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【良スレ】十年巻き戻って、十歳からやり直した感想 : 【2ch】ニュー速クオリティ

【良スレ】十年巻き戻って、十歳からやり直した感想



【良スレ】十年巻き戻って、十歳からやり直した感想

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1
: :2012/10/18(木) 22:38:00.45 ID:
これは多分、君が想像してるのとは、 
正反対の話になるんだと思う。 

だって、二十歳の記憶を持ったまま、 
十歳の時点に戻ってやり直せるとしたら、 
普通、その記憶を利用して色々するだろう? 

一周目の反省や教訓を活かして、 
もっと優れた二周目を目指すはずだ。 

でも僕がしたことと言えば、 
まさにその正反対のことだったんだ。 
今思うと、馬鹿なことをしたと思うよ。本当に。


2
: :2012/10/18(木) 22:38:38.37 ID:
おれも…そう思う
3: :2012/10/18(木) 22:39:03.78 ID:
自分の人生が十年巻き戻されたことを知ったとき、 
僕は思ったよ、「なんて余計なことをするんだ!」ってね。 

というのも、僕は自分の人生が気に入っていたんだ。 
可愛い恋人がいて、友人にも恵まれていて、 
まあまあの大学に通っていて、前途洋々でさ。 

人生をやり直すチャンスってのは、もうちょっと、 
自分の人生に心底絶望しきってるような、 
そういう人に与えられるべきだったんだと思うよ。 

それで、僕は余計なことを思いついちゃったんだ。
4: :2012/10/18(木) 22:41:30.25 ID:
僕が思いついたことと言うのは、一周目の人生を、 
二周目でも、そのままやり直そうということだった。 

自分がこれから犯す間違いが分かっていても、 
あえて全部、そのまま繰り返そうって思ったんだ。 
十年分の巻き戻しを、まったく無意味にしてやろうってわけ。 

これから起こる事件や災害、危機や変革のことも 
大体頭に入っていたけど、僕は口をつぐむことにした。 
とにかく、徹底的に一周目を模倣しようとしたんだよ。
5: :2012/10/18(木) 22:42:15.13 ID:
面白そうだ
6: :2012/10/18(木) 22:43:04.62 ID:
二周目の人生は、ちょうど十歳のクリスマスから始まった。 

僕がそれに気付けたのは、枕元に置いてあった、 
スーパーファミコンの入った紙袋のおかげだったんだ。 
当時はそれが欲しくて仕方なかったんだよ。 

紙袋の中には、一緒にゲームソフトも入っていた。 
そのゲームの言い方を借りれば、僕の人生は、 
『つよくてニューゲーム』にあたるわけだな。 

結露した窓をパジャマの袖でこすって外を見ると、 
まだうす暗く、雪に覆われた街が一望できた。 
かなり寒いはずなんだけど、子供の体は温かかったな。
7: :2012/10/18(木) 22:45:42.87 ID:
僕が紙袋をごそごそやっていたせいで、 
二段ベッドの下で寝ていた妹が、目を覚ました。 
妹は眠たげな目で枕元のテディベアを眺めて、 
少し遅れて、「わあー」と歓声をあげた。 

僕ははしごを下りて、妹のベッドに腰掛け、 
テディベアに夢中な妹に、「なあ」と話しかけた。 

「兄ちゃんは、十年後から戻ってきたんだよ」 

妹は寝ぼけた様子で、「おかえりー」と笑った。 
僕はなんだかそれが気に入っちゃって、 
「ただいま」と言って妹の頭を撫でた。 
妹は不思議そうな顔で僕の顔を見つめた。
9: :2012/10/18(木) 22:52:27.68 ID:
僕は自分の最高の思い付きを誰かに披露したくて、 
目の前にいる七歳の妹に、こう言った。 

「今の僕には、これから自分が犯す過ちだとか、 
本当にやるべきことというのが、分かるんだ。 
今からなら、神童にだって、予言者にだってなれる。 

でも、僕はなにひとつ変える気がないんだ。 
前と同じ人生を送られれば、それだけで十分だからね」 

テディベアを抱えた妹は、僕の顔をぼうっと見つめて、 
「よくわかんない」と正直なところを答えた。
10: :2012/10/18(木) 22:56:03.68 ID:
一周目の再現に関して、僕は妥協しなかった。 

周りの連中をコケにしたくなるのを我慢して我慢して、 
わざわざ一周目と同じ事故に遭いさえしたんだ。 
何をするにも、手を抜くことに真剣だったね。 

我ながら、僕はよくがんばった方だと思うよ。 
それでも、蝶の羽ばたきひとつ程度の違いで、 
人生ってやつは、かなり変わってしまうものらしい。 

二周目に入って五年も経つ頃には、僕の人生は、 
一周目のそれとは、大きく様変わりしていたんだ。
11: :2012/10/18(木) 22:58:53.15 ID:
これは斬新。期待。 

二周目も同じ人生かぁ・・・ 
そう言える人生が良かったな
12: :2012/10/18(木) 23:01:05.84 ID:
何から話せばいいかも分からないけど、 
とにかく、一から十まで変わってしまったんだ。 

一言でいうとね、僕は、落ちぶれたんだ。 
一周目の人生からは、とても考えられないほどに。 

理由は後で詳しく説明するけど、一例を挙げると、 
一周目で親友だった人物にいじめられたり、 
一周目で恋人だった女の子にふられたり、 
一周目で通っていた高校の受験に失敗したり。 

奇跡的な悪循環が生じたわけだよ。
14: :2012/10/18(木) 23:05:14.62 ID:
そんなこんなで、高校生になる頃には、 
僕はすっかり暗い人間になってしまっていた。 

志望校には落ちて、ろくでもない高校に入って、 
芽生えかけていた人間嫌いに磨きがかかってさ。 
絵に描いたような孤独な人間になったんだ。 

だから二周目の高校時代の思い出ってのは、 
ほとんどないんだ。卒業アルバムも捨てちゃった。 
寂しいもんだよ。修学旅行さえ苦痛だったんだ。
15: :2012/10/18(木) 23:10:47.95 ID:
でも、ひとつだけ、悪くない思い出がある。 

高校二年生の冬、ひどい吹雪の日だったな、 
僕はがたがた震えながらバスを待ってたんだ。 

その時、僕はふと、少し離れた場所で 
僕と同じようにバスを待っている女の子が、 
見たことのある顔だってことに気付いた。 

いや、忘れるはずもないんだ。 
それは一周目では僕の恋人だった女の子だ。 
十五歳で付き合い始めてからは、ずっと傍にいたんだ。 

それが、二周目では、あっさり告白を断られてさ。 
思えば、悪循環の始まりはそこだった気もする。
16: :2012/10/18(木) 23:16:14.33 ID:
向こうは、僕に気付いてないみたいに見えた。 
そうでなくても、僕の存在なんて、 
とうの昔に忘れちゃってたかもしれない。 

それでも僕の目には、寒さに震える彼女が、 
なんだか寂しそうに見えて――隣に誰か、 
温かい存在を必要としているように見えたんだ。 

いやあ、実に自分に都合のいい想像だよ。 
それでも僕は幸せだった。だってさ、 
自分が必要とされている気がしたんだ。 

あの子にはやっぱり僕が必要なんだって、 
幸せな勘違いをすることができたんだ。



  


この記事へのコメント

1.  Posted by  名無し   投稿日:2018年02月07日 23:23

読んでないけど江戸川コナンかな

2.  Posted by  名無し   投稿日:2018年02月07日 23:32

幸せな人生を送ってきた人は人生やり直したいなんて思わんわな 

あーあ人生やり直したいわw

3.  Posted by  名無しクオリティ   投稿日:2018年02月07日 23:35

あわれなワナビ

4.  Posted by  名無しクオリティ   投稿日:2018年02月07日 23:38

嘘ついてもいいけどさ、
事前の断りか事後の謝罪を入れといてね

5.  Posted by  名無しクオリティ   投稿日:2018年02月07日 23:48

随分古いの持ってきたな

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