人体の自動運転とは… 「ハンガーを頭にかぶると、自然と頭が回ってしまう」原理応用:DCEXPO2017
「近未来の日常生活」を想像させるテクノロジー展示
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10月29日まで日本科学未来館で開催されていたDCEXPO 2017より。
VR関連の展示が目立った今回のDCEXPOですが、もちろんそれ以外にも、新たな研究成果や技術、製品のプロトタイプが見られました。
Gallery: DCEXPO 2017 | 15 Photos
電気通信大学 情報理工学研究科 梶本研究室は「ハンガーを頭にかぶると、自然と頭が回ってしまう」、いわゆる「ハンガー反射」と呼ばれる触覚の錯覚運動を利用した、歩行操作システムのデモを行っていました。
本システムは、空気圧によって任意に収縮できる風船が後方内側の左右に取り付けられたベルトを腰に装着し、風船の膨らみによって生じるハンガー反射を利用して、歩行方向を制御する仕組み。
スリングバッグに入っていたエアポンプ
デモでは体験者がエアポンプ内蔵のスリングバッグと風船付きベルトを装着してゆっくりと歩きながら、コントローラーで左右方向を指定すると方向に対応した風船が膨らみ、選んだ方向へ自然と進んでいくという体験ができました。反射に逆らうこともできなくはありませんが、歩きながら咄嗟に反対側へ方向転換するのはかなり難しいと感じました。
ハンガー反射の発生メカニズムは現在のところ完全には解明されていませんが、発生しやすい体の部位など発生条件が明らかになりつつあることから、装着可能なインターフェイスとして、あるいはリハビリテーションにおける姿勢制御装置などへの活用が期待されています。
同研究室ではハンガー反射を利用した身体操作装置を「身体拡張アプリケーションのプロトタイプ」と位置付けており、身体の「遠隔歩行操作」、「自動運転」、「駆動補助」を行う方向性を模索しています。研究室のスタッフは具体的な活用例として、Google Mapで設定した経路に沿って人を"自動運転"し、道に迷わず目的地へ送り届けるサービス(デバイス)などが考えられると話していました。
株式会社MoriXは「指紋認証機能付きICカード」を展示していました。自社開発のセンサーと認証アルゴリズムを利用しており、認証時間は1秒以内。一般的な指紋認証リーダーと異なる点は、ICカード自体に薄型の読み取りセンサーを内蔵するところで、対応端末へ差し込み、カード側で指紋を認証し、認証情報を端末側に送信して、サービスを利用する流れです。
本カードでは指紋そのもののイメージデータを持たず、また認証がカード内だけで完結するため、指紋情報が流出しにくい点をメリットと謳っており、活用分野としては社会保障、金融、医療のほか、身分証の機能として、あるいはパスポートなどの入出国管理、社員証などのアクセス管理などでの利用を見込みます。
対応端末はまだ存在しませんが、2018年中には一般市場での採用が進む見通しです。
NTTドコモが2017年4月に発表した「浮遊球体ドローンディスプレイ」の展示もありました。会場では飛行こそしていませんでしたが、高速で回転するLEDフレームに様々な映像を映していました。現物の初出は4月に開催されたニコニコ超会議。
144灯のLEDを備えた8本のフレームを高速回転させて、全方向に24fps(8本×3回転/秒)の映像を表示可能。内部にはドローンが入っており、一般的なドローンと同様の運用ができます。フレーム込みの直径は88cmで、映像を映した状態で飛行していると、あたかも球形のディスプレイが浮遊しているように見えます。映像の解像度は144×136ピクセル。
アドバルーンのような使い方も考えられますが、NTTドコモのスタッフによると、浮遊時間はドローンのバッテリーに依存し、バッテリーもそれほど長時間持続しないため、スポットで多数飛ばして目立たせるような用途が現実的とのことです。
2018年発売予定の全自動洗濯物たたみ機「Laundroid」(ランドロイド)も展示されていました。
本体下部に乾いた衣類を入れておくと、内部で自動的に折りたたまれて、最終的に本体中央の衣装棚に収めてくれる、いわばクローゼット型ロボットです。衣類の種類も識別可能であり、本体内部では「つかむ」、「広げる」、「種類を識別する」、「折りたたむ」、「仕分けて収納する」といった動作が行われます。
具体的な機構は企業秘密な部分も多いようで、動画でもその動きを窺い知ることはできませんが、機能面ではCerevoの多機能デスクライト「Lumigent」と連携して、音声認識による操作を行えるなど、なかなか未来感のある仕様となっています。2017年5月より予約受け付けを開始しており、価格は185万円から。