ゾウはとても賢い動物である。鏡に映った自分を姿を自分のものであると認識する「鏡像認知」はもちろん、誰が敵で誰が味方である事をずっと記憶することができる。
数百種類もの音を聞き分けまねることもでき、その音を使い家族や仲間とコミュニケーションをとっている。感情も豊かで仲間も楽しんだり、時に仲間の死に悲しみ涙を流す。
フィンランドの研究者が、ゾウにも人間と似た特性があることを確認した。
人間はビッグファイブと呼ばれる特性5因子を持っており、これらの組み合わせに個性が作られていくが、ゾウも人間と似たような特性因子を持っており、それによって性格が作られているのだという。
その3つは「注意深さ・社交性・攻撃性」である。
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ミャンマーで使役されている250頭のゾウを大規模調査
フィンランド・トゥルク大学のマーティン・シュテルトマン博士率いる研究チームは、ミャンマーで使役されている250頭以上のゾウの行動を分析して、新たな報告を行った。
林業に従事し、丸太を引っ張って移動させるのに使われているゾウの大規模集団だ。ゾウはそれぞれ、ゾウ使いと呼ばれる職人と一緒に働く。
報告によると、ゾウの社会的関係は一生を通じて死ぬまで続くという。だからゾウ使いは自分のゾウの行動を熟知していて、その個性について詳細な情報を提供してくれる。
ゾウ使いとゾウの関係を踏まえ、ゾウ使いに一緒に働くゾウの傾向について評価してもらった。ゾウの個性についての質問事項に答えてもらい、通常28あるというゾウが見せる特徴を実際に目の当たりにした頻度を記述してもらった。
象のもつ3つの特性
その結果、ゾウは「注意深さ・社交性・攻撃性」という顕著な3つの特性因子を持っており、それはオスにもメスにも共通していた。
注意深さは、象がどれくらいまわりの環境を把握して行動しているかどうかと関係している。社交性は、他のゾウや人間への親密感、積極性は他のゾウに対してどれだけ押しが強いか、社会的相互作用にそれがどれだけ影響してくるかを表わす。
これらの特性の有無、組み合わせなどでゾウの個性が決まっていくという。
人間と共通した特性を持つゾウ
2014年から2017年にかけて行ったこの調査の回答を集約して分類したところ、ゾウと人間はその生活史や行動において多くの点で似たような特徴があると言う。
「わたしたちは、明らかにほかのゾウとは違う勇敢で興味深いゾウたちに会うことができました。例えば、彼らはいつもご褒美のスイカをこっそり失敬しようとしたのです」とシュテルトマンは言う。
人間と同様、ゾウは寿命が長く、一度に一頭の子どもを産む。子どもは生まれてから後もけっこう長い間、母親ゾウやほかのメスの保護を順繰りに受けることになる。
複雑な個性を発達させていったゾウ
いろいろな個体がいる複雑な社会環境の中で生きることは、きめ細かい複雑な個性を発達させる原因となる。
シュテルトマンは、個性の特徴は人間独自のものではなく、多くの動物に影響を及ぼしていると説明する。
「人間以外の動物の個性の研究は、これまでのところ霊長類、ペット、動物園の動物たち、あるいは比較的寿命の短い種に限られています。人間以外で、野生に生息する長寿命の生き物の個性の研究は珍しいことです」
シュテルトマン博士たちは、この研究がゾウの保護活動を前進させ、ミャンマーのゾウたちの幸福に役立ってくれることを望んでいる。
ゾウの中にもシャイな子もいれば積極的な子がいて、ちょっとずるい子もいれば要領の悪い子もいる。そしてそれを人間目線で判断しても差しさわりがないほどに人間によく似た個性ってことなんだね。
References:Asian Elephants Have Different Personality Traits Just Like Humans/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
嬉しいゾウ ^J^
2. 匿名処理班
こういう自分の気に入った知能が高い動物は人間に近いから大切にしよう的な発想は好きでない。
ブタやラットだって賢いのに。
3. 匿名処理班
鳥やハムスターなどの小動物でも性格あるように感じる
特に野良ネコなんて俺は猫神様だーというすげえ性格や
いやあ私臆病ですのでといって、人の顔を見て逃げたり
そのくせだるーんとひっくり返ってる気まぐれもいる
4.
5. 匿名処理班
馬や牛や豚やイルカや犬や猫などの家畜になるような動物は全て同じ特性を持っていることは明らかなのに、象に限った考察しか持てない研究者は未熟で違和感すら覚える
6. 匿名処理班
「鏡象認知」でもある意味間違ってない?
7. 匿名処理班
博士のコメントを見るに象は寿命がかなり長いから今まで研究が進まなくて
最近ようやく明らかになった部分がニュースになっているんだろう
恐らくもっと短命の動物の研究は先行していて成果もある程度発表済だろうから今回取り上げないだけ
8.
9. 匿名処理班
少し古い情報かもしれないけど、
リズムを取る事のできる動物は鳥とゾウのみ
(あと人間か)と読んで、感慨深かった。
10. 匿名処理班
所詮人間目線の分析でしかないから「人間に近い生き物である」とゾウが言われて喜ぶとは思えない。ゾウにはゾウの深い精神性があり、その喜びや悲しみを人間が人間の行動や社会規範に当てはめて理解するなんて、甚だ間違っている気がする。
11. 匿名処理班
孤独に歩め。悪を成さず。求るところは少なく。林の中の象のように。
12. 匿名処理班
前に象の群れのドキュメンタリーを見たことがある
ある時群れのリーダーだった若い雌の母象が死んでしまった
リーダーの象は母親が骨になってしまってもずっとその場から
動こうとせずいつまでも母親の骨の前で佇んでいる
もうじき乾季が迫っていて群れは水を求めて移動しないと
いけないというのにリーダーが動かないから群れも移動出来ない
もう一日の猶予もない、という頃、突然一頭の象が骨の前で佇む
リーダー象を鼻で引っ叩き、体を無理に押しのける様にして
移動させ、水場を求めて歩き出させた
引っ叩いた象は死んだ象の母象、つまりリーダーの象にとって
祖母に当たる象だとナレーションは説明していた
鼻で引っ叩く姿が「いい加減にしなさい!いつまで悲しんでるの!
そんなんじゃ、この子だって浮かばれないよ!」と言ってるみたいで
象って人間みたいだなあ、と感じたんだけど、その感覚は正しかったのかな
13.
14. 匿名処理班
幼いときに像使いに兆着(ひっぱたかれた)された事を決して忘れず、隙をうかがうことなんと50年、ついに意趣返しを果たし、象使いを殺害した象の記事を読んだ事があるよ。
そん時思った「象に聞いたの?」って。