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http://japanese.engadget.com/2017/11/07/mbp-cpu-amd-gpu-cpu/


次期MBPのCPUはコレか。インテルがAMD製GPUを統合したノート用CPUをプレビュー - Engadget 日本版

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次期MBPのCPUはコレか。インテルがAMD製GPUを統合したノート用CPUをプレビュー

実はとある記事により、登場はほぼ確定視されていたモデルです

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米インテルがAMD製GPU(Radeonシリーズ)を単一の半導体パッケージに統合した、新型CPUのリリースを予告しました。搭載PCの登場予定は2018年第1四半期(1から3月)です。

インテルとAMDの両社はCPUにおいて強力なライバル関係にあることから、これは「呉越同舟」的な、あるいはPC向け半導体業界において一つの記念となる大きなインパクトを持った製品です。

リリースによれば、このモデルは第8世代Core iシリーズに属しており(つまりシリーズ名レベルでは特別扱いしないということ)、またターゲットは「単体GPUを搭載する、エンスージアスト向けのモバイルノートPC」とのこと。

Gallery: IntelのRadeon統合CPU | 6 Photos


▲インテルの公式動画で紹介された搭載PC例。VR用バックパックPCが含まれる点からも、相応以上のGPU速度は備えていそうです


なお、性能面に関しては少しだけながらヒントが公開されており、CPU側はゲーム用ノートPCなどに搭載されるHシリーズ(消費電力と発熱の目安となる「TDP」は45W)がベースとのこと。物理4コアを搭載する、モバイル用としてはかなりの高性能に位置します。

気になるRadeon側はほとんど情報がありませんが、リリースには「セミカスタムGPU」との記載があります。またターゲットとなるPCの性能(公式動画ではVR用バックパックPCも含まれます)や、ビデオメモリにHBM2(高価だが実装面積が小さく、高速なチップ)を採用する点、そしてGPUダイの面積などから、現行Radeonのミドルレンジ級以上では、との予想が有力視されています。


▲EMIBの模式図。CPUやGPUのダイ(半導体本体)が装着された基板の内部に位置します


さて、半導体においては統合と言ってもいろいろなレベルがありますが、今回は半導体パッケージレベルでの統合。つまり、CPUとGPUのダイ(半導体チップ)は別となっているものの、1つの基板上にまとめられている、という構成です。

そして技術的な特徴となるのが、CPUとGPU間の接続に、インテルの新技術「Embedded Multi-Die Interconnect Bridge」(EMIB)を採用する点。これは超高密度配線を施した小型シリコン基板で、比較的小さな面積で超高速データ転送を実現できるというメリットを持ちます。

▲インテルが提示した、現行のCPU+GPU+ビデオメモリ(左)と新CPU(右)の面積比較。実装面積の削減という点では大きな効果を持ちます


本CPUの開発目標には「単体GPUを搭載するノートPCの基板面積を縮小し、いわゆるUltrabook級の薄型ノートPCの底面積と薄さに収める」という点があるため、面積の縮小は重要。EMIBはそうした目的からの採用と考えられます。


▲こちらも公式動画より。模式図のため外観は実物(タイトル写真)とは異なりますが、ダイの役割は面積からも合致しているはずです


面積の縮小という点でもう一点重要なのは、Radeon側のビデオメモリに『HBM2』タイプを採用する点。HBM2は現在一般的なGDDR5メモリと比較して、データ転送速度では同等か上回り、さらに面積を大幅に縮小できます。

モバイル向けのRadeonにHBM2メモリを搭載するモデルは、Radeonの本家となるAMD製モデルも含めて初となるため、技術的にはここも大いに注目できるところです。

インテルはプレスリリースで「これは競争力と協業力のすばらしい例であり、最終的には消費者にとってメリットとなるイノベーションを提供できる」とまとめていますが、薄型のモバイルノートにより強力なGPUが搭載できるという路線は、よりパワフルなモバイルPCを求める層には歓迎すべき方向性。

現行モデルでもインテル製CPU+Radeonの構成を採用しており、それゆえに今回の製品が搭載されるのでは、と目されている次世代MacBook Proシリーズをはじめ、現在ホットな市場となりつつある薄型ゲーム用ノートPCなどでも注目できそうなモデルでしょう。




以下余談。実はこの「インテル製CPUコア+Radeonの1チップ製品」は、これまでにも数回噂が出ていました。が、2017年4月の時点で、通常のパターンとは若干異なった記事が専門誌に出たことから、登場はほぼ確定的と見られていた、という経緯があります。

時系列的に流れを追うと、2016年に「インテルとAMDのクロスライセンスが拡大し、こういった製品が登場するかも」という旨の話が発祥となり、2017年3月には噂が再燃。海外のPCハードウェア系サイトが並んで噂の記事を紹介するというパターンとなりました。

ちょっと違ったのはこのあと。4月13日にインプレスのPC Watchが、CPUの製品計画に詳しいライターの後藤(宏茂)氏による当該製品の記事を掲載したのですが、そのタイトルは「IntelがHBM2とAMD GPUダイを統合した『Kaby Lake-G』を年内に投入」と、噂話という断りがないものでした(末尾の「Coverage」欄にリンクしています)。

これに加えて本文も、投入するという点に関しては既に確定しており、それを前提とした技術的詳細を解説する、というまとめ方だったのです(AMD製GPUである点などに関しては、噂話を受けてと書いていますが)。

そのため筆者の周りのライター間では「後藤氏までが噂扱いではない記事を出すのであれば、これは間違いないだろう」と言われていたモデル。こうした経緯から「出る出ないではなく、いつ出るのか」が問題となっていた製品だったというわけです。

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