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平面駆動型の利点としては、平面の振動板の全面が一律に駆動すること。ドーム型のドライバと比較してコイルが発生させた振動が、タイムラグなく全面が同じタイミングで振動(前後に動く)ことで歪みの少ない高音質なサウンドが実現できるというものです。

実際のところ、ドーム型ドライバを採用している多くのヘッドフォンも、素材や形状など様々な工夫を凝らして振動のタイムラグや歪みを減らしており、その技術や工夫の数々が高級ヘッドホンにはぎっしり詰まっているのですが、平面駆動型では原理上歪みや遅延が発生しないという、じゃあ全部平面駆動型にすればいいじゃんと言いたくなる仕組みです。



とはいえ、特性としての低能率(ハイパワーのアンプが必要など)や、技術的な問題や独自のノウハウを要するなどの開発や製造に際しての課題もあったため、平面駆動型は主流になりませんでした。それでも全く製品がなかったわけではなく、ごく一部のメーカーがハイエンドのラインナップに加えていたり、専門メーカーが超高級ヘッドフォンとして発売していました。



ここにきて技術の進歩やハイパワーのアンプがそこそこ安価な価格で発売されるようになったこともあり、新しく平面駆動型をリリースするメーカーが現れたり、低価格なモデル(と言っても10万円前後という高価格帯)も発売されるようになりました。

AR-H1は、税抜き価格で79,800円。税込みで86,184円と10万円を切る価格で登場したこともあり、コストパフォーマンスのよい良質なサウンドが期待されるモデルです。



総重量は421gとヘッドホンとしては重い部類。しかし、しっかりとした金属フレームにやや硬めの革製ヘッドバンドが意外に頭に馴染み、それほどの重さを感じません。肉厚のイヤーパッドもフィット感を高め、しっかりとした装着感に貢献していると感じました。

ヘッドホンケーブルは左右のユニットからそれぞれ出ており、2.5mm2極の端子による交換式。標準では3.5mm3極のアンバランス(ステレオミニ)端子ですが、4.4mm5極端子のバランスケーブルにも対応します。



ハイレゾ対応のプレイヤーとしてオンキヨー&パイオニアの「rubato DP-S1」や、同じくAcoustic Researchの「AR-M2」などで視聴しました。平面駆動型ということで、ボリュームを少し大きめにして音圧をかけると本来の性能が引き出せるかなという印象。

オープン型ということもあり、音漏れには配慮されていないので移動中やオフィスなど周囲に人がいる環境で堪能するには向きませんが、自分の部屋で浸れる音量で聴いても隣の部屋に迷惑はかからないでしょう。肝心の音質としては、解像感、分離感が高くきめ細やかなサウンドが楽しめると感じます。オーケストラや近年のJ−POP、アニソンなど音数が多い楽曲でも一つ一つの演奏が明瞭に聴き取れたり、ギターなど弦楽器を爪弾く、スティックがドラムをヒットするその瞬間のレスポンスがとても良いと思いました。



絶対価格としては決して安い価格とは言えませんが、高級ヘッドフォンとしても、平面駆動型ヘッドフォンとしても、最初の1台として試しやすい価格帯ではあります。また、リケーブルなどによってさらなる音質を追求する余地もあり、永く満足して使える機種ではないかと感じました。

関連キーワード: Acoustic Research, AR-H1
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