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過去のおすすめ記事の再掲です

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 21:57:06.00 ID:KEm3lciQ0


女生徒読んで見る目が変わってしまった

面白いな

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/275_13903.html





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 21:58:13.37 ID:KEm3lciQ0


こことか凄いなって思ったよ



肉親って、不思議なもの。
他人ならば、遠く離れるとしだいに淡く、忘れてゆくものなのに、
肉親は、なおさら、懐かしい美しいところばかり思い出されるのだから。








3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 21:59:18.12 ID:KEm3lciQ0


こことか



女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。








4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 21:59:59.48 ID:KEm3lciQ0


いいなあ




いま、という瞬間は、面白い。
いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。
ブリッジの階段をコトコト昇りながら、ナンジャラホイと思った。ばかばかしい。私は、少し幸福すぎるのかも知れない。








195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2012/06/11(月) 00:21:57.57 ID:mbIYbzfBP


女生徒は格別に面白いね
短編集としても外れがないし
皮膚と心とかきりぎりすとか良い






24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:14:24.38 ID:KEm3lciQ0


高いリアリズムが、女のこの不埒と浮遊を、しっかり抑えて、かしゃくなくあばいて呉れたなら、私たち自身も、
からだがきまって、どのくらい楽か知れないとも思われるのですが、女のこの底知れぬ「悪魔」には、誰も触らず、
見ないふりをして、それだから、いろんな悲劇が起るのです。
高い、深いリアリズムだけが、私たちをほんとうに救ってくれるのかも知れませぬ。
女の心は、いつわらずに言えば、結婚の翌日だって、他の男のひとのことを平気で考えることができるのでございますもの。

皮膚と心 太宰治

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/267_34632.html







54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:37:50.92 ID:KEm3lciQ0


夢は、れいのフロイド先生のお説にしたがえば、この現実世界からすべて暗示を受けているものなのだそうであるが、しかしそれは、母と娘は同じものだという暴論のようにも私には思われる。
そこには、つながりがありながら、また本質的な差異のある、別箇の世界が展開せられている筈である。
私の夢は現実とつながり、現実は夢とつながっているとはいうものの、その空気が、やはり全く違っている。
夢の国で流した涙がこの現実につながり、やはり私は口惜しくて泣いているが、しかし、考えてみると、あの国で流した涙のほうが、私にはずっと本当の涙のような気がするのである。

フォスフォレッスセンス 太宰治

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/310_20192.html







56 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 22:40:21.55 ID:xcJLKxdt0


俺はここが好き


「聖母子」私は、其の実相を、いまやっと知らされた。たしかに、無上のものである。
ダヴィンチは、ばかな一こくの辛酸を嘗めて、ジョコンダを完成させたが、むざん、神品ではなかった。
神と争った罰である。魔品が、できちゃった。
ミケランジェロは、卑屈な泣きべその努力で、無智ではあったが、神の存在を触知し得た。
どちらが、よけい苦しかったか、私は知らない。けれども、ミケランジェロの、こんな作品には、
どこかしら神の助力が感じられてならぬのだ、人の作品でないところが在るのだ。ミケランジェロ自身も、
おのれの作品の不思議な素直さを知るまい。ミケランジェロは、劣等生であるから、神が助けて描いて
やったのである。これは、ミケランジェロの作品では無い。


太宰治『俗天使』

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2280_15071.html







35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:20:42.59 ID:e3HrU8hR0


太宰は短編のほうが面白いよね

葉桜と魔笛」が好き

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/42376_15545.html









37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:22:22.39 ID:jcrfoalG0


太宰で1番すごいのは斜陽だと思う

でも富岳百景等に見られるボンボンくさいのんびりとして
上品な性格もひとつの魅力だと思う


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1565_8559.html








45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:27:20.60 ID:KEm3lciQ0


>>37
ボンボンくさいというか、ボンボンぶっているというか
そういうところが人間臭い人だよね







138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:35:50.12 ID:q3dHkWBV0


斜陽の母の描写が好き
あれは絶対いい人妻









14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:07:17.23 ID:OEmhY1i40


三島由紀夫は大学を卒業する直前、太宰治と直接会う。

「僕は太宰さんの文学は嫌いなんです」
これに対して太宰は虚をつかれたような表情をして誰へ言うともなく
「そんなことを言ったって、こうして来てるんだから、やっぱり好きなんだよな。なあ、やっぱり好きなんだ」
と答えた。

しかし、その場に居合わせた野原一夫によれば、
「きらいなら、来なけりゃいいじゃねえか」と吐き捨てるように言って顔をそむけたという。



「私が太宰治の文学に対して抱いている嫌悪は、一種猛烈なものだ。第一私はこの人の顔がきらいだ。
 第二にこの人の田舎者のハイカラ趣味がきらいだ。
 第三にこの人が、自分に適しない役を演じたのがきらいだ。
 女と心中したりする小説家は、もう少し厳粛な風貌をしていなければならない。

 私とて、作家にとっては、弱点だけが最大の強みになることぐらい知っている。
 しかし弱点をそのまま強みへもってゆこうとする操作は、私には自己欺瞞に思われる。
 どうにもならない自分を信じるということは、あらゆる点で、人間として僭越なことだ。
 ましてそれを人に押しつけるにいたっては!

 太宰のもっていた性格的欠点は、少なくともその半分が、冷水摩擦や器械体操や規則的な生活で治される筈だった。
 生活で解決すべきことに芸術を煩わしてはならないのだ。
 いささか逆説を弄すると、治りたがらない病人などには本当の病人の資格がない。」






17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:09:07.23 ID:KEm3lciQ0


>>14
ああ、愛する三島由紀夫だ








119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ ] 投稿日:2012/06/10(日) 23:23:47.30 ID:mGj3RyYk0


三島信奉者だと>>14のエピソードを思い出してしまっ大宰を
あまり好きになってはいけないような気がしてしまう
実際はそこまで嫌いではないけど
あとは谷崎潤一郎とか好きだね








44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:26:28.46 ID:mEUkFtlb0


太宰というか、人間失格が嫌い


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html







46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:27:37.89 ID:KEm3lciQ0


>>44
俺もその口だったよ








49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:29:15.73 ID:mEUkFtlb0


>>46
べつに人間失格以外は嫌いじゃないんだがな・・・
ただあの自虐風自慢は読んでて気持ちのいいもんじゃないなっていう








42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:25:24.25 ID:Ket+l5KE0


太宰は気分悪くなる作品が多い
でも読んじまう







45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:27:20.60 ID:KEm3lciQ0


>>42

畜生談が胸糞悪いながらに好きだなあ


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/246_34649.html







79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:55:58.94 ID:uJdAV9jl0


お伽草子ぐらいしか好きじゃない

あんまり読んでいないけど


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/307_14909.html







81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:56:17.92 ID:LSZ9DrZVO


正義と微笑しか読んだことないけど好き


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1577_8581.html









77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:54:19.40 ID:n2ETsh9AO


最近過大評価され過ぎな感じがする作家ナンバー1

しかし駆け込み訴えはガチで凄い


http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/277_33098.html







82 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 22:57:05.10 ID:xcJLKxdt0


>>77
実際比肩する奴がいない、ガチ天才だけどな








105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:14:29.79 ID:jcrfoalG0


良くも悪くもいわゆる文豪の中では1番人間臭い文章を書く人だろうな








9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:03:49.77 ID:KEm3lciQ0


「桜の花が咲くのだよ」
「桜の花と約束したのかえ」
「桜の花が咲くから、それを見てから出掛けなければならないのだよ」
「どういうわけで」
「桜の森の下へ行ってみなければならないからだよ」
「だから、なぜ行って見なければならないのよ」
「花が咲くからだよ」
「花が咲くから、なぜさ」
「花の下は冷めたい風がはりつめているからだよ」
「花の下にかえ」
「花の下は涯(はて)がないからだよ」
「花の下がかえ」

桜の森の満開の下 坂口安吾


http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42618_21410.html








10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:05:05.16 ID:KEm3lciQ0


美しい娘の首がありました。清らかな静かな高貴な首でした。
子供っぽくて、そのくせ死んだ顔ですから妙に大人びた憂いがあり、閉じられたマブタの奥に楽しい思いも悲しい思いも
マセた思いも一度にゴッちゃに隠されているようでした。女はその首を自分の娘か妹のように可愛がりました。
黒い髪の毛をすいてやり、顔にお化粧してやりました。
ああでもない、こうでもないと念を入れて、花の香りのむらだつようなやさしい顔が浮きあがりました。


桜の森の満開の下 坂口安吾








15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:07:18.92 ID:bavqrGJc0


桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。








58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:40:52.24 ID:KEm3lciQ0


仕事には全力を賭けること、これは仕事というもの、つまり生きることを真に理解するものには当然のこと、
むしろ、生のほかに死後というものを考える人の方に、生きることの全的な没入や努力は分らないのだろうと思う。
生きること、全我を賭けて努力し生きることを知るものには、死後はないと私は思う。

私の葬式 坂口安吾

http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42838_27737.html








60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:44:38.35 ID:rkgeWIyb0


安吾であれば「不良少年とキリスト」に限るよ、君


http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42840_24908.html









63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:47:01.76 ID:KEm3lciQ0


>>60
この間オススメしてもらって読んだよ
面白いねえ 特にここのゲッの部分じゃにやりとしてしまったよ



「人間失格」「グッドバイ」「十三」なんて、いやらしい、ゲッ。他人がそれをやれば、太宰は必ず、そう言う筈ではないか。
 太宰が死にそこなって、生きかえったら、いずれはフツカヨイ的に赤面逆上、大混乱、苦悶のアゲク、「人間失格」「グッドバイ」自殺、イヤらしい、ゲッ、そういうものを書いたにきまっている。









16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:08:02.61 ID:KEm3lciQ0


夜になると星の光りや、浪の音や、虫の声や、風の葉ずれや、木の実の落ちる音が、一ツ一ツに聖書の言葉をささやきながら、
私たち二人を取り巻いて、一歩一歩と近づいて来るように思われるのでした。そうして身動き一つ出来ず、微睡(まどろ)むことも出来ないままに、
離れ離れになって悶えている私たち二人の心を、窺視(うかがい)に来るかのように物怖ろしいのでした。
 こうして長い長い夜が明けますと、今度は同じように長い長い昼が来ます。そうするとこの島の中に照る太陽も、唄う鸚鵡(おうむ)も、
舞う極楽鳥も、玉虫も、蛾も、ヤシも、パイナプルも、花の色も、草の芳香も、海も、雲も、風も、虹も、みんなアヤ子の、まぶしい姿や、
息苦しい肌の香とゴッチャになって、グルグルグルグルと渦巻き輝やきながら、四方八方から私を包み殺そうとして、襲いかかって来るように思われるのです。
その中から、私とおんなじ苦しみに囚われているアヤ子の、なやましい瞳が、神様のような悲しみと
悪魔のようなホホエミとを別々に籠めて、いつまでもいつまでも私を、ジイッと見つめているのです。

瓶詰地獄 夢野久作

http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2381_13352.html









20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:10:07.17 ID:Kr5d/x1m0


>>16
この人の書く女性ってなんか良いよな








22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:11:51.17 ID:KEm3lciQ0


>>20
名の通り、夢見がちな気狂いの文章を書く人だと思う








23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:12:59.04 ID:KEm3lciQ0


私は姉をかき抱いて泪ながらに、そのザラザラな粗悪な白壁のような頬へ接吻した。姉は私の胸の中で、身もだえして唸った。

可哀相な姉 渡辺温

http://www.aozora.gr.jp/cards/000020/files/195_26091.html








25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:15:13.77 ID:KEm3lciQ0


数時間の後、ランプの消えた部屋の中には、唯かすかな蟋蟀(こほろぎ)の声が、寝台を洩れる二人の寝息に、
寂しい秋意を加へてゐた。
しかしその間に金花の夢は、埃じみた寝台の帷(とばり)から、屋根の上にある星月夜へ、煙のやうに高々と昇つて行つた。

南京の基督 芥川龍之介

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/105_15146.html








19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:09:51.53 ID:NAqOa6ae0


芥川のあばばばばが好き


http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/14_14602.html







22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:11:51.17 ID:KEm3lciQ0


>>19
あれは面白かった
憎いラストだった








40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:24:11.67 ID:mEUkFtlb0


芥川は蜜柑とか河童がいいな

あばばばばもいいな


http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/98_15272.html


http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/69_14933.html








38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:23:09.12 ID:bavqrGJc0


芥川龍之介の杜子春が印象深い

あと中島敦の山月記


http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/170_15144.html


http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html









39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:24:06.38 ID:Kr5d/x1m0


山月記は弟の教科書に載ってたな
俺も好きだわ









86 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 23:00:49.65 ID:xcJLKxdt0


種田山頭火もいいよ

青空文庫って便利なもんだな


http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person146.html#sakuhin_list_1








88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:02:05.92 ID:mEUkFtlb0


最近葉山よしきを青空で読んだ
セメント樽以外も面白い

http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person31.html







28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:16:54.30 ID:Sn/NwErSP


それまでにも老師を殺そうという考えは全く浮かばぬではなかったが、
忽ちその無効が知れた。何故ならよし老師を殺しても、あの坊主頭とあの無力の悪とは、
次々と数かぎりなく、闇の地平から現れて来るのがわかっていたからである。
おしなべて生あるものは、金閣のように厳密な一回性を持っていなかった。
人間は自然もろもろの属性の一部を受け持ち、かけがえのきく方法でそれを伝播し、
繁殖するにすぎなかった。殺人が対象の一回性を滅ぼすためならば、殺人とは永遠の誤算である。
そのようにして金閣と人間存在とはますます明確な対比を示し、
一方では人間の滅びやすい姿から、却って永生の幻がうかび、金閣の不壊の美しさから、
却って滅びの可能性が漂ってきた。人間のようにモータルなものは根絶することができないのだ。
どうして人はそこに気がつかぬのだろう。私の独創性は疑うべくもなかった。
明治三十年に国宝に指定された金閣を私が焼けば、それは純粋な破壊、
とりかえしのつかない破滅であり、人間の作った美の総量の目方を減らすことである。






29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:17:26.33 ID:KEm3lciQ0


>>28

一目で金閣寺だとわかる

でももっと良い個所あるよね






36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:21:02.16 ID:Sn/NwErSP


>>29
最も名文とされてるのはここだよ







62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:45:23.79 ID:KEm3lciQ0


太宰に影響を受けた文章は今でもウケるんだろうなあ
三島に影響を受けるとウケそうにもないけどさ







65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:47:11.24 ID:cpHgBmdT0


結局のところ太宰より共感できる作家なんていなかった









67 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 22:48:43.03 ID:xcJLKxdt0


>>65
どこのリア充だよ









68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:49:02.71 ID:KEm3lciQ0


>>65
共感という点では、太宰も良いんだけど、やっぱり一番は三島だったなあ
何が違うのか、と言われると言葉に詰まるんだけどね








72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 22:52:06.91 ID:mEUkFtlb0


三島も太宰もナルシストって意味では共通してるけどな







126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:28:45.99 ID:rkgeWIyb0


漢文に造詣が深い作家は文章が段違いに上手いね








128 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 23:29:37.84 ID:xcJLKxdt0


>>126
夏目漱石「呼んだ?」


夏目先生は正直猫がピークですが

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html





129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:30:09.50 ID:KEm3lciQ0


>>128
漱石の漢詩は中国でも絶賛されるらしいからな









131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:30:49.30 ID:nlQOJsUz0


文章の綺麗さって具体的にはどういうことなの?








134 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 23:33:20.94 ID:xcJLKxdt0


>>131
「言葉」って本来限界があるものなんだけど、
その「限界」のせいで出てくる違和感が限りなく気にならないというか
レゴブロックで球体を作って見せられた気分になる、そんなような







135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:33:50.26 ID:KEm3lciQ0


>>131
具体的にはと言われると難しい
文字の選び方・音楽的なリズム・行間で表現するテーマ
そのぐらいしか思いつかん







149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:45:50.10 ID:q3dHkWBV0


>>131
日本語は表現法が様々あるので
わかりやすく簡素でかつ、的確で音を重視しているのが一般的に見て美しいとされると思う







144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:41:47.49 ID:meu9Nwcc0


太宰にしろ芥川にしろ昔の文豪って
言語能力とか文章能力が化け物じみてるのは分かるんだが、ひけらかしすぎ

難しいものをシンプルかつ分かり易く伝える方がクリエイターとして正しいと思う
純文学が萎んでラノベやコミックが文化として肥大したのは必然







146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:44:04.25 ID:Kr5d/x1m0


>>144
少なくとも、太宰は国語欠点の俺でも読めるありがたい文学







147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:44:38.36 ID:jcrfoalG0


>>144
内容のよさというのが内面のよさだとするなら文章のよさは外見のよさなんだぜ
内面は大事だけど外見のよさも大事だろ








153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:47:42.92 ID:2FREz/Jy0


現代作家だと村上龍が好き
これ言うと馬鹿にされる







158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:49:56.84 ID:uJdAV9jl0


龍の表現力は異常
五分後の世界みたいのが書ける奴はいない
オヤジ臭さもすさまじいけど







160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:52:24.43 ID:2FREz/Jy0


>>158
薄汚いものとか描写させると凄いよな
こっちまで吐きそうになるくらい






170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/11(月) 00:01:03.49 ID:dF8N9q1g0


ドラゴンは社会評論で株を下げてるイメージだなあ
小説はいいんだがな
エッセイなんかじゃ時々「この人ホントに芥川賞取ったの?」
と思う文章に遭遇する







120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:24:44.26 ID:Sn/NwErSP


日本文学の頂点と言える作品は
漱石でも芥川でも太宰でも谷崎でも三島でもなく

太宰がコケにした志賀直哉の「小僧の神様」だと思う

あんな完璧な小説はない







125 名前:キュア坊主 ◆Ocure013Nwik [] 投稿日:2012/06/10(日) 23:28:34.70 ID:xcJLKxdt0


>>120
それはそうかもしれない
『小僧の神様』は最終段のでしゃばりも素晴らしいからな







124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/10(日) 23:27:42.00 ID:KEm3lciQ0


>>120
志賀直哉はマジで読んでみたい
今度神保町に行って古本の全集買ってこようと画策している


小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)
太宰治全集〈1〉 (ちくま文庫)
ベストセラー小説の書き方


元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339333026/





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