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恒星間を旅してきた彗星?・水から空へ飛び立つ超軽量ロボ・サウジに商業宇宙港計画 #egjp 週末版98 - Engadget 日本版

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恒星間を旅してきた彗星?・水から空へ飛び立つ超軽量ロボ・サウジに商業宇宙港計画 #egjp 週末版98

ロボべー。

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1週間のあいだに拾いきれなかったニュースをダイジェスト形式でお伝えします。今回は「恒星間を旅してきた彗星?」「水から空へ飛び立つ超軽量ロボ」「サウジに商業宇宙港計画」といった話題をピックアップしました。

米ハーバード大の泳ぐ軽量ロボRoboBeeが大幅進化

 
重量わずか0.1gの超軽量飛行ロボットRoboBeeが潜水を体得したのは2015年のことでしたが、そこが進化の終着点ではありませんでした。その最新版は泳ぐだけでなく、ふたたび空中へと舞い上がることも可能になりました。

たとえばアメンボのような昆虫が水面をスイスイと泳げるように、水の表面張力は小さな物体の侵入を拒みます。また小さく非力なものにとって、水はわれわれが感じる以上に粘る液体となります。ハーバード大はRoboBeeを水中に沈めるためにまず表面張力を破って水中に侵入する方法を考え、さらにRoboBeeにとって最適な羽ばたき速度を空中では220~300Hz、水中では9~13Hzと求めました。

最後は、また表面張力を破って再び空中へと戻る方法。これには、まず水を電気分解して酸素を発生させ、それを蓄えたところへ着火、爆発力を利用して離水するという荒技を利用します。

なお、RoboBeeは将来の災害や事故現場での捜索任務のために用いることを想定しているとのこと。

[Source : Harvard Wyss Institute]

サウジが10億ドルを投じて宇宙港建設へ

 
墜落事故を経験し、その後もより安全性を考慮した宇宙旅客機VSS Unity(SpaceShipTwo)の開発を続けるVirgin Galacticが使用する宇宙港が、サウジアラビアに誕生しそうです。中東の王国は、この宇宙港に対してまず10億ドルを初期投資し、さらに480億ドルを追加投資する用意があるとされます。

Virginはこの投資が「次世代の宇宙機開発、経済的な衛星打ち上げ、さらに宇宙経由の大陸間旅行実現を加速する」と述べました。そして、Virgin Galacticがあと数か月で有人の宇宙飛行を実現するところまで開発が進んでいることも強調しました。なお、サウジの投資は宇宙港だけでなくこうした開発プログラムにも使われるとのことです。

[Source : Virgin Glactic]

ボーイング、組み立て中の商用宇宙飛行用ロケットを公開

 
ボーイングとロッキード・マーチンの合弁会社United Launch Allianceが、有人宇宙飛行用のロケットAtlas Vの組み立ての様子を公開しました。NASAは2014年、ISSへの人員輸送を担うロケットの開発にボーイングとSpaceXを指名しており、これによってロシアに依存している現状を解消する目的があります。

当初は2017年には実用化の予定だったものの計画は遅れ、ようやくロケットの組み立てが始まったところ。これはNASAの認定プロセスを消化するためでもあり、有人飛行試験の前に確実な動作ができることを確認する目的もあります。

現在伝えられるところでは、ボーイングの有人飛行テストは当初目標としていた2017年から遅れ、2018~2019年になると言われています。

一方で、ボーイングとは別に人員輸送用ロケットを開発しているSpaceXは、人員輸送も想定するFalcon Heavyの初打ち上げを11月に予定しています。毎月のようにロケットを打ち上げているSpaceXが一歩先んじているようにも思えるものの、CST-100 Starliner宇宙船を打ち上げるAtlas Vの早期の完成も期待したいところです。
[Source : NASA]

寒い日も太陽熱を吸収して室温を維持するソーラーウィンドウ

 
(冬場の)建物は、その窓から約20%もの熱を屋外に逃してしまうと言われます。そして、ガラス張りのオフィスビルの場合はさらにその数字が大きなものになるとのこと。

スウェーデンのヨーテボリ大学の研究者は、ガラスに照射する太陽光を吸収し発熱するプラズモニック・ナノアンテナを開発しました。この無色透明の素材を窓ガラスの表面に加工しておくだけで、太陽熱式ヒートスクリーンができあがるとしています。

研究チームは現在、紫外線や近赤外線をも吸収してさらに太陽光から熱を取り出せるように研究を続けているとのこと。もしかしたら、今後は寒い冬場の暖房器具がさほど必要でなくなるかもしれません。

ただこの素材、日差しがきつくなる夏場の発熱がどうなるかが気になるところ。北欧のスウェーデンなら問題ないのかもしれませんが、猛暑にあえぐ近年の日本の夏のことを考えると、窓ガラスに直接この素材を使うのはあまり得策でなさそうです。

[Source : Nano Letters]

太陽系外からやってきた彗星(小惑星)発見?

 
10月19日にハワイ大学のPan-STARRS1望遠鏡が発見した彗星"C/2017 U1"は、円盤状にまわる太陽系惑星の起動に対して、垂直方向からやってきたことから「太陽系以外の場所から飛来した可能性」があるとNASAが発表しました。

これまで、太陽に接近しては去ってゆく彗星はすべて太陽系の外縁にあるとされるエッジワース・カイパーベルトもしくはオールトの雲からやってくるとされていました。しかし、太陽を中心とする天体はすべて円盤上に軌道を得るはずが、今回の C/2017 U1 はそうではないところから、太陽系外を起源とする天体である可能性が考えられます。

広大な宇宙には、恒星や褐色矮星などに束縛されずに浮遊している惑星があるとされ、実際にその候補も見つかっています。しかしC/2017 U1が太陽系外起源と確認されれば、これが史上初の発見となるはず。NASAは現在「世界中の望遠鏡がこの天体に向けられている」、「すでに得られているデータも C/2017 U1 が恒星間を移動するものだと示しているが、さらなる観測がその確定を助けることになるだろう」としています。

C/2017 U1 は直系400m以下の小さな天体で、現在は地球から遠ざかる方向に秒速25.5kmで移動しているとのことです。もし今後この彗星の軌道が確認できるならば、それは宇宙に関する知見を拡大するものとなります。また恒星系が彗星を互いに「交換」する可能性の証拠にもなり得ます。
[Source : IAU Minor Planet Center]

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