<陸自ヘリ墜落>被害者に暴言、想像力欠き冷酷
佐賀県神埼(かんざき)市での自衛隊ヘリ墜落事故で、家を失った住人がネット上で罵声を浴びている。沖縄で相次ぐ米軍ヘリの不時着や部品落下の事故では「それで何人死んだんだ!」と国会でやじが飛んだ。基地のそばで不安を抱え生きる人びとへの想像力が、失われかけていないか。【福永方人、和田浩幸】
自衛隊ヘリが墜落した際、家に一人でいた女児(11)は軽傷で奇跡的に難を逃れた。翌日、父の「許せないですよね」というコメントが新聞で報じられると、ツイッター上に非難の投稿があふれた。
<何様? 墜落して亡くなった隊員の事考えねーのかよ>
<わざと落ちた訳じゃないし、許せないの意味が分からん>
<死ななかっただけいいじゃないか>
戦後、本土でも沖縄でも基地周辺の住民が多数、軍用機の墜落で犠牲となってきた。
(略)
宮森小の悲劇を語り継ぐ沖縄県うるま市の久高政治(くだかまさはる)さん(69)は「軍用機が墜落するかもしれない恐怖の中で暮らす人の気持ちを考えてほしい」と話す。ツイッター上での非難や、国会でのやじには、そんな人びとへの想像力が決定的に欠けている。久高さんは、そう思えてならない。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180211-00000006-mai-soci