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臨死体験は本当にある?人は死後も意識があることを示すサイン : カラパイア

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 「死」とは臨床的に、心臓の鼓動が停止した後の状態であると理解されている。血流が止まり、呼吸をしなくなり、脳は停止する。

 それがある瞬間(生)から次の状態(死)への境界だ。

 ところが哲学的には、死の定義は少々異なっており、もはや蘇生できない地点を通過することを意味する。50年前までなら両者はさほど変わらなかった。しかし心肺蘇生法が登場したことで、人は心臓が止まり死者となり、再び蘇ることが可能となった。

 蘇生法は救急医療の現場で革命を起こしたが、死の意味についての理解をも揺るがすことになった。
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死んでからも数日は意識がある


 死んで蘇る人がいない時代なら、科学的な観点からも、意識は体が死ぬと同意になくなると想定しても自然なことだった。

 しかしここ数年、人が死んでから脳細胞が劣化ゆえに復活できなくなる地点を通過するまで数日かかるという証拠が幾度も得られてきた。

 これはその人が死んでいないということではない。その人は死んでいる。だが脳細胞はそうでないのかもしれない。

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体内の細胞が死に向かっていくプロセス


 「面白いのは、人が死んでから、体内の細胞が徐々に独自の死のプロセスへ向かい始める期間があるということです」と米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのサム・パーニア(Sam Parnia)医師は話す。

 「死んだ後も脳や体の一部がまだ機能していると言っているのではありません。しかし細胞はいきなり生から死へと切り替わるわけではないのです。実は細胞は人の死である心停止に対して、これまで考えられてきた以上にずっと柔軟です」

 遺体を対象とする研究者は、死後も遺伝子が活動している場面を観察してきた、とワシントン大学のピーター・ノーブル(Peter Noble)教授は説明する。

 2017年、ノーブル教授らはマウスとゼブラフィッシュの実験で、死後も1063個の遺伝子が活動したままであることを発見した。

 しかも、その一部は死後最大4日間その状態で、活発になったものすらあったのだ。「死後24時間後にサンプルを採取すると、遺伝子の転写が増えているんですよ。驚きです」とノーブル教授は話す。

●死んだ直後、2日間に渡り活発に機能する遺伝子の存在が明らかに(米研究) : カラパイア

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人は異なる速度で各部分が徐々に死んでいく


 そうしたもののうち、かなりの数が発生遺伝子である。このことは素晴らしく、同時に少々心をかき乱す可能性を提起する。

 つまり死んだ直後から、体は人が胎児だったころの細胞状態に戻っているかもしれないということだ。ノーブル教授は、特定の動物細胞が死後、数週間生きていることを発見した。この研究は、人は一斉に死ぬのではなく、異なる速度で各部分が徐々に死んでいくことを示唆している。

 なぜ細胞によって死への弾力性が異なるのか確かなことは分からない。

 2016年の研究では、終末医療期の患者4名の生命維持装置を外し、その後の経過を観察した。

 その結果、死亡が診断(瞳孔散大、脈拍停止、心停止)されてから10分未満の間、デルタ波バーストが持続されたことを1名で確認した。デルタ波は通常、深い睡眠時に検出される脳の電気活動だ。


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臨死体験者が語る客観的な出来事


 パーニア医師の研究は、臨死体験をした人々の証言にも関連があるかもしれない。そうした人たちの話には、明るい光、誰かが手招きしていた、肉体の痛みからの解放、穏やかさといった共通点が見られる。

 そうした体験は主観的なものであるゆえに、幻覚が原因である可能性はある。しかし上手く説明できないのは、手術中や交通事故で臨死体験をした人が、上空から自分を見下ろしていたと証言することだ。

 彼らは自分を救うおうとする医師を眺めており、その時の状況は後で医師本人からも確認を取ることができる。

 一体なぜ死んでいる人間が客観的な出来事を説明できるのか、それは定かではない。また条件が同じでも、死を堪える人とそうでない人がいる理由も同様だ。

 だが、これは脳や体が死ぬ時、意識が、少なくとも直ちには、消えていない可能性を示唆しているように思える。

References:collective-evolution / authentictheology/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年03月05日 22:46
  • ID:VllmK5PM0 #

昔読んだ本に、死の間際にはエンドルフィン(だったと思う)が大量放出されて、それまでの痛みや苦しみから開放され、多幸感に包まれる、みたいなことが書いてあって楽しみにしてるんだけど、そこんとこはどうなっちゃんだろう…。

2

2. 匿名処理班

  • 2018年03月05日 22:51
  • ID:114JAYue0 #

医学が進歩すればするほど「死」が恐くなる
以前、夜に考え出すと飛び上がるほど死が恐い時があった
だって自分が消えて永遠になくなるなんて想像しただけで無理ですやん
でも「皆必ずいつか死ぬんだ」と思う事で割り切ってきたのに…

もし「死」を克服する時が来たら、逆にそれは永遠の始まりなのかな?
強制的に必ず迎えるからこそ受け容れられてきた死がそうでなくなる
今度は自分でその時を決めなければならないとしたら?

アカン
永遠も死もどっちも恐すぎるw

3

3. 匿名処理班

  • 2018年03月05日 22:52
  • ID:ar4bfxib0 #

どこからどこまでが臨死なんだろう
脳内出血で倒れて意識が戻るまでは
臨死体験かな?

4

4.

  • 2018年03月05日 23:02
  • ID:CXF.FDw30 #
5

5. 匿名処理班

  • 2018年03月05日 23:15
  • ID:oGludVgp0 #

まれに死亡診断されてから生き返ったって言う例があるのは、こういう細胞の活動が残っていたからなのか…

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