彡(^)(^)「ワイの将来の夢は医者になることです!」
彡(゚)(゚)「あんな、お医者さんになってお金いっぱい稼いでマッマとパッパに大きい家買うたるからな!」
パッパ「やさしいなあやきうは」
彡(゚)(゚)「やからワイは来年中学生になったら数学と理科いっぱい勉強するんや!算数が苦手なんて言ってられん!」
マッマ「偉いわねぇ……」
小学六年生やきうの将来の夢: 医者
きっかけはテレビで放送されていたスーパードクター特集であった。
神のような技で患者の命を救う姿にやきうは惹き付けられた。
「こんなふうになりたい」「この先生みたいに誰かを助けたい」
その為には自分がどうすべきであるかを頭の中で必死にイメージしていたのだ。
人の命を救い、たくさんのお金を稼げばきっと両親に楽な思いをさせてあげることができる。
いつしかやきうの心は強く医者になりたいという気持ちでいっぱいになっていた。
彡(^)(^)「まあ中学入った言うても小学校の頃のメンバーしかおらんから新鮮味はないな」
(´・ω・`)「やきうくんおはよう」
彡(^)(^)「おっ、原ちゃんおはようやでー」
(´・ω・`)「なんかあんまり実感わかないね」
彡(゚)(゚)「ほんまやで。クラスも小学校と同じで2つしかないし」
(´・ω・`)「やきうくんは何組だったの?」
彡(゚)(゚)「ワイか?ワイはA組やったで~」
(´・ω・`)「あっ、僕といっしょだ!」
彡(^)(^)「ほんまかいな!!嬉しいなぁ」
(´・ω・`)「ふふふ。中学でもよろしくね」
彡(^)(^)「こちらこそや!」
彡(゚)(゚)「アカン……数学さっぱりわからへん」
(*^◯^*)「どこがわからないんだ?」
彡(゚)(゚)「先生…。なんでマイナスとマイナスはかけたらプラスになるんや?」
(*^◯^*)「うーん、そう決まってるんだ!」
彡(゚)(゚)「だっておかしいやろ、マイナスとマイナスかけてプラスになるわけないやん!」
(*^◯^*)「先生にはやきうがわからないのがわからないんだ…」
彡(゚)(゚)「ええ…」
やきう、1年初っ端数学で躓く 危機感を覚える
彡(゚)(゚)「……大丈夫やろか」
ー中間テスト
(´・ω・`)「中間テストって聞くとなんだか一気に中学生って感じがするよね」
彡(゚)(゚)「せやなぁ。小学校にはこんなんなかったもんな!」
(´・ω・`)「僕全然出来た気がしないや…。元から勉強苦手だし中学入ってからますますついてけないよ」
彡(^)(^)「どうにかなるって!大丈夫や!」
彡(゚)(゚)「(うーん…とは言ったものの…国語と英語と社会と理科はええとして……。問題は数学やな…)」
(´・ω・`)「テスト返ってくるのが憂鬱だなぁ」
彡(^)(^)「まあまあ!せっかくテスト期間も終わったことやし今日はいっぱい遊ぼうや!」
(´・ω・`)「う、うん!そうだね!何しようか!」
ヤッパリスマブラヤ! ボクヨワイカラナー ワイワイ… アハハ……
マッマ「おかえりなさい~、ママも今仕事から帰ってきたのよ。あっ、そうそうテストどうだった?」
彡(゚)(゚)「んー、中学はこんな感じでやるんやなあって新鮮さのほうが大きかったわ!」
マッマ「やきういつも勉強してたからいい結果になるといいわね」
彡(-)(-)「でも数学全然自信ないわ…」
マッマ「まだ最初なんだからいーのいーの!ほら手洗って着替えてきなさいな」
彡(^)(^)「おかのした~」
マッマ「テスト頑張ったやきうの為にハンバーグ作るからね」
彡(゚)(゚)「なんと!!マッマさすがや!!日本一の美人はやることが違うで!!」
マッマ「調子いいこと言っちゃって~!ハンバーグ一番大きいの作ってあげちゃお!」キャピキャピ
彡;(゚)(゚)「(マッマちょろすぎんよ~)」
ーテスト返却日
彡(゚)(゚)「!!お…おおう……!」
国語 92点 英語 90点 社会 96点 理科 85点
(´・ω・`)「わー!やっぱりやきうくんすごいや!」
彡;(゚)(゚)「ファッ!?ちょ、勝手に見るのやめーや!」
(´・ω・`)「あはは、ごめんごめん」
彡(`)(´)「原ちゃんやなかったら背負い投げしとるとこや!」
(´・ω・`)「できるの?」
彡(゚)(゚)「全然」
(´・ω・`)「だよね」
ー・・・
彡(゚)(゚)「(でもなぁ……やっぱり数学が…)」37点~
彡(゚)(゚)「(中一の数学でこんなんやばいやろ…ほんまに数学苦手なんやな…。……医者、無理かもしれんなあ)」
(*^◯^*)「おっ、やきう!お前すごいんだ!数学は……がんばるんだ!」
彡(゚)(゚)「は、はぁ」
(*^◯^*)「学年で5番だったんだ!塾には通ってるんだ?」
彡(゚)(゚)「い、いや…。塾は高いから……。家で復習しとるだけです」
(*^◯^*)「塾通ってる子達よりも上なんてすごいんだ!数学が伸びたら完璧なんだ!」
彡(゚)(゚)「数学……」
彡(゚)(゚)「(もし来年も数学がこんな感じのままやったら……医者は諦めたほうがええやろうな)」
(*^◯^*)「まあほどほどに頑張るんだ!」
ー三者面談
(*^◯^*)「やきうくんはクラスでも明るくムードメーカーでみんなを笑顔にしてくれてるんだ」
マッマ「あら~」
(*^◯^*)「成績も良いし、授業態度も真面目でルールもしっかり守るいい子なんだ!美術も音楽も先生達が褒めてくれてるんだ!」
彡(^)(^)「へへ……」
(*^◯^*)「ただ…。文系はすごく安心なんだけど、数学が少し心配なんだ」
マッマ「ああ…、そうなんです。この子昔から算数だけがどうしても苦手で…」
(*^◯^*)「きっと難しく考えすぎちゃうところがあるんだ、数学は答えが必ず決まっているからしくみが理解できれば大丈夫なんだ」
彡(゚)(゚)「…はあ」
(*^◯^*)「ぼく担任兼数学教科担当なので気軽に聞けばいいんだ」
マッマ「頼もしい人が先生でよかったわね、やきう」
彡(゚)(゚)「う、うん…(でも先生は……ワイがわからんことがわからんって言った。結構あれは傷付いたで。マッマには申し訳ないがあんまりこの先生好きになれんわ)」
(*^◯^*)「通知表とテストの成績表を配るんだ!名前を呼ばれたら取りにくるんだ!」
エーマジカヨ! ヤダー ミタクナーイ ! ざわざわ
彡(-)(-)「ドキドキするわ」
(´・ω・`)「ぼくまたお母さんに怒られるんだろうなー」
彡(゚)(゚)「なんで怒られるんや?」
(´・ω・`)「成績が悪いといつもだよ。いやだなー。やきうくんは怒られたり……あ、成績良いから大丈夫か」
彡(゚)(゚)「そんなことないで、数学ボロボロや!でも怒られたことはないなぁ」
(´・ω・`)「他が良いからだよ」
彡(゚)(゚)「うーん…でも多分うちのマッマは0点でも怒らんと思うで」
(´・ω・`)「養子にして」
彡(゚)(゚)「断る」
ー・・・
(*^◯^*)「やきう!」
彡(゚)(゚)「はい」スタコラサッサ
(*^◯^*)「頑張ったな!……数学は…」
彡(゚)(゚)「…わかってます」
(*^◯^*)「夏休みわからないことあったら聞きに来てもいいんだ」
彡(゚)(゚)「ありがとうございます」てくてく
五段階中の評価とする。
国語 5
英語 5
社会 5
理科 4
彡(^)(^)「理科が4とれたの嬉しいなあ…さて……」
彡(゚)(゚)「数学は……」ドキドキ
彡(>)(<)ドキドキ……ドキドキ……
彡(゚)(<)チラッ
_人人人人人人_
> 数学 2 <
 ̄^Y^Y^YY^Y ̄
彡( )( )「」
どれだけ必死に勉強してもわからないのだ。
30点、32点、良くて47点。
中一で50点を超えられないことへの焦り。
きっとこのままでは医者なんて言っていられないとワイ自身痛いほどにわかっていた。
ー・・・二学期末
彡(゚)(゚)「……通知表も2のまんま…原ちゃんは?」
(´・ω・`)「僕?」
彡(゚)(゚)「おん。数学どないやねん」
(´・ω・`)「3だったよ、ぱっとしないよねアハハ」
彡(゚)(゚)「3……(十分やんけ!!!!!)」
ー・・・三学期面談
(*^◯^*)「ちなみにやきうは将来の夢はあるんだ?」
彡(゚)(゚)「まあ一応…」
(*^◯^*)「感心なんだ!最近は夢がないって子が多いんだ!」
彡(゚)(゚)「ほお」
(*^◯^*)「何か聞いてもいいんだ?」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「い、医者になりたいんや」
(*^◯^*)「立派なんだ!」
(*^◯^*)「でも……」
(*^◯^*)「医者になるには理数系が大事ってことは知ってるんだ?」
彡(゚)(゚)「もちろんや」
(*^◯^*)「そうか……」
彡(゚)(゚)「なあ先生、ワイな、ちょっと諦めかけてんねん」
(*^◯^*)「な、なんでだ!?」
彡(゚)(゚)「自分でわかるんや。ここまで数学が出来んとな」
彡(゚)(゚)「どんなに真面目に授業受けても他の教科の何倍勉強してもさっぱりわからへん。理解しようとすればするほどわからん。中一でこれやったら多分ワイはもっと駄目になる」
彡(゚)(゚)「自分が一番わかってるんや」
(*^◯^*)「やきう……」
彡(゚)(゚)「すまんな先生。勉強教えて貰っておいてこんなこと言うて」
(*^◯^*)「先生はいいんだ、でも…」
彡(゚)(゚)「ワイのことならええんや。またやりたいこと見つけるまでやからな!」
彡(^)(^)「気にせんでクレメンス!」
(*^◯^*)「…」
それでも医者になるということがどれだけ難しい世界かなんていうのは痛いほどにわかっていた。
頭が良くても簡単に就ける職ではないこと、過酷なこと、人の命と向き合う仕事であること。
中途半端な気持ちで目指すわけにはいかなかったのだ。
彡(゚)(゚)「…一応本気やったんやけどな」
ワイが世界で一番尊敬するあのお医者さんにはもう近付けない、数学のテストを握りしめた中学一年の冬。
貯めた小遣いをはたいて買った先生の本をワイはそっと本棚の奥へしまった。
相変わらず数学が伸びないまま受験生へ
この頃にはワイの夢は弁護士へと変わっていた
きっかけは単純なものだ
(´・ω・`)「やきうくんさ」
彡(゚)(゚)「ん?」
(´・ω・`)「弁護士向いてると思うんだよね」
彡(゚)(゚)「弁護士てまたなんでや急に」
(´・ω・`)「やきうくん口が上手いし正義感強いし…。昔僕がいじめられてた時助けてくれたでしょ」
彡(゚)(゚)「あったなそんなん」
(´・ω・`)「それにこの前だって女子達の派閥争い解決したじゃないか、すごいよ」
彡(゚)(゚)「大したことないわ」
(´・ω・`)「僕にとってやきうくんはヒーローだよ。弁護士絶対にいいと思うよ」
彡///(゚)(゚)「なんやねん恥ずかしいやろアホ」
(´・ω・`)「えへへ」
彡(゚)(゚)「(そうか…弁護士か…悪くないな)」
彡(゚)(゚)「ほんまか?」
(*^◯^*)「原住民が言ったことに先生も賛同するんだ!やきうの言葉には力があるんだ、それに筋もしっかり通ってるんだ」
(*^◯^*)「弁護士きっとなれるんだ!」
彡(゚)(゚)「先生…」
(*^◯^*)「国語英語社会は常に90点台キープしているしすごいんだ!」
彡(゚)(゚)「でも受験が不安や…数学が特にな」
(;*^◯^*)「う、うーん確かに受験生で数学30点台はちょっと笑えないんだ……。でも逆に数学は捨ててほかの教科と内申点で勝負ってのもありなんだ」
彡(゚)(゚)「不安やな……」
(*^◯^*)「大丈夫なんだ!」
彡(^)(^)「先生…ありがとうな」
(*^◯^*)「アハハ!まさか3年間も君の担任になるとは思わなかったんだ!でもおかげで楽しいんだ!」
彡(^)(^)「ワイもや!最初はこんなやつ信頼できへんなんて思ってたけど!」
(;*^◯^*)「正直すぎるんだ!!!」
彡(゚)(゚)「あんな、ワイ…弁護士になろうと思うんや」
マッマ「!私はどんな夢でも応援してるわ」
パッパ「もちろんパッパもだぞ」
彡(゚)(゚)「ごめんな、医者やなくて…でも弁護士になっていっぱい働いてマッマ達楽にさせたるから!受験頑張るから!」
マッマ「大丈夫、大丈夫よ。もっと自分のこと考えていいのよ」
彡(゚)(゚)「十分考えてるって、ワガママばっか言うてもーてるしな!今もお小遣いアップして欲しいって思ってるんやで!?」
パッパ「だはは、まったく!早く寝ないと明日遅れるぞ!高校生になったらお小遣いは考えてやろう」
彡(^)(^)「ほんまか!?よーし!!がんばるわ!!」
マッマ「あらあら単純ね!」
アハハ… ワイワイ…… オヤスミヤデー
(*^◯^*)「みんな卒業おめでとうなんだ!」
(*;◯;*)「…みんなの担任になれたことずっとずっと忘れないんだ!」
ナイテル~ グスグス… サミシイ…
彡(゚)(゚)「なんやかんや3年間早かったなあ」
(´・ω・`)「本当だね」
彡(゚)(゚)「制服やってあんなブカブカやったんに。今じゃ小さいくらいや」
(´・ω・`)「そういえば明日だっけ?合格発表」
彡;(゚)(゚)「嫌なこと思い出させんといてーや」
(´・ω・`)「やきうくんなら大丈夫だよ」
彡(゚)(゚)「数学が壊滅的に出来んかったとしても?」
(´・ω・`)「…………だ、大丈夫」
彡(゚)(゚)「その間はなんやねんやめーや」
(´・ω・`)「オッホン小学校の頃から一緒だったのに高校は離れ離れかあ」
彡(゚)(゚)「せやなあ…。寂しいわ」
(´・ω・`)「生徒会も一緒にできて楽しかったよ、おかげで内申点よくて推薦もらえたし…。まあ僕は底辺校だけどね」
彡(゚)(゚)「…また遊ぼうや」
(´・ω・`)「…うん!」
彡(゚)(゚)「ワイの番号……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「…………!!!!」
彡(;)(;)「あったぁぁぁぁあああ!!!!」
教師「合格者は掲示板に書かれた場所に向かって必要な書類や案内を受け取るように。希望する場合は入試の点数も知らせます。混み合うかもしれないのでできるだけ余裕を持って来てください」
彡;(゚)(゚)「怖いけど点数知りたいなあ……」ゴクリ
ー・・・
彡;(?)(?)「よく数学あんなんで受かったわ」冷や汗ドバァ
彡(゚)(゚)「あっ、そうや先生に報告しにいかな!」
スタコラサッサ
(*^◯^*)「やきうー!!よくやったんだ!本当に頑張ったんだ!!」
彡(;)(;)「アカンかもしれんって思ってたからほんまに嬉しいわ、これ夢じゃないよな?」
(*^◯^*)「夢じゃないんだ!やきうの努力の結果なんだ!」
彡(;)(;)「うううう」
(*^◯^*)「合格おめでとう!」
彡(;)(;)「ありがとう、ありがとう…」
(*^◯^*)「ところで数学あれでよく受かったな!」
彡(;)(;)「結果知ってんのかいな」
(*^◯^*)「先生のとこには届くんだ!」
彡;(?)(?)「自分でもよく受かった思うで」
(;*^◯^*)「3年間数学教えてここまで伸びなかった生徒も珍しいんだ!」
彡;(゚)(゚)「ぐぬぬ」
(*^◯^*)「…高校目一杯楽しむんだ!何かあったらいつでも来るといいんだ!先生が飛ばされてなきゃの話だけど!」
入学前のクラス分けテストも無事に終え、なんとか進学クラスへ。
進学校だけあってその中の進学クラスは勉強が進むのも早く大変だったが楽しかった。
1年で行われた模試では国公立A判定。
高校ではこまめに面談も行われ現時点で希望する大学や将来就きたい職など話し合うことが多かった。
担任「そうか、弁護士か」
彡(゚)(゚)「はい」
担任「今の成績なら希望している大学も問題ないだろう」
彡(゚)(゚)「よかった…」
担任「数学が苦手だと聞いてたが平均ギリギリではあるがとれてるしなぁ」
彡(゚)(゚)「何でですかね…中学はいつも赤点ギリギリやったのに……」
担任「意外とそんなもんだよ。ほら、大人になったら子供の時嫌いだった物が食べられるようになるみたいな」
彡(゚)(゚)「はあ」
担任「まあまだわからんか!」
彡(゚)(゚)「すんません……」
担任「まあとにかくこのままキープしていけば大丈夫だろう。先生達も時間がある時ならいつでもわからないこと教えてやれるから。根詰め過ぎないようにだけ気をつけるんだぞ」
彡(^)(^)「はーいやで!」
彡(゚)(゚)「野球部あっさり負けたな~なんやねん金全校から巻き上げといて…」ブツクサ
彡(゚)(゚)「夏期講習っちゅーのもなかなか大変やな」
彡(゚)(゚)「チャリで片道1時間の登下校は体が鍛えられるでほんま」キコキコ
彡(゚)(゚)「明日も夏期講習かー。夏休みらしいこと何もできてへんな……」キコキコ
彡(゚)(゚)「原ちゃん元気やろか」キコキコ
彡(^)(^)「今日メールでもしてみるかな!」キコキコ
ブオーン……
彡(゚)(゚)「ん?なんやあのクルマ」キコキコ
彡;(゚)(゚)「ちょっ、なんで近付いてきてんねん!!」
彡;(゚)(゚)「!!」
ドンッ…
ガッシャーーーーン
彡()()「」
ジコダ! タオレテルゾ! キュウキュウシャ! ケイサツ!
彡()()「(なんや…?体の感覚があらへん……)」
彡()()「(何が起きたんや…?なんか…目の前……)」
ワイは飲酒運転の車に盛大に跳ね飛ばされた。
自分が地面に倒れていること意外何もわからなかった。
痛いとか苦しいとかそんなものはなく、ただ力の入らない体が重たくてしゃあなかった。
目の前がだんだん暗くなって、周りの声も遠くなる。
ひょっとして死ぬんやろうか、
原ちゃんにもっと早くメールしておけばよかったな、
授業ついていけるやろか、
エ口本捨てとけばよかったわ、
色んなことを考えながらワイの意識は遠のいていった。
マッマ「!!!!!」
マッマ「やきう!!わかる!?マッマよ!!」
彡()()「ま、……ま?ァ…」
マッマ「よかった、よかった!!!待ってね!お医者さん呼ぶからね!!!」
彡()()「ウ……ァ…」
あとから聞いた話によればワイは約2週間ずっと意識を失ったままだったそうだ。
車に跳ね飛ばされた際に頭を強く打っていたことが原因だったらしい。外傷性のくも膜下出血の他に頭部裂傷や手足やら腰やらの骨折でまさしく満身創痍となっていた。
目が覚めた直後のことはハッキリ覚えていないし、医者やマッマの話も理解が出来なかった。
ただ事故直後よりも体がひたすらに痛く、言葉もうまく発することができない現状がつらかった。
彡(゚)(゚)「マァ、マ……」
言葉をうまく発せなくなってしまったのはくも膜下出血の後遺症のようだった。助かっただけ幸いとされたがワイにとっては地獄のようだった。
いつになるかわからない退院、動かず固定された手足
一人でトイレすら出来ない現実。
彡(゚)(゚)「(勉強…追い付けんやろうな)」
彡(゚)(゚)「(そもそも言葉がちゃんと話せない弁護士ってなんやねん)」
彡(゚)(゚)「(…あほらし)」
彡(゚)(゚)「(結局ワイはいつもこうやって誰かに迷惑かけてしまうんや)」
彡(゚)(゚)「(ごめんな、マッマとパッパ。)」
彡(゚)(゚)「ァ、……ァリ…」
彡(゚)(゚)「(ありがとうって言いたいのになんで言えんのんや……)」
(´・ω・`)「お礼なんていいよ、それよりはやく治して遊ぼうよ」
彡(゚)(゚)「!」
(´・ω・`)「また一緒にスマブラやろうよ」
彡(;)(;)「」コクコク
(´・ω・`)「約束だからね、それじゃあね、また来るから」
彡(;)(;)「……ウ、ウ」
数ヶ月経てば若さの力か、骨折は順調に回復していった。
ただ致命的なのが利き手である右手が、事故で跳ねられた際に自転車のタイヤに巻き込まれ、骨折だけでなく腱を傷めてしまっていた。
未だに右手は引き攣るで。
言語障害に加え、明らかに前よりも落ちた記憶力。
このまま高校に通うことは難しいと判断された。
まあこの時点で授業日数も足りてなくて留年すること決定しとったんやが。
上手く歩けるようになる為にリハビリも行わないといけないし、脳の検査も受けないといけないし。
今までのような生活は無理になっていた。
彡(゚)(゚)「(……せっかく頑張ったのにな)」
彡(゚)(゚)「(……)」
彡(;)(;)「ウグ…グ…」
弁護士になる夢も捨てた。
頭に残った傷跡を見るたびにいっそのことあの時死んでればよかったと今も思う。
言語障害も残ったままや。右利きから左利きにしてやったわ!煩わしいでほんま!
高卒認定だけとって、家の中でできる仕事をやっている。
飲酒運転の車の運転手は事故の際死んだらしい。
こいつのせいで人生狂わされたが今なら死ねたことが羨ましく思う。向こうの家族から金は沢山もらったがワイの時間は戻らんのんや。
彡(゚)(゚)「…」
彡(^)(^)「(ワイの夢は、健常者になることです!)」
彡(゚)(゚)「(なんてな)」
おわり
嘘松みたいなほんとの話
家でできる仕事いうてもほとんどニートに近いからそこはちょっと盛ったわすまんな
ちなみに原ちゃんポジの友人はこの前結婚式挙げてたで~ 参加できんかったけど
医者が言うには鬱らしい、やったぜ彡(^)(^)
眠る前に死ねることを祈るようになるなんて医者になりたいと言った当時は思いもせんかったわ。
みんなも喋れる体大事にな。学生はやりたいこといっぱいやりや。
ほなの
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
今週
先週
先々週
コメント一覧
-
- 2017年12月25日 23:52
- 以上、イッチの実話でしたー
-
- 2017年12月25日 23:54
- すわわ!笑えないよ!
-
- 2017年12月25日 23:54
- 進研ゼミ定期じゃないのか・・・
-
- 2017年12月25日 23:55
- 数学って本当にできるできないが分かれるからなあ
未だにこの仕組みは解明されてないし、できる立場の数学教師
-
- 2017年12月25日 23:57
- 私立文系ワイ、痛いほどわかる…
ってコメントしようと思ったのに裏切られたンゴねぇ…
-
- 2017年12月26日 00:01
- これは嘘松w
...嘘松であってくれよ。悲しくなるから
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