629 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/12/24 08:44:45 ID:/MpArGT+
 小学生の頃、自分にとても自信がなかった私は、
 毎日愛想笑いを浮かべて顔色を見ている自分がものすごい極悪人だと思っていた。
 あるとき、私に悩みを相談してきてくれた子がいて、まじめに聞いて、出来る
 限りのアドバイスをした。
 その子はその悩みは親にも他の友人にも言えなかったらしく、
  「ありがとう、優しいね」
 ととても喜んでくれた。
 けれどあの時ひねくれていた私は、
  「自分は優しくない。そう見えるとしたら、それは偽善者だからだ」
 みたいな事を言ってしまった。今から思うとただの馬鹿だ。

 その子は私の言葉を聞いて、少し考えてから、こんな事を言ってくれた。

  「でもね、偽善者の偽って、人の為って書くんだよ?」

 今から思えば金八先生みたいな台詞だが、私にとってはそれがものすごく嬉しくて、
 その子の前でぽろぽろ泣いてしまった。

 私なんかよりもずっと優しかったあの子も、今はもうこの世にはいない。
 数年前に、病で死んでしまったそうだ。
 今でもあの時の、切なさと嬉しさと悲しさが一緒くたになったような感覚が、
 はっきりと思い出せる。

https://egg.5ch.net/test/read.cgi/gline/1097507228/