まずはVIVE Proのおさらいから。VIVE ProはHTCの新型VRヘッドセットで、現行の「HTC Vive」の上位モデルに位置付けられています。そのため当面はHTC Viveも継続販売される予定です。
VIVE Proの主な進化点は下記の5つです(最初の仕様は現行のVIVEのもの)。
・解像度 2160×1200ドット(448ppi)から 2880×1600ドット(615ppi)へ
・カメラ フロントカメラ×1 から フロントカメラ×2へ
・サウンド デラックスオーディオストラップ(オプション) から ハイレゾ対応ヘッドフォンへ
・マイク マイク×1 から デュアルマイク(ノイズキャンセリング機能搭載)へ
・ベースステーション ルームスケール(対角5m)から ハウススケール(10m×10m)へ
大きな特徴は、有機ELディスプレイの解像度が向上したことにより、格子感がある程度緩和されています。また解像度が向上したことにより、色域は変わっていませんが、色彩がより綺麗に見えるようになったとのことです。
そしてフロントカメラを2つ搭載したのは深度情報を取得するため。HTC側の説明では、これにより、現行Viveでは難しかったAR、MR的コンテンツが容易になるとのことです。
オーディオ環境に関しても強化。Viveではヘッドフォン型のデラックスオーディオストラップはオプションパーツでしたが、VIVE Proにはヘッドフォンが標準で一体化されており、しかもハイレゾ音源の再生に対応します。
またアンプを内蔵することで音圧を向上させ、ハードウェア的にも3Dサウンドに対応し、通話モード用SDKも用意されます。
合わせてマイクはデュアルマイク仕様となり、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載しています。VR空間内でのコミュニケーション体験の向上のために、マイク機能が強化されました。
そして新たにベースステーション2.0に対応。最大10m×10mのハウススケールでのVR体験を可能にしています。
▲VIVE Proと専用リンクボックス
ここで気になるのが従来のHTC Viveを持っている場合のアップグレード方法ですが、VIVE ProにはHMDのみのアップグレードキットが用意される予定です。つまりコントローラーやベースステーションを新たに購入しなくて済むぶん、アップグレードの出費が抑えられるというわけですね。従来モデルユーザーには嬉しい施策です。
さて、前述のとおりまもなく発表予定のVIVE Proですが、もちろん販売店ではまだ展示は開始されていません。
しかし一刻も早くVIVE Proを体験したい方にもってこいのアトラクションが、3月9日から新宿・歌舞伎町のVR ZONE SHINJUKUで稼働が開始されます。それが新VRアクティビティ「大量破壊VRシューティング ギャラガフィーバー」(以下、ギャラガフィーバー)です。
VR ZONE SHINJUKUはバンダイナムコエンターテインメントが運営するVR施設ですが、今回のアクティビティは名前の通り、ナムコ時代の名作ゲーム「ギャラガ」のキャラクターなどを活かした作品。同作は最近、シリーズ前作にあたる「ギャラクシアン」や続編「ギャプラス」などのシリーズ名を、突然「ギャラガ・リーグ」と名付けたことでも話題となりました。
ギャラガフィーバーはガンシューティング系のVRアトラクション。敏腕科学者マッド博士が開発した特注エレベーターで地上150mまで上昇し、視界いっぱいに大量発生したギャラガを撃って、撃って、撃ちまくります(意外かもしれませんが、戦闘機には乗りません)。
マッド博士が開発した強力な武器でギャラガを薙ぎ払う爽快感はハンパありませんが、自分またはエレベーターが一定の攻撃を受けると150mの高さから地上に向けて落下するのでご注意を。
▲VIVEトラッカーを取り付けたガンコントローラーを握りしめVR空間にダイブ!
▲ネオンカラーに輝くギャラガの大群は思わず見とれてしまうほどの美しさです
▲最期には超巨大ギャラガとの戦いが。ビームを受ければ即アウトです
▲ギャラガフィーバーの説明書(表)
▲ギャラガフィーバーの説明書(裏)。VR ZONE SHINJUKUを訪れる前に、しっかりと予習しておきましょう
さて肝心のVIVE Proを体験した感想ですが、映像のクオリティー向上はたしかに実感できました。格子がまったく見えないということはないのですが、HTC Viveで見られるようなはっきりした格子ではなく、うっすらとした模様にまで軽減されています。
解像感の向上を特に実感したのは手元の重火器をまじまじと見たときです。HTC Viveより表面の質感がリアルに感じられました。ワタシはHTC Viveで日々遊んでいますが、価格次第ではぜひVIVE Proにアップグレードしたいですね。
▲メガネを装着したままでもかぶりやすいようにクッションが改良されています。またノーズクッションも形状が変更され、外光がHMD内に入りにくくなっています
▲装着感を高めるため、後ろ側のクッションが増やされました。HMD自体は15%軽量化されていますが、全体としてはクッションなどが増やされたぶん少し重くなっているそうです。しかし重量バランスが改善されているので、かぶったときには軽く感じます
▲フェイスクッションをはずすと、USB Type-C端子が。これは機能追加などに利用されるとのこと
解像度が向上したVIVE Proですが、コンテンツ側が対応していなければ画質はHTC Viveと変わりません。しかしVIVE ProとHTC Viveは、アプリ側から見ると、映像的には解像度が違うだけなので、さまざまなディスプレー解像度に対応しているゲームソフトと同様に、今後発売されるVRコンテンツはVIVE Proの解像度もサポートするでしょう。より高い没入感を体験させてくれるはずのVIVE Proの一刻も早い登場に期待しましょう。