レビューの舞台はたんばらスキーパーク。東京から車で約2時間と比較的近く、日帰りも可能なゲレンデです。それではいざゲレンデへ......。
貸し出されたPRO TREK Smart WSD-F20Xは、事前にiPhoneとペアリングし、地図やアプリなど必要なものをダウンロード、各種設定も済ませて臨みました。筆者は複数所有するスマートフォン全てがiPhoneなのですが、ペアリングもアプリなどのダウンロードも、過去のレビューで一度触っていることもありスムースに行えました。
iPhoneは7から耐水性能が付加されましたが、転倒や万一の故障に備えて防水、防塵、防雪、耐衝撃機能をもつLifeProofのケース「LIFEPROOF FRE」を導入しました。ウェアのポケットに入れた際にも、蒸発した汗や入り込んだ雪による水蒸気への対策にもなります。
一方、iPhoneそのものに防水性能があるので、そこまで大げさなケースは不要という場合には、防塵、防雪機能と耐衝撃機能が備わったものや、耐衝撃性能のみのケースでも良いかもしれません。スキーやスノーボードでは時として転倒もしますので、耐衝撃性能があるだけでも安心してゲレンデに繰り出せるでしょう。
防水ケースなど密閉されるケースの利点としては、外気に直接さらされないことで、低気温時のバッテリー運用に若干優位に働きます。耐衝撃性能などでケース自体の厚みもあり、実際にリフトに乗りながら、ゲレンデの途中にて、iPhoneで写真をとったり一緒に行った仲間たちと連絡を取り合うなどのシーンにおいても、低気温によるシャットダウンにはみまわれませんでした。
さて、肝心のPRO TREK Smart WSD-F20Xですが、普段使いのように手首に装着すると、時間やアプリの状況を確認する際にいちいちウェアの袖をまくらねばならず、寒いし不便です。季節を問わず、アウトドアで使用する場合にはウェアの袖の上から装着するスタイルをとることも多いのですが、標準装備のソフトウレタンバンドではフリースとジャケットの厚みでバンドの長さが足りない場合もあります。
今回のPRO TREK Smart WSD-F20Xには、ナイロンクロスバンドというオーバージャケットスタイルに使用できる換えバンドが標準で付属しているので、こちらに付け替えて装着しました。
バンドの交換も、スプリング式のラッチで簡単に交換できるので、ゲレンデに着いたらバンドを交換して帰宅時にバンドを戻すという運用が簡単に行えます。
さて、いよいよ新しく追加された機能「Snow」を試します。スキーやスノーボードで滑走する際のスピードや高低差などを計測して記録してくれるもので、基本的にはGPSや加速度センサーなどの情報を元に総合的に集計してくれます。
自動計測のモードにすると一本一本操作しなくとも滑り始めたら計測開始で滑り終わったら計測終了となります。
ゲレンデの途中で一休みしたり他の人を待っている際には、計測は中断され、再び滑り始めると計測を再開します。ただし、一休みした際にペンディングの表記のままなので途中までの記録を参照できません。コースの途中でチェックしたいニーズはあるはずなのでここは改善を期待したい部分です。
リフトに乗った際にも動き出しのスピードで、計測が再開されますが、高度が上がって行くデータは滑走中ではないとしてログには含まれません。
計測データを確認できる利点
計測データが確認できることで、いままで漠然と登っては降りる(滑る)を繰り返していたスキースノーボードの一本一本が自分の滑りを確認するための素材となります。
いままでは、友人やインストラクターなど他人に自分の滑りを見てもらってアドバイスを受けなけれななりませんでしたが、ある程度慣れた人であれば滑走データから改善点を見出したり、タイムやスピードを仲間と競うなどの活用も見込めます。
また、取得データをインストラクターや熟練者に見てもらうことで、滑りをみただけではわからない部分へのアドバイスももらえる可能性もひろがります。
一方で、大きくスラロームしてもデータ上はほぼ真っ直ぐに滑走しているように見えたりと、より細かい計測データが取得できると良いなと思いました。また、他のセンサーとの組み合わせでもよいので、荷重や体重移動などのデータもあわせて取得して振り返りに活かせるようになると、より上級者向け、もしくは初心者の上達を促進する使い方ができるのではないかと思います。
今回試したPRO TREK Smart WSD-F20Xでは、夏に発売されたモデルと比較すると、配色が変更になり、バンドの形状や仕組みが変更になったほか、先に述べたクロスバンドが標準装備となりました。従来モデルのPRO TREK Source:
PRO TREK