944 名前: おさかなくわえた名無しさん sage 投稿日: 03/07/29 13:50 ID:UqGMYHKG
高校3年の時、部活(演劇部)の地区大会の日。
それまで審査員ウケのいい台本を使って県代表に選ばれたりしてた
うちの部だったけど、最後の大会だから、って3年全員で顧問に直訴して
オリジナルのコメディをやらせてもらったんだ。
私は脚本演出だった。
コメディはよっぽど上手く書かないと審査員ウケが悪いって言われてたし
すでにコメディをやらせたら県内一みたいに言われてる名門校もあって、
だからみんなすごく力が入ってた。
夏休み中ずっと部員みんなで何度も台本練り直して、時には喧嘩になって
泣きながらギャグシーン書いた夜もあった。
大会当日、私たちの学校は大トリだった。
私たちの劇の前、他の高校の人が「今年の地区代表は**高校で決まりだな」って
言ってて、私たちみんな、うちらの劇を見せてその予想を覆してやる!って燃えた。
皆で大会会場の近くの小学校のグランドを走って体をほぐした。セミが鳴いてた。
私たち3年にとって最後の劇だった。
舞台が始まって、演出だった私は衣装の子と二人で客席で見てた。
私たちが泣きながら考えたシーンで、会場中が大爆笑してた。
後ろから「この劇最高!」「笑いすぎておなか痛い!」って言ってる声が聞こえて
あんなに最高の気分になったのは生まれて初めてだった。
審査員の偉い人も爆笑してた。ギャグなんか分からないだろうお年よりもつられて笑ってた。
幕が降りてきた時、会場が震えるくらいの拍手をもらった。
審査結果なんてどうでもよくなって、3年みんなで舞台裏で抱き合って
この日を一生忘れないと泣いた。
ライバルの名門校の人が私に「あなたが今年引退する3年生で良かった」と言いに来た。
結局、地区代表に選ばれて県大会出場決定したけど
あの時のお客さんたちの笑い声の方がずっとずっと嬉しかった。
部活を引退してからは部活の友達とも会わなくなって、今じゃ連絡もとらなくなったけど
あんなに幸せな気持ちはそうそう味わえないと思う。永遠の一日だった。