1922年11月26日、古代エジプト第18王朝のファラオ、ツタンカーメンの墓が発見され、3000年以上続いてきた王の眠りがついに破られた。このとき、王の永遠のやすらぎを邪魔した者全員に、死と破壊をもたらす強力な呪いがかけられたとまことしやかに囁かれた。
墓の発見や発掘などに携わった人々の死因や不遇はすべて「ツタンカーメンの呪い」に関連付けられていった。人づてに伝えられていくうち、話はどんどん大きくなり、マスコミの煽り手伝って、「王家の呪い」は信仰へとつながった。
ここにあげるのは、ツタンカーメンに呪われたとされる9人にまつわる都市伝説である。果たして彼らが本当に呪われたのかどうかは、神のみぞ知る世界だ。
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1. ジョージ・ハーバート(第5代カーナヴォン伯)イギリス貴族
image credit:Carnarvon
ツタンカーメン王の墓の発掘に資金を提供したこの男は、まず最初に呪いにより倒れたとされている。カーナヴォン伯は髭剃り中にたまたま蚊に刺され、その後すぐに敗血症で死んだ。
墓が暴かれてから数ヶ月後、マスコミがミイラの呪いを口にし始めてから6週間後の死だったため、ミイラの眠りを妨げた関係者たちに少なからず影響を与えたと思われる。カーナヴォン卿が亡くなったとき、彼の家のすべてのライトが不可解に消えたとも言われている。
2. サー・ブルース・インガム(イギリス人編集者)
ツタンカーメンの墓を発見したイギリスの考古学者ハワード・カーターは、編集者である友人のブルース・インガムに土産としてペーパーウェイトを贈った。
いみじくもこのペーパーウェイトは、ミイラの手からできていて、その手には次のような文句が彫られたブレスレットがはめられていたという。
"わたしの体を動かす者は呪われる"
この贈り物をもらってまもなく、インガムの家は焼け落ち、建て直そうとしているときに洪水に襲われたという。
3. ジョージ・ジェイ・グールド(アメリカ人実業家)
image credit:George_Jay_Gould
裕福なアメリカ人の資産家で、指導的鉄道開発家、また投機家であったジェイ・グールドは、1923年にツタンカーメンの墓を訪れ、その後すぐに具合が悪くなった。グールドは回復することなく、数ヶ月後に肺炎で亡くなった。
4. オーブリー・ハーバート(カーナヴォン伯の異母兄弟)
前出のカーナヴォン伯の異母兄弟というだけで、ツタンカーメン王の呪いを受けたと言われていた人物だ。オーブリーは、目に変性疾患をもって生まれ、晩年はほとんど盲目だった。医師に腐った歯が目の疾患の原因だと言われて、歯をひとつ残らず抜いたが効果はなかった。この手術が原因で、呪われていたであろう兄の死のちょうど5ヶ月後に、やはり敗血症で死んだ。
5. ヒュー・G・イブリン・ホワイト(イギリス人考古学者)
イギリス人考古学者。ツタンカーメン王の墓を訪れたことがあり、ひょっとすると現場で発掘を手伝ったのかもしれない。
1924年までに、発掘にたずさわった人間が次々死んでいくのを見て、自ら首を吊った。死の前に、自身の血と思われるもので次のような言葉を遺した。
"わたしを無理やり消し去ろうとしている呪いの力に負けた"
6. アーロン・エンバー(アメリカ人考古学者)
アメリカ人エジプト考古学者アーロン・エンバーは、カーナヴォン伯を含め、ツタンカーメン王の墓が開けられたときに現場に立ち会っていた者の多くと友人関係にあった。
エンバーが死んだのは1926年だ。ボルティモアにあった彼の家が、ディナーパーティを主催した後、一時間もしないうちに焼け落ちた。
無事に脱出したものの、とりかかっていた論文の原稿を取りにエンバーは再び家の中に戻り、妻は息子を助け出そうとした。残念ながら、家族とメイドがこの火事で死んだ。ちなみにエンバーがこの時執筆していた原稿のタイトルは、"エジプトの死者の書"である。
7. リチャード・ベセル(カーナヴォン伯の秘書)
カーナヴォン伯の秘書で、ハワード・カーターに続いてツタンカーメンの墓所に入った最初の人物である。ベセルは1929年に不審な死をとげた。ロンドンの会員制クラブの一室で窒息死しているのが見つかったのだ。
まもなく、ノッティンガム・ポスト紙はこう報じた。「高名なリチャード・ベセル氏が、呪いの犠牲になったと暗示させることは、実は去年起こっていた。ツタンカーメン王の墓から出土した極めて貴重な財宝が保管されている家屋での一連の不審火だ」
財宝とベセルの死の間になんらかの関係があるかどうかの証拠はまったくない。
8. サー・アーチボルト・ダグラス・リード
ツタンカーメン王墓の発掘メンバーでなくても、呪いの犠牲になることを証明してしまった例。リードは放射線学者でツタンカーメン王のX線写真を撮って、博物館へ送っただけなのだが、翌日から体調を崩し、3日後に急死したという。
9. ジェームズ・ヘンリー・ブレステッド(アメリカ人考古学者)
当時の有名なエジプト学者のひとりで、ハワード・カーターが墓を開いたときに一緒に作業した。それからまもなく、ブレステッドが自宅に帰ると、ペットのカナリアがコブラに食べられていて、そのコブラがまだ鳥かごの中に留まっているのを発見した。
コブラはエジプト王朝のシンボルで、王を守護するため頭飾りの模様として描かれるもの。これは不吉な兆しだった。ブレステッド自身は1935年まで生きたが、エジプトへの旅のすぐ後で死んだ。
呪われなかった人物、ハワード・カーター(イギリス人考古学者)
ツタンカーメン王の墓の発見者であり、発掘の一番の張本人であるカーター自身は、不可解な病気にもならなかったし、家が火事で焼け落ちることもなく、64歳のときにリンパ腫で死んだ。当時の平均寿命を考えれば、天寿を全うしたと言える。
彼の墓には次のような言葉が刻まれている。「あなたの魂が生き、何百万年も過ごせますように。テーベを愛し、北風に顔を向けて座り、その目で幸せを見つめながら」
「ツタンカーメンの呪い」を信じていた人は、ファラオはなぜ彼だけを許したのだろう?と思ったことだろう。
References:theunredacted / ancientegyptonline / historyanswers / mentalfloss / wikipediaなど/ translated by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
発掘のスポンサーが新聞社で、ニュースを独占してしまい、それゆえになにも書けなくなったライバル新聞社が捏造で書いたオカルト記事が「ツタンカーメンの呪い」
2. 匿名処理班
バカにするわけじゃないが立ち会って生き残ったのって何人なの?
3. 匿名処理班
ローマ皇帝のペルシア呪いに近い恐怖さ
4. 匿名処理班
実際に呪いかどうかの真偽はともかく、
ミイラの手をお土産にってのは、いただけないな〜。
神聖なものだし、研究機関か博物館にあるべき。
しかも呪いの言葉ブレスレット付きだよ?
自分ならあげないし、プレゼントされたら丁重に事態する。
5. 匿名処理班
ミイラの手で文鎮なんか作んなし!
6. 匿名処理班
ルパンが盗みに失敗したり、今更盗む価値も無いってパターンは多々あるけど、ツタンカーメンに関してはルパンの敗北って事でいいのかな?自称神様のマモーよりツタンカーメンの方が手強い。
7. 匿名処理班
生き残った彼は呪いに気付かなかったのかもしれない
8. 匿名処理班
発掘時の墓室内のカビ胞子が原因とも微小粒子(埃)が原因とも言われているね
9. 匿名処理班
取材拒否された新聞社の作り話聞いた記憶が....
10. 匿名処理班
多くの立会人に被害がないのはおかしいな。
11. 匿名処理班
ハワード・カーターはツタンカーメンをエジプトに残すことを主張したから
呪われなかったとかって話を昔ミステリー本で読んだ
12. 匿名処理班
周りの知人たちが次々と亡くなっていく中、死の影に怯える日々という生き地獄な呪い
13. 匿名処理班
2番の写真が怖いんですが、これも呪いなんでしょうか・・・
14. 匿名処理班
こじつけだよね。抗生物質の実用化の前は感染症で亡くなる人もずっと多かっただろうし、9の人なんてカーターより長い70歳まで生きたし、カナリアが食べられたことまで(かわいそうだけど)呪いのせいにするのはどうかと
15. 匿名処理班
文明の先進者気取りでずかずかと乗り込み、人の墓を荒らすような奴は呪われて当然だ。
彼らに実際に死者の呪いという超自然的な力が働いたわけはない。
しかし、彼ら侵略者への、死者への冒涜や無神経への、声にならない恨み、怒り、やるせなさが、彼らにこういう呪われた物語を貼り付けた。
呪いの正体とは、生きている人間の、表に出せないそんな暗いちからだ。
16. 匿名処理班
ミイラの腕を文鎮にするとかそら呪われるよと思った
※8
自分もその説聞いたことあるしそっちのほうが信憑性高いと思う
墓の環境考えると様々なカビや病原菌がいたとして不思議じゃないよね
17. 匿名処理班
偶然にしても恐ろしい…
寝る前に読むんじゃなかった