だいぶ寒くなってきたこの時期、通勤通学で手袋を利用し始めている人も多いと思います。最近はタッチパネル対応の手袋が珍しくなくなっており、手袋を付けたままスマートフォンを操作できて大変便利。ただ、当然ながら指紋認証は利用できず、仕方なくPINやパターンロックなどを併用しているのではないでしょうか。
そんな人に重宝しそうな、手袋のまま指紋認証できる「疑似指紋 Diper ID」を見つけたので紹介します。
この疑似指紋、スマートフォン対応の手袋「EVOLG」を販売するエーチームが開発したもの。指紋のようなパターンを立体的に印刷したシールで、手袋の指先に貼り付けて使います。
エーチームやEVOLGのサイトにも製品情報がなく、Amazonや楽天でも販売されていないのですが、東急ハンズやLOFTなど、全国のEVOLG取り扱い店で販売しているようです。私は亀有のLOFTで購入しました。
▲スマホ対応手袋に使う小さいなタイプ(4枚入り)(右)とスマホ非対応な手袋でも使える細長いタイプ(3枚入り)(左)があります。このほか、スマホ対応で2枚入りもあるようです。
表面は指紋というより、合皮のような感じです。それぞれ独自のパターンになっており、他のDiper IDでは認証されないとのこと。
手袋へは小さな突起部分を先に向け、両面テープで貼り付けます。これ自体に導電性があるようで、貼りつけた状態でもタッチパネルの操作が可能です。突起部分でタッチするとスムーズに操作できます。
貼り付けたまま洗濯もできるようですが、両面テープで貼っているだけなので耐久性は不明。1シーズン毎に買い替える必要があるかもしれません。
指紋の登録は通常通りに行えます。
認証自体も指を使うのと大差なく、スムーズに認証されました。
もう一つのスマホ非対応手袋用の細長いタイプですが、スマホ非対応手袋がなかったので、タッチ操作に対応していない薬指に貼ってみました。
それをうたっているので当然と言えば当然ですが、指紋認証が利用できた他、タッチ操作も可能でした。この細長い形状がポイントのようです。
Androidでは(ほとんど)利用不可
とても便利そうなDiper IDですが、残念ながらAndroidでは上手く利用できませんでした。パッケージの裏にも「Diper IDはTouch IDに特化した疑似指紋シールです。他の端末については動作確認を行っていません」と記載があり、Androidで使おうと思っている人は注意が必要です。手元にあった端末で確認したところ、下記の端末では指紋の登録ができませんでした。
- Galaxy Note8
- Galaxy S8+
- Pixle 2 XL
- Nexus 5X
- Essential Phone(PH-1)
- Mi MIX2
- HUAWEI Mate9
- HUAWEI P9
唯一登録出来たのがGalaxy S7とGalaxy S7 Edge。登録は何度かやり直す必要がありましたが、認証自体はスムーズに行えています。同一メーカーでも端末によって使える使えないがあるようです。
iPhoneユーザーなら便利、ただセキュリティには注意を
iPhone XではFace IDになったので、この手の製品は不要ですが、iPhone 8までのユーザーならかなり便利に使えるのでははいでしょうか。ただ、iPhoneで登録できる指紋は5つまで。手袋と自分の指を合わせると、とても足りそうになく、何を優先するのかで悩みそうです。
Androidユーザーとしては、残念な結果ですが、最近のハイエンド端末なら顔認証や虹彩認証にも対応している機種が増えており、指紋認証の重要性が低くはなっています。それでも、やはり今後Androidにも対応した製品が出てきてほしいところです。
なお、この製品を使う注意点として、他の人が疑似指紋を貼った手袋を利用してロック解除が可能な点が挙げられます。たとえば机の上に手袋とiPhoneがおいてあれば、誰でも容易に解除できてしまいます。
「やましいことが無いから大丈夫!」という人も子供がいつの間にかTouch IDを使って買い物していたなんてことが起こり得るので、その点だけはくれぐれもご注意を。