:53:29.92 ID:VerAyQDMo
………
……
パタパタパタ
姫「(嘘つき嘘つき嘘つき)」ウッ ウッ ウッ
姫「(わらわに仕えるのに飽きたのか!ワガママばかり言うわらわが嫌いになったのか)」ウッウッ
パタパタパタ
ヌゥーーン
ドスン
姫「きゃ!」シリモチ
姫「ぶ、無礼者!前をよく見」グシグシ
スゥウウ
………
……
女騎士「姫様?」
女騎士「(どこに行ってしまわれたのか)」
女騎士「部屋にもいない……」
285: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:54:33.41 ID:VerAyQDMo
〜〜
王都郊外 地下牢
コツンコツンコツン
悟空「薄いぐれぇーぞぉ」
副隊長「そりゃそうですよ〜」
副隊長「ここは一級犯罪者を入れておく施設ですもん。貴重な資源の無駄にはしませんよ」
悟空「燃料もバカになんねぇーってチチが嘆きてたっけか」
副隊長「貴方随分と能天気ですねぇ。自分がどこに向かっているかご存知ですかぁ」
悟空「?おめぇーがどっか連れてくってんで着いてきたんじゃねーか」
副隊長「いやぁまぁそうですけど」
副隊長「牢屋ですよ牢屋」
悟空「牢屋ぁ!?オラを!?なんでぇ」
副隊長「貴方邪魔なんですよぉ」
悟空「おめぇとオラが会ったんはこのめぇ初めてじゃねぇーか?」
副隊長「そうですよぉ。あの時に私ピーンと来ちゃいました」
副隊長「貴方がいると隊長はおかしくなるとね……」ゾワゾワゾワ
286: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:55:53.69 ID:VerAyQDMo
悟空「わけわかんねぇーぞ?」
副隊長「とにかく、私と隊長の仲を裂く存在は許さないのです」
悟空「?」
副隊長「後で貴方はどこかに消えたとでもしておきましょう」
副隊長「厄介な紹介状は私の手にありますからねぇ」フフフフ
コツンコツンコツン
副隊長「さぁ着きましたよぉ。貴方は一生ここで――」
287: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:56:46.46 ID:VerAyQDMo
悟空「ん!?」
悟空「危ねえ!」バッ
副隊長「へっ?」
シュン
ジャキン
幽霊騎士「………」
悟空「おめぇ何もんだ!」
副隊長「な、なんですのぉぉぉ」
288: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 01:59:34.52 ID:VerAyQDMo
ナレーション「悟空にはわからぬ世界があるようではあるが、連れてこれた先にまたもや敵の気配が。今度の敵は幽霊?消えた姫はどこへ。妙な組み合わせがまた妙なことに」
289: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/21(土) 02:02:42.80 ID:VerAyQDMo
オッス オラ悟空!
おっかねぇ副隊長がいうには牢屋なんてオラ流石に入りたくねぇーぞ。
と思ってたらまぁーた妙な敵が現れちまうんだもんなぁ。
ありゃ?オラの攻撃が当たらねぇーって!
296: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:16:27.77 ID:EbC0nqN5o
幽霊騎士「……」フシュゥッゥ
ガコン
副隊長「何よアレェ」シャキン
悟空「なんも気を感じねぇ」
副隊長「へぇ?」
幽霊騎士「……」ガコン
悟空「くるっ!」スッ
幽霊騎士「……!」ダイトウ
ブンォンブォン
悟空「ふっ!」サッサッ
悟空「なかなかはぇーぞ」
悟空「だったら…っ!」フンッ
スカ
悟空「……へ?」スッテン
副隊長「!」
幽霊騎士「……」グルリ
副隊長「こ、こんのぉ!」パラララララ
副隊長「火の精よッ!」ポォォ
ハッ
幽霊騎士「……」ジャギン バシュン
副隊長「こいつ!」
幽霊騎士「……」ジッ
297: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:17:16.25 ID:EbC0nqN5o
副隊長「ってか衛兵はどこほっつい歩いているのよ!」
キョロキョロ
悟空「よそ見すんじゃねぇ!」シュン
副隊長「へ?」シュン
幽霊騎士「……」ブンォン
シュン ドゴォン
悟空「あぶねぇあぶねぇ」フゥ
副隊長「あっ、えっ」ポカン
悟空「でりゃぁ!」フンフンフンフン
スカスカスカスカスカ
幽霊騎士「……」ブンォン
悟空「よっ!よっ!」シュン シュン
トントントントン
悟空「どーなってんだぁ?全然あたんねぇーぞぉ」
副隊長「な、なんで私を助けるのよ……」
悟空「?」
副隊長「……」ダッダッダッダッ
悟空「あっ、おい!」
幽霊騎士「……」ブンォン
悟空「っと!」
298: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:18:17.32 ID:EbC0nqN5o
………
……
地下牢 奥
ダッダッダッダッ…
タッタッ
副隊長「(なんなのよ、あの化物!あんなのいるなんて思っても見なかったわ)」
副隊長「(でも好都合だわっ!)」チクリ
副隊長「……」フルフル
副隊長「……違うわ…」
副隊長「私はもう」
ガチャガチャ ヒッヒッヒッヒッ
囚人「わっ!!」
副隊長「ひゃ!」ビクッ
囚人「ヒャヒャヒャ」ガシャガシャ
副隊長「(しゅ、囚人共か)」キッ
囚人「お、女ァァ」グヒェヒェヒェ
囚人「女だぁ」ガシャガシャ
囚人「俺にも拝ませろぉ」グヘッヘッヘッ
副隊長「(チッ!醜悪な…これだから男は!)」
ジリッ
299: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:19:22.30 ID:EbC0nqN5o
囚人「イーヒェヒェヒェ」ヌゥン
ガシッ!
副隊長「なっ!その汚い手を!は、離せぇ」ガンガンガン
パッ
囚人「やわらかい手だったなぁ」ヌラリ レロレロレロ
囚人「切り刻みたいなぁ」グヘッヘッヘッ
副隊長「!!」
副隊長「(なんておぞましい……今すぐ灰にしてやりたいが、ここの衛兵を見つけてさっさと逃げないと)」
キョロキョロ
300: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:20:38.25 ID:EbC0nqN5o
囚人「ヒャヒャヒャ」ジーーー
囚人「……」ジーーー
囚人「……」ジーーー
副隊長「な、なによ!」
囚人「だーれを探しているのーかーなー」
副隊長「なっ…なぜわかっ」ハッ
囚人「へっへっへっ」
ギィィ ギィィ ギィィ ギィィ……
副隊長「か、鍵が、ど、どうしてですの!!」
囚人ら「へっへっへっ」ジュルルルル
牢内衛兵ら「………」
副隊長「あ、貴方達なにしてるのよっ!」チラッ
牢内衛兵「……」
囚人ら「イーヒェヒェヒェ。呼んでも無駄だぜぇ」
囚人ら「そうさ間抜けな奴らはオネンネ中だよーん」
ゾロゾロゾロ
301: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:21:44.70 ID:EbC0nqN5o
副隊長「そ、そういう事ね…やたら挑発してたのは近づけさせる為…」
囚人ら「ビャハッハ。アンタなかなか来ないし、し、辛抱たまらんしで…なぁおい」
囚人ら「ゲヒャヒャ」ハァハァ
ゾロゾロゾロ
副隊長「近づかないでちょうだい!さもないと…」
囚人ら「どーするってぇ」
副隊長「こうするのよっ!火の精よッ!」パラララララ
ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!
囚人ら「グ、グアアアアアア」アーレー
副隊長「身の程知らず共め」
囚人ら「アアアアアア」ボォォオォ
302: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:23:07.46 ID:EbC0nqN5o
囚人ら「アアアアアア……アーヒャヒャヒャ!」シュゥゥゥゥ
副隊長「えっ……」
囚人ら「火遊びは終わりですかぁ」ニタニタ
ザッザッザッ
副隊長「ど、どうして」ジリジリ
囚人ら「鍵がどうとか言ってたなぁー」
囚人ら「あの御方に開けていただいたのよぉ」
副隊長「あの…御方…?」ジリジリ
囚人ら「幽霊騎士様よぉ」ジリジリ
副隊長「あの化物が…!」ドンッ
副隊長「(追い込まれ…た!)」
囚人ら「もう観念しなぁ」ヒタヒタヒタ
副隊長「よ、寄るな……」
囚人ら「グヘヘ、グヘヘッ」
副隊長「(た、隊長……!)」メ ツムリ
ガッ
303: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:24:02.41 ID:EbC0nqN5o
悟空「……!」シュッッン
囚人ら「な、なんでてめぇ!どっから現れやがった!」
バッ
副隊長「……!」
ダッダッダッダッダッダッダッダッ
304: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:24:51.56 ID:EbC0nqN5o
………
…
〜〜
数分前
悟空「ハァァァ!でりゃあああ!」
幽霊騎士「……」ブンブンブン
悟空「……!」シュン シュン
悟空「らちがあかねぇ!」
チラッ
悟空「あいつでーじょぶかな」
幽霊騎士「……」ズォオォン
悟空「くっ」ガシュ
悟空「つぅ〜〜」
バックステップ
305: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:25:41.26 ID:EbC0nqN5o
悟空「あいつの攻撃だけ当たるなんて卑怯だぞぉ……」
悟空「……」
幽霊騎士「……」ザックザッグザック
悟空「そぉーか!」
悟空「おめぇ、なんでかオラの攻撃すり抜けちまうが、そいつは当たんのか!」シュン
幽霊騎士「……!」
悟空「そいつをマズへし折っちまえば!」ハァァァ
ダッ!
悟空「もらったぁ!」
ガンッッッッ
幽霊騎士「……」
306: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:27:05.66 ID:EbC0nqN5o
幽霊騎士「……」
悟空「……」
幽霊騎士「……」スッ
ブォォォン
悟空「げぇ!!かってぇーーー!」
ブォォォンブォォォン
悟空「くそぉーー!」
幽霊騎士「……」スゥゥゥ
仁王立ち
幽霊騎士「……!」ギュンギュンギュン
悟空「う、うぐぐぐ、へ、変だぞ、行き成り攻撃を止めたと思ったらオラのち、力がど、どん…と」
ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン
悟空「や、やべぇーぞ!」
悟空「…悔しいが、い、一旦退却くう」シュッ
〜〜
307: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:27:52.52 ID:EbC0nqN5o
〜〜
地下牢 奥 荷物置き場
悟空「ふぅ」
副隊長「……」ウズクマリ
悟空「無事か?」
副隊長「……」ブルブル
悟空「……くそぉ仙豆がありゃ」
副隊長「……」ブルブル
悟空「勢いで奥に来ちまったが、ここもまじぃーんか?」
副隊長「……」ガタガタガタガタ
悟空「……」ポリポリ
308: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:28:54.24 ID:EbC0nqN5o
悟空「そぉー心配すんな!なんとかなっからよぉ〜」ニヘッ
副隊長「……」ピクッ
悟空「あいつに攻撃があたりゃだけどな」ンナハハハハ
副隊長「……どうして」
悟空「ん?」
副隊長「どうしてそんなに能天気ですのよぉぉ!」ガバッ
副隊長「アナタだって負けたのでしょう!?おめおめと逃げて来て……」
悟空「たははは、いてぇーとこつくぞぉ」
副隊長「逃げ…逃げられる元気があるなら……どうして…」
悟空「体力吸われちまってギリギリだけどな」
副隊長「……どうして私なんかの方に…アナタを貶める為に」
310: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:30:17.61 ID:EbC0nqN5o
悟空「ワケなんてねぇーぞ」
副隊長「……!」
悟空「おめぇアイツの友達なんだろ?」
副隊長「で、でも……」
悟空「おめぇがオラを恨む理由はわからねぇが、オラはオラの意思でおめぇを助けた。それでいいじゃーか」
悟空「まっ、細けえことは気にすんな!」
311: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:31:19.30 ID:EbC0nqN5o
ポカーン
副隊長「細けえって……フフッ…アーハッハッハ!」
悟空「ど、どした!?抱えたときにどっか頭打っちまっんか!?」
副隊長「ハハハ、なんでもないわよ。…私の意思で笑っただけよ」
スクッ
副隊長「そうね…あんな奴ら放置なんてしていられないわ」
悟空「つってもよぉ〜オラの攻撃当たりゃしねぇーし、なんかあてがあんのか?」
副隊長「あの大刀をなんとか破壊できれば」
悟空「オラもそー思って力はいっぱいやってみたけど、硬えなんてもんじゃねぇぞ?」
副隊長「貴方みるからに脳筋ぽいわよね」
副隊長「素手一辺倒でゴーストを相手に思ってるのが間違いよ」
312: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:33:36.78 ID:EbC0nqN5o
副隊長「魔術…なんてできないわよね?」
悟空「あの手品見えてぇのか。オラには出せねぇ」
副隊長「だろうと思ったわよ。いい事?ゴーストタイプは必ず依代となるものが必要なの」
悟空「?」
副隊長「魂を現世に膠着させるために何らかの物とか必要ってことよ。わかりまして?」
悟空「そいつがあの剣ちゅーんか」
副隊長「素手で挑むってんだから、相当なパワーがあるのよね?」
副隊長「それでも破壊できないなら、本体は大刀じゃないわ。フェイクよ」
悟空「んー。オラには検討がつかねぇーぞ」
副隊長「そうほいほい。わかったら苦労しないわよ」
副隊長「でも、必ず幽霊騎士が持ってるはずよ」
悟空「そいつを見せたら…か」
副隊長「ご明察。でも貴方が接近してバシバシしてたら、その隙きはできない」
悟空「距離を置くんか?」
副隊長「そんなことしてたら、隙きなんてできませんわ」
副隊長「私が遠距離から仕掛けるから、貴方は一定の距離保ちつつ避けなさい」
副隊長「必ずどこか魔術が通る場所ができるはずよ」
悟空「よっし!」バシバシ
副隊長「……隊長の魔力なら良かったんだけどね」
313: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:35:21.77 ID:EbC0nqN5o
〜〜
囚人ども「ちぃ!見失った」
囚人ども「おそろしくはぇーやつだぜ」
囚人ども「なぁ、ほっといて外にでようぜ」
囚人ども「そうだそうだ、早く街で暴れてぇ」グヒェヒェヒェ
カツンカツン
副隊長「させると思っていらして?」
悟空「おめぇら悪さして捕まったんだろ?」
囚人ども「お前らの方からノコノコ出てきてくれるたぁなぁ!」
囚人ども「こ、こいつらやっちまってパーっと華添えてや、やる」ヒッヒッヒッヒッ
副隊長「……私はこんな奴らに怯えてしまっていたのね……」ハァァァ
副隊長「貴方はこんな奴らに無駄な体力使う必要はないわ」
囚人ども「急に威勢が良くなりやがって……」
ゾロゾロゾロ
囚人ども「覚悟しなぁ!!」
314: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:36:53.03 ID:EbC0nqN5o
副隊長「あの幽霊騎士に魔を与えられたってわかれば、もはや敵ですらないわ」スッ
副隊長「私こういう性格だけど、本当は光魔法に精通している……のよっ!」ポワポワポワポワ
副隊長「光あれ!」
シュゥゥゥゥ
囚人ども「な、なんだ!?か、身体が!」
囚人ども「ち、ちか、ちから……がぁぁ……!」
バシューーン
囚人どもの骸「」
悟空「いぃ!?骨になっちまっぞ!?」
副隊長「…魔の力を得た代償はその命よ…」
悟空「ひぇー」ナムナム
315: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:37:52.96 ID:EbC0nqN5o
………
……
地下牢 入り口
幽霊騎士「……」シュココォォオ
副隊長「さぁ本場よ!」
悟空「へへっ!もうおめぇに負けねぇーからな!」
幽霊騎士「……」ギャリン
ザックザッグザック
副隊長「来たっ!手筈通りよ!」
悟空「おっし!」ハァァァ
幽霊騎士「……」ブォォォン
悟空「よっ!」スッ
バッバッ
副隊長「火の精よッ!」ボッ
幽霊騎士「……」ズゥ バシュン
タッタッタッタッ
副隊長「次!火の精よッ!」ボッ
幽霊騎士「……」グルリ バシュン
316: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:38:56.30 ID:EbC0nqN5o
幽霊騎士「……」ギンッ ダッ
悟空「こっちだ!」ハァッ
ガンガンガン
幽霊騎士「……!」ダイトウ ガンガンガン
悟空「やっぱ硬えぇ」
バッバッ
副隊長「土の精よッ」メコッ モワッ
幽霊騎士「……」ガッ ヒョイ
悟空「そりゃそりゃ!」ガンガンガン
バッバッ
317: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:40:03.51 ID:EbC0nqN5o
副隊長「風の精よッ!」シュルシュル
幽霊騎士「……!」ビャンビャンボワァンビャン
副隊長「!」
幽霊騎士「……」ブォォォンブォォォン
悟空「おっとっと!」ヒュン
副隊長「今の見た!?」
悟空「腹のちょい右下が変だったぞぉ」
副隊長「体内に仕込んであるようね……魔の透過ですり抜けるからくりよ」
悟空「どうすんだ?」ヨット
副隊長「私の威力じゃ突破できないから、貴方に託すわ」
悟空「託すわって」
318: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:41:29.51 ID:EbC0nqN5o
副隊長「私副隊長なの。役目は隊長のサポート」ポワポワポワポワ
副隊長「一気に決めてよね!」ポワポワポワポワ
幽霊騎士「……」スッ
仁王立ち
ギャンギャンギャン
悟空「またあれだ!力吸いとられんぞ!」くっ
副隊長「……まだよっ!」ポワポワポワポワ
ギャンギャンギャンギャンギャン
ポワポワポワポワポワポワポワポワ
悟空「くぅぅぅ!ま、まだか!?」
副隊長「もぉーーすこし……ハァァ!」
ハッ!
悟空「おっ!!」キュィン
右手が輝く
副隊長「き、決めちゃってよね」
幽霊騎士「……!」
悟空「ダァァァァァァァ!!」バッ
カッ!!!!!
パリン……
319: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:42:51.57 ID:EbC0nqN5o
…………
……
地下衛兵「あ、ありがとうございました!!」バッ
地下衛兵「なんとお礼を言えば」ウッ
悟空「ハハッ。無事で良かったぞ」
副隊長「もぉー、くったくただわ……」
地下衛兵「まさか囚人達が魔に目をつけられるなんて」
地下衛兵「自分は一足先に報告に参ります!」タッ
320: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:43:51.23 ID:EbC0nqN5o
副隊長「……それにしても貴方想像以上に凄いんですね」
悟空「おめぇもなかなかだったおもうんだけどな」
副隊長「はぁ……」
副隊長「それから、その、ごめんなさい」バッ
副隊長「貴方がその隊長を取っちゃうんじゃないかって…勝手に敵視して…」
悟空「オラが何を取るって?」
副隊長「……わからないならいいのよ」
副隊長「でも、本当ありがとうございました!」
ニコッ
321: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:44:24.58 ID:EbC0nqN5o
タッタッタッタッ
地下衛兵「た、大変です!!お、王宮が!!」
322: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:47:03.71 ID:EbC0nqN5o
ナレーション「強敵だった幽霊騎士を副隊長と協力し撃破した悟空。わだかまりもとけ安息かと思いきや、風雲急を告げる声。一体何が起こるのか」
323: ◆m2ofvJWBhA 2017/10/22(日) 02:51:08.30 ID:EbC0nqN5o
オッス オラ悟空!
世の中ひれぇなぁ!副隊長がいなかったらちと危なかったぞぉ。
とにかくオラ力吸われて疲れちまった。
王宮がどうしたって!?お、おい女騎士!無茶すんのはよせ!
324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 02:54:52.13 ID:8yV7V4oR0
乙
魔封波を覚えていた時期だったら幽霊騎士も簡単だっただろうに……
325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 09:33:22.63 ID:Btp2dLy30
悟空さの力でも壊れないのは呪物だからな
326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 11:32:04.33 ID:fPuwOkRN0
悟空は脳筋に見えて色々超能力使えるから魔術も体得できるかもな
327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 13:46:47.73 ID:Btp2dLy30
テレパシー?や記憶を見る?みたいなのもやってたね
329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 15:37:12.09 ID:vcclwhi5O
器用だけどオリジナルの技が少ないんだよな
女騎士「くっ……殺せっ!」悟空「なに言ってんだおめぇ。」【後編】へつづく
・SS宝庫のオススメSS (2017/07/15追加)
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