アップルが純正アクセサリとして販売しているのは、iPhone付属と同じ有線イヤホン EarPods 、完全無線イヤホン AirPods、そろそろ10周年になる上位版の有線イヤホン Apple In-Ear Headphones (三角のケースに入ってるやつ、さりげなくバランスド・アーマチュア式デュアルドライバ)。
「b」ロゴのヘッドホンメーカー Beats by Dr Dre の買収後も、オーバーイヤー型のヘッドホンをアップル純正として扱ったことはなく、Beats Studio や Beats Solo、Beats Pro など Beats ブランドで販売してきました。
独自のヘッドホン発売説を唱えるのは、アップル関連のインサイダー情報ではおなじみのアナリスト Ming-Chi Kuo 氏。リサーチノートによれば、「まったく新しいデザインを採用した、独自ブランドでハイエンドのオーバーイヤー式ヘッドホン」になるとされています。
Beats ではなく改めてアップル純正ブランドで販売する理由は、Kuo氏いわく現状の純正アクセサで欠けている部分を埋め、オーディオ製品ラインナップを完全にするため。
アップルの純正オーディオ製品といえば、完全無線タイプのイヤホン AirPods は発売以来の人気で品薄が続いています。
AirPods は独自のワイヤレスチップ W1 のデビュー製品として、途切れにくい通信や低消費電力、アップル製品とのシームレスな連携を強くアピールしてきました。
アップルと音楽は昔から切っても切れない関係ですが、定額制サービス Apple Music の開始や、AIアシスタント Siri 搭載の本格的なスピーカー HomePod など、テクノロジー企業としての今後を占う意味でもオーディオはさらに重要な位置づけになりつつあります。
またつい最近にはAirPods の新モデルとして、Hey Siri 音声コマンドを常時受け付ける新型のうわさもありました (現行モデルは耳につけた AirPods をトントンと叩いてSiriを呼び出す必要がある)。
アップルが音楽・音響関連技術にさらに力を入れるのであれば、新 AirPods と同時になるかどうかはさておき、新ワイヤレスチップを搭載したヘッドホンをアップル純正品として発表して、技術的な優位性や iPhone との密接な統合をアピールする戦略はいかにもありそうです。
Kuo氏が主張するアップル純正ヘッドホンについての情報は、今のところ オーバーイヤー式であること、サイズから当然といえば当然ながら「AirPodsより優れた音質」のハイエンドモデルであること、発売時期は早くても今年の第4四半期になることなど。
具体的にどこが「All New design」なのか、固定するバンドや外観のスタイルの話なのか、ドライバの方式や配置を含む音響設計まで含む話なのか etc も不明。価格もハイエンドなので安くはなさそうという以外にまだ分かりません。
本当にアップル純正で登場するならば、AirPods の快適性のまま桁違いの音質や遮音性、アクティブノイズキャンセルや選択的透過、Siri や iOSとの連携などなど、ぐぅの音も出ない先進的な仕様で他社製品も含めたヘッドホンの進化を加速してほしいものです。