9709482荒川弘による世界的人気コミックを実写化した映画『鋼の錬金術師』は、なぜ西洋風の世界観でありながら日本人キャストがそろえられたのか。そこにはある理由があった。原作の背景から研究し、本作を作り上げた曽利文彦監督がインタビューで明かした・・



映画『鋼の錬金術師』が全員日本人キャストになった意図


ーー原作キャラクターは西洋ファンタジーのような出で立ちですが、日本人キャストで作り上げた理由もそこに?

曽利文彦監督: 例えばイギリスのような具体的な国名が出ていたら、イギリスなのに日本人“だけ”しかいないとなれば違和感しかないと思います。しかし今回は架空の国で何も制約がなかったというところが大きかった。

コミックスは日本語で描かれているので、セリフ一つにしても英語で言われるとしっくりこない部分が出てくると思います。


●映画「鋼の錬金術師」



ましてや描かれている荒川先生自体が日本人なので、ルックはヨーロッパ調であっても、登場する文化や人間の関係性やソウルの部分が確実に日本なんですよね。それを映画化する際にルックだけ合わせに行っても、「鋼の錬金術師」にはならないと自分は思っています。

日本人が演じることで、荒川先生が描こうとしたテーマやキャラクターの人間性・関係性を全くズレずに描けると思うんです。
もし欧米の方が演じられたら、外見はよりパーフェクトなものになるかもしれませんが、ハートの部分やソウルの部分は明らかに違うものになる。日本人キャストで、日本人が本作を手掛ける意味はそこにあると思います。


●映画『鋼の錬金術師』TV-CM(バトル編)



ーー今回のキャストをそろえて、日本人が作ることに理由がある。

「鋼の錬金術師」には有名なセリフもありますけれども、日本人が気持ちを乗せて発したセリフが一番われわれに響くと思います。
ルックはある程度寄せていけても、心の部分や文化の違いを寄せることは相当難しい。その面を考えると日本人キャストでよかったと思います。芯を捉えた「鋼の錬金術師」になったと自分は思いますね。

ーー確かに人気のセリフの一つ「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」を英語で聞いても、しっくりこない気がします。

 こないですよね(笑)。日本語で聞きたいですし、あの気持ちは日本人だと思います。もちろんルックはいろんなご意見、ご批判あると思いますし、イメージに合う・合わないがあるかと思いますが、どちらを重要視するかですよね。
でも映画ではストーリーを鑑みなければならない。そこに日本人で映画『鋼の錬金術師』を作る意味はあったと思います・・

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