9690467「ニュースステーション」のメインキャスターを務めていた久米宏(73)が、“自伝的エッセイ”を刊行。関わった様々な番組の秘話とともに、これまで明かされなかった「ニュースステーション」降板のワケを綴っていた・・



久米宏、エッセイで初めて明かした「ニュースステーション」降板のワケ


内容は、少年時代から始まり、TBSの局アナ時代に関わったクイズ番組「ぴったし カン・カン」や、最高視聴率41・9%を記録の歌番組「ザ・ベストテン」などの裏話が書かれている。


『久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった』


例えば、1982年から85年まで続いた「久米宏のTVスクランブル」。番組のテーマは、「誰もが自由にものを言える社会」だ。久米のたっての希望で、相手役として〈常に自分の本音を口にした〉横山やすしを起用。

〈本番中に「久米ちゃん、しょんべん」と言って途中退席し、そのまま帰ってこない。(中略)視聴者も彼のハチャメチャな言動にいつもハラハラ、ワクワクしていたと思う〉

 今では考えられないが、テレビが自由な時代だった。


生放送中に退席する横山やすし



なにより興味深いのは、久米自身も一番ページを割いている、「ニュースステーション」についての記述だ。

 85年に誕生した番組は、従来の報道番組に無いセットを構え、都会的でファッショナブルな作りがウケた。その一方で、

〈発信力が高まるにつれ、自民党の番組に対する批判は激しさを増した〉

 全4795回の平均視聴率は14・4%。報道番組としては圧倒的な数字だ。にもかかわらず、彼は18年半続けた番組を、なぜ、降りてしまったのか。


最近の久米宏さん
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〈「政治とテレビの関係」にあったのかもしれないと今になって思う〉

 2001年に小泉政権が誕生した際、マスコミを巧みに利用した「小泉劇場」の演出に、結果的にテレビが加担したことで、

〈そこに生じた、テレビと政治のいわば「不義密通の関係」。(中略)政治とテレビの関係に嫌な予感を覚えたことが、「そろそろ潮時だ」と決めるに至った原因ではなかったか〉・・










ニュースステーション 最終回