2 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
 ――古谷家

櫻子「服が縮んだー?」

櫻子「ぷっくくく、そんなことあるわけないじゃん」ジタバタ

櫻子「あっ、もしかして、ド○えもんの見過ぎでスモールライトが夢に出て来たとか!」ドヤッ

向日葵「もう、そんなんじゃありません」

向日葵「これです」ジャン

櫻子「エンブ……洗剤?」

向日葵「はい。実は安くなっていたので新しく買ってみたのですが、どうもうちの服にあわないらしくて……」

櫻子「?????」

櫻子「え? 洗濯で服が縮むの?」

向日葵「……そんなことも知りませんの」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子「うん。だって洗濯とかしたことないし」

向日葵(撫子さんと花子ちゃんの苦労が目に浮かびますわ)ゲッソリ

向日葵「まあとにかく、自分の分はともかくとして、楓のお気にいるのシャツも一緒に洗ってしまって……」

向日葵「うぅ、あの子がとっても気に行ってるやつだったのに」

向日葵「ほぼ毎日着ていくような、大切なものを……縮めて……」シクシク

櫻子「買えばいいじゃん」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
向日葵「簡単に言わないで下さい。思い入れとかもあるのです」ビシッ

櫻子「そっか。じゃあ……どうしようもないね」

向日葵「どうしようもない……どうしようもない……」グサッ

向日葵「あの子が家に帰ってきて、服が縮んでしまったと知ったら……」

櫻子「怒るだろうね。私だったら電気ショックの刑」

向日葵(ピカチュウ? もうちょっと女の子らしい発想を……)

櫻子「で、どーすんの? 何か考えてあるの?」

向日葵「うぅ、どうしましょう……」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子「(ピピピッ)ふーん。なんか調べてみたけど、熱を使ったら戻るらしいよ」

櫻子「ほら見て。熱と水を使って繊維を伸ばすと、元通りになるんだって」

向日葵「その方法では、元通りにはなりません。繊維がますます痛んでしまいますわ」

櫻子「じゃあこれは? 服が新品よりも綺麗になる方法10」

向日葵「この詳細を見るには別途、登録が必要になります」

櫻子「へー登録するだけでいいんだ」

向日葵「やめなさい。料金とか色々かかります」

櫻子「じゃあこっちは!? 新素材、服が元通りになる洗剤!」イラッ

向日葵「そんなオカルトありえません。また新しい洗剤で、失敗するだけです」

向日葵「だいたいネットの情報を鵜呑みにしてはいけません」

向日葵「世の中にはキュレーションといって、でっちあげの情報を上げる集団も……」クドクド
6 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子「あーもう! イチイチ否定するじゃん!」イライラ

櫻子「そんなに否定するんだったら、素直に謝りなよ!」

櫻子「楓ならそれぐらい、許してくれるでしょ!」

櫻子「もうそれしか方法ないじゃん!」

向日葵「……もちろん、謝ります。でもこの服は、楓にとって思い出深い服なんです」

向日葵「私は楓が大切にしているのを、一番近くで見て来たから……」

櫻子「向日葵って、本当に楓が好きなんだな」

向日葵「なっ/// お、おかしいですか?」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子「うん。すっごい変。私は別に、花子のヨーグルト食べても気にしないし」

櫻子「お姉ちゃんがテレビ見てても、見たいテレビあったらチャンネル変えるし」

櫻子「花子の大事に取ってある牛乳飲んでも気にしない」

櫻子「でもさ、それは私も同じなんだよ」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子「家族に遠慮とかされたくないし、いつでも自然体でいたい」

櫻子「撫子や花子に何をされても、本気で怒ることはないし、いつも笑顔でいたい」

櫻子「楓もきっとそう思ってるよ。向日葵と一緒にいれば、服が縮んだって気にしないよ」

櫻子「だ、だからその、私だって……だから/// 楓に変な気を使わない方がいいって!」テレッ

向日葵「櫻子……」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
向日葵「あなたは謝ることを覚えた方がいいですわよ?」

櫻子イラッ

向日葵「くすっ。でもあなたの気持ちは伝わりましたわ」クスクス

向日葵「楓に一言謝って、それで終わるようにします」

櫻子「そうしろよ。きっと丸く収まるから」

 \ピーンポーン/

櫻子「宅急便? ピザ? カニ?」

向日葵「楓が帰ってくる時間です」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
楓「お姉ちゃん、ただいま。櫻子お姉ちゃんも」

櫻子「おかえりー」

向日葵「あの、楓、実は」コソコソ

楓「その服……」

向日葵「っ!」

櫻子(おいおい、顔色真っ青になって……謝って終わりにするんじゃなかったのかよ)アセアセ

楓(どうして畳んでないんだろ)???
11 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
向日葵「あ、あの、楓……その、私、実はその……」

向日葵「あ、あの、あなたの……そのゴホっ!」

向日葵「ちょっ櫻……「あーもう見てらんねえ!」

櫻子「なんでこんなことでウジウジ悩んでんの! 楓は気にしないって言ってんじゃん!」

向日葵「だけど……」メソメソ

櫻子「さっきも言ったけど、向日葵がそんな風に悩んでる方が楓は気にするって。楓も超心配してんじゃん」

楓「お姉ちゃん……」

向日葵「ごめんなさい。本当にごめんね、楓」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w

櫻子「楓、ほら、この服!」

楓「?」

櫻子「向日葵が新しい洗剤使ったら、服が縮んじゃったんだって。それを気にして、謝りたいって。ほら」

向日葵「ごめんね、楓。私が新しい洗剤を不用心に使ったから」

楓「そんなこと……全然気にしないよ」ニコッ

向日葵「楓……」パァ

櫻子「ふっ」ニヤニヤ
13 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
楓「それにお姉ちゃん……この服、縮んでないよ?」

櫻子「ん?」

 シュルシュル

楓「ほら、普通に着れるよ」

櫻子「……」

向日葵「じゃあ、どうして私の服だけ、着た時にきつくなったのかしら」

櫻子(は? 自分の服を着た時にきつくなったって、それだけの理由で縮んだと思ったの???)
14 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
楓「ひょっとして、お姉ちゃんの胸がまた大きくなったんじゃない?」

向日葵「え?」

楓「ほら、前に下着のサイズが一つ大きくなったし、そのまま服を着て、縮んだように思ったんじゃないかなって」

向日葵「あら。じゃあちょっと測ってみますわね。櫻子はちょっと部屋の外に出てってね」

櫻子「……」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
向日葵「あら本当、大きくなってる! ウエストとか変わってない!」キャッキャ

櫻子「……」

楓「わあ、良かったねお姉ちゃん」キャッキャ

向日葵「けど。これはこれで複雑ですわ」

楓「気にしなくていいと思うの。お姉ちゃんすらーっとしてて、スタイルいいの」ヨカッタネ

向日葵「そうかしら? ありがとう」ニコッ

櫻子「…………」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
向日葵「この洗剤も捨ててしまおうかと思ってましたのに、無駄にならずに済みました」

楓「お姉ちゃん、この洗剤とってもいい匂いがするよ」

向日葵「あら。実は今一番流行ってる洗剤なんですって」

楓「なんだか、この服とっても気持ちいい」

向日葵「嬉しいわ。とっても良い洗剤なのね」

櫻子「………………」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
櫻子(扉の外ではほのぼのとした姉妹の会話が繰り広げられている)

櫻子(私はこれだけ心配したのに、何の見返りもない)

櫻子(私の胸は、なぜ大きくならないのだろう)

櫻子(おっぱいの価値って、なんだろう)

櫻子(姉とは一体なんだろう)   
                      ―完―
18 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
 オマケ!

櫻子「もう、向日葵がおっぱい魔人なのが悪いんだ!」ウォォォ

櫻子「だからクダラナイことでウジウジ悩んだりするんだ!」

向日葵「な、こら! 櫻子どこを触って!」

櫻子「どこも何もおっぱいだよー! こんなイケナイのが惑わせるんだー!」

櫻子「あれ!? このコリっとしたのって……」

向日葵「やんっんあっ……」カァ///

櫻子「あ、いや、その……」カァ///

楓「……」

楓「お姉ちゃんたち、どうしてお顔が赤くなってるの?」

楓「楓に教えて欲しいの」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします gruNSF/w
という感じで、ダイエット回から妄想が広がりました