リーバイスは、この問題を解決するためにレーザー光線の照射でエイジングを行う「Project FLX」と称するシステムを導入しました。このシステムはまず加工するジーンズを撮影し、画像処理でそれぞれに合った風合いをイラスト化、そのイラストを、レーザー光線でジーンズ表面に軽く焼き込みます。
このシステムを使うことによって、これまで数分以上かかっていたジーンズ1本あたりのエイジング時間を約90秒にまで短縮、さらに使用する化学薬剤も大幅に削減できます。
お考えのとおり、このシステムはただのエイジングだけに利用されるのでなく、あらゆる絵柄をジーンズに描き込むことができます。この応用によって、従来なら数か月単位で必要だったジーンズ加工のリードタイムを数週間、または数日間にまで短縮することが可能になり、ほぼオンデマンドな生産の可能性が拡大するとのこと。
リーバイスは現在、最終的なProject FLX導入に向けたテストを実施しており、今後2年間のあいだにサプライチェーンに段階的に導入していく計画です。もちろん、Project FLXがジーンズ生産における環境負荷をエロにするわけではないものの、これまでよりクールな風合い・デザインでなおかつ環境にもやさしいジーンズが手に入りやすくなるのは、われわれ消費者にとっても心地よいのは間違いありません。
ちなみに、レーザーでジーンズのエイジングをする機械そのものはProject FLXが最初というわけではありません。
中国Golden Laser社は2014年ごろよりジーンズレーザー彫刻機を開発しているほか、個人でも国内購入可能なものとしてはX-Yプロッタ式にレーザー加工ができる
卓上小型 レーザー加工機も販売されています。