PUBGは発売一年目で3000万本を販売した、PCゲーム史上最大のヒット作。
現在のバトルロイヤルゲーム流行の火付け役であり、動画配信プラットフォームでの人気、世界最大のゲーム企業テンセントとの契約や、ゲーム機版時限独占を獲得したマイクロソフトの猛プッシュ、eスポーツ化など、今後の動向が注目される存在です。
開発中の有料ベータとしての販売期間が長く、昨年12月に一応の正式版1.0となってからも積極的な改良や新規要素の追加が続いてきましたが、爆発的な人気を受けて不正なプレーヤーがゲームを台無しにするチートの問題も深刻化。
開発元PUBG Corp.は本来ならば今年初めに予定していた年間開発ロードマップの公開を先送りして、まずはチート対策に専念する姿勢を明らかにしていました。
こうした経緯を経て、ようやく公開されたのが今回の年間ロードマップ。ゲームとしての改良や新規要素の追加だけでなく、PUBGがこれからどこへ行くのか、すでにピークを終えたのかまだまだ始まったばかりなのか、今後の影響を占ううえでも注目の内容です。
詳しい内容はリンク先の公式を参照していただくとして、ざっくりまとめると:
全般
・実験的テストサーバを新設従来はライブサーバ(本サービス)、本番前に問題がないか確認するテストサーバの2系統でしたが、新たに実験サーバを追加。
今後の新システムや新要素の追加について、早い段階から一般プレーヤーが試せるようにし、意見や反応を開発に反映するため。今年のアプデ計画に含まれる要素の多くは、まずこの実験サーバに導入したのち時間をかけて調整する方針です。
新コンテンツとゲームプレイ
・従来の1/4サイズとなる新規マップ追加新設の実験的テストサーバに4月導入。人口密度が高く、テンポの良いゲーム展開が目的
・8x8km(従来サイズ)の新規マップ・Emoteシステムの追加いわゆるキャラクターのジェスチャ機能。開発中の画面ではリングメニューから選択式。年間を通じて新規Emoteを追加してゆく予定。
・新規ゲームモードの追加初期段階のため、詳細は非公開
・新規の乗り物(今年前半)、武器、アタッチメント追加・近接戦闘システムの改良
・四肢や乗り物の貫通効果弾道計算や部位ダメージなどと同様、PUBGの特徴であるリアル志向の強化
・車両の音のディテール追加車両のサスペンションやスライド音を加え、音で挙動が分かりやすく(2018前半)。さらに気候の反映、車両を含む雨の当たる面による音の違いなど全般のサウンド強化。
・プレーヤーのサウンド刷新、リアル化状態による呼吸音の変化、身に着けた装備による動作音の違いを反映。POVによる銃撃音の差を反映。
・パラシュートシステムの刷新反応改善と、全体的なアニメーションの洗練
・実績、ゲーム内フレンドリスト、メニュー画面で使えるスクワッドボイスチャット・武器やパラシュートのスキン・TPP/FPPアニメーションシステムの刷新乗り物への乗降や席替えを含む、アニメーションをより滑らかに、自然に、環境にあった動きに。
プレーヤーの動きを改善することで、3Dリプレイでの見た目を向上させ、動画などPUBGで作られるコンテンツの質を高める狙い。
安定性・最適化・チート対策
サーバ・クライアント双方の最適化、安定化、チート対策も引き続き優先課題。(チート対策については) 最大の効果を狙うためあらかじめ詳細は伝えられないが、大きな成果があったところで最新情報を共有してゆく。
Eスポーツ
PlayerUnknownいわく「正直、まだその段階ではない」が、いずれEスポーツとして十分な状態にする。バトルロイヤル種目の最高の基盤となることを目指し、特に観戦の側面をもっと強化する。ライブ観戦、試合中に使える3Dリプレイなど。ランキングシステムの改善。プレイデータAPI提供(後述)。
API公開、開発者対応
開発者ポータルを開設。PUBG開発者APIを公開。
APIの目的のひとつは、プレーヤーデータやマッチデータ、戦績データに外部のサービスがアクセスできるようにすること。(たとえばプレーヤーのPUBG戦績を組み込んだEスポーツウェブサイトやサービス)
もうひとつ、PUBG内に外部の開発者がカスタムゲームを作ること。これはPUBGからかけ離れた新作ゲームを開発できるようにするゲームエンジン的な意味ではなく、Eスポーツ団体などが需要にあわせたカスタムゲームを作れるようにすること、その際のPUBG Corp公式の負担軽減が目的。
この年間ロードマップはすべてを網羅しているわけではなく、2018年内にもまだ公表できない多数の新要素やアップデートを用意しています。