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iPhone Xの国内最速実機レポート。Face IDやカメラの実力をチェックしつつ秋の長野を旅してみました - Engadget 日本版

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iPhone Xの国内最速実機レポート。Face IDやカメラの実力をチェックしつつ秋の長野を旅してみました

Face IDは想像以上に優秀

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iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

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Appleは11月3日に、iPhone Xを発売する。これに先駆けて、AppleよりiPhone Xのシルバー256GBモデルを借り受け、レビューをしながら長野県への出張を兼ねた小旅行に出かけてきたので、その模様をお伝えする。

iPhone Xは、「Appleの未来のiPhoneの姿を提示する存在」として披露された。iPhone 10年の歴史を引継ぎ、これからの10年を作っていく、そんな重責を担う存在だ。

搭載しているA11 Bionicプロセッサは、新しいTrueDepthカメラシステムとニューラルネットワークを駆使した顔面認証Face IDや、拡張現実アプリを軽々と動作させる、Geekbench 4のデュアルコアのスコア10000を上回る性能を誇り、iPhone Xの体験の核となることは間違いない。

iPhone史上最大の5.8インチ有機ELディスプレイを初めて採用したSuper Retinaディスプレイは、iPhoneの前面全てを覆い、10年間親しまれてきたホームボタンも、フリックを中心としたジェスチャーに置き換えられた。

こうした過剰なスペックの飛躍が注目される一方で、筆者が注目したかったのは、普段iPhoneを使っている体験が、どのように変化するのか、ということだった。

iPhone 8の感覚でポケットに

Appleは2014年以降、iPhoneのサイズを4インチ、4.7インチ、5.5インチの3つのサイズで展開してきた。その最新モデルはそれぞれ、iPhone SE、iPhone 8、そしてiPhone 8 Plus。iPhone 8 Plusは大画面と2つの背面カメラという、iPhoneの中でも最高峰となるスペックを誇っている。

その一方で、毎日使うスマートフォンにとって、筆者はサイズ感も重要だと思っている。手が小さめの筆者にとって、5.5インチのiPhone 8 Plusは片手では扱えないサイズで、iPhone 7以降、4.7インチモデルを選び続けてきた。

iPhone史上最大の画面サイズを誇るiPhone Xのデザインについての筆者の最大の関心事は、片手で扱えるかどうかだった。結論から言えば、「ケース付きのiPhone 8とほぼ同じサイズ」で扱うことができた。
そうなると、俄然iPhone Xのスペック面での魅力が強調されてくる。大きな画面サイズと、2つの背面カメラという、5.5インチモデルの魅力を、4.7インチモデル+αのサイズで利用できるからだ。

ポケットにも収めることができるし、片手での文字入力も対応できる。握ってちゃんと左右の端に親指が届くのだ。もちろん人によって手のサイズは異なるため、iPhone 8 Plusでもきちんと届くという人もいるだろうが、そういう人にとってはより扱いやすいサイズ、ということになる。

Face IDの操作性

iPhone Xを使い始める時、まずはじめにFace IDの設定を行うことになる。Face IDは、なくなったホームボタンに内蔵されていた指紋認証Touch IDの代わりに採用された、TrueDepthカメラシステムを用いた顔認証システム。

1つのiPhone Xに1つの顔を登録しておけば、Touch IDと同等のスピードでロック解除やApple Pay支払いができる仕組みだ。登録は何度も指をペタペタホームボタンに押しつける手間なく、首を2度ほどぐるりと回せば良いだけだ。

あとはロック解除をしたいときに画面をタップで点灯させたり、端末を傾けて、iPhone Xを見るだけで良い。ホームボタンを押す代わりに画面下端を上に短くフリックすることで、Face IDの認証と合わせて、ホーム画面を瞬時に開くことができる。

筆者は普段サンフランシスコ近郊のバークレーに住んでおり、iPhone Xのレビュー初日に東京へ飛行機で移動し、長野へドライブした。その暗い機内で、ブルーライトカットレンズのメガネをかけていても、Face IDは問題なく筆者の顔を認識してくれた。

ドライブ中にサングラスをかけても大丈夫だったし、テーブルにiPhone Xを置いて、片肘をついて、片方の頬を手で隠していても、認識してくれた。仏頂面だろうが、笑っていようが、それも関係なかった。
つまり、Face IDのために我々が何か準備する必要はほとんどない、ということだ。

指紋認証のように、そとから「生体認証している」と気づかれる事はないが、自分自身はiPhone Xを見るため、自分だけが認証していることを知っている、という状態。一般人のスマートフォン利用で、これがセキュリティ上を左右するとは思わないが、自分だけがロック解除の意図を持っていることを知っていると思うと、どこかスパイ映画のようで毎回楽しい感覚を覚える。

Super Retinaディスプレイの妙味

iPhone Xに搭載された有機ELディスプレイは5.8インチという大型サイズだ。通常のアプリ利用では、センサーハウジング周辺と、ホームボタンの代わりに割り当てられたフリック操作をする領域がセーフエリアとして避けられるが、写真やビデオなどを再生する際には、全画面に拡大して表示できる。

コントラスト比100万:1、高色域P3対応のディスプレイは、黒い部分をしっかりと黒く表示させ、色をより鮮やかに印象づける。カラーの写真もモノクロの写真も、iPhone X以前に撮影した写真を含め、腕が上がったような錯覚すら覚える。

有機ELディスプレイは一般的に、黒い部分は消灯しているため、ユーザーインターフェイスを黒くすれば省電力性が高まる。しかしAppleは標準のインターフェイスをこれまでのiPhoneと同じ白を主体とした構成にしている。

その理由として、白い紙に黒い文字を読むのが、これまでの体験だったから、と説明する。iPhone Xには周辺の環境光を6色のセンサーで読み取りホワイトバランスを調整するTrueToneディスプレイが採用され、紙で文字を読む体験にもこだわっていることがうかがえる。

その上で、バッテリーはiPhone 7より2時間長持ちするとしており、有機ELディスプレイだからといって、人々の体験を反転させることはせず、バランスを取っているという。

同様に、有機ELディスプレイだからといって、過剰に色を濃く表示することもせず、正しい色を表示するよう、ディスプレイをコントロールするソフトウェアもAppleが手がける。そのため、Retina HDディスプレイを搭載する他のiPhoneと比べても、黒以外の発色で違和感を覚えることはなかった。

その分、黒の濃さが際立ち、引き締まった映像体験が得られる点はiPhone Xのディスプレイの旨み、といえる。

iPhoneで最高のカメラ体験

iPhone Xの背面カメラセンサーは、iPhone 8やiPhone 8 Plusと共通の1200万画素と高速化された新しいもので、カラーフィルタや光学手ぶれ補正機構にも手を入れ、暗所により強い性能を手に入れている。

iPhone Xでは、これに加え、望遠カメラについても光学手ぶれ補正を加え、f2.8からf2.4へとレンズも明るくなった。もちろん、望遠レンズを使った撮影、特にポートレートモードでの撮影が暗所に強くなり、また動画撮影についてもより安定した映像が得られるようになる。

筆者は今回、東京から中央高速を使って、長野県の蓼科から軽井沢へ抜けるルートを辿った。その中間にある上田への出張があったからだ。蓼科近辺の1200m前後の標高では紅葉が見頃となっており、また軽井沢も美しく色づく木々が楽しめた。

iPhone Xで撮影した真っ赤な木々や、水面に映る色づいた景色は、iPhone Xのディスプレイでみると、そのときの印象ごと蘇るようだった。

iPhone XにインストールしたAdobe Lightroom CCで、iPhone Xのレンズを強制的に入れ替えて撮影してみると、広角レンズの焦点距離は29mmとiPhone 8 Plusと同じだったが、望遠レンズの焦点距離は52mmと、iPhone 8 Plusの57mmよりもやや広角寄りとなっていることがわかる(焦点距離はいずれも、35mm換算)。50mmがいわゆる標準レンズと言われていることから、この焦点距離に近づいていることがわかった。

セルフィーのポートレートモードは旅で活躍する

iPhone Xのカメラで最大の魅力はセルフィーにポートレートモードを利用できるようになった点だ。

TrueDepthカメラによって被写体と背景を正しく認識できるようになったため、レンズが1つでも、背景をぼかすエフェクトがかけられるようになった。

今回一人旅だったが、ポートレートモードの写真を手持ちでも撮影できるようになった。もちろん、ツーショットのセルフィーでも背景をボケさせることができるし、インカメラを使った多彩な撮影は、旅や観光にぴったりだ。

セルフィーのポートレートモードの魅力は、望遠レンズを使わないため、普段のセルフィーと同じ感覚で撮影できる点だ。

背面カメラでポートレート撮影を行う際、どうしても被写体から2.5mほど離れなければならず、しかも望遠レンズの画角に固定されてしまっていた。確かに仕上がるポートレート写真は魅力的だが、構図の自由度が損なわれる点で扱いにくさがあった。

TrueDepthカメラシステムでのセルフィーのポートレート撮影は、背面のカメラのような制限がなく、普段どおりのセルフィー撮影を行うことができる。そのため、あらゆるセルフィーをポートレートモードで撮影しておくと良いかもしれない。

ポートレートモードで撮影した写真は、編集画面でポートレートモードをオフにすることもでき、背景を残した写真に戻すこともできる。またiOS 11で採用されたポートレートライティングで、光の加減を編集することもでき、1枚の写真ながら、用途や目的に応じて様々な活用ができるようになるのだ。

自然にスマホの可能性を拡げてくれる未来のiPhone

iPhone Xを短い期間ながら生活の中で利用してきた。今回は旅、というシチュエーションで、運転中のナビゲーションとして利用したり、旅先での写真撮影をiPhone Xのみで済ませたり、出張の際にはプレゼンもiPhone XのKeynoteでこなすことができた。

おそらく現在のiPhoneユーザーの多くは、様々なアプリを活用しながら、自分たちの生活にiPhoneをフィットさせており、その用途も十人十色だと思う。iPhone Xが決定的に、そうした生活の中でのiPhoneの姿を変えるわけではない。

高い処理能力は、より高度なゲームや処理を快適にこなし、進化したカメラは記憶をより鮮明に残し、大きなディスプレイは映像視聴をより快適にし、Face IDはよりシンプルにセキュリティを高める。

iPhone Xは、これまでのiPhoneがある生活の延長上で、より自由度を高め、可能性を拡げるプラットホームを提供してくれるのだ。そうした線形の進化を先取りしたい人、これに加え、よりセルフィーを魅力的にしたい人には、iPhone Xは「今選ぶべきスマートフォン」となるだろう。

著者:松村太郎
1980年東京生まれ。米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了後、テクノロジーとライフスタイルをテーマに執筆活動を続ける。テクノロジーと教育で問題解決に取り組むキャスタリア株式会社取締役。プログラミング必修の通信制高校コードアカデミー高等学校の創立副校長を務め、現在スーパーバイザーを務める。

関連キーワード: apple, faceid, ios, iphone, iphonex, REVIEW
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